極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

量子ドット型波長変換粒子

2016年08月19日 | デジタル革命渦論

 

   

     現在あるべき妥当な税制の原型は、税全体の中で消費税を六割から七割に、所得
     税を
四割から三割の比に改定することだという原則が、わたしの考え方の延長線
     から当然のように出てくる。そして税の理想的な最終形態は所得税ゼロ、消費税
     十割となることは論をまたない。この原則と理想を、創り出されるべき税制度の
     無意識の原型として踏まえたうえで、所得税を限りなくゼロに近づくように大幅
     に激減させながら、消費税に徐々に切り換えてゆくというのなら、わたしはそれ
     が最良の税政策だとかんがえている。

                  「税と景気のはなし:情況との対話 第十三回」
                                
                              サンサーラ 1994年

                                                                 
                                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

      ※ デフレスパイラル、消費性向、富収奪の経路依存、失業不安と現実社会は、
       モタモタしているうちに円高が迫り、吉本の思いとは裏腹に進行する。
 

   

   

【量子ドット工学講座 19:波長変換粒子の製造方法】

 

数ある再生可能エネルギーの中でも,太陽光発電はとりわけ成長が著しく、急速に普及。その中で
も結晶シリコン
太陽電池が主流。その生産方法と生産量量は今後も改善され、順調に増加していく
と考えられる。太陽光発電のさらなる普及には,発電電力単価の低減が必要であり、変換効率向上
やコストの
低減が喫緊の課題となる。今夜は、結晶シリコン系太陽電池セルの感度スペクトルと太
陽光スペクトルのミスマッチによる損失を改善し,高効率
化を実現する材料として,太陽電池モジ
ュールの封止シートに適
用可能な波長変換粒子(Wavelength Conversion Partide=WCP)について考え
る(図1・2参照)。図2は、日立化成が07年,太陽光の有効利用を目的に短波長の光(紫外線)
を長波長の光(可視光)に変換する蛍光体の研究を開始し、11年に耐久性と光学的な散乱効果など
を解析し,アクリル樹脂粒子内に蛍光体を含有させたWCPか変換効率向上に有効であることを見い
だした波長変換粒子の概念図で、14年に販売を開始している。



蛍光体をアクリル樹脂でカプセル化し、その粒子径と粒度分布およびカプセル中の蛍光体濃度を調
整、WCPは現状封止シートの主流であるEVA(Ethylene-vinyl
Acetate)を始め,オレフィン系やアイオ
ノマー、ポリビニルプチラール等の樹脂を使用した封止シートに適用可能を特徴とする。
WCPをほ
かの添加剤とともにシート作製時に配合し、シート作製プロセスを変更せず、封止シートに波長変
機能を付与。波長変換機能を付与したEVA封止シートを受光面側封止材とし適用したモジュール
で、従来のEVA
止シートを用いた太陽電池モジュールと比較して,変換効率か相対値で2.2%
向上。また信頼性の評価においても従来の
EVA封止シートと同様レベルである(下図参照)。

これに対し、下図の特許事例は、量子ドットを含む波長変換部材を有する液晶表示装置で、(1)
バックライト輝度低下、(2)表示面における表示ムラを抑制するための新たな手段を提供するも
ので、励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む波長変換層の波長変換部材で、波長
変換層が、量子ドットと重合性化合物を含む組成物の硬化層で、重合性組成物が、少なくとも一種
の第1重合性化合物を含み、1分子中に含まれる重合性官能基の数Fで分子量Mwを除した値Mw
/Fが130以上で、1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が1つであり、かつ Log P  
が3.0以下である単官能(メタ)アクリレート化合物であり、重合性組成物が、この組成物に
含まれる重合性化合物全量100質量部に対し第1重合性化合物を50質量部以上含有する波長変
換部材。バックライトユニット。液晶表示装置。量子ドット含有重合性組成物。波長変換部材の製
造に関わる方法である。


【符号の説明】

1 バックライトユニット1 1A 光源 1B 導光板 100 製造装置 10 第1のフィルム 
20 塗布部 22 塗膜 24 ダイコーター 26 バックアップローラ 28 硬化層 30 ラ
ミネート部 32 ラミネートローラ 34 加熱チャンバー 50 第2のフィルム 60 硬化部
62 バックアップローラ 64 紫外線照射装置 70 積層フィルム 80 剥離ローラ

特開2016-146460 波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置、量子ドット含有重合性組
成物、および波長変換部材の製造方法

US 20120113672 A1 Quantum dot films, lighting devices, and lighting methods 

   

【帝國のロングマーチ 26】   

          

● 折々の読書  『China 2049』44        

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」   

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
 

【目次】   

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
  

   

    第10章 威嚇射撃

                        百聞不如一見――百聞は一見にしかず

                                                 『漢書』趙充国伝


※ 百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事情勢は離れた
  ところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図りたい)



  2007年に中国が自国の気象衛星を爆眩したことは、一連の威嚇射撃(アメリカと同盟国
 の決意や、国際的基準で許される限度を試すために行ったらしい意図的な挑
発行為や敵対行為)
 の口火を切るもので、世界のほとんどの国はそれを見逃したり、
無撹したり、訪い逃れしたり
 した。威嚇射撃はその後の数年間でますます厚かましい
ものになっていった。その結果、東ア
 ジアの緊張は、第二次大戦以降でピークに達し
た。

  人工衛星を岐壊した後、中国は、アメリカとその新しい大統領であるバラク・オバマに対す
 る態度を明らかに変化させた。2009年12月、オバマ大統領はコペンハーゲンを訪問した。
 そこには、192カ国の代表が、気候変動に関する新たな地球規模の政策に合意するために集
 まっていた。この首脳会議で目を引いたのは、中国代表団の姿勢が大きく変わったことだ。彼
 らはいつになく無礼な態度を取り、欧米の代表の話を何度も遮り、建設的な意見をほとんど述
 べなかった(注4)。温家宝首相はほとんどの交渉への参加を拒み、他国の首脳たちを鼻であ
 しらった。気候協定の交渉案に西側が期待する公約が含まれることを阻止する付帯決議を、中
  国は他の発展途上の国々とともに採択してオブザーバーたちを驚かせた。それは、全世界の合
  意という会
議の目標に真っ向から歯向かう行為だった(注5)。アメリカ政府の高官によれば、
 中
国はアメリカが主導権を握るのを阻止するべく、会議の最後にオバマ大統領抜きの会合を開
 こうとしたが、オバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官が予告なしにそ
の会場に現れ、
 中国の企みが露呈したそうだ(注6)。

  台湾は長年、米中の諭争のもとになってきたが、2010年1月末、オバマ政権が台湾への
 64億ドルの武器売却を承認したのを機に、中国は、アメリカの長期にわたる
台湾への武器供
  与に改めて抗議し、台湾との関係の根本的な見直しを求めるとともに、今後の武器売却に疑問を投げ
  かけた。中国はアメリカから台湾への武器売却を「中国の内政へのはなはだしい介入」と呼ん
 だ。以前
よりはるかに攻撃的な表現だった。さらに中国は、アメリカとの軍事交流を一時的に
 中断し、台湾に武
器を売却したアメリカの企業に制鋏を加えた(注7)。この圧力に屈して、
 オバマ政権は次に提案された
台湾への高性能のF‐16戦闘機の売却を見送った。この弱腰の
 決断は、連邦議会
議員の批判を招いた(注8)が、その後、オバマ政権は米中間の軍事協力を拡大さ
  せた(注9)。

  中国が主張を強めたのは、勢が中国に有利になり、アメリカの衰退が予想より加速している
 と判断したためだ,さまざまな基準を用いて総合的な国力を評価し、そう判
断したのである(
 注10)。ウオール街から始まり、2008年から2009年にかけて世界
を襲った金融危機は、
 北京では、その後に起きることの前兆と受け止められた。
中国の評論家は、アメリカ経済は持
 ち直すが決して元通りにはならない、これからは世界の経済的指導力はさらに拡散し、アメリ
 カドルヘの依存度は弱まるだろう、と予測した(注11)。勢が自国に有利になるのを待って、
 海外で攻撃的にふるまうようになったことは、それまで戦略として辛抱しつづけてきたことを
 反映している。たとえ数十年侍つことになったとしてもである。

  この中国の打算を裏づける証拠が、2010年に露見した。それは、共産党中央委員会の外
 交問題専門家から中国の役人に送られた4ページからなる機密文書だった。この文書は「今後
 10年間に中国が直面する最も重要な外交政策上の問題は何か?」という問いに答えるものだ
 った。アメリカ政府が入手したその機密文書には、その専門家の回答として、「管理美国衰落
 (アメリカの衰退にいかに対処するか)」と記されており、それに役立ついくつかの戦術が語
 られていた。情報が正しければ、その報告は10年以内に中国がアメリカの経済を超えると示唆
 していた。

  アメリカの衰退に関するもう一つの証拠が、2012年にもたらされた,「軍事的均衡は中
 国寄りに傾いた」と断言するアメリカ政府の調査報告に対する中国の反応である。「中国寄り
 に傾いた」という報告は、2011年にアメリカナショナル・ディフェンス大学が発行したデ
 ヴィッド・C・ゴンパートとフィリップ・C・サンダース共著の信頼できる書籍 The Paradox
     of Power: Sino-American Strategic Restraint in an Age of Vulnerability(力の逆説‥不安定な時代に
  おける米中の戦略的抑制)に記されている,中国政府はその本を翻訳して配布し、海外からの
  客人に、「抑制を提言する趣旨には同意しがたいが、米軍が衰退し、核戦力やサイバー攻撃や
  宇宙兵器において中国がカを伸ばしていることを率直に認めている点は高く評価する」と伝え
  た(注12。中国の役入たちは、その本の結論には驚かされたとわたしに語った。

 

 「中国が地域軍事バランスを自国にとって望ましい方向に変えたことを、アメリカ政府が知っ
 ていると、その本は語っているのだから」
 実際、中国の政界や軍部の実力者の多くは、中国
 が既にきわめて強力になっている
 というアメリカの評価に驚いた。わたしが2012年と20
 13年に北京で耳にした
話では、この調査結果は、軍事バランスの新たな傾きを利用できる時
 が来ているかど
うか、計りかねていた中国の役人たちに、うかつにも証拠を提供してしまった
 よう
だ。

  聞くところによると、その本の「アメリカには、中国の発展を阻んだり、同盟や軍事力で包
 囲したり、米中の冷戦を始めたりするつもりはほとんどない」という主張
を、中国の政府と軍
 部の多くの人は真に受けていないそうだ(注13)。それは中国を欺
いて悦に入らせるための作
 り話だ、というのが彼らの見方だった。それでも、軍事バ
ランスが中国寄りに傾いているとい
 う著者の判断については高く評価していた,と同
時に、アメリカ政府が自国の衰退と、アメリ
 カにとってはうれしくない勢の現状を公
表したことに戸惑ってもいた。そして、ふたりの著者
 はそれぞれ自分の利益のために
本を書いただけ、というわたしの主張を本気にしなかった。

  いくつかの会合で同席した中国の軍当局者や学者たちは、「その本に書かれているのは、著
 者ふたりの私的な提案にすぎず、アメリカ政府の公式な政策ではない]とわた
しが重要撹しな
 いのを聞いて、嘲笑を浮かべつつ、「そんなはずはない。何しろ著者
ひとりは、オバマ政権の
 国家安全保障会議の中国担当主任スタフフであるエヴァン・
メディロスの親しい友人で、論文
 の共著者なのだから」と言った。もうひとりの著者
も、かつてアメリカ太平洋軍司令官だった
 国家情報長官、デェスーブレアの代理を務
めており、中国側から見れば権力を持つ人物だった。


 
  中国人たちは、「これは勢が変わ
って、力のバランスが中国寄りに傾いたことを示すメッセ
 ージだ」と確信していた。
そして、中国の台湾への攻撃を阻止するためにアメリカが核兵器を
 増強しても、中国
もまた核兵器の報復能力を伸ばしているので、その脅しは「すでに効果が弱
 く、今後
ますます無意味になっていく」という、その本の結論に同意した(注14)。しかし、
 
メリカがなぜ、そのような悲観的な結論を公にしたのか、と不思議がってもいた


特にコメントをつけず、次節に移ることに。

                                                            この項つづく

 

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