極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

アドホックな冒険

2012年01月15日 | ネオコンバーテック

 

 

【イタリア版食いしん坊万歳:マンテカート、ヴェネツィア風】

具材:ストッカフィッソ(干しダラ)1kg、オリーブ油、牛乳、塩、コショウ(シ
ナモン)

作り方:はじめに身を柔らかくするために3~4日水に浸けておき,それを洗って
ばらばらにほぐれるまで叩く。この作業でできた綿状の身(あまり粉々に細かくし
ない)をグラタン皿に入れ、火にかけ、わずかな牛乳を入れる。牛乳が煮詰まって
バッカラ(つまりストッカフィッソ)が色づいてきたら、オリーブ油と少し温めた
牛乳を加え、クリーム状になるまで、休むことなく木ベラで混ぜる。どろどろの状
態になったら、塩とコショウを加える。また、昔からの習慣で,シナモンを少々加
える人もいる。シナモンが驚くほど料理にマッチするからである。こうして混ぜた
ものが十分溶け合い、風味が出てくるまで、さらにかき混ぜ続ける。

それにしても、干しダラ。塩づけダラにしろ日本人好み?の食材を時間をかけて調
理する料理がもっと普及しないのか謎だ。

 

【レモン汁・鉄入り炭団による水浄化】

1998年、武田重信長崎大学水産学部教授の「南氷洋の海水に鉄を与えるとケイ藻類が
増える」という論文が掲載される。植物の成長に必要な無機栄養塩類(硝酸やリン酸な
ど)は十分に存在するのに、なぜか植物プランクトン(浮遊性の微細藻類)が少ない場
所があるという「高栄養・低クロロフィル問題」だ
。特に魚介類の餌として重要で「海
の牧草」と呼ぶ善玉プランクトン、ケイ藻類が少ないことが問題なのである。1988年
に米国のジョン・マーチンらは海洋においては鉄が制限要因であると説く植物栄養学
の「リービッヒの最小律」の海洋版である「鉄仮説」を提唱する。生物の必須元素の1つ
である鉄は、現在の酸化的な地球表層では三価鉄として存在するがこのイオン三価鉄
は難溶性で海水中にほとんど溶存していない。このような海水では鉄が制限要因とな
り、植物プランクトンの光合成生産、ひいては、漁業生産が制限されていると説くの
が鉄仮説。それが検証されたのは鉄の超微量分析技術が発展したからだ。



鉄不足により植物プランクトンの光合成が抑制されると二酸化炭素の吸収も抑制され
る、逆に言うと鉄を与えれば二酸化炭素の吸収が促進され地球温暖化の防止に寄与す
る。これに気づき長沼毅広島大学準教授らは、鉄分をどっさり添加する。1970年代の
論文ではクエン酸鉄はケイ藻類の増殖に効果がないとのことだった。しかし、彼らの
実験で、EDTA(キレート剤)-鉄やただの塩化第二鉄(FeC13)溶液より大きな増殖
効果が認められた(下図)。二価鉄神話を打ち破り二価鉄ではなく三価鉄を用いる。
鉄炭団子(たどん)である。木炭片や竹炭片をそのまま、あるいは、いったん粉末に
してから炭団子にし、そこに鉄粉とクエン酸を一緒にして混ぜ込んだ「キレートマリ
ン」(商標)を開発したのだが、これによると、①ケイ藻類の増殖が促進される、②
ケイ藻類と渦鞭毛藻類(赤潮藻類の1つ)を共存させてもケイ藻類の方がよりよく増殖
促進される、③底質のヘドロ量(強熱減量)が低減し底質が改善される(下図)、などの
効果が認められたという。


つまり、溶出した鉄イオンは酸化されやすい。酸化された鉄イオンは難溶性の酸化鉄
等を形成し、水中で凝集し沈殿する。植物プランクトンはこのような状態の鉄を摂取
することができないため、鉄イオンが速やかに酸化されるような条件下では植物プラ
ンクトンは十分に繁殖することができない。植物プランクトンが十分に繁殖できない
と、他の水中生物の増殖や活性化も期待できないため、水質環境の改善につながらな
い。また、クエン酸鉄では、長期に渡って継続的に鉄イオンを植物プランクトンに供
給できないという問題があるが、鉄と炭と焼酎滓或いは柑橘類の滓とを含有し、鉄と
炭とが焼酎滓や柑橘類の滓で一体形成させ、水中で鉄と炭との接触により鉄イオンを
溶出し鉄イオンと焼酎滓または柑橘類の滓に含まれているキレート化剤により鉄キレ
ートを生成すること水の浄化を達成できるというのだ。



この「バイオサイエンスとインダストリー」記載記事を読んでぶっ飛んでしまう。と
いうのも、フォトリソの湿式エッチングで塩化第二鉄とクエン酸はなにを隠そうわた
しの専門分野のひとつで分析方法と自動測定装置などの開発に深く関わってきた経験
があるのだから、報告書を見た一瞬ですべてを理解する。これで、地球温暖化は食い
止めることができると。これについては深海などの「巨大重力圧下での微生物増殖」
という課題とも関係するのであらためて考察してみる。

※商標登録第5354731号



【アドホックな冒険:界面密着と界面安定】

有機エレクトロニクスのコアとなる商品として、有機EL照明と有機薄膜半導体、さ
らには、有機薄膜太陽電池の製造技術の根幹を掌握し、高品質でローコスト(LCC
O)を実現する技術で世界規模の生活水準に貢献することは名誉ある仕事であるが、
そこに横たわる課題も多岐に渡り山積する。




インターフェースという言葉からイメージできることは様々だが「予定調和」でない
ことはスティーブ・ジョブスの有名なフレーズ「点を線に」ということに収斂するこ
とに疑いない。そのことをナノ粒子をバルクに配置することで、言い換えればヘテロ
接合の機能伝達を平滑に行うことが最大課題となり、それへの解決に用いることで抵
抗を極小化し引いては長寿命化を、そして量産化によるコストメリットを実現する技
法なのだと、この新規考案は発露してみせている。しかし、問題は残る。どの程度ま
で、どのような特徴パラメータを設定すれば良いのかと。まさに、この反質はアドホ
ックなキルケゴールのなのだと(『個人史としてのデジタル革命』)。

コメント
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