極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

カラー表示工学

2014年09月17日 | デジタル革命渦論

 

 


 

【カラー表示工学】 

シャープは12日、過酷な環境に強く直射日光下でも鮮明に表示できる新型ディスプレーの量産を2017
年にも始める方針を明らかにした。オートバイなどの車載用途を中心に売り込む方針だ。出資を受けて
いる米半導体メーカー、クアルコムの子会社と共同開発したもの。
量産するのは「MEMS-IGZO
ディスプレイ」。シャープとクアルコム子会社、ピクストロニクスが共同開発した。LED(発光ダイ
オード)を光源とし、色を表現するために光を制御する部分で、それぞれが得意とする技術を持ち寄っ
た。発色に応じて消費電力を減らすことができるほか、高温や低温などの変化に強いという。
開発には
シャープの米子工場(鳥取県米子市)の液晶パネルの生産ラインを活用し、設備投資金額を抑えた。年
度内に自動車やタブレット端末のメーカーにサンプルを出荷。量産技術を高めコスト低減を進めたうえ
で、自社製品への応用も進めると公表した



● IGZO技術

今回の基本技術の1つであるIGZOは、インジウム (Indium) 、ガリウム (Gallium) 、亜鉛 (Zinc) 、
酸素 (Oxide) から構成されるアモルファス半導体の略称で、これを利用する液晶ディスプレイ形式の
呼称だ。アモルファスシリコンを用いるTFT形式液晶が静止画表示時も定期的なリフレッシュに電力
を消費するのに対し、IGZOはリーク電流が少なく、リフレッシュ回数低減により静止画表示時の電
力消費を抑制して消費電力低減が可能である。電子移動度はアモルファスシリコン比20~50倍であり、
TFT回路の小型化による高開口率化や高精細化が期待される。ただし、視野角および発色性は発展途
上という技術特徴をもつ――1985年に合成に初めて成功し、1995年に「透明アモルファス酸化物半導体」
の一種として設計指針を提唱し、2004年にアモルファスIGZO TFT開発、2009年c-axis aligned crystal
(CAAC)構造を発見、2012年量産技術を確立。

● MEMS光学技術 

既存のカラーディスプレイより厚さを薄くし、輝度向上させ、エネルギー効率を高める技術は、時間-
多重光シャッター(time-multiplexed optical shutter:TMOS
 とよばれるもの。勿論、このデバイ
はMEMS(メムス:Micro Electro Mechanical Systems)は、機械要素部品、センサ、アクチュエ
ータ、電子回路を一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に集積化したデバイスを指す。
プロセス上の制約や材料の違いなどにより、機械構造と電子回路が別なチップになる場合があるが、こ
のようなハイブリッドの場合もMEMSという。
主要部分は半導体集積回路作製技術にて作るが、立体
形状や可動構造を形成するための犠牲層エッチングプロセスをも含む。液晶や有機ELカラー表示装置
に比べ、より明るく、安価な表示装置が提供できるということだ。表示部への光の流れを制御するため
「MEMS
シャッター」を使用し画素形成する。不透明膜と導光板とで立体的に隔離された構造の各画
素は静電気で接合し発光し、離合し遮光することで表示する(上図参照)。

さて、電流注入型有機EL表示装置は寿命・耐久・コスト面でなかなか浮上しないのはなぜなのか?
メーカの開発力不足と一言で片付けもできるが、実にジレッたいではないか。それなら、このわたしが
やってみせようかと思ったりもする。が、それはない。 ^^;。


 

 【遺伝子組み換え作物論 31】  

 

 

                           第9章 建設的な未来に向かうために

        「もしも、遺伝子組み換え作物に代わる解決方法があるなら、それを選択するこ
        とに反対する人はいないだろう」
         ――ハドソン顧問弁護士 
    
      (ニュージーランド王立協会)こ退仏子操作に関する生命科学不ットワーク)



  (1)広い視野で考えよう


  農薬を使わずに、食糧を増産させる方法は実は無故にあるのだ。しかもそれは、バイテク企業を
 儲けさせるだけの巨額でムダな投資を必要とせず、何千人もの科学者を袋小路の研究に縛りつけ
 こともない。ひと握りのバイテク企業に特許権を認めて、世界中の農民を奴隷にすることもない。

 農薬を使わない持続可能な農業を途上国に普及させて、地域コミュニティの発展に寄与すること。
 これこそ途上国における貧困を、根本的に解決する技術なのである。
  しかし、バイテク企業はこうした農業に何の関心もない。持続可能な農業によってメリットを
 享受できるのは、農民や地域の経済、消費者と環境だけだからだ。結局、遺伝子組み換え作物には、
 何の価値があるのだろうか。大量の農薬を使用して、遺伝子組み換え技術を用いた呉楽は、農業化
 学企業とその後援者である米国政府にしか利益をもたらさない。グローバリゼーションを進めるこ
 とは、今後も新興国や途上国の農民を先進国に依存させることに他ならないのだ。

      ① もう一つの品種改良

  
   遺伝子組み換えではないバイオテクノロジー

  実は、遺伝子操作の他にも大きな可能性をもつバイオテクノロジーがある。それが「マーカー利
 用選抜(MAS)」、一般的には「ゲノミクス」と呼ばれる技術である。この技術を利用すれば遺
 伝子の機能を分析することで品種改良に必要な情報を得ることができる。
  植物の中には収量や品質など、それぞれ特有の有用な性質をもつ遺伝子が存在する。そこでこの
 遺伝子を見つけ出して品種改良に生かせば、遺伝子組み換え技術を使わなくても、植物がもってい
 る本来の能力を引き出せるのだ。しかもこの技術なら反対もなく、特許権にもつながらない。
  「DNAマーカー」とは、その品種や個体に特有のDNAの配列のことである。そこで研究者は、
 このDNAマーカーを目印として、目的とする有用な遺伝子を見つけ出すことができる。この技術
 を使えば、植物の交配を何度も繰り返して選抜する必要がなく、初期段階の昌枝改良は実験室でで
 きる。畑で植物を育てて交配させ、よいものを選抜するという作業をくり返す必要がないので、時
 間も費用も節約できる。しかも、一代限りの「ハイブリッド種」のように、回一品種としての特性
 を保持できないこともない。在来種のように、その種子がもっている有用な性質を、何世代も持続
 させることができるのだ。こうして、野菜の栄養素を増やす、病気への抵抗を強める、食味をよく

 するなど、様々な改良を進めることができるのである。
  この技術に開する報告書は次のように述べている。

  ・中国では、研究者のデング・キユンが、DNAマーカーを使って野生穫のイネと中国で最高の
   ハイブリッド穫のイネを交配させ、収穫量を三割も増加させるイネの開発に成功した。緑の革
   衛以上に収穫量が増加した。
  ・インドのバンガロールでは、研究者のH・E・シャシダハルが、乾燥地に生息する品種を集め、
   DNAマーカーを使って、亜流が行なわれていない土地でも高収量が期待できるイネの開発を
     進めている。
  ・西アフリカでは、耐乾燥性のアフリカ米と高収量のアジア米を交配した一般穫のイネである
    ”ネリカ米”が開発された。”ネリカ米”は雑草より早く生育するので除草剤の必要がなく、
   絹
害虫に強く、干ばつにも強い。しかも、従来の品種より32%もタンパク質が豊富である。

  モンサント杜で品種改良を担当する責任者も、その可能性を認めている。

  「無数に存在する品種の中から最上の品種を育てることは、数字を当てるゲームのような作業だ。
 その点、DNAマーカーを使う品種改良は、大きな可能性を秘めている」
  遺伝子組み換え作物の開発担当者だからといっても、たとえば乾燥耐性の性質を生み出すために
 
必要な、遺伝子の複雑な相互作用に精通しているわけではない。だからこそ、英国では「耕地作物
 研究所」とシンジェンタ社とが、遺伝子組み換え技術でなく、DNAマーカーを使って耐乾燥性の
 甜菜を開発している。小麦や穀物以外の作物についても、この方法によって取扱量を二倍以上に増
 やすことが期待されている。カルジーン社で開発拒当の副社長だったボブ・グッドマン教授も次の
 ように語っている。
  「科学的見地からすれば、遺伝子組み換え作物をめぐる議論は、もうすぐ過去のものになるだろ
 う。科学はつねに進化している。我々はすでに、遺伝子の構造や機能を解析して応用する時代に
 入っているのだ」

     伝統的な品種交配

  農民たちが長年にわたって品種改良してきたイネは、誇大に宣伝された遺伝子組み換えイネより、
 けるかに優良な性質を愉えている。こうした在来種は教百年にわたる試行錯誤によって改良されて
 きたのだ。様々な在来種の中には、洪水や干ばつ、塩分にも耐性をもつイネがある。いくつかの品
 種を紹介する。

  ・インドの西ベンガル州には、乾燥耐性のイネが七八種類もある。ウッタラーカンド州に54種、
   ケーフラ州にも約40種の乾燥耐性イ不があると言われる。
  ・普通のイネは2~3日の浸水で枯れてしまうが、インドの農民は12~15日の浸水にも耐え
   るイネを開発してきた。
  ・西ベンガル州では、塩分の多いマングローブの地帯でも3種のイネを栽培しており、14%の

   塩分濃度でも成長するという。オリッサ州、ケ士フラ州、カルナータカ州でも塩分耐性のイネ
   が多数、栽培されている。

   ② 持続可能な有機農業

  有機農業は、除草剤、殺虫剤、ナメクジ駆除薬や化学肥料などの農薬を一切使用しない。もちろ
 ん遺伝子組み換え種子は用いない。有機畜産では、牛などの家畜は自由に歩き回ることができ、治
 痕跡を除いて、抗生物質を使うこともなければ、成長ホルモン剤などの薬品使用は禁止されている。
 有機農業が遺伝子組み換え作物よりも環境によいことは明らかだ。
  先進国でも、有機農法によって収穫量が低下することはほとんどなく、次第に増加している。さ
 らに、途上国では肥料の使用量を減らし、農薬を使用しなくても環境に適応した農法を導入するこ
 とで、収穫量を3倍から四倍も増加させている。その他にも、土壌を肥沃にし、人々の健康や環境
 に悪影響を与えないといった数々のメリットがある。さらには、大気中の二酸化炭素を土壌が吸収
 する量が増え、生産地から消費地まで食料を運ぶ距離も短くなる。農家は自給自足が可能となり、
 地域コミュニティの経済や社会にも貢献する。

  ジュールズ・プレティ教授(英国エセックス大学・環境社会学部)によれば、アフリカとアジア
 では900
万人近くの農民が持続可能な農業を営んでおり、その耕作面積は2900万ヘクタール
 にお
よぶ。1980年代以降、17ヵ国で45のプロジェクトが実施され、73万戸の農家が食糧
 生産量を大きく増加させた。多くのプロジェクトでは、穀物の収穫量を50%から100%も増産
 した。

  飢餓のために食糧援助に頼っていた国の一つ、エチオピアでも食禄を自給し、地元の市場で農産
 物
を販売できるようになった。ブラジルのアマゾンでも、長年にわたって培ってきた有機農法を導
 入
することで、農産物の生産量を増加させた。工業式農業によってやせ細ってしまった熱帯雨林地帯
 の土地を肥沃にすることで、最大880%も収穫量を増加させたのである。
  科学誌『ニュー・サイエンティスト』の論説も次のように語っている。
  ”有機農業”という言葉は、貧しい人々には無縁な”高級品" のように聞こえるかもしれない。
  しかし実際は、持続可能な農業〃こそ科学的にも正論なのである。真の必要性に取り紙むことで、
 現実に成果を上げている。持続可能な農業を研究の中心に据えて、新しい農業革命に資金を援助す
 べき時代が来ているのだ」  

                    リーズ、アンディ 著 『遺伝子組み換え食品の真実』   

                                      この項つづく     

 

● チェーンがない折り畳み自転車

 

 

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