極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

資本主義と自由③

2021年12月02日 | 政策論



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「
こにゃん」

 




【ポストエネルギー革命序論 378: アフターコロナ時代 188】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」

環境リスク本位制時代を切り開く  

n型ペロブスカイトタンデムセルが27%の効率を達成

❏ 配位子架橋電荷抽出と量子効率の向上で、効率的なn-i-pペロブ
カイト/シリコンタンデム太陽電池が可能:Ligand-bridged charge
extraction and enhanced quantum efficiency enable efficient
n–i–p perovskite/silicon tandem solar cells - Energy & Envir-
onmental Science (RSC Publishing), DOI: 10.1039/D1EE01206A
(Communication) Energy Environ. Sci., 2021, 14, 4377-4390
--------------------------------------------------------------
【概説】
1. 手付かずのC60アンカーa-NbOxフィルムの特性
走査型電子顕微鏡(SEM)および原子間力顕微鏡(AFM)の上面画像は、
スパッタされたNbOx膜のアモルファス形態を明らかにする(それぞれ
図1aおよび図S1c、ESI)。 スピンキャストされたnp-SnOx膜(図S1b、
ESI)とは異なり、当社のa-NbOx膜は、タンデム統合に重要なテクス
チャード加工されたSi表面で高い適合性を示す(図1b)。高分解能透
過型電子顕微鏡(HR-TEM)(図1c)、およびa-NbOxフィルムの表面感
受性かすめ入射X線回折(GIXRD)測定(図1d)により、材料のアモル
ファス性が確認されます。さらに、図1d.40の挿入図のXRDグラフに示
されているように、高温(最大500℃)での膜の堆積後アニーリング
は結晶形成を引き起こさない。



図1.ソーダライムガラス基板上のa-NbOx膜と(b)テクスチャ結晶シ
リコン上のa-NbOx膜のSEM画像。(c)結晶性ITO上に堆積されたa-NbOx
膜の断面HR-TEM画像。(d) 粉末XRDおよびGIXRD分析による a-NbOxフ
ィルムのXRDグラフ。これは、顕著なピークを示していない。パネル d
の挿入図は、さまざまな温度でポストアニーリングされたフィルム の
粉末XRDを示している。 (e)a-NbOxフィルムの(e)Nb3dおよびO1s状
態のHR-XPSスペクトルと(f)a-NbOxおよびC60アンカーa-NbOxフィルム
のXPSスペクトル。

2 C60アンカー型a-NbOxを備えた単一接合太陽電池



図2(a)この研究で使用したSAM分子の化学構造を持つ単一接合PSCの
デバイスアーキテクチャ。 (b)さまざまなESL基板上のペロブスカイ
ト層のPL画像。 (c)np-SnOxおよびa-NbOxベースのデバイスのチャン
ピオンシングルジャンクションPSCのJ-V特性、および (d)対応する
EQEスペクトル(破線は100-Rデータを表す)。 ここのデバイスの結果
は、ガラス側にフッ化マグネシウム反射防止層を使用して報告してい
るので注意。パネル(c)で、挿入画像のマークされた領域は、0.1cm2
PSCのLBIC画像を示す。 (e)3点摂動法を使用した室温でのnp-SnOxお
よびa-NbOxベースのPSCのMPP追跡。 (f)4つの直列接続されたセルに
基づくミニモジュールのJ-V特性。 挿入図。 パネル(f)はミニモジ
ュールの裏側の写真。 この図で報告されているすべてのペロブスカイ
ト吸収体のバンドギャップは1.61eVであることに注意。

3.両面テクスチャシリコンセル上のペロブスカイト/シリコンタン
  デム太陽電池



図3.(a)マスクされた写真、および励起波長532および1064nmのペロ
ブスカイト/シリコンタンデム太陽電池のLBIC画像。 スケールバーは
信号強度を示す。 (b)SEM断面図を使用したデバイスアーキテクチャ
の概略図。 (c)製造されたスタックの各層の代表的な元素のHRTEM画
像とEDX元素マッピング。


図4.(a)この研究で使用したSAM分子の化学構造を持つ単一接合PSC
のデバイスアーキテクチャ。 (b)さまざまなESL基板上のペロブスカ
イト層のPL画像。 (c)np-SnOxおよびa-NbOxベースのデバイスのチャ
ンピオンシングルジャンクションPSCのJ-V特性、および(d)対応する
EQEスペクトル(破線は100-Rデータを表す)。 ここでのデバイスの結
果は、ガラス側にフッ化マグネシウム反射防止層を使用して報告され
ていることに注意。 パネル(c)で、挿入画像のマークされた領域は、
0.1 cm2PSCのLBIC画像を示す。 (e)3点摂動法を使用した室温での
np-SnOxおよびa-NbOxベースのPSCのMPP追跡。 (f)4つの直列接続さ
れたセルに基づくミニモジュールのJ-V特性。 挿入図。 パネル(f)
はミニモジュールの裏側の写真です。 この図で報告されているすべて
のペロブスカイト吸収体のバンドギャップは1.61eVであることに注意。

表1 2D/3Dパッシベーション後のさまざまなHSLを備えた1.68eVベ
ースのシングルジャンクションPSCのデバイスパフォーマンスの概要


4.C60アンカー型a-NbOxおよびペロブスカイト界面での効率的な電
    荷抽出


図5.(a)石英上の1.61 eVペロブスカイトサンプル、(b)テクスチ
ャード加工されたc-Si / SiNx基板上の1.68eVペロブスカイトのPL減衰
。崩壊は、1.61および1.68 eVペロブスカイトについて、それぞれ約20
meVの範囲にわたって約768および約738nmでプローブされた。すべての
サンプルは、フルエンス0.5μJcm-2および1kHzの繰り返し率で532nmで
励起された。 (c)自己組織化プロセスの概略図。拡大された領域は、
C60  SAM分子のピロリジン基とa-NbOxとの相互作用、およびC60分子 と
ペロブスカイト格子との電子結合について提案されたモデルを示す。
(d)Iに示されている構造、および Pb–Iアンチサイト欠陥がある場合
とない場合のPb–I終端ペロブスカイト表面に物理吸着された C60分子の
電子状態密度(DOS)。ゼロエネルギーは、ペロブスカイトの価電子帯
の最大値にある。矢印で示されているピークは、バンドギャップ内の
CC60関連の空の状態を示す。 (Nb:濃い灰色、O:​​赤、C:灰色、N:青、
H:白、Pb:濃い灰色、I:紫、Br:濃いオレンジ、Cs:シアンの球)。
(e)ペロブスカイトおよびペロブスカイト/トランスポート層スタック
のQFLS値、および1.61eVおよび 1.68eVバンドギャップペロブスカイト
のデバイスのVOC値。1.0太陽照明条件下で532nmの励起を伴うハイパー
スペクトルイメージングシステムを使用して絶対PLデータ から抽出さ
れた値(LB:低バンドギャップ、WB:ワイドバンドギャップ)。

表2.TRPLによって決定されたペロブスカイトサンプルのPL減衰速度
定数。 サンプルの励起は石英側で発生した

【結論と展望】
ここでは、ピラミッド型のテクスチャード加工されたSHJボトムセルに、
RFスパッタされたa-NbOxとコンフォーマルなC60アンカーをESLとして組
み合わせ、マイクロメートルの厚さの溶液処理を行うことで、n-i-p構
成のペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の永続的な処理制限を
克服。ペロブスカイトと透明度の高いコンフォーマルHSLスタック。こ
れらの進歩により、n-i-p構成で 27%の効率的なペロブスカイト/シリ
コンモノリシックタンデムが可能になり、SHJボトムセルの従来の最先
端技術に比べて5%を超える絶対増分である。効率的なn-i-pタンデム
デバイス基盤の実証は、単一接合太陽電池の熱力学的極限を超えた ペ
ロブスカイト/シリコンタンデムの新しいを進路となる。例えば p-i-n
構成の熱蒸着 C60 ESLは、この材料が強い寄生吸収を引き起こすにもか
かわらず、これまでのところ他の追随を許さない。 一方、文献には多
くの小分子HSLがあり、n-i-p タンデム太陽電池では、デバイスの光学
系をさらに改善し、総体として20 mAcm-2を超えるタンデムデバイスが
なく、ペロブスカイト/シリコンタンデムの長期安定性の担保には、①
2次元ペロブスカイトの不動態化戦略としてC60ESLを使用。②また、両
面タンデムデバイスは、n-i-p構成でより適切な、下部セルの背面に n
型接点として、屈折率が高いが低伝導率のTCO(透明電導性薄膜)が利
用する。正孔選択伝導構造には、HSL処理中の湿気に敏感なSnベースの
ペロブスカイトを空気遮断することで問題解決した。最後に、n-i-pタ
ンデム形は、水素生成のための効率的な太陽駆動水分解用途でフォト
カソードとして利用できる。これは、高電流密度だけでなく、電圧値
が1.4~1.8Vを超える電子をカソード側から引き抜くことが可能となる。


【実験方法】
1.a-NbOxおよびnp-SnO2層の堆積
a-NbOx層は、1.97 W cm-2 の電力密度でAngstromEngineering EvoVacシ
ステムを使用して、室温で化学量論的a-NbOxターゲット(Plasmaterials、
純度99.95%)から無線周波数(RF、13.56 MHz)マグネトロンスパッ
タリングによって堆積。アルゴンガスは20sccmでチャンバーに供給。
膜の堆積速度は0.15As-1 であった。
堆積のベース圧力は  2×10-6Torrであり、堆積圧力は 3mTorr。各堆積
の前に、ターゲットを10分間事前にスパッタし、ターゲットの 表面に
汚染層を除去。均質堆積のために、基板回転ステージを用い、基板は
意図的な加熱/冷却を用いなかった。np-SnO2層は、水性 Alfa Aesar
ナノ粒子懸濁液を3000rpmで30秒間(3000 rpm s-1のランプ速度で)ス
ピンキャスティングで堆積、得られた薄膜は150℃30分間周囲空気中で
アニール。np-SnOx堆積の前に、ITO /ガラス基板に10分間のUV-オゾン
処理を適用。ただし、このステップは、a-NbOx 層の堆積前は不使用。

2.a-NbOxレイヤーのC60-SAM変更
C60ベースの自己組織化単分子膜(C60-COOH-SAM、CAS番号:631918-72-4、
Luminescence Technology Corp.)
をクロロベンゼンに溶解し、一晩激しく攪拌。その後、0.2μmのPTFE
フィルターを使用してストック溶液をろ過。 C60-SAMは、a-NbOxまたは
np-SnOxで、3000 rpmで60秒間、3000 rpms-1のランプ速度で回転した。
この前に、a-NbOx層の表面を1 mgmL-1の濃塩化カリウム水溶液で処理
した。

3.単接合ペロブスカイト太陽電池の製造
混合Cs0.05MA0.15FA0.8Pb(I0.85Br0.15 3 ペロブスカイト前駆体溶液
は、FAI(0.96 M)、MABr(0.18 M)、CsI(0.06 M)PbI2(1.04 M)、
および800μLのDMFと200μLのDMSOの混合溶媒中のPbBr2(0.185 M)材
料。ペロブスカイト溶液を、電子輸送層(20 nmnp-SnOxまたは50nm a-
NbOx)に、2000 rpmで10秒間、4000rpmで30秒間の2段階でスピンコー
トした。アンチソルベントクエンチングでは、スピンコーティングプロ
セスの終了の10秒前に150μlのクロロベンゼンを基板の中心から滴下。
その後、フィルムをすぐに100℃に予熱したホットプレートに移し、30
分間アニーリングしました。 25 nm Spiro-TTBは、以下に定義するよ
うに熱蒸着によって堆積されました。 10 nmのALD堆積酸化バナジウム
(VOx)は、Picosun ALDツールを使用して、バナジル-トリ-イソプロ
ポキシド(VTIP、前駆体は80℃に保たれました)およびH2Oを前駆体お
よび基板として90℃で使用して堆積。 Angstrom Engineering EvoVac
蒸着システムでの熱蒸着により、HSLスタックの上部に100nmのAg層を
熱蒸着。100nmのMgF 2 は、np-SnOxとnp-SnOxの両方の反射損失を最小
限に抑えるために、1As -1 の堆積速度で反射防止層としてa-NbOxレイ
ヤを蒸着。

4.シリコンボトムセルの製造
SHJボトムセルは、フロートゾーンの両面テクスチャ4インチウェーハ
(nドープ、抵抗率1?5Ωcm-1、厚さ250?280μm)で製造される。テクス
チャリングプロセスは、ランダムに分散されたピラミッドを取得する
ためにアルカリ性溶液で行われ、RCA1およびRCA2溶液で洗浄する。ピ
ラミッドのサイズは、アルカリ濃度とプロセス温度を調整することに
より制御。 PECVD蒸着の前に、ウェーハを5%フッ化水素酸溶液に浸
し、自然酸化物層を除去する。真性、p、およびnシリコンアモルファ
ス層は、それぞれ8、6、および13 nmの厚さのPECVDクラスター(Inde-
otec Octopus -2)に堆積される。背面電極は、タコクラスタのPVD部
分にITOとAg(それぞれ、150nmと250nm)を順次スパッタリングするこ
とにより実現する。IZROリアTCOの場合、以前の出版物に記載されてい
るレシピが使用する。ITO再結合接合部(15 nm)は同じツールでスパ
ッタリング。 a-NbOx蒸着の前、およびa-NbOx蒸着後、ウェーハを190
℃で10分間アニールし、スパッタリングによる損傷を回復しする。
以下、後略
4.ペロブスカイトトップセルの製作
5.光起電力性能の特性化
6.安定性試験
7.構造的および光学的特性
8.UPS / XPS分析
9.時間分解フォトルミネッセンス(TR-PL)分光法
10.絶対PL測定
11.デバイスシミュレーション
12.DFT分析
13.著者の貢献
14.利害の衝突
                         この項了
【関連特許事例】
❏ 特開2019-080064 有機またはハイブリッド電子デバイスおよび
  そ
の製造方法
【概要】
下図のごとく、NIP構造を有する有機またはハイブリッド電子デバ
イスであって、前記デバイスは例えば有機発光ダイオード、有機光検
出器および有機太陽電池などであり、以下を連続して含む:透明基板
(100);第1の透明かつ導電性の電極(101);好ましくは金
属酸化物で作られ、例えば5nmから95nmの範囲の厚みを有する
N型層(102);ポリエチレンイミン(200)および電子供与体
材料および電子受容体材料またはペロブスカイト材料を含む活性層(
103);P型層(104);および第2の電極(105)のNIP
構造を有し、良好な安定性を示し、PEI薄層を含まない有機または
ハイブリッド電子デバイスを提案する。




【図4】本発明の様々な実施形態による様々な有機太陽電池ならびに
を含まない有機太陽電池およびZnO/PEI二重層を有する有機太
陽電池の連続照明下での変換効率の変動を表す。
【図5】本発明の様々な実施形態による様々な有機太陽電池ならびに
PEIを含有しない参照有機太陽電池の連続照明下での変換効率の変
動を表す。

【符号の説明】1  基板  2  第1の電極  3  N型半導体層  3a
 金属酸化物層  3b  PEI層  4  活性層  4a  第1の活性層
 4b  第2の活性層  5  P型半導体層  5a PEDOT:PSS
から作られたP型層  5b  第2のP型層  6  第2の電極

❏ 特開2021-9950 太陽電池
【概要】
下図2のごとく、太陽電池は、第1電極120と、第2電極140と、
ペロブスカイト結晶構造を有する1つの光吸収層100と、第1正孔
輸送層(hole transport layer:HTL)150、p型ドーパント層
180、第2正孔輸送層160、および電子輸送層(electron trans-
port layer:ETL)170を備える層スタックを含む構成で、改善
された電力変換効率を有するとともに、改善された安定性および寿命
を有する太陽電池を提供する。

図2 p-i-i層順の太陽電池の模式図

✔ 色素増感型太陽電池の事業開発をはじめ、 岐阜大学からこの王立
サウジアラビア科学技術大学の論文翻訳まで17年、環境工学研究所
WEE及びこのブログを開設し12年を数えて、『オールソーラシステム』
をはじめ、再生可能エネルギー事業総体の構想・調査・研究を行ってき
たが、27%超の論文が提出された----実用(商用)段階に入ったと判
断----のを契機に、今夜をもって完了する(ブログ掲載、事業の詳細考
察は続けていく)。

ナノスケールの熱膨張を直接計測
温度変化による電子部品の劣化や故障の原因究明が可能に
12月2日、東京大学 生産技術研究所の研究グループは、界面におけ
る局所的な熱膨張をナノメートルレベルの高い空間分解能で計測する
ことに成功したことを公表。
【要点】
1.電子顕微鏡を用いた実験とシミュレーションを組み合わせ、界面
 の局所的な熱膨張をナノメートルレベルで直接計測することに成功。
2.すべての界面が同様な熱膨張を示すわけではなく、界面に形成さ
 れる余剰の空間の大きさに依存しており、界面の原子配列を意図ど
 おりに作製することができれば、熱膨張を制御できることが示唆。
3.本手法を利用して電子部品の温度変化による劣化や故障に関する
 原因を理解することができれば、耐久性の優れた電子材料の開発に
 つながると期待される。


【概要】
粒界(GB)の存在は、多結晶の熱膨張係数(CTE)に大きな影響を与
える。ただし、GBの局所的な拡大を直接測定することは、空間分解能
が不足しているため、従来の方法では依然として困難。この作業では、
走査型透過電子顕微鏡(STEM)の原子価電子エネルギー損失分光法(
EELS)を利用して、373-973Kの温度範囲でΣ5および45°GBのSrTiO3
のCTEを直接測定。 GB平面に垂直な方向に沿ったΣ5GBで約3倍の大き
さが観察されましたが、45°GBでは1.4倍の増強しか見られなかった。
この結果は、GBが多結晶のCTEの増強に寄与するという直接的な証拠
を提供する。また、この作業により、熱力学的特性がさまざまなGB構
造でどのように変化するかが明らかになり、ナノメートルスケールの
解像度で局所的な熱特性を調べるためのEELSの可能性が実証された。


図3.Σ5と45°の粒界の局所構造の比較
(a、b)Σ5GBのHAADFイメージ。 明るい原子はSrカラムに対応し、
暗い原子はTi-Oカラムに対応する。(c)シミュレートされたΣ5GB
の構造単位モデル。(d、e)(100)および(110)マイクロファセ
ットの形成を伴う45°GBのHAADF画像。 (f)Σ29GB(43.6°)は、
DFTによって計算され、非CSL45°GBの近似構造として表された。計
算は、(100)面と(110)面のマイクロファセットを再現すること
に成功。
尚、緑球と白球はストロンチウム(Sr)とチタン(Ti)原子を表す
、酸素は省略して表示。

【結果及び展望】
熱膨張は身の回りで日常的に生じている現象ですが、電子デバイスな
どの寿命に大きな影響を与える。そのような熱膨張による電子デバイ
スの故障の原因は主に界面で生じる。これにより、界面構造を制御し
た新たなデバイスの設計指針が得られる。


【ウイルス解体新書 92】



序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学第
第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第1節 各国の動向と対策の特徴
1.米国
1-1 COVID-19委員会の創設を提案

第2節 謎のCOVID-19起源
2-1 消えぬ武漢研究所人為的発生説
COVID-19(SARS-CoV-2)の起源はいまだにはっきりしておらず、自然ウ
イルス変異説と、人為的遺伝子編集説の両方が可能性として考えられ
おり、後者の「人為的遺伝子編集説」(➲人為説)は一度は陰謀論と
して片付けられていたが、2021年に入って再調査が行われている。当
初「人為説」を真っ向から否定してた研究者が、「研究施設で感染性
のコウモリ由来コロナウイルスを作成すること」や「ウイルスを人間
の細胞に感染しやすくする遺伝的特徴の挿入」について言及したプロ
ジェクトの助成金を国防高等研究計画局(DARPA)に対して提案してい
たことを裏付けるリーク文書が出てきた(➲ Leaked Grant Proposal
Details High-Risk Coronavirus Research(
リークされた助成金の提
案の詳細ハイリスクコロナウイルス研究),Sharon Lerner, Maia Hibb-
tt, The Intercept, 2021 9 24, 3:16 a.m. 及び The Lab-Leak Deba-
te Just Got Even Messier(研究所漏洩議論が再混乱)The Atlantic,
Daniel Engber and Adam Federman, 2021 11 26 11:00 a.m.)。

 

このように、自然進化の中で生じる変異と一致しているようにみられ
る」と中国政府は、反論してきたものの時間の経過と共に「武漢研究
所流出説」は陰謀論の1つと捉えられるようになる。2021年になり再
び武漢研究所流出説を再調査要求が、シカゴ大学やカリフォルニア大
学、ハーバード大学などの研究機関に所属する科学者18名による大手
学術誌のサイエンス誌に掲載されるが、調査は行われたものの、武漢
研究所流出説を裏付ける証拠は出ず、2021年9月26日付けで新型コロナ
ウイルスの起源を調査する科学者のタスクフォースは解散が発表され
る。
--------------------------------------------------------------
➲「新型コロナウイルスは人為的に作られた」という陰謀論に科学者
 が反論, Gigazine, 2020.2.19 11:50 a.m.
➲新型コロナウイルスの「武漢研究所流出説」について科学者18名が
 再調査を要求, Gigazine, 2021.5.18 21:00
➲コロナ専門家部会解散、武漢研に米資金提供の団体関与, WSJ,2021.
 9.27 4:53 a.m. Betsy McKay
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ニュースサイトのThe InterceptとThe Atlanticは、タスクフォース
解散発表の2日前の9月24日、2018年にDARPAに提出された助成金案の
中に「コウモリ由来コロナウイルスの脅威を和らげる」プロジェクト
があったことを報じ、(PDFファイル)リークされた文書では、研究施
設で感染性のコウモリ由来コロナウイルスを作成することや、ウイル
スを人間の細胞に感染しやすくする遺伝的特徴の挿入について言及さ
れていた。この提案は2020年2月にランセットに掲載された「武漢研
究所流出説を否定する声明」を取りまとめた人物として知られる、非
営利団体のエコヘルス・アライアンスの代表ピーター・ダザック氏に
より提出されたものだが、同氏はThe Atlanticのコメント要求に応じ
ていない。また、文書は民間の調査グループ「DRASTIC」によってリー
クされたもので、「あまりにも物語ができすぎているのではないか」
とリーク文書の信憑性を懐疑する人もいる中、The Atlanticは、リー
ク文書の識別番号と研究者名を含む提案が、実際に2018年にDARPAに
提出されていることを確認している。なお、この提案に対して助成金
が支払われることはなかった。 
 The InterceptとThe Atlanticは「『リーク文書の存在をもって武漢
研究所流出説が裏付けられた』とはいえない」ということを強調。
DARPAは 助成金を却下しており、中国の研究施設がアメリカで助成金
が下りなかった研究を再審議されることはなかった一方で、このよう
な研究や実験が、一度は計画され、実行に移された可能性もあったと
いう事実が大きな懸念を呼んだ。

武漢研究所流出説を支持する人々の論拠の1つに、「新型コロナウイ
ルスは、他のSARS関連コロナウイルスには見られない、『フーリン・
プロテアーゼの切断標的となるアミノ酸配列・RRAR』が挿入されてい
る」ということが挙げられている。これに対し、複数の科学者から、
「フーリンに対する遺伝子操作は複雑なものであり、ウイルスの遺伝
子操作のためにこのような不必要に複雑な作業を行う論理的理由がな
い」という批判が2021年9月16日に発表されているが、リークされた
文書の中で研究者は「コウモリ由来コロナウイルスの新しいフーリン
切断部位を探し、それらを実験室のSARS関連ウイルスに挿入するプロ
セス」について言及しており、「論理的理由がない」作業が実際に計
画されていたことが示されている。


図1.武漢での初期のCOVID-19パンデミックに関する系統発生的および
 疫学的データ


図2 ベータコロナウイルスのスパイクタンパク質におけるフューリ
 ン切断部位の進化

The Atlanticはリーク文書が武漢研究所流出説の正当性を裏付けるも
のではないと述べた上で、ダザック氏が新型コロナウイルスのバイオ
エンジニアリングの可能性をあざ笑い、科学誌で人為的にウイルスが
作られた可能性を否定する文書を発表するなどして議論を遠ざけ、「
誠実な調査が行われてこなかったこと」が事態を複雑にしたと指摘す
る。
via 新型コロナウイルス人工説をあざ笑っていた研究者が「コウモリ
由来のコロナウイルスを作成する研究」の助成金を求めていたことが
判明, Gigazine, 2021.9.27 13:16

➲The origins of SARS-CoV-2: A critical review: Cell ,vol.184,
issue 19, pp.4848-4850, 2021.9.16
尚、この論文の完全翻訳作業は残件扱い。

終 章 ウイルス感染症と戦略『後手の先』




【概説】
貨幣、帳簿、市場……資本主義の基幹エンジンたる仕組みの歴史を紐
解く。そしてケインズ、ハイエク、フリードマンの思想へ。ほころび
始めたグローバル資本主義の未来を見据えながら、その本質に迫る。
【目次】
第1章 マネーの力(ハンス・クリストフ・ビンスヴァンガー『金と
魔術』一三七四夜;ニーアル・ファーガソン『マネーの進化史』一三
六七夜 ほか)
第2章 資本主義の歯車(ジェイコブ・ソール『帳簿の世界史』一六
七六夜;ブライアン・リアマウント『オークションの社会史』七二九
夜 ほか)
第3章 君臨する経済学(間宮陽介『市場社会の思想史』一三三六夜;
ジョン・メイナード・ケインズ『貨幣論』一三七二夜 ほか)
第4章 グローバル資本主義の蛇行(マンフレッド・スティーガー『
グローバリゼーション』一三五八夜;スーザン・ストレンジ『マッド
・マネー』一三五二夜 ほか)



【概説】近代経済のもつ富の無限的追求の魅力と危険性を作品の中に
早くも示唆したゲーテの現実的かつ鋭敏な洞察力を明らかにして,経
済.産業の発展と人間の存在を問う。『ファウスト』の経済学的解釈。
近代経済のもつ富の無限的追求の魅力と危険を作品の中に早くも示唆
したゲーテの現実的かつ鋭敏な洞察力を明らかにし経済・産業の発展
と人間の存在を問う。
【目次】
第1部 錬金術的現象としての近代経済
第2部 人間は時に勝てるか
第3部 ゲーテと経済



 松岡正剛の千夜千冊 ⑩ 1374夜(2010.7.26)

ハンス・クリストフ・ビンスヴァンガー『金と魔術』
ファウスト伝説とは何か。その魔術に隠されていた錬金術や換金術。
なぜファウストはそんな悪魔と契約をしたのか。ゲーテはファウスト
伝説から、何を取り出したのか。ゲーテが仕込んだ謎はきわめて深く、
問題は近代社会が選択した根本にかかわってくる。そしてそこに、貨
幣の隠された意味が浮かび上がる。いよいよ証かされる貨幣の魔術的
本質を、今夜はゲーテの問いに戻って、しばし逍遥する。

 ファウスト伝説が最初に書物になったのは、1587年にフラン
 クフルトで出版された『ヨハン・ファウスト博士の物語』だった。
 斯界では通称「ファウスト本」とか「ファウスト・ヒストリア」
 と呼ばれる。ヒストリアとは「事実にもとづいた歴史」のことを
 いう。この書物を印刷・出版した業者がヨハン・シュピースだと
 いうこともわかっている。
 この「ヒストリア」のなかでは、ファウストはワイマール近郊の
 ロート村に生まれたことになっている。敬虔な農民の子だったら
 しく、ウィッテンベルクの富裕な伯父のもとに引きとられると、
 学生時代をへて順調に神学博士となったのだが、やがて心変わり
 して魔法や魔術の研究に傾斜していったとある。
 ついで神学者から転向して医学博士を名のり、各地を訪れては万
 能医者としての治療や助言にあたるうち、想い深まってある森で
 悪魔を呼び出すことにした。おそらく騒霊(ポルターガイスト)
 に挑んだのである。

 首尾よく悪魔の霊が呼び出され、何度かの会合を重ねるうち、こ
 の霊はその名をメフィストフィレスと言い、大悪魔ルシファーに
 仕えるガイスト(霊)であることがわかった。メフィストフィレ
 スとはどうやら「光を好まない者」という意味だった。
 それが気にいったファウストはメフィストフィレスと契約をした
 いと言い出し、もし自分の欲望が叶えられればキリスト教の敵と
 なって、メフィストフィレスに自分の魂と肉体を提供すると申し
 出た。何かと引き替えに自分を売ったのだ。かくてここにファウ
 ストと悪魔の代理人との前代未聞の契約が結ばれたのである。

さて、ざっとはこういう筋書きなのだが、さて、このファウストとメ
フィストフェレスのあいだで交わされた「契約」こそが問題なのであ
る。いったい何がおこったのか。その契約とは何なのか問い、「ゲー
テの『ファウスト』は始めから終わりまで錬金術のドラマである」と
ユング(830夜)は『心理学と錬金術』を引用し、本書は、ゲーテ
の『ファウスト』は近代的な経済の起源をあらわす完璧な寓話になっ
ていることを証してみせている。ゲーテは、近代の貨幣経済の本質に
世以来の錬金術がとりこまれている」と語り、

 錬金術(Alchemie:アルケミー)は「賢者の石」を用いて「金」
 (きん)を創り出す技術のことをいう。“chemie:ケミ”はもと
 もとエジプト伝来の「黒い土」を意味した。そこからアルケミー
 は「黒い魔術」で、それが錬金術ともくされた。プルタルコスは
 「黒いものは太陽の光を見る瞳が黒いように、秘密に満ちたもの
 をあらわす」と説明した。のちのち、このケミから本格的な「ケ
 ミストリー」(化学)が派生した。「賢者の石」は金の原料では
 ない。金を生み出すための触媒のことで、それによって卑金属が
 貴金属になる。たとえば鉛という卑金属に、特別の石の粉末ある
 いは硫黄や水銀を加えて蒸留すると、ときに微小な貴金属に変化
 するはずだと考えられた。中世、このプロセスは「鉛を意味する
 サトゥルヌス神の内発的な可能性が引き出された」というふうに
 解釈され、そういうことを説明できるのが魔術師や錬金術師の扱
 いをされたのだ。鉛の本体であるサトゥルヌス神は「賢者の石」
 によって眠っていた時間クロノスをめざめさせたのだ、というふ
 うに。もっとも、サトゥルヌスのギリシア名はクロノスなのだか
 ら、ちょっと古典語学に詳しければ、こんな説明はファウストや
 メフィストでなくとも、いくらでもできたのである。しかし、当
 時はこれは驚くべき説明だった。錬金術は「時間をも創り出す」
 と思われたからだ。
 というわけで、錬金術はいつだって「新たな価値を創り出す」と
 いう意義だったのである。ゲーテはそこを袂り出すことにした。
 そして、「新たな価値」とは、次の3つに時代を超えてあらわれ
 るだろうと見抜いたのだ。

そして、第1には、金を生み出そうとすることは精神の黄金性に達す
ることだった。第2に、肉体の永遠に近づくことを象徴した。そして
第3に、金は貨幣としての使用力をもちうるのだから、社会における
至高の富を意味するにちがいない。そうだ、マルクスの『資本論』の
フェティシズム(物神論)と繋がるのだが、ゲーテにとって経済社会
は欺瞞たらたらに見立て、「富を創り出すのは労働と市場で。分業的
労働が市場を活性化させ、そこから富が生まれていく」。だからスミ
スは「貨幣または財貨で買えるものは、その貨幣または財貨のぶんの
労働によって買える」と考えたが、ゲーテは『ファウスト』第2部に
いたって、あからさまに暴露するという。
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ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 生年月日:1749年8月28日
アダム・スミス             生年月日:1723年6月5日
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 グレートヒェンが獄死したのち、メフィストはしばらく落胆した
 ファウストから離れて、次の作戦の準備にかかっている。神聖ロ
 ーマ皇帝の宮廷にとりいったメフィストは、ここでファウストを
 活躍させようと考える。玉座の間に集まった廷臣たちのおしゃべ
 りによると、いま帝室は著しい難境に立っている。財政窮乏の危
 機なのだ。そこでメフィストは窮乏を救う方法は、地下に埋蔵し
 ている金銀を掘り出すことだと唆(そそのか)す。なかなか肯ん
 じない皇帝に対して、メフィストは一計を案じて壮大な仮装舞踏
 会を演じさせ、その機に乗じて皇帝に一通の証書の署名をさせよ
 うと考える。

おそらくはゲーテがワイマール時代に興じた遊楽や演目が取り入れら
れているだろう。それはともかくここでは、皇帝はパンの大神の仮装
をし、ファウストは富貴神プルートゥスに扮し、メフィストが強欲を
演じるというふうになっている。案の定、ファウストはこのとき皇帝
の信任を得た。すかさずメフィストは皇帝に証書一通の批准の署名を
させた。ページェントの最中のこととて、皇帝はこの自分の署名行為な
どおぼえていない。しかし、この証書は一夜のうちに数千枚も刷られ
て、たちまち帝国内の貨幣として流通していったのである。皇帝の帝
国はしだいに立ち直っていった。財政は復活し、富はゆきとどき、国
中が繁栄することになったのだ。かくてファウストは「公共の資力」
に貢献した第一人者になった。

メフィストとファウストは、地下に埋蔵されている金銀を“担保”に
して、新たに紙幣を発行するための許可書に署名をさせ、兌換紙幣を
発行する権利をもぎとっり、「見えない金」をもたらしたのである。
ファウストは言う、「わたしは支配権を獲得し、所有権を獲得する」
と。ここにゲーテは、ファウスト伝説の錬金術を、近代国家の「金本
位制のもとでの紙幣発行というシステム」に読み替えたのだ。そこに
貨幣の支配力と財産の所有という幻想が成立しうることを読み取ると
解説する(だが、ここでは税(金)の言葉現れていない)。ゲーテは
このあとファウストに皇帝の戦争を勝利に導かせる場面をつくる。フ
ァウストは将軍となり、メフィストの力を借りると「霊たちの軍勢」
を作り出し、「見えない力」を使うことによって戦争を指導する。こ
のとき3人の戦士が活躍した。「喧嘩男」「取り込み男」「握り男」
の3人だ。それぞれ、財貨の略奪、入手したものを所有する力、その
所有したものを手放さない吝嗇(りんりょく)を、あらわしている。
                 
                        この項つづく
風蕭々と碧い時代

曲名:ふたりで竜馬をやろうじゃないか 唄:堀内孝雄/五木ひろし
作詞:荒木とよひさ   作曲:杉本真人

https://www.youtube.com/watch?v=ANpIZCpuOJE
https://www.youtube.com/watch?v=C3hNFjztrc0

● 今夜の寸評:沸騰する欲望と対峙する知恵


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