ピアノソナタ12番 byモーツァルト

2016-08-07 17:53:00 | 音楽の魅力

連日の猛暑ですが、暦上は、

もう立秋となります。

昔だったら、赤トンボなんか飛んで

秋の風情が見え始める頃ですが、今はそんな

風情もタイミングが変わってきました。

でも、秋の気配は気づかないうちに少しづつ

忍び寄ってきているはずです。

こんな四季の微妙な変化にも似た

音感を醸し出してくれていると個人的に

感じいる音楽を紹介しましょう。

それは、モーツァルト作のピアノソナタ12番。

彼自身が今風に言えば、ドラマの脚本を書き、

演出も受け持っていると感じるくらい

変化に富んだソナタなのです。

無風の蒸し暑い夏の日が突然、秋風の吹く

日へと変貌を遂げるように。

それくらい変幻自在さを感じる面白い曲です。

小規模ですが、”風雲急を告げる”連弾の音を

楽しめると思います。

平穏が急にかき消され、何か問題が起こったような

変化。かと思えば、また暫く平静がよみがえり、

また変化の訪れ。第1から第2へ、そして最終楽章へと

ドキドキは止まりません。

まさに、モーツァルトらしい波乱の多い人生

に似た曲なんです。

おそらくこの曲を弾くピアニストの方は、表現し尽くす

のに、とても苦労されると思いますが、聴いている側は

実に飽きずに聞け、魂を揺さぶられると思います。

モーツァルトらしさが出ている、名曲であり

難曲だと思います。

ショパンやラフマニノフの難曲とは、また違う

趣きや曲想がふんだんにあるのが興味深いところです。