極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

魚工場 漁網ロボット工学

2015年01月11日 | WE商品開発

 

 

● CES 2015をピックアップ Ⅱ

米ラスベガスで9日まで開かれた世界最大の家電見本市「国際家電ショー(CES)」で、身に着けられる「
ウェアラブル端末」をはじめ、柔軟な発想で生まれた新技術で注目を集めた(上図クリック)。それは、日
本のベンチャー企業「ログバー」(東京)の指先を動かすだけで家電を操作できる「指輪型ウェアラブル端
末」だ。スマートフォンと連携し、指で三角や四角などを描くだけで、照明のオン・オフやテレビの音量調
整などができ、「革新的なウェアラブル端末」として主催者から賞を受ける。



同社が2014年2月、インターネットを通じて小口の資金を募る仕組みを使い、わずか1日半で目標金額
の約25万
ドル(約3000万円)を集めたこともCESで話題になった。同じように日本のベンチャー企
業――スノーボードのブーツの留め具にセンサーを取り付けた端末で速度や両足の力のかかり方などを計測
し、
スマートフォンに表示した映像と数値で自分の滑りを分析できるシステムを開発した家電ベンチャー「
セレボ」(東京)。
仮想現実ゲーム体験ができるゴーグル型ディスプレーを開発した{フォーブ{(東京)
遠隔操作できるコミュニケーションロボットを発表した「オリィ研究所」――なども人気が集中したことが
報じられている。ここでもデジタル革命渦が弾けているというわだ。

  


 

 

 

【漁網ロボット工学】

● 好適環境水とは何か

好適環境水とは、魚類の代謝に最低限必要な物質を含んだ水このこと。魚の浸透圧調整に深く関わるナトリ
ムやカリウムを含む一部の電解質を特定(三種類)。わずかな濃度の電解質を真水に加えるだけで魚類の
代謝に最低限必要な物質を含む水「好適環境水」を岡山理科大学山本俊政准教授らの開発やナノ・マイクロ
バブル技術開発などの効果もあり、以来、内陸部の水族館や窯業じゃくなく、養魚(魚工場)が拡大普及し
ていく。内陸部に効く(=有利な)魚類は、体長が30センチメートル以下程度の非回遊性(あるいは回遊
性を矯正できる)で、今後とも新たな海水魚や貝類などの養殖・畜養は拡大していくだろう。数年後には、
植物工場の横で、魚工場が稼働している、と言う風なシーンは常識となるかも知れない。



昨年、魚介類の畜養・養殖で、近大マグロやウナギの人工ふ化・稚魚養殖など話題となったが、海洋部での
畜養・養殖工学は、地球環境や食糧資源乱獲の問題から大きく進展していくが、内陸部の魚工場のように多
くの課題は既に解決可能だとみている。海洋の場合は、大形の回遊魚だけでなく、貝類や蟹・海老などの甲
殻類だけでなく、海草類などの完全養殖・畜養事業が成長すると観られる。そこで、海洋部での水産業の成
長に欠かせないのが『漁網ロボット工学』だ。上図の自動ファスナや下図のような起電式自動洗浄籠網の機
能などを取り込んだ「自律型漁網ロボット」の出現で、イメージをいうと、このロボットが遠隔操作(テレ
メトリック)で目的地へ自律曳航→漁網同士が自動合体(トランスフォーメーション)→繋留固定(自動位
置是正機構作動)→水産種の放畜及び関連資材投入→自動畜養・養殖監視管理(食餌・浄化・保護)→自動
籠底浮上装置(例:エアーバッグ方式)→水産種の収穫→定期保全後投入するというイメージである。この
事業の成功可否は(1)初期投資に対する金融支援と(2)販路開拓である。これが成功すれば後は何とか
なる(例:水素ステーション整備と水素燃料電池車の普及)。

 

 

 

 

 

 

● 脱税天国日本 !?

こんなことをしているから、日本の保守的風土の土建体質がいつまでたっても批判されるのじゃなのい?!「国土堅
牢化構想」に関わる誇り高き真っ当な「土建屋」はこんなことによね?! 

 ● 今夜の一曲

● マッサンを鑑賞しながらウォーキング

NHK連続テレビ小説『マッサン』でヒロインの亀山エリー役を演じている米国人女優、シャーロット・ケ
イト・フォックスが昨日、大阪・今宮
戎神社で行われた「十日戎」の恒例行事「宝恵駕(ほえかご)行列」
に参加したことが話題となっている。この朝の放送の時間帯は、ルームランナーでウォーキングと重なって
いるのでボリュームを上げトレーニングメニューをこなしている。ただし、日曜は関口宏のサンデーモーニ
ングだが。ここは北の大地の妖精、中島みゆきのカバー曲『麦の唄』が気に入ったのでこれを聴いてみたが、
なかなかの味ある楽曲となっている。

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スマート水素ステーション工学

2014年12月20日 | WE商品開発

 

 

  

【オールソーラーシステム完結論 34】 



● 世界展開!スマート水素ステーション

 

 

北九州市、岩谷産業、ホンダと共同で、ホンダの独自技術である高圧水電解システムを採用した、
パッケージ型「スマ
ート水素ステーション」を、北九州市エコタウンセンター内に設置し、15
日に開所式を行った。この装置の特徴は、ホンダ独自の、コンプレッサーが不要な高圧水電解シ
ステムを採用し、高圧水素タンクから充填ノズルまでの主要構成部位をパッケージ型に収納した
ものです。これにより、設置工事期間と設置面積の大幅な削減が可能となっている。また、北九
州市エコタウンセンターでは、敷地内の太陽光パネルで発電された電力を使い水素を製造してい
る。将来的には風力発電などの多様な再生可能エネルギーを積極的に取り入れた二酸化炭素排出
ゼロの水素製造も視野に入れている。  

現在、ホンダは燃料電池自動車「FCXクラリティ」を用い、「北九州スマートコミュニティ創
造事業」の共同実証実験で、燃料電池自動車から家庭への電力供給(V2H)※1や、蓄電池への継
ぎ足し充電(非常用V2L※2)を行っている。今後は、今回設置したスマート水素ステーションに
より製造過程の二酸化炭素排出ゼロの水素を供給し、エネルギーの地産地消を実現するV2H・非
常用V2Lの実証試験を進める。

※1 Vehicle to Home(ビークルトゥホーム)の略
※2 Vehicle to Load(ビークルトゥロード)の略

 
● 北九州スマートコミュニティ創造事業パンフレット

 

● 高圧水電解システムとは

               初代ソーラー水素ステーションの実証試験結果

ホンダは、当初、ソーラー水素ステーション(SHS1)を試作する。下図はその構成とエネルギー収
支を示している。
この水素ステーションを用いて、太陽光由来の水素製造の研究を進めてきたが、
コンプレッサの起動時の消消費電力割
合が大きいことに気づく。SHSI搭載のコンプレッサは、将
来の家庭用水素供給装置をにらんで小型
小流量タイプを採用。大流量コンプレッサに比較しフリ
クションロスが大きくなり効率の低下が生じる。また水素精製(除湿)用の吸着塔再生用ヒータの
費電力も大きく、効率低下を引き起こす。家庭サイズ再生可能水素ステーションに向けては、
らなる小型高効率の水素ステーションが必要であり、攻めどころを(1)水素の除湿と(2)
水素コンプレッサーのエネルギーを削減が重要であることを明確にした。

                         差圧式高圧水電解スタックの開発

先に示したSHS1の実証試験結果から、家庭設置可能な小型で型で、高効率の水素供給装置の実現
には『差圧式高圧水電解システム』の開発が有効だと考え開発を進める(下図の「差圧式高圧水
電解セル模式図」参照)。固体高分子膜(PEM)を用いた水電解セルは、純水を供給し、PE
Mに電圧を加え続ければ酸素と水素を発生し続ける。したがって、水素出口側に高圧タンクを設
置するとタンク内の圧力は徐々に上昇し続け、最終的には高圧水素を得ることができる一方、酸
素は大気圧にし制御することで、差圧式高圧水電解セルで、PEMを介して圧力差が生じる。P
EM間に電圧を加えると酸素極側で純水が酸素とプロトンH+になり、プロトンは対極へ移動し
水素となる。この現象は一般的な常圧水素電解と同じだが、プロトンが対極へと移動する際には、
水素の分圧差による起電力を加える必要がある。



常圧水電解の理論電解電圧(E1)とセル抵抗ωに加え、ガス濃淡電池に必要な水素濃度差電位を
印加することにより達成される。上式の第二項がネルンスト式の水素濃度差による起電力になる。


                        差圧式高圧水電解スタックの性能評価結果

差圧式高圧水電解スタックをもちいて水の電気分解をおこない、発生した水素の圧力を常圧から
35MPaまで昇圧したときに実測した消費エネルギー推移と上式から求めた計算値を下図に示しす。
水素圧力が常圧のときの全消費エネルギーは約4千Wh/Nm3であったが、そのうちのお44Wh/Nm3
が理論電解エネルギーであり、残りがセル抵抗である。なお、セル抵抗には、膜と電極聞や電極
と給電体間の接完封蹴ヰ模抵抗酸素極キ水素極の過電圧、オーム損がある。水素圧力が3MMPaの
ときの昇圧エネルギーは約200Wh/Nm3で、あり、ほぼ計算値と一致したが、圧力が低い領域
では、計算値よりも実測値の消費エネルギーの方が低い値を示した。これは圧力の上昇にともな
ってセル抵抗成分のうち、主に膜と電極間の接触抵抗の減少と膜厚変化による膜抵抗の減少によ
ると考える。

差圧式高圧水電解スタックにおける水素圧力35MPaで、の全消費エネルギーは4200Wh/Nm3
あり全消費エネ
ルギーに対して約84%の効率と、高圧水素発生装置としては省エネルギーなも
であるといえる。

 
このようにホンダの差圧式高圧水電解スタックを用いた場合の有利な特徴は、(1)水と電気だ
けを用い、その場で水素を製造でき、装置に55~60kWhの電力を与えると、水素を1キログラ
ム製造でき、使用する水の量は9キログラム。水素を外部からステーションに運び込んだり、都
市ガスを改質して水素を作り出す場合に比べて、設置場所を選びやすく、離島でも導入可能だと
いうことと、(2)世界初のステーション全体を1つ小規模パッケージ型(高圧水素タンクや充
填ノズルなど主要構成部位を全てパッケージ型に収納)にある。



● 水素を「水」から作り出す、四畳半のステーション



● 特開2014-105347 水電解システム及びその排水方法 本田技研工業株式会社

  ● 自律型浮体空港システムの再考

以上、ホンダのオールソーラーシステムの水素製造パッケージは、再エネ社会の扉をいち早く開
け放つものだ。その1つの形としてブログ掲載(『縄すてまじ!』2012.12.15)した「自律型浮
体空港システム」(上図)であり、沖縄の美しい海辺を埋め立てずにすむ、海洋都市システムへ
にもつながる、新しい防衛システムの提案であった。さあ、古い上着を脱ぎ捨て、地球温暖化問
題を解決し、新しい世界を切り拓こう。



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プラズマクラスター工学

2014年09月20日 | WE商品開発

 

  
● プラズマクラスター技術 喘息患者の気道炎症レベルが低減

わけあり(2つの理由で)、ここ2週間自室のソファーで寝ているが、今朝3時目が覚め、部屋にある
シャープの「プラズマクラスター」のきれいモニターが真っ赤に発光していることに気づく。理由は、
体臭、缶ビールからの蒸発拡散物、その他・・・?。とりあえず、「プラズマクラスターシャワー」モ
ードで様子を見ること、十数分経て正常状態のグリーンを発光したことを確認し再び寝たが、朝、ネッ
ト記事を閲覧していると、シャープが19日、臨床研究で、軽症と中症の小児アトピー型ぜんそく患者の
気道炎症を低減すると発表。これは、東大医学部付属病院臨床研究支援センターへ委託した臨床研究で。
ぜんそく持ちの子供の呼吸機能が改善する可能性を示唆。同研究は6~15才の小児アトピー型ぜんそく
患者130人を対象に同研究用に作ったイオン発生量が市販品より4倍多い専用機を各家庭に設置。気道
炎症レベルを示す指標の改善を確認できたとし、同社は今後も臨床研究も含む効果実証で、同技術の付
加価値を高めていくことを公表していた。

● 気道炎症レベルを表す指標の一つの呼気中一酸化窒素濃度で評価:FeNO値

この臨床研究は、小児アトピー型の軽症、および中症の喘息患者 130人を対象とし、自宅の寝室、居間
子供部屋の内、被験者の滞在時間が長い22つの部屋にイオン濃度約100,000個/cm3の臨床研究専用イオ
ン発生装置を設置、個人ランダム化クロスオーバー二重盲検比較法(下図参照)にて前期後期各8週間
の観察を実施。
今回、臨床研究では、小児アトピー型喘息の気道炎症レベルが低減し、プラズマクラス
ター技術が実生
活環境でヒトの健康に対して貢献することがわかったいう。同社はこれまでに、喘息の
主要抗原のひと
つであるダニアレルゲンに対して、プラズマクラスターイオンによるダニの死がい・糞
に含まれる浮遊ダニアレルゲンの抑制効果を実証、またダニアレルゲン抑制メカニズムの解明も行って
いる。


 

数年前、プラズマクラスタの医療学的生理効果につては半信半疑?な側面も否定切れず購入したものの、現在
はなくてはならないものになっている。臨床学的、あるいは疫学的な知財蓄積により、今後もバージョンアップし
た関連装置が日本から世界展開していくだろ。

 

● 流量センサ工学 水道メーターのスマート化 

小さなバーバーポール』 (2014.07.11)で掲載した、電力量計のスマート化の技術展望は電力収支
バランス管理システムは電力であったが、ふと、それじゃ水道(上下水道)やガスではづなんだという
疑問が湧いたので早速、ネゥト検索考察する、基本的には両者ともセンサの種類や計測原理は同じと考
えられる。今回は水道メーターに限定した。ここで、従来からの流量メーターの種類は(1)流速式と
(2)容量式と(3)(1)と(2)の組み合わせ式に分けられ、これまでの水道メーターは(1)が
99%と占めていた、なかでも羽根車式で電磁式やベンチュリー菅分流式は採用されずにきた。工業用に
は圧倒的に電磁式(磁気抵抗素子)方式が採用されている(下図参照)。

 

尚、上図新規考案は、直読式水道メーターのリットル針11の指針に磁石10を装着し、リットル針11の上
方に磁気センサ手段12を配置し回転を検出する。その際、磁気センサ手段12
を2個の磁気センサ12a、
12
bで構成し、その検出出力が90°の位相差となるようにし、この位相差からリットル針11の回転方向
が検出でき、回転方向に基づき計量値の加減算を行えば、メーター指示と一致きる。さらに、磁気検出
により、汚れや経年変化による検出精度の低下を防止することで、長期間に亘って安定してデジタルデ
ータに変換させる新規考案である。

また、参考までに気体の流量を正確に測定することのできる超音波流量計および超音波流量計用の超音
波吸収体を記載する。なお、前述した、超音波式ドップラ流量計は、従来の機械-電磁(電子)式と比
べ、コンパ
クト化が図れスマート化できると考えられている方式である。

 



以上、電力量計につづき、上下水、ガスの積算流量計のデジタル化、コンパクト化によるスマートグリ
ッドシステムの要素技術を俯瞰することとなった。尚、最下図に参考に、漏洩検知装置及び漏洩検知方
法――検知部6と、減衰器1とを有し、検知部6は、流体5が流れる配管2に設置し、第1の方向(z
方向)の振動を検知。なお、その他の方向を検知してもよく、減衰器1は、配管2に設置され、第1の
方向(z方向)と異なる方向の振動の中の少なくとも一部を減衰し、検知部6は減衰器1で減衰した後
の振動を検知して、外来振動の影響を抑制し、漏洩検査の精度を高めることで、上下水道、ガス配管網
の保全の品質を高め合わせて安全、安心を担保することができる――技術の新規提案例を記載しておく。
 

● ソニーのグローバル戦略は裏目に

かつて日本の製造業が高い競争力を持っていた時代、電機メーカー各社は、圧倒的な魅力を持つ大ヒッ
ト商品を打ち出せた成功体験は、高い利益率を狙うグローバル戦略を採用し邁進してきた。ソニーの代
表的な製品であるウォークマンやトリニトロンはその典型的な例だろう。そして、現在の日本メーカー
は、このような経営戦略の幻想が地に着かないことが明白にされている。それならば、出来るところか
らコツコツ利益を積み上げる以外にない、そんな中、プラズマディスプレイに社運をかけた"自惚れ路
線?
から脱したパナソニックは3期ぶりの黒字転換している。また、電機の半菅半民の日立は、情報
システム、建機、重電などを傘下に抱えながら、真っ先に業績回復を実現している。
このようなリソー
ス分散手法の経営が、グローバルスタンダードに勝ることも体験しているわけで、ソニーが
今後、業績
の回復には、部門ごとにコスト削減を徹底し、小さな利益を積み上げていくことしかない。かつての成
功体験と失敗から早く抜け出し、身の丈に合った経営を行うしかないだろうという見方が、正解のよう
に思える。

 

 

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今夜の3つのテーマ

2014年08月29日 | WE商品開発

 

  

【発光ダイオードランタンと提灯】

発光ダイオードの普及で、提灯ランタンや一新している。それも、ソーラーセルと一体型がほとんどとなっている。 
空気を入れ風船を膨らますソーラーランタン(円筒形・球形・キューブ形など)が相次ぎ商品化させてきた。その
なかでも、エムパワード LEDソーラーランタンは、超軽量 百グラムと 、ビーチボールのように空気で
膨らませて使い、折りたためば2.2センチ。 かさばらずアウトドア用のコンパクトなデザインとなっ
ている。小型の洋風ちょうちんとして普段使いもでき、ソーラーパワーの輝きは、エコで安全、スタイ
リッシュである。 今年年夏、エムパワードに新しいラインナップが投入された。名前は、エムパワー
ド ラックス。艶消しの質感と暖色LEDが特徴。本体のマットな光沢素材が反射を抑えてひかりをやさし
く拡散させる。使い勝手は従来のクリアタイプ(エムパワード オリジナル)と同じで、どこでも簡単に
置けすぐに使える。また、新しいタイプの LED キャンドルは 火も電源も要らない。重ねて使えばパー
ティータイム。テーブルをムーディーに演出する。 ソーラーパワーで電気代の節約をしながらくつろ
ぎの雰囲気で優しく夜を照らし、火を使わず、落としても割れず、邪魔なケーブルもない。コンパクト
なデザインは安心便利な停電時の明かりとして活躍する。 充電は晴れた日に日光に当てるだけ。直射
日光8時間でフル充電。 繰り返し使えるリチウムイオンバッテリー充電式。6~8時間連続点灯する
というが、惜しむらくは、12時間超の連続点灯タイプが欲しいところだ。  

 




【ボールフードこと新的小籠包】

羊毛のようなパジャマ』(2014.01.13)で、”たこ焼き様フードボール”の開発に触れたことがあっ
たが、小籠包(しょうろんぽう、上海語: ショーロンポー、普通話: シァオロンパオ、ピン音:xiǎol-
ongbao)やその上位概念の包子(パオズ、bāozi)あるいはさらに上位概念の”点心”とオーバーラップ
していところがあることに気付き、それじゃ、スープ用ゼラチン(低分画数→低温加熱で溶解)の挿入
や焼き入れや揚げ工程を加え瞬間冷凍→包装→出荷すれば、最終消費者は電子レンジでチン(グリル不
要)するだけで美味しく頂けることができる。


 

【オールソーラーシステム完結論 14】

させ、今夜は最新の新規考案の事例を掲載しよう。1つめは、 シャープから(下図クリック@参照)。
ヘテロ接合
型バックコンタクトセルは、下記のように、半導体基板の一方の表面上にn型/p型の双方
の積層構造形成には、
その製造過程において複雑なパターン形成を行なう必要があり、現在このような
パターン形成には、多くの場合、
リフトオフ法を適用されているが、この方法では、(1)微細なパタ
ーン形成に有用な方法ではあるが、(2)マスク
層が上層に覆われた状態で、剥離液を下層であるマス
ク層に浸透させる必要があるため、(3)加工速度に一定
の限界があり、(4)剥離液が十分浸透して
いない状態でマスク層の剥離を行なうと、上層が引きちぎられバリが
発生などの不都合が生じる。(6)
とりわけヘテロ接合型バックコンタクトセルにおいては、上層として、たとえばi型の非晶質膜とp型
の非晶質膜とからなる積層膜が形成される場合があり、剥離液の浸透に伴う加工時間の長さが生産効率
に及ぼす影響は大きく、延いては製造コストを高くする。



このため、光電変換素子は、第1導電型の半導体基板と、この基板の一方の表面上に設けた第1導電型
の第1の非晶質膜と、この表面上に第1の非晶質膜から独立し設け第2導電型の第2の非晶質膜と、を
構成し、第2の非晶質膜は、非晶質領域と結晶質領域とを含み、結晶質領域は、誘起電流測定での出力
電流の値が非晶質領域よりも大きい領域にすることで、(1)安価に製造でき、(2)高い変換効率を
備える光電変換素子の構成特許を提供している。

2つめは、入射光がパネル表面からバックパネルまで光を入射させるために、最表面部に近い量子ドッ
ト形状を小さくするし光吸収効率を高める構造設計としている、また、太陽電池を構成する各量子ドッ
ト層5における量子ドット5aを下記の単位で表される密度で表すと、1×1011~1×1023個/cm2
であることが望ましく、この中で、光入射側に配置された量子ドット層5の密度が1×1011
個/cmに近いことがより望ましく、さらに、小さい量子ドットの直径(D)は平均粒子形の40%以
下である。

 
3つめは、積水化学工業のもので、太陽光発電システム10は、シリコンPV1sと、薄膜PV1fと、
パワーコンディショナー2と
、系統連係保護部3で構成され、パワーコンディショナー2は、DC/D
Cコンバータ4とDC/ACインバー
タ5と制御部6とを備える。制御部6は、薄膜PV1fの出力電
圧が予め設定された起動可能電圧以上になると
DC/DCコンバータ4およびDC/ACインバータ5
を起動させ、薄膜PV1fの出力電圧が前記起動可能電圧を下回るとDC/DCコンバータ4およびD
C/AC
インバータ5の起動を停止させることで、効率的に発電可能な太陽光発電システムを実現させ
る提案である(上図クリック@参照)。

さらに、4つめは株式会社ホットプランである。これは、(1)太陽光発電装置2による電圧Vmを検
知して、(2)発電電力の発生と同時に蓄電池7へ蓄電し、蓄電池7から負荷給電部6へ放電を行う。
(3)蓄電池7から負荷給電部6への放電は、放電限界値まで行う。(4)蓄電池7へ蓄電は、満充電
を検知して自動停止する。(5)停電時には、太陽光発電装置2の発電電力を負荷給電部6へ供給し、
停電を回避するという機序ルールで、太陽光発電装置による自家発電電力の利用効率を向上して、商用
電力の使用を低減する電力供給装置の提案されている(下図クリック@参照)。



以上、4つの新規考案を掲載したが、実績や発明の内容が改良想定の提案であり、先回ほどのインパクトのある
ものではなかったが、今後も時宜をえて最新情報を本シリーズ考察していく。 

   朱雀門にデジタル掛け軸-平城宮跡がきらびやかに

 

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水素水パワーの事業化

2014年08月16日 | WE商品開発

 

 

【水素水パワーの事業化】

先日のブログ(『金欲漬遺伝子組み換え作物』)で残件扱いの水素水あるいは水素溶解水を、アンチエイジング
機能領域を「オールソーラーシステム」の事業領域に含めるかどうか下調べを行う。ここで、微量の濃度の水素
水をつくり商品展開するにはるには、(1)どのようなシーンで飲用・医療利用(電子デバイス製造プロセス水
などの工業領域をのぞく)・環境資源(例えば、「十王村の水」などの名水に水素を含有させ付加価値を高める)
するのか、(2)副原料の水素の原料の水への溶解方法とか、(3)溶解させる副原料の多成分化―例えば、炭
酸ガスを混合することでスパーリング化やクエン酸やポリフェノールの添加など選択肢が考えられる。いずれに
ても医療分野も含め世界展開を考慮すると”水素水パワー”の市場規模は最大で1兆円規模も不可能ではないだ
ろう。そうとするなら『オールソーラーシステム事業』を組み込むことも夢でないだろう。また、前述したよう
に、有名湧水地や神社などのパワースポットの飲料設備にソーラーパネルをセットし電気分解・供給装置で水素
を必要量自動で溶解させることで"新しい御利益"を加えることもできそうだ。



● 飲料水サーバー

さて、この水素パワーの事業化の技術的課題を看る。一般的な飲料水サーバは温水と冷水供給口を備え、消費者
の好みで供給口を選択し、温水/冷水をコップなどに供給する。日本の特許で開示される飲料水サーバは(1)
活性炭、セラミック、サンゴ石、人工ゼオライトなどを充填した濾過フィルタを貯蔵容器内に沈め、水をミネラル
水素水とするもの、(2)また、特電気分解によって水素ガスを発生するポットものがある。このポットは水素
ガスを生成溶存する生成水用ポット部と通電するための台座部で構成され、生成水用ポット部内には高分子の隔
膜で分離された有孔/無孔の金属板よりなる陽極と陰極が配置されている。(3)さらに、ケース内にマグネシ
ウム粒と銀粒を充填した、小さな穴を形成させたしたせラミックケースで、水と金属マグネシウムとを接触させ
水素ガスが発生するものや(4)CaHなどの水素化金属化合物とクエン酸などの固体酸をポリエチレンなど
の水不溶性高分子化合物に溶融して冷却固化させた水素発生剤が提案されている。

ところで、(1)の飲料水サーバは、水素ガスを水中に供給するものでなく、サンゴ石などが吸着している水素
ガスを水中に放出するもので、サンゴ石やゼオライトに吸着された水素ガスは仮に存在しても極めて微量で、体
内の活性酸素を中和することが期待できないみられている。また、(2)のポットは、(1)に比べて実際に水
素ガスを発生させるが、水素ガスの発生までの時間がかかり(?どの程度が明記さておらず)、製造コストも高
くなり、電極表面に酸化膜や水に溶存しているカルシウムなどが析出しやすく(?阻害物質の吸着除外)、特に
生成水用ポット部内の構造が複雑で、被膜や析出物の除去が困難でメンテナンス性が悪い。さらに、(3)(4)
の水素ガス発生剤をポットやサーバタンクに投入することで水素ガスを発生させることができるが、(2)に挙
げた金属マグネシウムは反応が遅く、金属マグネシウムや水素化カルシウムは食品添加物として認められておら
ず、これらが接触した水を直接飲料用とすることは好ましくない。

また何れの先行技術も、必要な時に必要なだけ瞬時に大量に水素ガス等のガスが溶解した水を生成することがで
きず、水素ガスは一旦生成しても水中から飛散しやすく、大量に溶解した状態を維持には難しい。と言った
課題
の解決には、交換可能な水タンクをセットし、この水タンク内の水を供給口からコップなどに供給する飲料水サ
ーバで、水素ガス、炭酸ガスまたは酸素ガスを混入させた水を供給するガス混入水供給口を備え、タンクからガ
ス混入水供給口に至る水供給路の途中に気体導入部が設け、ガスボンベからのガスがサーバ本体に設けたボタン
やコックなどのガス混入手段に連動して送り込まれる構造が提案されている(下図参照)

 JP 2014-144788 A 2014.8.14

尚、気体導入部は連続微細孔/多孔質体の気泡発生部材が用いる。連続微細孔/多孔質体には、砂やセラミック
粉などの均一な微細粒子を固めてたもの(
多孔質体を用いる代わりにガスボンベからのガスを配管の内面に衝突させ
て微細化してもよい)。この提案によると、電気分解によって水素ガスを生成する飲料水サーバと比較し、瞬時に必
要な量だけ水素ガス等のガスを混入でき飲料水を生成でき、製造コスト、ランニングコストが安くなり、特別な
メンテナンスが不要であるのが特徴。事業として考えると、高圧ガスの取り扱いかかわる法的側面や安全設計な
どの調査を必要とするが、サーバーの据え付けとボンベの供給だけとなりビジネス展開しやすいモデルになる。
 

● 電気分解水素発生方式 

水に水素を溶解させる方法として、(1)水に溶解する窒素、酸素、炭酸ガスをガス拡散用半透膜と減圧を利用
して取り除いた後、高圧の水素とガス拡散用半透膜を用いて、水素を水に溶解させる方法が考えられる。この方
法では、水素を水に効率良く溶解できるが複雑な装置が必要となる。また、(2)
電気分解て発生した水素を水
に溶解させ素溶解水製造する方式は、素溶解水を半導体製造工程における洗浄作業で用い、水の電気分解
で発生した水素のみを抽出し純水に溶解させているが、人体の活性酸素を中和させる抗酸化作用を、健康用機能
水として家庭で生成し利用することができる。

そこで、(1)のガス溶解水製造装置は発生した水素と酸素のうち、水素のみを抽出する構成で、装置が複雑で
家庭用には不向きであり、窒素や酸素が含まれていない純水に水素を溶解させるのは容易だが、家庭用の装置と
しては難しい
。家庭用には、ミネラルウォータや水道水等、比較的入手が容易な水に水素を混合させて水素溶解
を生成する必要があり、さらに簡素な構成が条件となる。そこで、下図の
洗面システムは、電解液を電気分解
で水素を発生させる水素発生装置と、顔面を受入れ可能に構成されており、内部に水を溜めることが可能な洗面
ユニットと、水素発生装置から供給された水素と、ユニット内に溜められた水を羽根車の回転で混合させるター
ボ形ポンプの構造を特徴とする洗顔ユニットが提案されている。




洗顔器ということではあるが、このような装置が果たして市場普及するのか、わたしにはよくわからない。彼女
に聞いてもピンとこないだろうが、しかし、水素ガスの所要注入時間を長くすることで解決すれば、このような
電解水素方式が前出案のように使い難いとは言い切れない(実際、コーヒーメーカーにはチューブ構造にするこ
とで十分な加熱が得られている)。、
 

 

次の新規考案は、洗顔だけではない、水素水の飲料水としててだけでなくさらに、付加価値をつけた飲料水を製造
するのだというもの。近年、その高い内部圧力や表面の活性度の高さが、汚濁水の浄化、生体への適用や化学反応
に有効利用するものとして、超微細気泡(ナノバブル)を含むナノバブル水が注目。その製造方法と製造装置に、
注目されてきたが、そこに目をつけ、コンパクトで効率の良いナノバブル水製造装置を改良し、(1)水素水(2)
フコイダン水の持つ機能を付加するというもの。なお、ナブル・フコイダン水素水は、それぞれ、抗酸化性や抗癌
性という効果を売りものとしている。つまり、ナノバブル水の機能(洗浄力あるいはキャビテーション)の評価が
高く、また、水素を含むだけでは、水素の抗酸化作用がが小さいので、より健康に好ましいとされるフコイダンの
種々の薬効を加えるというものだが(上写真クリック@参考)、肝心のフコイダンは非常に大きな高分子なので有
効摂取され難いという課題がある。このため下図の装置構成で、処理される原流体に高圧流体を噴射し、超微細気
泡(ナノバブル)を発生させるナノバブル発生装置を少なくとも一部に用いて、水素及びフコイダンを含むナノバ
ブル・フコイダン水素水を提供。水素濃度が0.01mg/L以上、50mg/L以下がよく。フコイダンの濃度
は、フコイダンに含まれるヨウ素の濃度において0.1mg/L以上、300mg/L以下がよい。ビタミンCを
さらに含有するナノバブル・フコイダン水素水を特徴とする。

 
 JP 2014-139225 A 2014.7.31

 

この提案のナノバブルの機能がイマイチわからないのだが、フコイダンのよう高分子系のポリフェノール類の易
溶性を高める機能は妥当性があるように思えるが、水素とフコイダンとの結合構造が電荷的なものか共有結合の
ようなものかあるいはその他の機能構造なのか理解(表面エネルギー変化に起因するのは確かなのだが)できて
いないが、これについては一部経過観察として残件扱いとする。

● I-S(ヨウ素-イオウ)サイクル法

水素の製法として(1)炭化水素燃料の水蒸気改質、(2)I-S(ヨウ素-イオウ)サイクル法、(3)水の
電解法、(4)水素合成菌培養法などあるが(1)は二酸化炭素を複成させる。(2)は、下図(クリック@参
照)のように、熱エネルギーを利用して水から水素を生成させる方法としては、下記式(B1)~(B3)で示
されるI-S(ヨウ素-イオウ)サイクル法と呼ばれる方法が提案されている:

(B1)HSO(液体)→ HO(気体) + SO(気体) + 1/2O(気体)
(反応温度=約950℃、ΔH=188.8kJ/mol-H
(B2)I(液体) + SO(気体) + 2HO(液体)→ 2HI(液体) + HSO(液体)
(反応温度=約130℃、ΔH=-31.8kJ/mol-H
(B3)2HI(液体) → H(気体) + I(気体)
(反応温度=約400℃、ΔH=146.3kJ/mol-H

上記式(B1)~(B3)で示されるI-S(ヨウ素-イオウ)サイクル法の全反応は下記のとおりである:
O → H + 1/2O
(ΔH=286.5kJ/mol-H(高位発熱量基準)
(ΔH=241.5kJ/mol-H(低位発熱量基準)

ここで、上記式(B2)の反応はブンゼン反応と呼ばれる反応であり、この式の右辺で表される生成液は、より
正確には、下記式(B2’)で示されるように、硫酸及び水を主成分とする上相液と、ヨウ化水素、ヨウ化水素
に配位しているヨウ素、及び水を主成分とする下相液とに相分離している:

(B2’)9I(液体) + SO(気体) + 16HO(液体)→ 4HO + HSO (上相液)
+ 10HO + 2HI + 8I (下相液)

この提案の水素製造方法は、ヨウ化水素の分解を介して水素を生成する工程で、ヨウ化水素の分解の分解によっ
て水素を得る前に、ヨウ化水素水溶液を濃縮することで、ヨウ化水素及び臭化水素水溶液濃縮工程を効率的に行
えることを特徴とする。とはいえ、大規模な装置となるためコンパクト水素製造装置には不向きであり、参考ま
で掲載しておく。


JP 2014-15344 A 2014.1.30

以上、ざっくりと、水素水事業の可能性を調べてみたが、"水素社会"の基盤整備と共に液体水素の取り扱いも高
度化され、入手されやすくなるから、当面そのことも考慮してビジネスモデルを設計しておく必要がある。
 

● 下衆(下種)の極み 


例えば、「下衆の極み」を英語で言うと“ You're the worst of the worst ! ”。「おまえなんて最低の最低だ!」と
言い捨てるという
放送禁止用語ギリギリの線をいった強い相手を否定する表現になるらしい。それでは、「がっかり
だよ!」は“You let me down!” あるいは“Get real!" "Very funny”"Nonsense!" など。
LINEで中学生を“威
圧”していたことがバレ、大阪維新の会から除団処分を突きつけられた山本景大阪府議や政務活動費をめぐる会
見で号泣し、赤っ恥をさらした野々村竜太郎元兵庫県議の顛末を観るにつけ、こうも政治で飯喰う輩の質の低下
に歯止めが掛からぬはなぜかなのか? そんなことを考えていると、ハマカーンの決めゼリフ"下衆(下種)の極
み"が浮かんだ。それをネタに食らいつく輩も、"・・・・・”^^;。



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小型ヌードルメイカー

2014年06月22日 | WE商品開発

 

 

 

    

 



  夜中の一時過ぎに電話がかかってきて、僕を起こす。真夜中の電話のベルはいつも荒々しい。
 誰かが凶暴な金具を使って世界を壊そうとしているみたいに聞こえる。人類の一員として僕は
 それをやめさせなくてはならない。だからベッドを出て居間に行き、受話器を取る。
  男の低い声が僕に知らせを伝える、一人の女性がこの世界から永遠に姿を消したことを。声
 の主は彼女の夫だった。少なくとも彼はそう名乗った。そして言った。妻は先週の水曜日に自
 殺をしました、なにはともあれお知らせしておかなくてはと思って、と彼は言った。なにはと
 もあれ。僕の聞く限り、彼の口調には一滴の感情も混じっていなかった。電報のために書かれ
 た文章のようだ。言葉と言葉のあいだにほとんどスペースがなかった。純粋な告知。修飾のな
 い事実。ピリオド。

  それに対して僕はどんなことを言ったのだろう? 何かは口にしたはずだが、思い出せない。
 いずれにせよ、そのあとひとしきり沈黙があった。道路の真ん中にぽっかり開いた深い穴を両 
 端から二人でのぞき込んでいるような沈黙。それから相手はそのまま、何も言わずに電話を切
 った。壊れやすい美術品をそっと床に置くみたいに。僕はそのあとしばらくそこに立ち、とく
 に意味もなく受話器を手に握っていた。白いTシャツに青いボクサーショーツというかっこう
 で。
 
  なぜ彼が僕のことを知っていたのか、それはわからない。彼女が僕の名前を「昔の恋人」と
 して夫に教えたのだろうか? 何のために? またどうやって彼はうちの電話番号を知ったの
 だろう(電話帳には載せていない)。それにそもそもどうして僕なのだ? なぜ夫がわざわざ
 僕に電話をかけて、彼女が亡くなったことを知らせなくてはならないのだ? 彼女がそうして
 くれと遺書に書き残していたとはとても思えない。僕と彼女がつきあっていたのは、ずいぶん
 昔のことだ。そして別れてからはただの一度も顔を合わせていない。電話で話したことさえな
 い。
 
  でもまあ、それはどうでもいい。問題は彼が僕に何ひとつ説明を与えてくれなかったことだ。
 彼は妻が自殺したことを僕に知らせなくてはならないと考えた。そしてどこからか僕の自宅の
 電話番号を手に入れた。しかしそれ以上の詳しい情報を僕に与える必要はないと思った。僕を
 知と無知の中間地点に据えること、それがどうやら彼の意図するところであるらしかった。ど
 うしてだろう? 僕に何かを考えさせるためだろうか?

  たとえばどんなことを?
 
  僕にはわからない。疑問符の数が増えていくだけだ。子供がノートにゴム印を手当たり次第
 に捺していくみたいに。
  そのようなわけで、彼女がなぜ自殺したのか、どのような方法を選んで命を絶ったのか、僕
 はいまだに知識を持たない。調べようにも、調べる手だてがない。僕は彼女がどこに住んでい
 るかを知らなかったし、そんなことをいえば、彼女が結婚していたことすら知らなかった。当
 然ながら彼女の新しい姓も知らない(男も電話で名前を言わなかった)。どれくらい長く結婚
 していたのだろう? 子供(たち)はいたのだろうか?
  でも僕は夫が電話で言ったことを、そのままのかたちで受け入れた。疑う気持ちは起きなか
 った。僕と別れたあとも、彼女はこの世界を生き続け、誰かと(おそらく)恋に落ち、その相
 手と結婚し、そして先週の水曜日に何らかの理由で、何らかの方法で、自らの命を絶ったのだ。
 なにはともあれ。彼の声には確かに死者の世界に深く結びついたものがあった。夜の静寂の中
 
で、僕はその生々しい繋がりを耳にすることができた。ぴんと張った糸の緊迫を、その鋭い煌
 めきを目にすることもできた。そういう意味では――それが意図的であったかどうかはともか
 く――夜中の一時過ぎに電話をかけてきたことは、彼にとって正しい選択だった。昼の一時で
 はたぶんこうはいかなかっただろう。

  僕がようやく受話器を置いてベッドに戻ったとき、妻も目を覚ましていた。

 「何の電話だったの? 誰が死んだの?」と妻は言った。
 「誰も死なない。間違い電話だよ」と僕は言った。いかにも眠そうな、間延びした声で。
 
  でももちろん彼女はそんなことは信じなかった。僕の声にもやはり死者の気配は含まれてい
 たからだ。できたての死者がもたらす動揺は、強力な感染性を持っている。それは細かい震え
 となって電話線を伝わり、言葉の響きを変形させ、世界をその振動に同期させていく。でも妻
 はそれ以上何も言わなかった。僕らは暗やみの中で横になり、そこにある静寂に耳を澄ませな
 がら、それぞれに思いを巡らせていた。

  そのようにして、彼女はこれまで僕がつきあった女性たちの中で、自死の道を選んだ三人目
 となった。考えてみれば、いや、むろんいちいち考えるまでもなく、ずいぶんな致死率だ。僕
 にはとても信じられない。だいたい僕はそれほど数多くの女性と交際してきたわけではないの
 だから。なぜ彼女たちが若くして、そんなに次々に自らの命を絶っていくのか、絶っていかな
 くてはならなかったのか、まったく理解できない。それが僕のせいでなければいいと思う。そ
 こに僕が関与していなければいいと思う。あるいは彼女たちが僕を目撃者として、記録者とし
 て想定したりしていなければいいと思う。心から本当にそう思う。そして、どう言えばいいの
 だろう、彼女は――その三人目の彼女は(名前がないと不便なので、ここでは仮にエムと呼ぶ
 ことにする)―――どのように考えても自殺をするタイプではなかった。だってエムはいつも、

  世界中の屈強な水夫たちに見守られ、見張られていたはずなのだから。
  エムがどういう女性だったのか、僕らがいつどこで知り合って、どんなことをしたのか、そ
 れについて具体的に語ることはできない。申し訳ないのだが、事情を明らかにすると、現実的
 にいろいろと面倒なことがある。おそらくまわりの(まだ)生きている人々に迷惑が及ぶこと
 になる。だから僕としては、僕はかなり以前に彼女と一時期、とても親密につきあっていたが、
 あるときわけがあって離ればなれになった、としかここでは書けない。

  僕は実を言うと、エムのことを、十四歳のときに出会った女性だと考えている。実際にはそ
 うじゃないのだけれど、少なくともここではそのように仮定したい。僕らは十四歳のときに中
 学校の教室で出会った。たしか「生物」の授業だった。アンモナイトだか、シーラカンスだか、
 なにしろそんな話だ。彼女は僕の隣の席に座っていた。僕が「消しゴムを忘れたんだけど、余
 分があったら貸してくれないか」と言うと、彼女は自分の消しゴムを二つに割って、ひとつを
 僕にくれた。にっこりとして。そして僕は文字通り一瞬にして彼女と恋に落ちた。彼女は僕が
 それまでに目にした中で、いちばん美しい女の子だった。とにかくそのとき僕はそう思った。
 僕はエムをそのような存在としてとらえたい。僕らはそんな具合に、中学校の教室で初めて出
 会ったのだと。アンモナイトだかシーラカンスだか、その手のものにひそやかに圧倒的に仲介
 されて。そう考えると、いろんなことがとてもすんなりと俯に落ちるものだから。

  僕は十四歳で、作りたての何かのように健康で、もちろん温かい西風が吹くたびに勃起して
 いた。なにしろそういう年齢なのだ。でも彼女は僕を勃起させたりしなかった。彼女はすべて
 の西風をあっさりと凌駕していたからだ。いや、西風ばかりじゃない、すべての方角から吹い
 てくる、すべての風を打ち消してしまうほど素晴らしかった。そこまで完璧な少女の前で、む
 さくるしく勃起なんてしていられないじゃないか。そんな気持ちにさせてくれる女の子に出会
 ったのは、生まれて初めてのことだった。

  僕はそれがエムとの最初の出会いだったと感じている。ほんとはそうじゃないのだけれど、
 そう考えるとものごとの筋がうまく繋がる。僕は十四歳で、彼女も十四歳だった。それが僕ら
 
にとっての、真に正しい邂逅の年齢だったのだ。僕らは本当はそのように出会うべきであったのだ。

  でもそれからエムは、いつの間にか姿を消してしまう。どこに行ってしまったのだろう?
 僕はエムを見失う。何かがあって、少しよそ見をしていた隙に、彼女はどこかに立ち去ってし
 まう。さっきまでそこにいたのに、気がついたとき、彼女はもういない。たぶんどこかの小校
 い船乗りに誘われて、マルセイユだか象牙海岸だかに連れていかれたのだろう。僕の失望は彼
 らが渡ったどんな海よりも深い。どんな大烏賊や、どんな海竜がひそむ海よりも深い。自分と
 いう人間がつくづく嫌になってしまう。何も信じられなくなってしまう。なんということだ!
 あれほどエムのことが好きだったのに。あれほど彼女のことを大事に思っていたのに。あれほ
 ど彼女を必要としていたのに。どうして僕はよそ見なんかしてしまったのだろう?

 
               村上春樹 著 『女のいない男たち』(書き下ろし/文藝春秋)
 
                                      この項つづく

 

   



 

 

●家庭用ヌードルメーカーが気になる

家庭用の製麺機が人気だという。 販売されたのは昨年の4月に発売された油を使わずに揚げ物がで
きるフィリップスの『ノンフライヤー』は、画期的な調理家電として反響を呼び大ヒット商品とな
ったが、そのフィリップスが6月下旬より発売され、この『フィリップス ヌードルメーカー』が先
導となり現在では国内や中国メーカも参入しブームとなった模様。ものはというと、電気ポットほ
ど大きさで「粉を入れる」⇒「ボタンを押す」⇒「注ぎ口から水や卵の材料を入れる」という3ス
テップ、約10分で生麺が作れる調理器だ。4種類の製麺用キャップが付属されており、製麺用キャッ
プを変えるだけで、うどん、そば、ラーメン、パスタといった生麺を全自動で作ることができると
いうもの。そして「日本の3大主食のうち、ご飯に関しては炊飯器の所持率が95%、パンについては
トースターが70%、ホームベーカリーが25%と主食調理家電として多くの家庭に浸透している。も
うひとつの主食である麺について、なぜ手作りが進んでいなかったかということに私たちは着目し
た。日本人は非常に麺が好きな国民で、約4人に1人が週に5回以上、約50%が週に2~4回、合計
すると90%が週に1回以上麺を食べている計算になるとか。日本は麺の頻度だけではなく、ラーメ
ン、そば、うどん、パスタと種類の多さも特徴的で麺先進国だ。近年ではとくに生麺が人気で、袋
麺、即席麺では生麺タイプの投入により、市場が再成長しており、冷凍食品、外食産業でも、生麺
を前面に出して人気を集めるなど、生麺人気が麺カテゴリの拡張をする。


《フィリップス ヌードルメーカーの仕様》



●規格品外野菜のパウダー



話は少しずれるが、上の写真(クリック)の『野菜パウダー革命』『ソイスコーンでドライブ・マ
イ・カー
』としてブログ掲載した規格品外の野菜を乾燥し粉砕製粉させことで、無駄なく利用する
方法として、製パン・製麺・食品色素・製菓子などとして商品展開する事業について考察した。こ
れは穀物・豆類でもおなじである。ただ、家庭用あるいは小型製麺機までは考察していない。

 

 




ところで、家庭用ヌードルメーカーのアイデアは、10年前に「特開2004-073783 小型製麺機」(
下図クリック)に提案されている。麺の出口が下向いているが、フィリップス ヌードルメーカー
やその類似品は横から射出されている違いがあるだけでほぼ同じ原理と機構構成となっているはず
だ(はずだというのは詳細に網羅して調査していないため)。この提案では「麺類のうちでも特に
蕎麦粉は水と捏ねても小麦粉のように粘弾性に乏しく、蕎麦粉が多いと非常に切れやすくなる。こ
のため、機械的に製造するためには、通常は小麦粉等のつなぎ材料を加える必要があった。または
、細心の注意を払いながら手で打つしかなく、製麺機で機械生産することは困難であった。また、
この課題に対しては、特開平8-38026に見られるように麺茹で容器内の熱湯の湯面と蕎麦押出しノ
ズル部の蕎麦排出孔の出口との距離を20cm以下になるよう配置することにより解決する
方法が
提案されている。」「しかしながら特開平8-38026の方法では、大規模な業務用としては可能であ
るが、家庭用など小人数用では、麺茹で容器内の熱湯の湯面と蕎麦押出しノズル部の蕎麦排出孔の
出口との距離を20cm以下になるように設置することは、狭い家庭の台所環境では困難であり、
また固定が不十分な場合、特に人力では操作時に操作力が製麺機を動かす方向に働き、これにより
麺茹で容器をも移動させ、内部の熱湯が飛び散る可能性があるという危険性があるため、小人数用
としては使えないという課題があった。また、製麺機に入れる蕎麦練体を事前にそば粉に水を加え
て作る必要があったため、練りと製麺の間に時間を要するため、蕎麦練体の乾燥を防ぐことが難し
く、すなわち製麺したときに短く切れ易くしたがって連続した蕎麦を製麺するためには麺茹で容器
内の熱湯の湯面と蕎麦押出しノズル部の蕎麦排出孔の出口との距離を20cm以下になるように設
置する必要があった」「水とそば粉を撹拌する攪拌手段と、撹拌手段により得られた蕎麦練り体を
スイッチ操作により自動的に受け入れて押出す押出し手段とで構成することで、蕎麦粉の含有率が
高い高品質の蕎麦をも安全に迅速に製造することができる小人数用製麺機を提供する」と記載され
ている(しかし「小型製麺機」は明記されているが「蕎麦」と使用範囲が限定的に記載されている
だけである)。


 

 

いや、驚きましたね。折をみて、我が家でも使ってみますか?

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林檎のマルチタッチディスプレイ

2014年05月28日 | WE商品開発

 

 

        逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり

       物思ふと すぐる月日も しらぬまに 今年はけふに はてぬとかきく

            結び置きし 袂だに見ぬ 花すすき 枯るともかれじ 君し解かずは

              

           
                       権中納言敦忠 『拾遺集』『新古今集』


 



昨日の夕食に例の「豚肉の我が家風」(『アリスタとフェンネルシード』)がだされた。時間が
いと言うことで、電気製品の「オーブントースター」で煙がむんむんする中速攻調理したもの
だ。
感想?表面が堅いねぇ。でも、美味しかったよと、食べ終えた食器を台所に持って行き彼女に言っ
たが、水を加え蒸し焼きにできればよかったのにと、この一言が癇に障りったのか、時間がなかた
だけよとの
返事。それじゃ、薄切りにして、ノンオイル(ノンフライ)オーブンで調理すればよい
かもね。と、言ったのがいけなかったのか、時間がなかっただけなのよと、同じ言葉が返ってきた。
少なめの「レンジでチンする唐揚げ粉」(『泥鰌と神の粒子』)とローズマリー、セージ、ニンニ
クをみじん切り、フェンネルシードを潰し塩とコショウを混ぜミックスハーブ
と豚肉の薄切りをポ
リ袋に入れ揉みほぐし、廉価なノンフライオーブン(あるいは、高価なレンジオーブン)で焼けば
短時間で調理できるはず。ただし、カットはないのでロースト感は失われるから難しいね。

 

 

 

 


●林檎のマルチタッチディスプレイ

米国のアップル社のフレキシブルな移動体情報表示タッチパネルへの太陽電池統合技術に熱心に取
り組んでいる。2014年5月20日(火)、米国特許庁は、iPhoneなどの透明なマルチタッチスクリー
ンに太陽電池パネルを統合被覆する特許修正を付与した。まず、2月にアップル社から公表された
タッチセンシング構成にソーラー電池を組み込み統合し特許範囲を広げたものである。つまり、モ
バイルデバイスが太陽光発電を利用する未来に向かうための一歩で、この特許は、従来のタッチパ
ネル表示装置とソーラーパネルの配列を一体化する技術-可撓性のあるディスプレイモジュールと
太陽光発電装置が一つになり、ダウンサイジングでき、デバイスのさらなる小型化という要請にも
対応可能だが、タッチを感取する面が表示装置でもあるとはなっていなかった(ただ、タッチ面と
ソーラー面の同一を記述している)ので用途が限定されるというのが修正理由である。
今回の特許
では、ソーラーセルがタッチセンサの部位兼ディスプレイの部位から顔をのぞかせる構成となるた
め、太陽光を通すための技術が鍵となる。それ以外に、
発電効率が低いという問題と、ソーラーセ
ルを最表面に配置する設計の余地もありそうだ。いすれにしてもアップル社の新規技術の提案には
将来の薄膜デバイスに大きな変化をもたらす可能性があり注目だ。
 昨夜の『環境品質展開とは何か
の「発電・遮光・発光する農ポリ」の目指すところと一致する、速いこと開発実現してしまうことだと考えている
ことをさらに確認しておこう。 

 

  

 


イントロもいよいよ『独立器官』の佳境の幕開けにさしかかる。僕と渡会医師の間に何かが芽生え
ようとしている。

  僕と渡会医師とはうちの近くにあるジムで知り合った。彼はいつも週末の午前中にスカッシ 
 ュ・ラケットを抱えてそこにやってきて、そのうちに僕とも何ゲームか打ち合うようになった。
 彼は礼儀正しく、体力もあり、勝負へのこだわりもほどほどだったから、気楽にプレイを楽し
 むにはちょうど良い相手だった。僕の方が少し年上だったが、年代もほぽ同じだったし(これ
 はしばらく前に起こった話だ)、スカッシュの腕も同じ程度だった。二人で汗だくになってボ
 ールの追い駆けっこをし、近くのビアホールに行って一緒に生ビールを飲んだ。育ちが良く、
 高い専門教育を受け、生まれてから金銭的な苦労をほとんどしたことがない人間の多くがそう
 であるように、渡会医師は基本的には自分のことしか考えていなかった。にもかかわらず彼は、
 前にも述べたように、楽しく興味深く会話ができる相手だった。
 
  僕がものを書く仕事をしていることを知って、渡会は世間話ばかりではなく、少しずつ個人

 的な打ち明け話をするようになった。セラピストや宗教家と同じように、ものを書く人間も人
 の打ち明け話を聞く正当な権利を(あるいは責務を)有していると、彼は考えていたのかもし
 れない。彼ばかりではなく、僕はそれまでにも何度かいろんな人を相手に、同じような体験を
 してきた。といっても、僕はもともと人の話を聞くのが嫌いではないし、とりわけ渡会医師の
 打ち明け話に耳を傾けるのは興趣が尽きなかった。彼は基本的に正直で率直で、自分をそれな
 りに公平に見ることができた。そして自分の弱点を人前にさらけ出すことをさほど怖がらなか
 った。それは世間の多くの人々が持ち合わせていない資質だった。

  渡会は言った。「彼女より容貌の優れた女性や、彼女より見事な身体を持った女性や、彼女
 より趣味の良い女性や、彼女より頭の切れる女性とつきあったことは何度かあります。でもそ
 んな比較は何の意味も持ちません。なぜなら彼女は私にとって特別な存在だからです。総合的
 な存在とでも言えばいいのでしょうか。彼女の持っているすべての資質が、ひとつの中心に向
 けてぎゅっと繋がっているんです。そのひとつひとつを抜き出して、これは誰より劣っている
 とか、勝っているとか、計測したり分析したりすることはできません。そしてその中心にある
 ものが私を強く惹きつけるのです。強力な磁石のように。それは理屈を超えたものです」

 

 
  我々はフライドポテトとピックルスをつまみに「ブラック・アンド・タン」の大きなグラス
 を傾けていた。
 
 「『逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり』という歌があります
 ね」と渡会が言った。
 「権中納言敦忠」と僕は言った。どうしてそんなことを覚えていたのか、自分でもよくわから
 ないけれど。
 「『逢ひ見て』というのは、男女の肉体関係を伴う逢瀬のことなんだと、大学の講義で教わり
 ました。そのときはただ『ああ、そういうことなのか』と思っただけですが、こんな歳になっ
 てようやく、その歌の作者がどういう気持ちを抱いていたのか実感できるようになりました。
 
恋しく想う女性と会って身体を重ね、さよならを言って、その後に感じる深い喪失感。息苦し
 さ。考えてみれば、そういう気持ちって千年前からひとつも変わっていないんですね。そして
 そんな感情を自分のものとして知ることのなかったこれまでの私は、人間としてまだ一人前じ
 ゃなかったんだなと痛感しました。気づくのがいささか遅すぎたようですが」
  そういうのは遅すぎるも早すぎるもないと思う、と僕は言った。たとえいくらか遅かったと
 しても、最後まで気づかないでいるよりはずっといいのではないか。
 「でもこういう気持ちは、若いうちに経験しておけばよかったかもしれません」と渡会は言っ
 た。「そうすれば免疫抗体みたいなものも作られていたはずです」
 
 そんなに簡単に割り切れるものでもないだろうと僕は思った。免疫抗体なんてできないまま、

 たちの悪い潜在的病根を体内に抱え込むようになった人を僕は何人か知っている。でもそれに
 ついては何も言わなかった。話が長くなる。

 「彼女と交際するようになって一年半になります。彼女のご主人は仕事柄海外に出張旅行する
 ことが多く、そういうときに私たちは会って食事をして、それから私の部屋に来てベツドを共
 にします。彼女が私とこんな関係になったきっかけは、ご主人が浮気をしていたことがわかっ
 たからです。ご主人は彼女に謝って、相手の女とは別れるし、こんなことは二度としないと約
 束しました。でも彼女の気持ちはそれではおさまりません。彼女はいわば精神のバランスを取
 り戻すために、私と肉体的な関係を持つようになったのです。仕返しと言うと表現がきつくな
 
りますが、そういう心の調整作業が女性には必要なんです。よくあることです」

  そういうのがそんなによくあることなのかどうか、僕にはわからなかったが、とにかく黙っ
 て彼の話を間いていた。
 
 「私たちはずっと楽しく、気持ちよくやってきました。活気のある会話、二人だけの親密な秘

 密、時間をかけたデリケートなセックス。我々は美しい時間を共有できたと思っています。彼
 女はよく笑いました。彼女はとても楽しそうに笑うんです。でもそういう関係を続けてきて、
 次第に彼女のことを深く愛するようになり、後戻りができないようになってきて、それで最近
 よく考えるようになったんです。私とはいったいなにものなのだろうと」 
  最後の言葉を聞き逃した(あるいは聞き間違えた)ような気がしたので、もう一度繰り返し

 てくれるように僕は頼んだ。
  
 「私とはいったいなにものなのだろうって、ここのところよく考えるんです」と彼は繰り返し
 た。

 「むずかしい疑問だ」と僕は言った。

 「そうなんです。とてもむずかしい疑問です」と渡会は言った。そしてむずかしさを確認する

 ように何度か肯いた。僕の発言にこめられた軽い皮肉はどうやら通じなかったようだった。
 「私とはいったい何なのでしょう?」と彼は続けた。「私は美容整形外科の医師として、これ
 まで何の疑問も持たずに仕事に励んできました。医科大学の形成外科で研修を受け、最初は父
 
の仕事を助手として手伝い、父が目を悪くして引退してからは、私がクリニックの運営にあた
 ってきました。自分で言うのもなんですが、外科医として腕は良い方だと思います。この美容

 整形という世界は実に玉石混淆でして、広告ばかり派手で、内実ずいぶんいい加減なことをし
 ているところもあります。しかしうちは終始良心的にやってきましたし、顧客との大きなトラ
 ブルを起こしたことは一度もありません。私はそのことにプロフェッショナルとしての誇りを
 持っています。私生活にも不満はありません。友だちも多くいますし、身体も今のところ問題                           
 なく健康です。生活を私なりに楽しんでいます。しかし自分とはいったいなにものなのだろう、
 最近になってよくそう考えるんです。それもかなり真剣に考えます。私から美容整形外科医と
 しての能力やキャリアを取り去ってしまったら、今ある快適な生活環境が失われてしまったら、
 そして何の説明もつかない裸の一個の人間として世界にぽんと放り出されたら、この私はいっ
 たいなにものになるのだろうと」

  渡会はまっすぐ僕の顔を見ていた。何かしらの反応を求めるように。

 「なぜ急にそんなことを考えるようになったんですか?」と僕は尋ねた。

 「そう考えるようになったのは、ナチの強制収容所についての本を少し前に読んだせいもある
 と思います。そこに戦争中にアウシユヴィッツに送られた内科医の話が出てきました。ベルリ
 ンで開業医をしていたユダヤ系市民が、ある日家族と共に逮捕され、強制収容所に送られます。
 それまでの彼は家族に愛され、人々に尊敬され、患者には頼られ、濠洒な邸宅で満ち足りた暮
 らしをしてきました。犬を何匹か飼い、週末にはアマチュア
のチェリストとして、友人たちと
 シューベルトやメンデルスゾーンの室内楽を演奏しました。
 穏やかに豊かに人生を楽し
んでいたわけです。しかし一転して生き地獄のような場所に放り込
 まれます。そこでは彼はもう豊か
なベルリン市民ではなく、尊敬される医師でもなく、ほとん
 ど人間でさえありません。家族か
らも離され、野犬同然の扱いを受け、食べ物さえろくに与え
 られません。高名な医師であるこ
とを所長が知っていて、ある程度役に立つかもしれないとい
 う理由で、とりあえずガス殺こそ
免れましたが、明日のことはわかりません。看守の気分ひと
 つで、あっさり梶棒で殴り殺され
てしまうかもしれません。他の家族はおそらく既に殺されて
 しまっているでしょう」

 
  彼は少し間を置いた。

   

 
 「私はそこではっと思ったんです。この医師の辿った恐ろしい運命は、場所と時代さえ違えば、
 そのまま私の運命であったのかもしれないのだと。もし私が何かの理由で―どんな理由かは
 わかりませんが――今の生活からある日突然引きずり下ろされ、すべての特権を剥奪され、た
 だの番号だけの存在に成り下がってしまったら、私はいったいなにものになるのだろう? 私
 は本を閉じて考え込んでしまいました。美容整形外科医としての技術と信用を別にすれば、私
 は何の取り柄もない、何の特技も持たない、ただの五十二歳の男です。いちおう健康ではあり
 ますが、若いときより体力は落ちています。激しい肉体労働に長くは耐えきれないでしょう。
 私が得意なことと言えば、おいしいピノ・ノワールを選んだり、顔の利くレストランや飴屋や
 バーを何軒か知っていたり、女性にプレゼントする洒落た装身具を選べたり、ピアノが少し弾
 けたり(簡単な楽譜なら初見で弾けます)、せいぜいそれくらいです。でももしアウシユヴィ
 ッツに送られたら、そんなもの何の役にも立ちません」

  僕は同意した。ピノ・ノワールについての知識も、素人ピアノ演奏も、洒落た話術も、そう
 いう場所ではおそらく何の役にも立つまい。


                    村上春樹 著『独立器官』(文藝春秋 2014年 3月号)

                                    この項つづく



 

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こんな夜はモーツァルト

2014年05月17日 | WE商品開発

 

  


●無線タグが光るネールアートに変身?

タカラトミーアートが光るネールアート『ルミデコネイル』を発売したという。LED(有機エレ
クトロルミネッセンス素子)を内蔵した薄型のネイルシールという無線タグである。厚さ約 0.5ミ
リメートルと一般的なネイルシールとほぼ変わらない薄さで、爪に貼って使う。勿論、一番の特徴
は“光る”こと。国際基準の近距離無線通信「NFC(=Near field communication )」電波をキャ
ッチすると、シールの中のLEDがキラッと光りる。「NFC」電波に反応する回路を薄いネイル
シール状にする世界初の特殊技術を採用しており、国際特許も出願しているという。また電池不要
なので「NFC」電波をキャッチする限りずっと光り続けます。と、いうキャッチフレーズだが、
ネールアート商品だから耐久性はクリアされというわけだから上手いこと考えたものだ。

原理はブログ『限界加齢運転に挑戦』に掲載したことがある無線タグ。「NFC」は身近な場所に
広く使われています。交通系ICカードを使う自動改札機や電子マネーのICカードを使う店頭や
飲料の自動販売機のリーダー機、社員証のIDカードのリーダー機に採用している。また、スマート
フォンに搭載されているいわゆる“おサイフケータイ”と言われるFelica機能も「NFC」
を利用して実績済みだ。
『ルミデコネイル』は、これら身近な「NFC」電波にすべて反応できる
という。電車の自動改札機にタ
ッチするとき、オフィスに入館・退出するとき、スマートフォンの
操作をしているときも、
様々なシーンで、自分の指先がキラッと光るという。以前、といっても、
十数年は経っているが、有機エレクトロルミネッセンス事業のd&Rを開始したとき、格安の"光る
イアリング"事業の世界展開をスケッチしたことがあったがそれと同じ(このときはソーラー素子
との組み合わせだったが)、無線タグ方式ならNFCをキャッチすれば"ネオコンバーテック技術"
で埋め込まれた回路が発光させてくれるというわけだ。

●従来、データ伝送には有線による通信、無線を用いた通信、赤外線を用いた通信等の様々な方式
通信技術があり、このような通信技術を利用した玩具も多々存在する。例えば、有線による通信、
無線通信、赤外線通信をそれぞれ利用したリモコン玩具等が存在する。また、RFIDRadio Frequen-
cy IDentification
:無線タグ)を埋め込んだ玩具を、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によ
って無線タグに書き込まれている情報を読み出す機能(無線タグリーダと呼ぶ。)を有する玩具に
近接させ、玩具に埋め込まれた無線タグの情報を読み出して、こ読み出した情報に対応する動作を
させる玩具が提案・実現されている。

さらに、無線タグと、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって無線タグの情報を読み
出す、或いは、情報を書き込む機能(無線タグリーダライタ)を併せ持つ携帯端末を複数備えてネ
ットワークを構成して、或る携帯端末の無線タグリーダライタが、他の携帯端末の無線タグに情報
を書き込み、無線タグに書き込まれた情報を読み出してさらに他の携帯端末の無線タグに順次書き
込んで行くことにより情報を伝送させるネットワークシステム(データ伝送装置)が提案・実現さ
れている。

処理能力の低い制御手段を用いて、相互に情報交換を行なうことが可能なデータ伝送装置及びこれ
を用いた玩具を提供する。近接した2つの装置間でデータ伝送を行なうデータ伝送装置であって、
装置は、無線タグと、無線タグに情報を書き込み、若しくは、無線タグから情報を読み出す無線タ
グリーダライタ部と、データの送信指示及び受信指示を入力する入力部と、装置全体を制御する制
御部とを備え、送信側の制御部は、送信指示があった場合、無線タグリーダライタ部を制御して送
信対象データを自己の無線タグに書き込み、受信側の制御部は、受信指示があった場合、無線タグ
リーダライタ部を制御して自己の無線タグ以外の近接する無線タグの送信対象データを読み出す。



●半導体工場が植物工場に変身? 

東芝が、グループの広範囲な技術を融合してヘルスケア事業として、食、水、空気などの生活環境
を整備する健康増進分野へも注力し、ほぼ無菌状態を実現する閉鎖型の植物工場で、長期保存でき
る無農薬の野菜生産を事業化する公表。具体的には、神奈川県横須賀市の当社所有建屋を活用し、
レタス、ベビーリーフ、ホウレンソウ、ミズナなどを栽培する植物工場に転用し、今年度上期中に
は出荷を開始し、年間3億円の売り上げを見込んでいるという。『植物工場とは何か』では批判的
な、小塩海の『誰が植物工場を必要としているのか』(『世界』2014.04号)を紹介したが、"光
るネールアート"で記載したようにこの事業構想も既に十数年前にスケッチしたことがある。つまり、
老朽化した半導体工場をまるごと植物工場に転換するというものだが、消費者(顧客)開拓という
領域をどうするかが最大課題(何のために、何をつくり、誰に届けるのか)だ。その意味では、太
陽光発電システムが生かせる中東・アフリカ・インドなどの高温・乾燥地域の市場は食糧安全保障
事業として魅力的だが、ここでも、高生産性と高付加価値商品の併せ持つ農産物市場定着の成功如
何次第となる。



●地球のミルク事業を担う”カッパ”?!

再生可能エネルギーの1つである水力発電の最新話題。大人2人で持ち運べる重さで、災害時に用
水などの水流に沈めるだけでプロペラが回り発電できるポータブル小水力発電機「カッパ」の1号
機の「進水式」が只見町は只見用水であったことが報じられた。
モーターなどの開発製造をしてい
る茨城製作所が、東日本大震災後に立ち上げた自然エネルギープロジェクトの第1弾として開発。
「自然からエネルギーを借りる」という発想で「軽水力 Cappa(カッパ)」を昨年、完成させ、同
年のグッドデザイン賞中小企業庁長官賞を受賞。ダムのような大規模工事で自然を破壊する必要が
なく、新技術で流水のエネルギーを引き出す点などが評価された。川や用水路等の流れの運動エネ
ルギーを、効果的に集水増速させ大幅な出力向上を可能とし、ダムや導水管等の工事が不要で設置
が容易な、低コストかつ環境に優しい流体機械および流体プラント。相対流れのある流体中に配さ
れ、吸入口に対し排出口の幅方向を大きくした形状のディフューザケーシングと、このディフュー
ザケーシング内側に配した動力発生装置とを具備する流体機械(カッパは平均流速が毎秒1.75メー
トル、水路幅1.9メートル、水深60センチメートルのモデル水路で約160ワットの出力る。携帯電話
約30台分の充電が可能。装置の寸法は幅832ミリ×奥行き770
ミリ×高さ665ミリメートル、重量は
約57キログラム)。流れがあるところなら、携帯電話30台分の充電とはいえ、年間5百万キロワッ
トアワの電力が発電(要蓄電装置)可能だ!これを筏のように配置すれば、世界展開が可能な事業
となるだろう。

 

●日本文化の褐色色素メラノイジン事業が花咲く!?

日本の伝統食品である味噌の色素が注目されている。これは緑茶ポリフェノールのグリーン色素に
次ぐ世界的展開可能な事業を予感させるものだ。さて、関連する最近注目情報が公表された。大き
な糖化たんぱく質「メラノイジン」が花粉症などのアレルギー症状を抑える仕組みが、近畿大学と
バイオバンクの共同研究で明らかにされた。アレルギー反応が持続していく上で必須となるたんぱ
く質「Rac」の活性を阻む働きがあるという。メラノイジンを多く含むサプリメントや食品を摂
取すれば、アレルギー症状が和らぐ可能性があるというもの。アレルギー症状は、(1)原因物質
のア
レルゲンによる刺激で抗体ができる、(2)抗体がのどや鼻の粘膜にある肥満細胞と結合する
ことでアレルゲンに対する免疫反応を記憶し(3)アレルゲンが再び侵入すると抗体が反応し、こ
れと結合した肥満細胞がヒスタミンなどの化学物質を含む顆粒状の物質を放出―という経路で起き
るが、
顆粒の放出にはカルシウムが不可欠とされ、、アレルギー反応が起きた際には肥満細胞の外か
らカルシウムを補充する仕組みが働く。カルシウムの搬入口となる「カルシウムチャネル」の開閉
を制御する活性酸素種の生成に必要なたんぱくの一つが Racで、その活性をメラノイジンが抑える
という



ところが、メラノイジンという化合物の構造はアモルファス(非晶質)でよくわかっていないが、
メラノイジンは、このようにアミノ化合物と糖との反応によってできる物質で、胃がんを誘発する
といわれるニトロソアミンの生成を抑制することや活性酸素を除去する抗酸化作用、コレステロー
ル低下作用、血圧降下作用及び血糖値抑制効果など有用な効果を有することが知られており、日本
の伝統的食品である味噌も褐色を呈しているのは、このメラノイジンによるもので、発酵すること
によってはじめて生成される。伊那食品工業株式会社の新規考案「特開2007-325518 大豆発酵物及
びその製造方法」によると、味噌の発酵を進めて長熟すると、メラノイジンは、増加するものの味
噌特有の発酵臭が強く風味劣化を起こし、酸味もきつくなり好ましくなく、保存食として13から
15%程度の食塩が本来含有されており、メラノイジンが持つ血圧降下作用と相反するため、豆や
その加工品を水とともに加熱し、食塩5%以下の条件で真菌によって発酵処理をした後、糖を加え
た状態で加熱処理を行うことで、味噌としての強い発酵臭や酸味が弱く、塩分が少ないが、メラ
イジンが多く含まれた大豆発酵物
が得ることを発見し、発酵臭や酸味が弱く、塩分が少ないが、メ
ラノイジンが多く含まれた大豆発酵物の製造方法を提案している。つまり、味噌料理レシピの世界
化することで過剰な医療費の抑制を実行しようという夢あるビジョンが描けるのではないか。




植物発酵エキス(植物発酵エキス OM -X)のⅠ型アレルギー抑制作用)のⅠ型アレルギー抑制作
 用 )、日本薬学会第1341年会 (熊本) 2014.03.28

花粉症や気管支ぜんそくの新たな治療法に!~野菜や果実の発酵エキスがアレルギー抑制に役立
 つことを発見!、2014.03.25

Removal of Melanoidin from Wastewater of Sugar Factories by Continuous Foam Fractionation Column,
   2003.10.22
 

 

 

  木樽の歌う奇妙な歌詞の『イエスタデイ』を僕が初めて耳にしたのは、田園調布にある彼の
 自宅(それは彼が自分で言うほどうらぶれた地域でもなかったし、うらぶれた家でもなかった。
 ごく普通の地域にある、ごく普通の家だ。古いけれど、僕の芦屋の家よりは大きい。とくに立
 派ではないというだけのことだ。ちなみに置いてある車は、ひとつ前のモデルの紺色のゴルフ
 だった)の風呂場だった。彼は家に帰ると何はさておきまず風呂に入った。そしてI度人った
 らなかなか出てこなかった。だから僕はよく脱衣場に小さな丸椅子を持ち込んで、そこに座っ
 て戸の隙間から彼と話をした。そこに逃げ込まないことには、彼の母親の長話(ほとんどが身
 「それがなあ」と木樽は言った。そして半ばため息のような、半ば唸り声のようなものを喉の
 奥からしぼり出した。「話し出すと長い話になるねんけど、おれの中には分裂みたいなものが
 あるんや」



  木像には小学校のときからつきあっている女の子がいた。幼馴染みのガールフレンドという
 ところだ。同じ学年だが、彼女の方は現役で上智大学に入学していた。仏文科でテニス同好会
 に入っている。写真を見せてもらったが、思わず口笛を吹きたくなるくらいきれいな女の子だ
 った。スタイルもよく、表情が生き生きしている。しかし今はあまり顔を合わせていない。二
 人で話し合って、木像が大学に合格するまで、勉強の邪魔にならないように男女としての交際
 は控えた方がいいだろうということになったのだ。それを提案したのは木像の方だった。彼女
 は「まあ、あなたがそう言うのなら」ということで同意した。電話ではよく話をするが、実際
 に会うのはせいぜい週に一度で、それもデートというよりは、むしろ「面会」に近いものだっ
 た。二人は一緒にお茶を飲んで、それぞれの近況を語り合う。手は握り合う。軽いキスはする。
 でもそれ以上には進まないようにする。かなり古風だ。

  木像自身もとくにハンサムというほどではないにせよ、顔立ちはいちおう上品に整っていた。
 背は高くないが細身で、髪型も服の好みもあっさりとして洒落ている。黙ってさえいれば、育
 ちの良い、感受性の細やかな都会の青年に見える。彼女と並べれば、お似合いのカップルとい
 うところだ。あえて欠点をあげるとすれば、顔の造作が全体的に華奢なせいで、「この男は個  
 性や主張にやや乏しいかもしれない」という印象を人に与えそうなところくらいだ。ところが
 いったん□を開くとそういう第一印象は、元気の良いラブラドール・リトリーバーに踏みつけ
 られた砂の城のように、あっけなく崩壊してしまう。その関西弁の達者なしゃべりと、よく通
 る甲高い声に、人々はあっけにとられた。なにしろ外見とのミスマッチが甚だしかった。その
 落差に僕も最初のうちはずいぶん戸惑ったものだ。



 
 「なあ、彼女がおらんと毎日が淋しいないか?」と木樽はある日僕に言った。
  淋しくなくはない、と僕は言った。
 「なあ、谷村、そしたらおれの彼女とつきおうてみる気はないか?」
  木樽が何を言おうとしているのかうまく理解できなかった。「つきあうってどういうことだ
 よ?」
 「ええ子やぞ。美人やし、性格も素直やし、頭もけっこうええし。それはおれが保証する。つ
 きおうて損はない」と彼は言った。
 「損をするとはべつに思ってないけど」と僕は話の筋がよく見えないまま言った。「しかしい
 ったいなんで、僕がおまえのガールフレンドとつきあわなくちゃならないんだよ。理屈がよく
 わからない」
 「おまえはなかなかええやつやからや」と木樽は言った。「そうやなかったら、こんなことわ
 ざわざ言い出すかい」
  何の説明にもなっていない。僕がいいやつであることと(もし本当にそうだとしてだが)、
  木樽の彼女と僕とがつきあうことの間に、いったいどのような因果関係があるのだろう。
 「えりか(というのが彼女の名前だ)とおれとは同じ地元の小学校から、同じ中学校と高校に
 進んだんや」と木樽は言った。「要するに、これまでの人生のほとんどを一緒に過ごしてきた
 みたいなもんや。自然に男女のカップルみたいになって、おれらの仲はまわりのみんなに公認
 されていた。友だちにも親にも教師にもな。こんな風に二人ぴったし隙間なく、仲良くくっつ
 いていたわけや」

 
  木樽は自分の左右の手のひらをぴったりと合わせた。

 
 「それで、そのまま二人仲良く大学にすんなり進学できたら、人生何の破綻もなし、万事めで
 たしめでたしやったんやけど、おれは大学受験にみごと失敗して、ごらんのとおりや。どこで
 どうなってしもたのかは知らんけど、いろんなことがちょっとずつうまくいかんようになって
 きた。もちろんそういうのは誰のせいでもなく、みんなおれ自身のせいやねんけどな」
  僕は黙って話を聞いていた。
 「それでおれは、言うなれば自己を二つに切り裂かれたわけや」と木樽は言った。そして合わ
 せていた手のひらを離した。

  自己を二つに切り裂かれた? 「どんな風に?」と僕は尋ねた。

  木樽はしばらく自分の両手の掌をじっと眺めていた。それから言った。「つまりやな、一方
 のおれはやきもき心配してるわけや。おれがしょうもない予備校に通って、しょうもない受験
 勉強してるあいだ、えりかは大学生活を満喫している。ぽこぽことテニスをやったり、なんや
 かやしてな。新しい友だちもできて、たぶん他の男とデートしたりもしてるんやないか。そう
 いうことを考え出すと、自分だけがあとに取り残されていくみたいで、頭がもやもやする。そ
 の気持ちはわかるやろ?」

 「わかると思う」と僕は言った。

 「けどな、もう一方のおれはそれで逆に、ちょっとほっとしてもいるわけや。つまりこのまま
 おれらが何の問題もなく破綻もなく、仲良しのカップルとしてするするとお気楽に人生を進め
 ていったら、この先いったいどうなってしまうんやろうと。それよりいっぺんこのへんで別々
 の道を歩んでみて、それでやっぱりお互いが必要やとわかったら、その時点でまた一緒になっ
 たらええやないか。そういう選択肢もありなんやないかと思たりもするわけや。それはわかる
 か?」
 「わかるような気もするし、よくわからないような気もする」と僕は言った。
 「つまりやな、大学を出て、どっかの会社に就職して、そのままえりかと結婚して、みんなに
 祝福されてお似合いの夫婦になって、子供が二人ほどできて、お馴染みの大田区立田園調布小
 学校に入れて、日曜日にはみんなで多摩川べりに行って遊んで、オブラディ・オブラダ……も
 ちろんそういう人生もぜんぜん悪うないと思うよ。しかし人生とはそんなつるっとした、ひっ
 かかりのない、心地よいものであってええのんか、みたいな不安もおれの中になくはない」
 「自然で円滑で心地よいことが、ここでは問題にされている。そういうこと?」

 「まあ、そういうことや」

  自然で円滑で心地よいことのどこが問題になるのか、僕にはもうひとつよくわからなかった
 が、話が長くなりそうなので、その問題は追及しないことにした。
 「でもそれはそれとして、どうしてこの僕とおまえの彼女がつきあわなくちゃならないん
 だ?」と僕は尋ねた。
 「どうせ他の男とつきあうんやったら、相手がおまえの方がええやないか。おまえのことやっ
 たら、おれもよう知ってるしな。それにおまえから彼女の近況を聞くこともできる」
  それは筋の通った話とはとても思えなかったが、本俸の恋人に会ってみること自体には興味
 があった。写真で見る彼女は人目を惹く美人だったし、そんな女の子がどうして水槽みたいな
 風変わりな男と好んでつきあうのか知りたかったということもある。僕は昔から人見知りする
 くせに、好奇心だけはけっこう旺盛なのだ。

 「それで彼女とはどのへんまでいってるんだ?」と僕は尋ねてみた。
 「セックスのことか?」と本俸は言った。
 「そうだよ。最後までいったの?」

  木樽は首を振った。「それが、あかんねん。子供の頃からよう知ってるからな、服を脱がせ 
 たり、身体を撫でたり触ったり、あらためてそういうことをするのが、なんか決まり悪いんや。
  他の女の子が相手やったら、そんなことないと思うんやけど、パンツの中に手を入れるとか、
 彼女を相手にそういうことを想像すること自体が、よろしくないことに思えてくる。それはわ
 かるやろ?」

  僕にはよくわからなかった。

  木樽は言った。「もちろんキスはしてるし、手も握ってる。服の上から胸を触ることもある。
 けど、そういうのもなんか冗談半分、遊び半分みたいな具合やねん。いちおう盛り上がっても、
 そこから先に進んでいこうかとか、そういう気配がないのんや」
 「気配も何も、そういう流れって、ある程度こっちからがんばって作っていくものじゃないの
 か?」と僕は言った。人はそれを性欲と呼ぶ。
 「いや、それが違うねん。おれらの場合はなかなかそういう風にはいかへんねん。うまいこと
 言えんけどな」と木樽は言った。「たとえばマスターベーションするときに、誰か具体的な女
 の子のことを思い浮かべたりするやろ?」
  それはまあ、と僕は言った。
 「でもな、おれはえりかを思い浮かべることがどうしてもできへんねん。そんなことしたらあ
 かんという気がするんや。そやからそういうときは他の女の子のことを考える。そんなに好き
 でもない子
のことをな。それについてどう思う?」
  僕は少し考えてみたが、結論みたいなものは出てこなかった。他人のマスターベーションの
 ことまではなかなかわからない。自分のことだってもうひとつわかりづらい部分はある。
 「いずれにせよ、一回ためしに三人で会うてみよやないか」と木樽は言った。「それからゆっ
 くり考えてみたらええやろ」

               村上春樹 著『イエスタデイ』/『文藝春秋』2014年1月号



 

●こんな夜はモーツァルト



Mozart - Sonata for Two Pianos in D major, K. 448

二回目の歯の治療で疲れたのかよく分からないが、夜の作業は早めに切り上げることに。 

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はじめてのパウダードレシング

2014年02月09日 | WE商品開発

 

 

味の素から”粉ドレ”という粉体ドレシング三種が発売されていることを知る。ドレッシ
ングは液体というのも、油性ドレシングは分離するので振るってかけるということも常識
でなくなる。ネットで見る限り、いろんなシーンで使い分け使用し、トッピングを工夫す
るなどでレシピの幅が広がるようだ。それで、加工技術な特徴はというと、α化デンプン
や食塩を使うことで(下表参照)、サラダなどの具材から水分など吸収し、具材に付着・
拡散・攪拌されドレシングに変身することが、企業技術からうかがい知ることができる。





JP 2013-13377 A α化澱粉粉含有固形調味料食品



粉体にすることで、軽量化と従来にはない広範な調味成分をブレンドできるそうだ。と、
いっても、『食べるな、危険!』を掲載してきた手前、添加剤の選択には細心の注意が必
要だと考える、添加物の使用については原則、自由という立場である。

 

 

   

【フード・ファントム・メナス(17)】 

 
 ポテトチップス

 ●水洗い・湯洗い・揚げる、で栄養素が失われている

  一番健康的なスナック菓子は、ポテトチップスだと、私は最近まで思って
いた。原
 料がジャガイモで、それを加工せず、そのままスライスして揚げただけで、味付けも
「うす塩味」のシンプルな商品と思っていたからだ。
  ジャガイモはビタミンCを多く含むので、スナック菓子の中では、体に最も良いは
 ずだった。だが、一度でいいから、自宅でポテトチップスを作ってみていただきたい。
 ポテトスライスを揚げると、くっついたり、焦げたり茶色になったりして、商品のよ
 うに白い平面にならない。
 市販品はプロの商品だが、「さすが!」と思ってはいけない。
  市販のポテトチップスは、一個のジャガイモを30~40枚にスライスし、そのス
 ライスを水洗いし、さらにお湯で洗ってから、油で揚げているのである。
  最初に水で洗うのは、デンプンを落としてくっつかないようにするため。二度目に
 お湯で洗うのは、焦げる原因になる還元糖をイモの中から取り除いて、白く見せるた
 めだ。
  1ミリのスライスジャガイモを、水洗い、湯洗い、油揚げしたら、残っている栄養
 素はどれくらいあるだろうか。
  こんなポテトチップスでも、食品成分表のミネラル値は、あまり低くはない。
  そこで、栄養士が頼りにしている食品成分表の値が、どれほど正しく、栄養の実態
 を反映しているのかを確かめてみた。
  大手二社の「うす塩昧」を混ぜて実測すると、マグネシウムは食品成分表の値より
 39%少なく、マンガンは48%少なかった。
  マグネシウムは、水に溶けやすいため、現代食品では、抜け落ちて最も不足するミ

 ネラルの一つである。これが不足すると、動悸、不整脈、神経過敏、抑うつなどの症
 状が出るが、それが39%も少なくなっていたのである。
  また鉄、亜鉛、カルシウムも少なかったが、これは誤差の範躊に入るだろう。
  銅は、43%も多かった。これは、食品工場で使われる錫メッキした銅製器具の
 メッキがはげて、そこから銅が溶け出しているのでは、と推測している。
  こんなに中身のないポテトチップスを食べても太るだけ。いいことはほとんどない。
  ミネラルの多い青のりを入れた商品を選んでも、一袋食べて0.1gほどしか青の
 りを摂れないので、気休めにすぎない。


 珍味

 ●魚介類は危ないので、木の実や海苔を

  乾き物の酒の肴「珍味」には、危険がたくさん潜んでいる。
 少し前なら、「焼めざし」がいいと言うところだが、イワシが獲れた海域を書いて
 いないので、原発事故後は怖くて手を出せなくなった。
  スルメやタコの足には、放射性セシウムが蓄積されないので、放射能の心配はない。
 だが、ミネラルを奪うリン酸塩と、腸内細菌をかく乱する合成保存料を用いた商品が
 ほとんどである。
  イカの身をやわらかくするために、たくさんの針で穴を開け、そこにリン酸塩を入
 れて保水効果を持たせ、やわらかさを保っているが、水分を多く含むので腐りやすい。
  そのため、合成保存料を入れているのだ。
  リン酸塩でミネラルを奪われると、消化酵素やアルコール分解酵素を作る能力が低
 くなる。その上、合成保存料で腸内細菌の働きが悪くなるから、胃もたれ、胸やけ、
 吐きけ、悪酔いの原因になる。
  魚介類の乾き物は、消費者がやわらかいものばかり好んで食べるようになったこと
 から、危険や不安が発生している部分もある。
  発想を変えて、少し硬いが、本の実、ピーナッツ、海苔巻せんべい、ゴマや豆人り
 せんべいなどを、酒の肴にしよう。
  人間の祖先は、もともと本の上で暮らしていたから、人間の遺伝子は、本の実と相
 性がいい。アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカデミアナッツ、クルミな
 どを酒の肴にすると、ミネラルが豊富だから肝臓が正常に働き、悪酔いしない。
  これらは、脂質が多いので、太りそうに思えるが、満腹感が出てきて、多くは食べ
 られないので、実際はミネラル不足の食品よりも太りにくい。
  本の実による満腹感を利用すれば、お酒を飲みながら健康的に痩せることが可能だ。
 他にピーナッツもいい。だが、原材料に植物油が使用されていると純粋油だから摂る
 意味がない。植物油を使っていないピーナッツを選ぼう。
  海苔巻せんべいもいいが、海苔だけをつまみにすれば、太らないですむ。
  また、豆やゴマも、ミネラルが豊富なので、つまみにはいい。
  レベルは下がるが、手軽な「海苔ピー」は、つまみでは良い方だ。海苔とピーナッ
 ツは、ミネラルが多い。あられに豆の粒が入ったものなら、なおいい。



 チョコレート

 
 ●ミネラル豊富な菓子の切り札

  甘い菓子を食べるなら、ミネラルの豊富なチョコレートがいい。
  現代食のミネラルを実測し、厚生労働省の食事摂取基準と比較して、リスクを計算
 すると、日本人の九割は心身が害されていないとおかしい。それほど食事によるミネ
 ラルの摂取量が少ないのである。
  ところが実際には、そんなに病気の人は多くない。その理由は、間食でミネラルを
 摂取しているからである。
  子どもは、食品を自由に買って食べられないので、ミネラル不足で心身を害する確
 率は、大人より高くなりそうだが、菓子でミネラルを補給しているのである。
  子どもの場合は、お菓子にチョコレートを食べるかどうかが、心身を害するかどう
 かを大きく左右する。チョコレートの主原料は、本になったカカオコ豆」なので、ミ
 ネラルは豊富だ。
  ミネラル不足で成績を落としている子には、成績を上げる効果もある。
  食べさせなかったチョコレートを、毎日一枚食べさせると、元気になり、食事の幅
 が広がって、それとともに成績が急上昇した子どももいる。
  チョコレートの消費量が多い国ほど、ノーベル賞の受賞者が多いと、アメリカの医
 学誌に出たので、チョコレートの頭脳への効用を見直す必要があるだろう。
  ただ、色のカラフルなマーブルチョコレートには、合成着色料が含まれているので、
 こういうものは食べない方がいい。
  チョコレート以外の菓子なら、黒いものがいい。
  例えば、飴を食べるなら、黒砂糖入りがいい。表示を見て、黒砂糖を多く含む飴を
 選ぼう。果物の明るい色の飴などは、果汁が入っていたとしても、砂糖、水あめに天
 然系色素で着色し、酸味料で味付けしたものなので、ミネラルはほとんど摂れない。
  焼菓子も、かりんとうや黒柿のように、黒砂糖が主原料のものがいい。
  白い焼き菓子に使われるデンプンは、小麦粉、トウモロコシ粉、ジャガイモ粉を水
 洗いして取り出したものだから、ミネラルが少ない。そこに、白砂糖を入れて焼いた
 菓子では、ミネラル不足になる。
  子どもの菓子を、白砂糖、水あめ、デンプンが主成分のきれいなものだけにすると、
 子どもがイライラし、発達障害を起こしてしまう。幼稚園児や保育園児なら、チョコ
 レートでも黒砂糖でもいいからミネラルを摂るようにし、その後で歯を磨かせるのが
 いい。そうすれば、発達障害にかかる子が減るだろう。


 プリン

 ●添加物をほとんど使っていないカスタードプリンを

  本来のプリンは牛乳、卵、砂糖で作る。ところが、ゼラチンや増粘多糖類と、リン 
 酸塩で固めるプリンが増え、さらに現在は、リン酸塩入りクリームを加えたプリンが
 主流になっている。
 大半のプリンに「リン酸塩」「メタリン酸」「ピロリン酸」「pH調整剤」などと表
 示されているのが、その証拠だ。
  こういうプリンを食べても、ミネラルを摂取できず、大るだけになる。
  しかし、スーパーには、家庭で作る本来のプリンに近い商品が売られている。それ
 は「メイトーのカスタードプリン」だ。
  生乳、卵、砂糖、バニラビーンズなどが原料で、プリンの部分には添加物が入って
 いない。「無添加」だったとき、カラメルソースがプリンに浸透し、苦情が入って、
 カラメルソースに増粘剤を加えたので、「無添加」ではなくなった。
  消費者は、「無添加がいい」と言うが、カラメルがしみ込んだプリンに文句をつけ
 たため「無添加」ではない商品になってしまったのだ。
  だが、家庭で作るのに近いプリンが生き残っているのだから、みんなで応援しよう
 ではないか。


 ロールケーキ


 ●形を維持するためにリン酸塩が使われている
 

  コンビニで大人気のロールケーキ。表示はないのに、リン酸塩が使用されている。
 「ホイップクリーム」に使われたリン酸塩の表示は免除されているので、ここに隠し
 たり、「pH調整剤」という総称にリン酸塩を隠して使用している。
  リン酸塩はクリームの形を維持する作用があるので、ロールケーキのクリームの量
 を消費期限から二日間以上保つことができる。
  名店の手作りロールケーキは、持ち帰る間にクリームの量が少し減る。それは、リ
 ン酸塩を使っていないからだが、その代わり、コンビニのより格段に美味しい。
  精製された植物油脂・砂糖と、リン酸塩入りのホイップクリームを用いたロール
 ケーキを食べると、ミネラルがないため、体内の骨などに蓄積されているミネラルが
 取り出されて、消化液を作るのに使われるから、心身の状態が低下する。


 ケーキ


 ●店の奥で作ったケーキがいい

  デパ地下、エキナカのきれいで美味しいケーキにも、リン酸塩が使われている。工
 場で作り、運んでくる輸送時間と、その間に揺られるハンデがある。それにもかかわ
 らず、ホイップクリームが見事に角だったままなのが、リン酸塩を使った証拠だ。
  ただ、材料はいいから味は美味しいし、生クリームにレシチンが入っているので、
 そこは良い点といえる。
  店舗を構えるケーキ・チェーン店は、価格が安いので、コスト面から精製した植物
 油脂を多用している。これだとレシチンもミネラルも少なく、体への負担が大きい。
  店舗の奥で作ったケーキを売っている、良い材料を使った美味しい店を探そう。リ
 ン酸塩を使用していないからミネラルを奪われず、レシチンを摂れるからお肌がきれ
 いになる。価格は高くても、体にいいケーキなので、元は取れる。

 
 白玉団子


 ●続いている窒息事故死

  2012年2月に東京都あきる野市の認可保育所で、一歳半の男児が白玉を喉に詰
 まらせて死亡した。7月にも栃木県栃木市の市立保育園で、二歳の女児がフルーツポ
 ンチに入った白玉を喉に詰まらせて死亡した。これで、白玉団子の「危険性」がク
 ーズアップされることになった。

  窒息事故で9727人が、2011年度に亡くなっている。交通事故死は7144
 人だから、今は窒息事故の方が多い。
  死亡する人の大半は65歳以上の高齢者だが、子どももモノを喉に詰まらせて死亡
 することがある。こんにゃくゼリーの危険性はよく知られているが、餅やミニトマト
 でも死亡事故が起きている。
  白玉団子の危険性だけが特に高いわけではないが、喉に詰まる可能性があるので、
 幼児と高齢者が食べるときには、小さく切ってあげよう

                 
                             小若順一 著 『食べるな危険!』、PP.196-206

 
●量子スケールデバイス工学(7)

 

 【量子ドット太陽電池研究Ⅱ】  

今夜は、京セラの量子ドット太陽電池の製造方法の提案を考えてみる。量子ドット粒子は、
ナノサイズの半導体物質で量子閉じ込め効果を示す物質。このような量子ドット粒子は、
励起源から受光しエネルギー励起状態に至ると、自発的に相当するエネルギーギャップで
エネルギーを放出する大変優れた特性をもつ。従って、量子ドット粒子の大きさを調節す
ることでバンドギャップを調節することができ、様々な波長帯のエネルギーを得ることが
できるが、その製法はドライ法が多いが、ウエット法で作る方法。例えば、
量子ドット粒
子を形成する技術としては、これまで半導体薄膜を単原子層レベルで制御することができ
るという点から、MOCVD(metal organic chemical vapour deposition)や分子線エ
ピタキシー(MBE:molecular beam epitaxy)などの成膜法が試みられているが、この
ような物理的成膜法により得られた量子ドット粒子は、格子不整合やそれによる組成の不
均一が生じやすいとされている。
そこで、均一な大きさの量子ドットを製造できるという
点から、近年、ゾル-ゲル法などの化学的湿式法が提案されている。 ところが、ゾル-
ゲル法などの化学的湿式法で得られた量子ドット粒子は、合成後の熱処理では量子ドット
粒子の表面から内部にかけて酸素の濃度勾配が生じやすいことから、量子ドット粒子の表
面領域におけるバンドギャップの制御が困難
という問題があったが、表面領域のバンドギ
ャップを制御しやすい量子ドット粒子とその製造方法とそれを適用した太陽電池をについ
て提案するものである。

そこで上図2は、製造方法を示す模式図。この実施形態で量子ドット粒子を製造する場合、
まず、図(a)に示すように、殻状のタンパク質分子(図中Pxと表記)を含む水溶液を
調製し、この水溶液中に金属元素(図2中Mと表記)と過酸化水素(図中Hと表記)
を溶解させて前駆体溶液を調製する。ここで、殻状のタンパク質分子としてはフェリチン
を用いる。金属元素に、種々の金属元素を用いることが可能であるが、特には、周期表の
12族元素、13族元素、14族元素、15族元素および16族元素から選択され、少な
くとも1種の元素を主成分とする→この前駆体溶液から、殻状のタンパク質分子(フェリ
チン)の内壁に金属元素と酸素との化合物を析出させて殻状の前駆体21を調製(この場
合、タンパク質分子の殻の内壁に水溶液中から金属元素を析出できるのは、タンパク質分
子が電子を供給する機能を利用する)→タンパク質分子の内壁で水溶液中に溶解した金属
元素とタンパク質分子からの電子とが結合→水溶液中に溶解した金属元素が還元→金属元
素をタンパク質分子の表面(内壁)に析出させる。
 
ここで、タンパク質分子を含む水溶液中に金属元素とともに過酸化水素(H)を溶
解させてい
るため金属元素が還元されて析出する際に、過酸化水素からの酸素と金属元素
とが結合して殻
状のタンパク質分子の内壁に金属酸化物23を形成することができるのだ。
こうして、金属元素が
タンパク質分子の表面に析出する際に同時に酸素を取り込み、酸素
は金属の析出と同時に化合
する。金属酸化物がタンパク質分子の内壁に膜状に堆積してい
く際にも、酸素は析出する金属に
対応する量だけが逐次化合し、その結果、タンパク質分
子の内壁に形成される金属酸化物23は
厚み方向に酸素の濃度変化の少ないものとなると
いう


次に、図(b)に示すように、殻状の前駆体21を、金属元素を含み、過酸化水素を含ま
ない水溶液
中に移し、タンパク質分子の殻の中で金属の析出反応を進行させる。こうして
タンパク質分子の殻
の内部に、中空体の形で形成された金属酸化物の前駆体のその内側に
金属元素を主成分とする
球状の半導体粒子25が形成する(図(c))。この場合、過酸
化水素が水溶液中に含まれないため、
金属酸化物23からなる中空体の内側に析出する半
導体粒子25は、酸素をほとんど含まないものとなる
。 こうしてコア部3が半導体粒子
25でありシェル部5が金属酸化物23からなり、シェル部5の
厚み方向に、コア部3と
の境界からシェル部5の表面までの酸素の濃度勾配が10%以下の量子ドット粒子を得るこ
とができるという。

 

 



【夢を自由にコントロールできるツール?!】

脳波と眼球の動きのトレースで、夢がコントロールできまた、目覚まし機能も付いている
音とLED点灯で夢を知らせてくれるヘッドバンドなツールだ。誰か買ってみてモニター結果
を知らせてくれないだろうか? それにしても面白い時代で、技術がすべてでないにしろ
おそろしい程、話題に事欠くことがない今日この頃だ。
 

 

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鮎魚醤酢と納豆

2014年01月26日 | WE商品開発

 

 
【納豆を極める】

●世界初納豆ペーパー構想

12年前に渡辺杉夫著『納豆―原料大豆の選び方から販売戦略まで』を参考に納豆
生産事業プランを構想したことがあり、2、3種類の粒径に処理し、食感をよくし
た-例えば、ペースト状の納豆に挽き割り納豆を練り込み、海苔あるいは味付け海
苔風に乾燥切断し商品出荷する"納豆ペーパー"(Natto paper/Paper Natto)事業
を世界ではじめて構想したことがあったが、納豆のもつ医薬的有用性が認知しされ
てきたこともあり、急速に世界に普及されてきている。 "納豆ペーパー" を考えつ
いた個人的な動機は、1つには納豆特有のにおいがいやであったことがあり、朝か
ら頂くには閉口していたので、といっても晩酌が入る時間帯には、例えば、マグロ
のサイコロ切りに納豆と刻み大葉の和え物とか、お寿司の納豆巻きなどは抵抗なく
頂いているが、納豆臭をマスキングあるいは脱臭が目的であった。2つめに、納豆
市場の世界的拡大のために、海苔巻きや薄切りチーズ風に加工することでハンバー
ガーやサンドイッチに挟みむことができ、さらには、テンペのようにべと付きをな
くし食べやすくする工夫から考えついた。しかし、このブログの新シリーズ「極め
る 一汁一菜」の実践記で、普通の納豆に、酢醤油を掛けることで臭みを消すこと
ができ、水素イオン濃度を上げることで切れ味が出てくることを発見し、後述する
"鮎魚醤酢"の考案につながっていく。




●納豆菌と発酵食品の再評価

納豆は日本の伝統的な発酵食品の一つである。周知のとおり納豆は大豆を出発原料
にしてこれを納豆菌で発酵させる。納豆はごく日常的な食品でありながらも高機能
性の食品として高い評価を受けている。これまでに報告されている納豆の効用・効
能・栄養価などについては、

1.血栓溶解
2.骨粗鬆症の予防
3.病原性大腸菌の死滅効果(抗生物質的効能)
4.老化や癌の予防
5.高血圧の改善
6.糖尿病の予防や改善(血糖値を低下させる)
7.二日酔いの予防と早期解消(アルコール分解能)
8.高栄養(豊富な含有アミノ酸)

などが特に注目されている。この中で上記第2項に関して話題となっている「納豆
菌の骨粗鬆症予防効果」は、納豆などに多く含まれる成分「ポリアミン」に骨量の
減少を抑える効果があることを、 金大医薬保健研究域薬学系の米田幸雄教授らの
研究グループがマウスなどに よる実験で突き止めた。ポリアミンは老化抑制効果
が注目されているが、骨への効果が判 明したのは初めて。骨粗鬆(
しょう)症な
どに対する副作用が少ない予防、治療法の開発 につながことが公表されている

2012.03.02「北國新聞」)。

 

そこで、納豆菌を使った発酵食品の製法が以下のように提案されている。つまり、
大豆だけではないと(出典:特開2010-259427「納豆菌含有物とその製造方法)。 

大豆を出発原料とする納豆は、通常、大豆の洗浄工程→大豆の浸漬工程→大豆の
切り工程→大豆の蒸煮工程→大豆への菌接種工程→菌接種大豆の容器充填工程
など
を経てつくられるものだが、次のような課題があった。


1.従来の納豆は丸大豆をそのまま納豆にした粒納豆が市場の大半を占める。粒納
 豆は歯ごたえや食感が重要なもので、そのままでは歯の弱い者・離乳食・調理用
 などには適さない。そのため、必要な場合は包丁で刻んで使用せざるを得ない。
2.挽割納豆が主に調理用納豆として出回っている。挽割納豆は大豆をあらかじめ
 割ったものであるから、食べやすさの点で粒納豆よりも改善されている。しかし
 細かく割るほど納豆の製造技術が難しくなる。大豆を直径(丸目ふるいの穴径)
 4.0~5.0mmに分割したものが主流となっている。このサイズの挽割納豆
 は噛まなくてよいというわけにいかず、離乳食にはまだ不十分である。
3. 粒納豆を原料にして圧力をかけて格子を通過させて刻むことを特徴とするキザ
 ミ納豆の製造技術は、丸大豆から製造された納豆を二次加工でキザミ納豆にする
 というものである。したがって当該文献技術は、高い製造コストがかかること、
 二次加工時の雑菌汚染に起因した衛生問題、使用する粒納豆の熟成が不足すると
 苦味が出るといった点が懸念される。
4.ヒータや送風ファンが設けられただけの技術は、温湿度の管理を十分に行うこ
 とができない。したがって品質にバラツキのある納豆製品になってしまう。
5.容器に蒸煮大豆を充填してから取り出すまでの間に、運搬用台車への積み込み・
 容器への充填・取り出しなど多くの人手を必要とする。したがって小容器のもの
 では効率が悪い。さらに使用した容器は廃棄することになるので、その経費も多
 く必要とする。
6.側方から調温調湿気体を送入して多量生産を行なうので、納豆菌により多量の
 蒸煮大豆を発酵させることができる。しかし調温調湿気体を送風するための高価
 な各種設備が必要になる。
7.品温検出のために容器内に品温センサを配設する必要がある。これを行うべく
 蒸煮大豆内に温度センサを設置するとき、雑菌の混入する危険がある。
8.発泡樹脂系容器を使用しているため、容器を大型化したりするときは、容器内
 の温度の均一化ができず所定箇所に熱がこもったり熱が行き渡らず、納豆菌の発
 酵による自己発熱で局部過熱や一部発酵不良箇所が生じる。これを防止するため
 に温度制御を行なうのは困難であり、その結果、完成品が品質劣化することもあ
 る。
9.粒状固形物の納豆をペースト状・液状・粉末状などに加工することは、納豆の
 ネバネバした性質から原料として扱いにくく、工業的には大変難しい。
10.加熱処理した大豆の粉末からなる黄な粉は、蛋白・澱粉などの成分が強い加熱
 で熱変性しているため、本来の納豆用としては異質の原料になっている。納豆の
 製造方法からも異なるカテゴリーに属する。
11.大豆本来の成分をそのまま残しかつ作業性を重視すれば、粉末状の大豆原料か
 ら製造をスタートするのが望ましいと考えられる。しかし生の大豆は、粉砕機に
 かけても粘性をともなうため均質な粉末を得ることが困難である。これは脱脂し
 た大豆についても同様である。それに粉砕機は粉砕に多くの時間を要する。この
 時間の長い粉砕では、摩擦抵抗による温度上昇で蛋白・澱粉などの成分が熱変成
 してしまうので、本来の成分や性質を保持したままの大豆粉を得るのが難しい。

このような課題を踏まえ、上記特許は、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食
物のうちから選択されたいずれかを原料とする。20℃での粘度が2千~60万cps
粘性物である。酸素を含有した気泡が粘性物の内部に分散している。粘性物の気体
含有率が5~80%である。粘性物に納豆菌が接種されている。納豆菌を接種された
粘性物はその一部が発酵しているとともに残部が未発酵状態の高栄養・高機能・消
化吸収性・咀嚼緩和性・良好な食感・発酵性・保存性・貯蔵性・二次加工性~高次
加工性・生産性・新味性・嗜好性・原料の広範な選択範囲・低価格などを満足させ
る納豆菌含有物が提案されている。

ここで、納豆菌含有物の具体的な魚介類として、赤貝、浅蜊、、鮑、烏賊、イク
ラ、鰯、ウニ、海老、牡蠣、数の子、蟹、鰈、キャビア、鯨、鯉、鮭、ザリガニ、
秋刀魚、食用蛙、筋子、鱸、スッポン、鯛、蛸、鱈、鱈子、鰊、蛤、鰤、鮪、ムー
ル貝が例示されていて鮎もその候補に入れられている。


 

【骨粗鬆症の予防】

よく"骨太の方針"という言葉を耳にするが、人間の基礎体力の基が骨というわけで
カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、コラーゲンと納豆などのポリアミンとそし
て、日光浴の摂取が大切と喧伝されているが、体内に含まれるカルシウムのうち、
99%が骨に含まれ、残りの1%は血液などに含まれ、心臓や脳の働きをコントロール
する重要な役割を担っている。カルシウム不足になると骨からカルシウムが溶け出
し、血液の中のカルシウム濃度を保とうとし、骨からどんどんカルシウムが減り、
骨粗鬆症の原因となる。マグネシウムカルシウムと同じように、骨を形作っている
ミネラルの一つで、リン酸と結びついて「リン酸マグネシウム」として骨の中に分
布。カルシウム吸収を助ける作用をもち、心臓や筋肉の働きを整えたり、精神を安

定させる働きもあり、また、コラーゲンは、骨を形成しているタンパク質の一種で。
骨はコラーゲン繊維と、リン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)やマグネシ
ウム、ナトリウムなどのミネラルから作られている。骨を建築物に例えると、コラ
ーゲン繊維という鉄筋の周囲を、カルシウムがコンクリートのようにしっかりと固
めている。ところが、最近は高骨密度が重要視されているが、特にビタミンKが注
目されているのは、通常の食事をとっていれば、新生児や乳児以外でビタミンKの
不足のために血液凝固に異常が起こることはないが、骨粗鬆症を予防にはさらに多
くのビタミンKを摂取する必要がある。そこで、納豆は、納豆菌が腸内でビタミン
Kを産生し、含有量以上の多くのビタミンKをとることができる納豆の一人あた
りの消費量が多い県ほど、大腿骨頸部骨折(股関節近くの骨折)の頻度が低い傾向が
あるという。
また、日本人のカルシウム摂取量が欧米人よりはるかに少ないにもか
かわらず、大腿骨頸部骨折の発生頻度は日本人の方が少なく、体型や生活習慣の違
いとともに、ビタミンKの摂取量(納豆の摂取量)がその理由の一つとも考えられ
ている。なお、
ビタミンKは植物の葉緑素にも含まれ、ほうれん草、春菊、ブロッ
コリーなどの色の濃い緑色野菜や、海草類、クロロフィル粒からも摂取することが
できる。 





【麹を用いた魚調味料と製造方法】 

●鮎魚醤と柑橘酢のコラボ

つぎに、納豆の臭みを消して、食感が爽やかにするための方法として、専用の酢醤
を考案してみた。ここで、柑橘酢を使うことで、クエン酸(ビタミンC)の補給
と減塩機能強化を目的とする。また、琵琶湖の特産として鮎の魚醤をつくれないか
と考える。

ところで、世界的に魚調味料に対する関心が高まっているが、例えば、日本人の長
寿の要因の一つ
としての魚摂取量の多さ、また、従来の欧米の主要調味料であった
蛋白質塩酸分解調味
への分解途中生成副生物への健康危惧、さらには、それに替
わる調味料として近年使
用量が増大している穀物醤油原料の小麦アレルギーへの心
配等が考えられる。 伝統的
で作られる魚調味料には、アジアではベトナムのニ
ュクマム、タイのナンプラ、フィリピン
のパティス、中国の魚露、また日本では秋
田の“しょっつる”、能登の“いしる”が広く知られ
ていが、これらの伝統的製法
で作られる魚調味料(魚醤)は全
窒素、ホルモール窒素を多く含み、強い呈味性を
示す物であるが、その特有の臭いは多く
の日本人には馴染み難いものであった。

●麹発酵に注目してみる

この対策に、風味、香気改善を目的に植物酵素剤の利用、枯草菌プロテアー酵素
剤の検討や、また米麹の使用による香味改善も検討されている。魚介類抽出残
渣に
過熱処理炭水化物原料を添加して製麹する方法、節抽出残渣に割砕小麦を加え
鰹節
麹菌を生育させる方法、フィッシュソリュブルに澱粉粉末を添加して製麹する
方法、
魚肉抽出残渣に豆腐生産時に副生する“おから”を添加して製麹する方法
鰹節抽
出残渣等の魚介類成分に大麦等穀類を混合し、これに麹菌を接種して培養す
ること
を特徴とする高プロテアーゼ活性の穀物麹の製造方法、および鰹節抽出残渣
等の魚
介類成分に魚介類エキス、またはフィッシュミールを添加し、ついでこれに
麹菌を
接種し、培養することを特徴とする高プロテアーゼ活性の魚麹の製造方法
が知ら
れているが
、これまでの麹製造技術においては、麹中のプロテアーゼ活性等に注目
したものが殆どであり、麹中の麹菌以外の汚染菌に注目した検討は少ない。これま
でに報告されている検討によれば、醤油麹中の細菌汚染に関する9工場の麹分析結
果によれば、総細菌汚染数は麹1g当たり10-10であった。その内 Clostridium,
Bacillus
等のグラム陽性細菌数は10-10であった。

プロテアーゼ酵素剤を使用する方法では、総窒素濃度が高く、高呈味性の調味料を
得ることが可能であるが、麹そのものを使用した場合には、更に脱臭効果、魚臭除
去効果を期待できる。麹菌体が含有する各種酸化酵素の作用によりトリニトロアミ
ン等のアミン化合物が分解されるものと考えられる。しかしながら、醤油麹、米麹
等を使用した場合には、魚臭のマスキング効果は期待できるが、糖類とアミノ酸、
ペプチド等相互作用によるアミノーカルボニル反応により、製品の着色がはなはだ
しい結果となる。また、醤油麹を使用する穀物醤油の場合には、消費者の中には、
小麦、大豆がアレルゲンとして摂取困難な体質者もいるため、消費者の利用が避け
られて、さらに、米麹は一般的にプロテアーゼ活性が低く、分解に長時間を要し、
また原
料の分解収率も低い場合が多い

鰹節抽出残渣等の魚介類成分に大麦等穀類を混合し、これに麹菌を接種して培養す
ることを特徴とする高プロテアーゼ活性の穀物麹の製造方法、および、鰹節抽出残
渣等の魚介類成分に魚介類エキス、またはフィッシュミールを添加し、ついでこれ
に麹菌を接種し、培養することを特徴とする高プロテアーゼ活性の魚麹の製造方法
においても、麹中の雑菌汚染特にグラム陽性細菌の混入は最終製品である魚調味料
の品質に微妙に影響する。また、麹中の汚染菌が多い場合には、分解熟成作業中の
増殖抑制のために食塩濃度の高め設定が必要となる。プロテアーゼ活性が高く、有

機酸を多く含み一般汚染細菌の汚染が殆ど無い麹が得られれば、さらに高品質の減
塩調味料を得ることが可能となる。また、このような麹そのものはプロテアーゼ活
性を多く含んだ食品素材として、酵素剤と同様な触媒として、各種食品加工に使用
可能と考えられる。 

そこで、魚介類原料からエキスを浸出させる際に副生する抽出残渣に魚介類エキス
を添加したもの、またはフィッシュミールを培地とし、或いは魚介類原料からエキ
スを浸出させる際に副生する抽出残渣に魚介類エキスを添加したもの、またはフィ
ッシュミールに穀類を添加したものを培地として、先ず乳酸菌、特にバクテリオシ
ン生産能を有する乳酸菌を増殖させ、ついでこれに麹菌、特に高プロテアーゼ生産
能を有する耐酸性麹菌を接種、培養することにより、高プロテアーゼ活性でかつ一
般汚染細菌の混入が少ないか、殆ど無い麹及びその製造方法を提供することを目的
とする。乳酸、クエン酸等の有機酸を多く含んだ麹を使用することで減塩調味料、
減塩醤油及びその製造方法を提供することを目的としている

魚介類原料からエキスを浸出させる際に副生する抽出残渣に魚介類エキスを添加し
たもの、またはフィッシュミールを培地とし、或いは魚介類原料からエキスを浸出
させる際に副生する抽出残渣に魚介類エキスを添加したもの、または、フィッシュ
ミールに穀類を添加したものを培地として、乳酸菌、特にバクテリオシン生産能(
発酵飼料中の有害微生物の増殖に対して優れた抑制作用)を有する
乳酸菌を増殖さ
せ、これに麹菌、特に高プロテアーゼ生産能を有する耐酸性麹菌を接種、培養する
ことで、高プロテアーゼ活性でかつ一般汚染細菌の汚染が殆ど無い麹を製造して得
られる乳酸、クエン酸等の有機酸を多く含んだ
麹を使用することで減塩調味料、減
醤油を製造できる。魚体成分のみ、ま
たは魚体成分と穀類を培養原料として、
主としてグラム陽性菌の雑菌が少なく、
高プロテアーゼ活性な麹と製造方法。麹を
用いることによる
魚臭、生臭さ、腐敗臭が抑制されると共に減塩の調味料、
及び製造方法を提案する

魚種は一般に漁獲、養殖可能な魚介類であればいずれも使用可能であり、特に制限
はない。一般的に使用可能な魚類としては、鰹、鮪、鰯、鯖、鱈、鮭、鱒、鯉、鮒
、鯰等を挙げることができる。海老類は甘海老、アミ海老、その他を使用可能で
ある。貝類としてはアコヤ貝、ホタテ、牡蠣等が使用可能であり特に制限は無い。
原料魚介類はその全部を使用しても、その一部を使用しても良い。安価に魚調味料
を生産するためには、魚頭、中骨、内臓、尾、鰭、皮、海老頭を使用するのが適し
ている。これらの魚体部位はコラーゲンに富んでいるために、生産物である魚調味
料には豊富にコラーゲンペプチドを含み、深い呈味性と共に健康機能性を有する調
味料が得られる(出典:特開2009-207363「一般汚染細菌が少なくプロテアーゼ活
性の高い麹及びその製造方法で作られた用いた魚調味料及びその製造方法」)、新
規考案や、以下の新規考案も参考にする。

淡水魚をすり潰して塩を加え、塩分濃度の偏りがないように均一に攪拌した後、必
要に応じてタンパク質分解酵素を添加する。これにより、臭み成分であるプロピオ
ン酸、酪酸、イソ吉草酸を本質的に含まず、全窒素量に対するアンモニア態窒素量
の割合が0.12以下であり、全窒素量が少なくとも1.5g/100ミリリットル以上である
魚醤油を得ることができる。魚醤油独特の香気や旨味成分は損なわずに、生臭さや
発酵臭などの不快な臭みを低減した魚醤油及びその製造方法を提供する(出典:
2003-199523醤油及びその製造方法
)。

魚介類を主原料とする醤油様調味料の製造工程において、油分を分離する加熱工程
を含み、この加熱工程は、仕込み工程後であって搾る工程の前に行うことが好まし
い。油分を分離する加熱工程は、必要に応じて添加したタンパク質分解酵素の至適
温度下で行うことが好ましい。効率的に油分の分離(除去)を行うことができる魚介
を主原料とする醤油様調味料の製造方法を提供する(出典:特開2003-199524「魚介
類を主原料とする醤油様調味料の製造方法」)。

少なくともクエン酸とリンゴ酸を、クエン酸:リンゴ酸=3:1~10:1の重量比
で含む脱塩濃縮梅酢等の調製酢を含む調味液と、魚とを共に90℃~96℃、60~360分
間加熱する加熱工程を含む製造方法により製造される調理魚であり、前記調理魚を
0℃~-5℃の温度域を15分以内に通過し最終的に-20℃~-50℃の温度範囲に到
るまで冷凍する工程、を含む製造方法により製造される冷凍調理魚である。また、
魚と少なくともクエン酸を含む調合酢を含む調味液とを共に80℃~96℃、60分間~
360分間加熱したのち、0℃~-5℃の温度域を15分以内に通過し、最終的に-20℃
~-50℃の温度範囲に到るまで冷凍する冷凍調理魚の製造方法である。風味やテク
スチュアを保持したまま長期間保存でき、骨ごと食することのできる調理魚及びそ
の製造方法を提供しようとする(出典:特開2005-318805「骨まで食することのでき
る調理魚及び冷凍調理魚の製造方法」)。

精白米、精白麦等の穀類を製麹原料とする際に魚体成分を添加し、次いで麹菌を接
種し
て培養することにより、プロテアーゼ活性が醤油麹と同程度の高い活性を有す
る穀物麹を
得る。得られた穀物麹で鰹節出汁抽出残渣等を分解することにより、色
の薄い調味料を生
産する。 更に、魚醤油を製造する際に、本発明で得られるプロテ
アーゼ活性の高い穀物
麹を添加することにより、魚臭さ、生臭さ、腐敗臭の抑制さ
れた、かつ色の薄い呈味性良
好な魚醤油を短期間に製造する。精白米、精白麦等の
穀類を原料として醤油麹と同程度の高いプロテアーゼ活性を有する穀物麹及びその
製造方法、並びにかかる穀物麹を使用した調味料及び魚醤油、及びそれらの製造方
法を提供する(出典:特開2005-261350「穀物麹及びその製造方法、並びに穀物麹を
用いた魚醤油及びその製造方法」)。

(a)魚介肉と麹と塩とを混合し熟成させて魚醤油を得る熟成工程と、(b)魚醤
油の全窒素分N(g/100ml)を測定する全窒素分測定工程と、(c)魚醤油のクエ
ン酸の含有量C(mg/100ml)を測定するクエン酸量測定工程と、(d)魚醤油の
乳酸の含有量L(mg/100ml)を測定する乳酸量測定工程と、(e)全窒素分Nに
対するクエン酸の含有量Cの比率C/Nとしてクエン酸スコアYを求め、全窒素分
Nに対する乳酸の含有量Lの比率L/Nとして乳酸スコアXを求め、前記クエン酸
スコアY及び前記乳酸スコアXが所定の範囲に存在する
か否かを判定するスコア判
定工程と、を備える。旨味,甘味,酸味,苦味,渋味のバランスが良く呈味に優れ、
広く消費者に好まれる魚醤油を安定して製造できる魚醤油の製造方法を提供する(
出典:特開2009-232723「魚醤油の製造方法」)。

以上、ナット・ペーパーの健康補助食材と魚醤に柑橘類の芳香豊かな酢とをブレンド
して、この納豆に加えることで骨のアンチ・エイジングな一汁一菜を創作することで、
従来にはない納豆パワーを引き出す試みを行ってみた。

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羊毛のようなパジャマ

2014年01月13日 | WE商品開発

 

 

 


 

【フード・ファントム・メナス(8)】

チキンの抗生物質アレルギーで、日清の「カップヌードル しお」から、サンヨー食品
「麺の力 中華そば」に切り替えてみて要観察中だ。調理は彼女がしてくれたので、焼豚、
野菜沢
山の贅沢即席ラーメンを頂くこととなった。それにしても添加剤のオンパレードで
身元分からず不安だが、兎も角も試食期間に入る。味、食感は申し分ない。これで安全性
が担保されれば間違いなく、日本製即席麺は世界をリードする。また、超十兆円/年規模
の世界市場形成は夢でないだろう(世界人口に対し選択率10%、百円/食、昼食のみとして
計算)。


※鶏肉(チキンエキス)のアレルギーが「麺の力 中華そば」のアレルギー物質に記入さ
 れているので、やはり症状が出るかもしれない。発症すれば止める。


 

  


 ヒラメ・カレイ・スズキ

 ●小魚をエサにするので放射性物質を濃縮しやすい

 
  ヒラメ・カレイ・スズキは、福島県周辺の各県で非常に高い値が検出されているの

 に、岩手県以北、神奈川県以西のデータがほとんどない。小魚をエサにするヒラメ・
 カレイ・スズキは、放射性物質を濃縮しやすいので、関東、東北の太平洋産は避ける
 のが賢明だ。

 

 ホタテ

 ●安心して食べていい

  ホタテの輸入量は消費量の1%に満たないから、放射能の心配はない。国産の99
 %以上が北海道産で、0.5%青森産だから放射能の心配はない。寿司屋でホタテが
 出てきても、安心して食べていい。

 アサリ・シジミ

 ●東京湾が汚染されているので千葉県産は食べない

  アサリやシジミは、縄文時代の昔から、タンパク質やミネラルの摂取源として、日
 本人の健康を支えてきた。
  アサリは、1960年代までは、千葉県が日本一の生産量だったが、70年代に入
 ると減り始め、熊本県が1位になった。ところが、1980年代に熊本県を含めて日
 本全体で生産量が減り、現在は激減してしまった。
  シジミやアサリがすんでいる川と海の境や、遠浅の干潟を埋め立てた上、水生生物
 に対して毒性の強い合成洗剤の使用が増えたので、減るのは当然である。
  アサリは、国産と輸入物がともに3万t程度。2010年代の生産高順位は、愛知
 県、福岡県、熊本県、千葉県の順になっている。

  東京湾が放射能で汚染されているので、妊婦は千葉県のアサリを食べてはいけない。
  また、国産のアサリが減って価格が上がったので、輸人物が増え、今は中国からの
 輸入量が多い。中国産は、北朝鮮のアサリが中国を経由して輸入されたケースが多い
 といわれる。
  そして、輸入アサリを干潟に撒いて、数ヵ月たってから獲る「蓄養」が多くなり、
 それが国産として出荷されている。だから、スーパーなどで見かけるときは、国産が
 多いように見える。
  シジミの生産量は、国内で1万t。島根県の宍道湖、青森県の十三湖で全国シェ
 アの七割を占める。
  ただ、放射能汚染の心配がある東京都と茨城県のシェアを合計すると1割を超える
 ので、子どもや妊婦は、ここで獲れたシジミを食べてはいけない。
 シジミも、輸入量が5千tほどあり、中国から輸入されたものを国内で撒いて「蓄養」
 し、国内産に化けさせて出回っているケースが多いといわれる。


 カキ

 ●水ぶくれさせた増量カギが多い

  宮城県・岩手県産のカキは、津波の被害で獲れなくなった。この地域のカキが安全
 かどうかは、放射能のデータがそろって、数年の経過を見てからの判断になる。
  三陸の被害に伴い広島県産カキが値上がりしたので、韓国からの輸入量が増えてい
 る。韓国産のカキは小さくて昧が濃く、放射能の心配もないから、おすすめだ。
  韓国産の特徴の裏には、日本のカキの問題点が潜んでいる。
  カキは海水の中で育つ。そのカキを真水に浸けると、浸透圧の影響で水を吸い込み、
 大きくなる。
  この性質を利用してパック業者は、カキを真水に浸け、できるだけ大きくしてから
 パックし、カキが死なないように冷蔵して出荷する。
  消費者は、単なる水ぶくれとは知らないから、高くても立派に見える大きなカキを
 買う。都会には、カキ臭がすると言ってカキを嫌う消費者がいる。こういう消費者は、
 水ぶくれして味が薄くなった増量カキを「美味しい」と言って喜んで買うので、スー
 パーやデパートのパックされたカキは、水ぶくれの増量カキばかりになっているのだ。
  殼つきのカキも同様で、殼つきのまま真水に浸けて水ふくれさせているから、都会
 で美味しいカキを買うのは難しい。
  本物のカキを食べるには、魚屋でパックに入っていないカキを探すか、カキ産地の
 人が行っていような店で食べるしかないのが実情だ。
  冷凍カキフライは、増量した冷凍カキを、表面だけ解凍して粉をまぶし、どろどろ 
 のバッタ上肢につけて、パン粉をたっぷりまぶしたものだ。


 ウニ

 ●8割が輸入物、国産の半分が北海道産で心配ない

  2011年8月に、いわき市で獲れたキタムラサキウニから950ベクレル/㎏の
 放射性セシウムが検出されている。
  ウニの放射能汚染は、エサの海藻の汚染とともに周辺に広がっていく。関東東の太
 平洋産のウニは、データを見ながら、避ける地域を広げていくのがいい。

  ウニ消費量の8割は輸入物だから、放射能の心配はない。国産の半分は北海道産な
 ので、国産でも気をつけて選べば、ほとんど安心して食べられる。

 
 エビ

 
 ●プ
リプリにする添加物を使用している

 ●保水効果のある「リン酸塩」

  エビは「プリプリ」なのが、当たり前になっている。だが、プリプリなのは鮮度が
 いいからではない。保水効果のある重合リン酸塩(以下、リン酸塩)を用いて、エビ
 を水で満たしてプリプリにしているのだ。
  この食品添加物を用いれば、水を入れた分だけ重くなり、体積も増えるので増量で
 きて、食品業者の儲けが多くなる仕組みになっている。
  塩、砂糖、化学調味料をエビにしみ込ませているので、味もいい。
 「味がしみ込んでいて美味しい」というのは、昔は、じっくり調理したことへのほめ
 言葉だったが、今は、添加物による加工技術をほめることになる。
 「エビの食感がいい」と言って消費者が支持し、業界も儲けが多くなるリン酸塩だが、
 安全性の心配はないのだろうか。
  リン酸塩は、毒性がない食品添加物とされている。その理由は、胃腸で吸収されな
 いまま素通りして、排出されるからだ。
  だが、大きな落とし穴があった。リン酸塩は胃の中でミネラルと結合し、そのまま
 ミネラルも一緒に排出し、ミネラル不足にしてしまうのだ。
  リン酸塩は毒性がないので、使用量の制限がない。そのため、ありとあらゆる食品
 に使われるようになった結果、多くの現代人をミネラル不足に陥れている。
  カルシウム、マグネシウムは食品中に多く存在するので、リン酸塩で体外に持ちだ
 されても決定的な影響を受けないかもしれない。
  だが、亜鉛や鉄より少ない微量ミネラルは、リン酸塩の添加量より、食品中に存在
 する量の方がはるかに少ないから、体外に持ちだされると、摂取量がほとんどゼロに
 なってしまう。
  リン酸塩は、亜鉛の吸収を阻害し、骨粗しょう症や味覚障害を引き起こすと、19
 70年代から指摘されてきた。

  しかし、実際は、もっと多種類のミネラルを吸収できなくして、心身を異常にし、
 この20~30年間、増加を続けている病気の有力原因であることを、私は2010
 
年に『食事でかかる新型栄養失調』(三五館)で明らかにしている。
  増えている「病気」は、実は、ミネラル不足による症状で、新型の栄養失調だった
 のを、病気と勘違いしているケースが多いのだ。


 ●魔法の添加物「リン酸塩」

  リン酸塩は魔法のような薬剤で、エビの身をプリプリにするだけでなく、解凍した
 ときに身が崩れないようにしたり、透明感を持たせたりする効果もある。
  生のむきエビがパックに詰められて売られているが、元は冷凍した生むきエビを輸
 入したものだから、ほとんどはリン酸塩が用いられている。
  頭を落としたブラックタイガー、バナメイや、東南アジアやインド産の天然エビで
 も、冷凍生エビにはリン酸塩を用いているものがある。
  ボイルむきエビはリン酸塩を使用していないものがほとんどだが、ときには使用し
 ているものもある。生むきエビが売れ残った場合、ゆでてボイルむきエビにして売る
 からだ。
  尻尾がついたボイルむきエビにも、殼つきのエビにもリン酸塩が使用されているこ
 とがある。
  背ワタを取り除いてあるバナメイの冷凍生エビに「ポリリン酸ナトリウム」の表示
 があったので、殼をむいてミネラルを検査してみると、添加物表示のないバナメイの
 ボイルむきエビより、リンは三倍、ナトリウムは二倍多く含まれていた。タンパク質
 や脂肪の量に違いはなかったから、添加された「ポリリン酸ナトリウム」のリンとナ
 トリウムのために、これはどの差が出たといえる。


 ●「リン酸塩」の表示

 
  リン酸塩は表示されないことが多いので、使われていても、気づかない人が多い。
  食品添加物として認められているリン酸塩は二〇種類ほどあって、数が多すぎるか
 ら、「pH調整剤」などと一括名称で表示されるのが普通である。
  一括名称を使うときは、使えるリン酸塩に制約があるが、しかし、抜け穴だらけの
 規制なので、業者はリン酸塩を使っていることがわからないように表示している。
  そのため、本当はリン酸塩が使われているのに、消費者は「無添加」と思って買っ
 てしまうのだ。かくいう私も、これまで何度も無添加と思っていた商品にリン酸塩が
 使われていたことがある。
  エビにリン酸塩が用いられていても、表示がある場合と、ない場合がある。
  二種類のエビが売られていて、片方に「リン酸硲」という表示があり、もう一方に
 はこの表示がなかったとしても、プリプリした食感が同じなら、リン酸塩が使われて
 いる可能性がある。
  エビがプリプリしていなければ、リン酸塩が残留していても表示しなくていい。リ
 ン酸塩は洗い流されて、最終食品に少ししか残留していないから「加工前剤」の扱い

 となり、表示義務がなくなるのだ。
  エビがプリプリしていたら、どんなにリン酸塩の残留量が少なくても表示義務はあ
 る。ただし、それは建前で、どこから違法になるのか基準が決まっていないので、よ
 ほど大量に使っていなければ違反にはならない。
 非加熱の冷凍むきエビの原材料表示欄に、「調味料(アミノ酸等)」とあるのは化学
 調味料のことだが、「等」がリン酸塩と
 いうこともある。


 ●エビの食べ方

  本当に新鮮なエビは高価でめったに売られていないから、生きているエビを調理し
 て食べるのでなければ、プリプリしたエビでも新鮮とは思わない方がいい。
  冷凍生エビは、ゆでていない自然の素材だから、添加物も使っていないといメージ
 があるが、現実はそうなっていない。

  エビを食べるときは、ミネラルを補給できるとは思わず、体から持ちだされる方が
 多いと考えて、ミネラルの多い、丸ごとの小魚、ゴマ、海藻、種実類などを同時に食
 べてミネラルを補給する必要がある
  2012年7月に茨城県沖で獲れた伊勢エビから、放射性セシウムが1㎏当たり、
 3.9ベクレル、同年11月に千葉県で獲れた淡水エビから1㎏当たり75ベクレル
 
検出されている。だが、全体から見ればごく一部で、福島県沖でエビは獲られていな
 
いから、放射能汚染されたエビを避けるのは簡単である。


                   小若順一 著 『食べるな危険!』、PP.41-50

 

ところで、地域生協の理事の経験(「暮らしと環境」担当理事)もあり、いつものように、
短期間ではあるが、食と安全の勉強はさせて頂いた経験があるが、"人工的食品添加物"
全般について拒絶するサイドには立たないことを基本としている。たた、科学の、言い換
えれば、対象意識の意識化の最大欠点は、対象外のものが含まれる誤謬が顕れるというこ
とにある。つまり、エラー発生時のフィードバック(帰還制御)が非常に大切になるとい
うことになる。"ここでは、チキンエキス"とは何か(由来)を、トレーサビリティが取れ
るのかを明らかにすることが大切であると。

 



【たこ焼き様のフードボール市場】

正月を通して気がついたことがあった。それはお餅の腹持ちの良さを再認識したことで、
素うどんにお餅を1つ入れれば、餅うどんが頂ける。なお、中学生のころは、放課後、狐
うどんか狸うどんを食べて帰っていたが、高校生になると大衆食堂で、この勝ちんうどん
(相撲力士の金星に由来)、餅うどんを食べて帰った記憶があるが、そこから、この日本
お餅を世界展開できないか考えていた。もっとも、かって、"フードボール"、つまり、た
焼きについて掲載したことあるが(『進化するお好み焼き』)、外皮は餅米でなくても
小麦やそば粉などなんでもよいが、内包の具材・餡がお好み焼き、たこ焼きでもなんでも
良いのだが、変なことに、鰯のつみれ、鶏のつみれなど考えてみたのだが、同軸ノズルで
二成分あるいは多成分を押し出し→連続カット→後工程で加熱・仕上げ→包装(多くは冷
凍)・出荷する多品種・適量生産するシステムを考えた。これだと、例えば彦根で生産し
無料の高速道路で搬送し、オンボード(海輸・空輸)し、世界中の消費者(顧客)へ届け
るというもの。これは、菓子類でも(例:雪見大福)いける。前述した即席麺ではないが
零からのスタートになるが、成功すれば大きな市場を形成できるだろう。

それで、同じような新規考案が提案されていないか調べてみると、同軸偏芯ポンプメーカ
の兵神装備株式会社から上図の考案が公開されている。ここはポンプだがインジェクショ
ンのようなものであっても構わない。細かいデザイン要点はここではしないが、投入する
具材の粘度(動粘性)の制御が主要因子となる。まぁ、何でもできますねぇ~と感心しな
がらこの件はここまでとした。

【シリーズ:こんなもの欲しいなぁ?!】

 

省エネ・冬の節電・ウォームビズ対策にワンピースパジャマがあればとネット検索してい
たらヒット、ビンゴー! 片面ファスナーを備えて、着心地がとて
も良いという。プレミ
アムコットン製だ。羊毛製のロングソックスとウォームスリ
ッパを履けば、股間も蒸れず、
首筋も温められ効果がありそうだ。これど、程良い羊毛様態パジャマというわけだ。

 

 

 

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植物工場用バイオセンサ

2013年12月16日 | WE商品開発

 



【環境バイオセンサ事業の展開】

今年を振り返ってみて一番だったことは?と考えたら、試験菜園をまったくしなかなことだ。
しかし、
これには訳があり多くのフィールド上の課題がなくなったことにある。その経緯は
ブログを読み返せ
ばわかることなのだが、我流の「土壌機能の解体学」を粗方やり終えたこ
とにある。ところが、「和食」
が世界文化遺産登録を果たしたことで話題に上がる機会が増
えたためでで、特に発酵工学が取り
上げられている。例えば、アスペルギルス(麹黴)のフ
ラブスとオレゼのDNA配列比較とかが紹介さ
れていたしている。長い時間をかけて日本人
との共生で、酒や味噌、醤油などの伝統食品を改良利用してきた。このようにわたしたちの
環境中には微生物(細菌・糸状菌・放線菌・藻類・原生動物の5つ)が数多く存在している
のだが、加工食品工場での環境の定点測定は専ら培養試験を中心に、極めて経験的な作業と
伝承の中で行われてきたがゆえに生産性が低かった。ところで、土壌中には計り知れないく
らい多くの微生物が生きていて、土壌の小さじ1杯で1億くらい存在すると言われている。
その中には植物にとって有利なものもいれば有害なものもある。また植物の根がある場所(
根圏)は微生物の種類は少ないものの活発活動している(植物は、細菌・糸状菌・放線菌の
三種類が関与)。密度は非根圏の26倍から120倍と言われている
。なお、根圏の厚さは根か
ら1㎜前後と言われていて、根がない場所(非根圏)では微生物の種類は多いものの数は少
なく不活発だとされている。このような微生物環境をバイオセンサで定点測定出来るように
しておけば、環境変化と微生物の活動をその場測定できることで、農産物や加工食品の生産
の品質や生産性向上に大きく貢献することが期待できるだろう(「微生物のはなし」)。も
っとも、有機肥料成分、酵素、補酵素などの定量計測も可能だろう。そう考えたとき「土壌・
環境試料中の全生細菌定量測定装置とそのシステム自動化」ということに関してまとめて考
えてこなかったことに気付いた。

例えば、サンプルを機械的に自動採取し、耐圧チューブ(可撓性細管)などで減圧搬送し、バイオセ
ンサで自動測定するシステムに変えるわけだが、従来、この種の微生物検査方法は、栄養成分が
含まれる寒天培地に検体を0.1ml滴下し、コンラージ棒にて塗抹する塗抹寒天培養法、寒天培地
が固まらない状態で検体1mlを混釈する混釈培養法、液体培地にて検体を0.1mlもしくは1ml添
加する液体培養法などで微生物を培養し、その増殖活性を検出する培養法が用いられている。
養法は、培養に24~48時間かかること、培養条件(温度、時間、培地栄養成分)が一
致しない微生物を培養することができない問題がある。メンブレンフィルターを使用し微生
物を計量する方法の、アデノシン三リン酸(ATP)分解酵素を含む溶液をメンブレンフィ
ルターに施した後、乾燥処理したメンブレンフィルターに検体中の微生物をろ過捕集し、必
要であれば所要時間培養した後、ATPの抽出液試薬と発光試薬のルシフェリン・ルシフェ
ラーゼを
霧状に噴霧することにより、ルシフェリンとルシフェラーゼがATPと反応し、1
分子のルシフェリンを酸化し1フォトン発光し、高感度CCDカメラで撮り込み微生物を計
量する従来の微生物検査法である培養法は、検査の結果が得られるまでに24~48時間またはそ
れ以上の培養時間を必要とし、生鮮食品などの製造あるいは製品出荷の段階で検査結果待ち
を要
しデメリットとなる。

また、検体中に微生物と同じように発光する蛍光異物等が含
まれる検体検査では、微生物と
同じように発光する蛍光異物等と微生物の蛍光との明確な差が得られず、正確な微生物数の
計量ができない。上図の
発明は、検体中の微生物数の計量時間を短縮し、メンブレンフィル
ターに捕集した微生物と異物を判別し、検体中の正確な微生物数を検出する微生物計量装置
の新規考案が提案されていた。
 

ところで上の写真は、産業技術総合研究所が、検出対象のバイオ物質に付着させた蛍光標識
からの発
光信号を表面プラズモン共鳴励起蛍光増強(SPRF)機能によって強めて、対象バ
イオ物質の高感度検出ができるV字型の断面を持つマイクロ流路型センサー(V溝バイオセ
ンサー)チップの開発に成功したことを公表した。今回、マイクロ流路の断面をV字型にす
ることでSPRF機能の発現に必要な光学プリズムと表面プラズモン共鳴(SPR)励起層を流路
と一体的に構成し、センサーの光学系を一直線上に配置して、SPRFの高感度性とマイクロ
流路の簡易操作性とを併せ持つバイオセンサーシステムを実現。体内の極微量の疾患由来物
質(
バイオマーカー)やウイルスなどの定量検出が数µL程度の極微量試料で行え、臨床現場
でのより正確な診断に加え、日常の健康管理にも役立つバイオセンサーシステムとして
貢献
が期待されている



この背景には、さまざまな疾患に起因して体内に発生するバイオマーカーが特定され、糖尿
病のような生活習慣病やガンなどの早期発見が可能となってきている。これらのバイオマー
カーを検出し、まだ病気ではないが病気になりつつある状態、未病状態が検知できことも分
かってきている。人を病気にさせない技術として注目を集めている。また、感染症でも、感
染初期の極微量の菌やウイルスを迅速に高感度で検出できるようになれば、治療の初動を早
めることで早期回復が期待できるとともに、感染拡大の阻止にも繋がる。
これらを実現する
鍵となる技術が、超高感度バイオセンサー技術である。既にいくつものセンサー技術が実用
化して
いるが、簡易検査では十分な感度や定量性が得られない一方、高感度な検出手法では、
操作が煩雑でその場での迅速な判定は難しいことがある。
 

今回の発明はの特徴は、上図のように、従来のSPRF検出系は光学プリズム上にSPR励起層を
持つチップを密着させ、このチップ上に検体を保持する流路を接合した構成。また、励起用
の光を、プリズムに対して所定の角度に調整して入射する必要があった(図1(a))。その
ため使い勝手が悪く、装置が大型化するため、高感度であることが分かっていながら実用的
な使われ方はされていなかった。そこで、図1(b)、(c)に示すように、底面に光が入射
するプリズム面となるようなV字型の溝のマイクロ流路により流路そのものにプリズムの機
能を持たせ、流路の内面にSPR励起層として金(Au)薄膜を持った構造を考案。これにより、
プリズム、検出用チップ、流路、と三つの部材に分かれていた構成を、一体化できた。また、
センサーチップ底面に励起用の光を垂直に入射すればSPRが励起されるようにV溝の頂角を設
定してあるので、煩雑な入射角の調整が不要で、下方から照射される励起光に対して水平に
チップを置くだけでSPRF効果が得られるという。

※参考「特開2013-024607 目的物質検出プレート、目的物質検出装置及び目的物質検出方法」 

つまり、この二つの発明でも分かるように、計測対象と検出感度さえ決まれば、微量のサン
プルで、
多種多様の微生物など対象タンパク質(バイオ及びネグロ)が検出される。一旦、
植物の成長を促し
高付加価値(品質・機能)で安定供給、廉価などの特徴を持った農産物や
加工食品を生産性を高め
ることができる土壌環境を決定・再現できれば、植物工場のまた新
しいステージ
に立つことができる
はずだ。この構想を付けくわえることを、こうして今夜動
機付けることができたという次第。そのうちに
スマホで自分で注文した食品の生産現場を遠
隔見学でき、生産条件などの履歴が閲覧できる時代
がくるだろう。これは面白い。
 

 

日銀短観改善-景気回復の波、中小企業にも拡大-景気回復の波が中小企業にも広がり始め
たと、日本銀行が16日発表した。それによると12月の全国企業短期経済観測調査(短観)で
は、中小企業の製造業と非製造業で、最近の景気が「良い」と考える企業の割合が「悪い」
とする企業を上回ったという。それで?それでというわけではないが、予断禁物だが経済政
策については、やっと、後追いでチェンジできたということになるが、ここは素直にウエル
カムだ(上図参照)。

 

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色素が世界を変える

2013年12月07日 | WE商品開発

 

 

 

【フレキシブル色素増感太陽電池の突破力】 

植物は太陽と空気中の二酸化炭素でグルコースを形成し酸素を排出する。正確に言うと水が介在す
るが、問
題は光合成の明反応で光エネルギーを吸収する役割をもつ化学物質の葉緑素。クロロフィ
ル (Chlorophyll:C55H70O6N4Mg)
と呼ばれるもの。さらに、厳密に言うと、このクロロフィルのうち、酸素発
生型の光合成をおこなう植物およびシアノバクテリアが持つものはクロロフィル、酸素非発生型の光合成を
行う光合成細菌が持つものはバクテリオクロロフィルと呼ばれるが、葉緑素は太陽光の中から赤か
ら近赤外の光エネルギーを効率よく吸収する為の色素であり、その上光エネルギーの収集効率を上
げるためにわずかに極大吸収を換えた複数の色素が配置され、中心の色素分子に光エネルギーが集
中するようになっているという優れた天然の太陽電池ということになる。このメカニズム着目した
のが色素増感型太陽電池で、最近は、色素系量子ドット太陽電池?と言うような呼ばれ方をしてい
るようだが。



ところで、昨夜も、フレキシブルリチウムイオン二次電池の開発でブログに取り上げ積水化学工業
が産業技術総合研究所とで共同開発した世界で初めて常温プロセスでフィルム型の色素増感太陽電
池を作製したと発表していた(昨夜、取り上げるべきだったが)。それによると、セラミック材料
の常温高速コーティングプロセス方法を用い、従来の高温焼成を不要にし、製造負荷の低減のほか、
耐熱性の低いフィルムや粘着テープのような材料への成膜が期待できる。エネルギー変換効率は有
機フィルム状の色素増感太陽電池としては世界最高水準の8%だったという。今後、両者では薄膜
の微細構造を制御して発電効率の向上を図るとともに、生産コストの低減などに取り組み、産総研
のコーティングプロセス法と、積水化学の微粒子や膜構造、フィルム界面の制御技術などを駆使し
て作製した。従来の熱エネルギーの代わりに高速衝突エネルギーで微粒子を結合することにより、
常温でフィルム化ができた意義は大きいと考える。



色素増感太陽電池は、二酸化チタンなどの酸化物半導体層に色素を吸着し光電変換層として利用す
る有機太陽電池の一種。一般的には、二酸化チタンを含むペーストを基板に塗布したものを500℃
程度の高温で焼成し、色素増感太陽電池の半導体層として使用しているが、この温度は市販の有機
フィルムの耐熱性を越えるため、フィルム太陽電池の実現の課題となっていた。
これに対しAD法
は、原料粒子に高い衝突エネルギーを与えて基板に衝突させ、その物理エネルギーをもって粒子間
の結合を促進させ成膜する方法であり(下図)、加熱プロセス無しで形成されたにもかかわらず、
高い強度を持つ膜を形成することができる。実際、この操作の試験に立ち会ったことがあるが、噴
霧後の異臭と粉塵に驚いた。これ以前に、二流体ノズルの開発での回収方法を水を使い実験した経
験を思い出していた。話は逸れた。今後、積水化学と産総研は、薄膜の微細構造の制御によるさら
なる発電効率の向上に関し、研究を加速させるとともに、生産性の向上・コスト低減を目指した開
発を進め併せて、色素増感太陽電池の製品化に向け、積水化学は用途展開に関し事業パートナーを
募り窓や壁を始めとした内外装建材、簡易設置性を活かした壁面設置などの用途開拓を進め、2015
年の市場参入を目指すという。



このエアロゾルデポジション法(AD法)とは、たとえば、サブミクロン粒径のα-アルミナ微粒子
を基材に吹き付け、焼結することなく常温で金属基板上に固化させ、バルク焼結体と等しい電気機
械特性を持つ1μm以上のセラミックス厚膜を形成する。この様なα-アルミナ微粒子の常温固化
によりセラミックス厚膜の形成は、α-アルミナ微粒子が基材に吹き付けられた衝突時の温度上昇
による表面熔融ではなく、粒子の破砕現象による微結晶粒子の変形と新生面形成による表面活性化
が支配的である事を明らかにできる。表面の硬さや耐薬品性などの表面機能を主に用いる窯業製品
において、従来必要とされてた1000℃以上の焼結工程を不要とし省エネルギー効果が期待できる工
法というが下図はその関連国際特許の概説図である。
 


JPW O2005/031036 A12005.4.7

また、下図はモジュールの構造の新規考案である。一の基板2に透明導電膜3が成膜され、透明導
電膜3の表面に半導体層4が形成された第1電極5と、他の基板6に透明導電膜3に対向するよう
に対向導電膜7が成膜された第2電極8とを備え、これら第1電極5と第2電極8との間に形成し
た空間Sに電解液11が封止された電気モジュール1Aにおいて、第1電極5と第2電極8との間
には、複数の孔9が形成された樹脂シート10が介装され、樹脂シート10によって、第1電極5
と第2電極8とが接着するとともに、電解液11が封止することを特徴とすることで、簡便に製造
することができ、部品点数を抑えることのできる電気モジュールの概説図。


JP 2013-214373 A 2013.10.17

【符号の説明】

1A 色素増感太陽電池(電気モジュール) 2 一の基板 3 透明導電膜 4 半導体層 5 第1
電極 6 他の基板 6a 一方の板面 7 対向導電膜 8 第2電極 9 孔 10 樹脂シート S
内部空間

ドイツでは有機薄膜太陽電池の量産化が提案されているので、これらを含め(1)カラフルで(2)
フレキシブルで(3)環境負荷の低い(5)ローコストでいて(6)変換効率の高い太陽電池の開
発に繋がっていくものと確信している。

 

 

【ルビースイートの突破力】

色素はエネルギー変換機能だけではないことはいうまでもない。作物、つまり食品機能にも大切で
ある。この程、農業・食品産業技術総合研究機構が、日本で栽培されるリンゴ品種の果肉は一般に、
アントシアニンを含まず、赤い色をしていなかったが、果肉にアントシアニンを含み甘味が多く生
食用に適するリンゴ品種「ルビースイート」の育成に成功したと発表した。一般に、付加価値を高
める
方法として天然色素を添加する方法が採られている。例えば、黄色はクチナシ黄色素はカルチ
ノイドで、自
己酸化力を利用し抗酸化、癌抑制に期待される。トウガラシ色素はオレンジ色でカロ
テノイドは、
植物中で作られる黄、オレンジ、赤色の色素で、天然には 600種類のカロテノイドが
知られ、強力な
抗酸化力を持ち、活性酸素を除去する力に優れ、眼病や生活習慣病などをはじめと
する疾病の予防
に効果的な栄養素とされている(フードファディズムに寄与するので引用表現は注
意がいる)。育種法には様々な選択肢があるが遺伝子組み換え法以外のハイブリッド法で特定機能
性色素を多く含む農産品の開発は有用かもしれない(どこまで可能かはやってみなければわからな
い)。"非植物工場理論"?の領域に興味を持たなかったが、これは案外面白いかもしれない。

このように考えてみると色素は、”オールバイオマスシステム”または、”オールソーラーシステ
ム”と言うだけでなく、一般的な食生活上の栄養価や医療補助機能性以外にも意匠性や嗜好性の喚
起(まぁ~綺麗!まぁ~美味しそう!)などには大切な要素なんだと改めて考えさせられた。





【ドライブ・マイ・カー】 


  そのようにして二人は友だちになった。気の合う酒飲み
仲間というところだ。二人は連絡を
 取り合って顔を合わ
せ、都内のあちこちのバーで酒を飲み、あてもなく話をした。食事を共に
 したことは一度もない。行き先は常に酒場
だった。軽いつまみ以外のものを高槻が口にすると
 ころ
を、家福は目にしたことがない。ひょっとしてこの男は食事というものをほとんどとらな
 いのかもしれないと思った
ほどだった。そしてたまにビールを飲むのを別にすれば、ウィスキ
  ー以外の酒を注文したこともない。シングル・モルトが彼の好みだった。
語り合う話の内容
 は様々だったが、途中からいつも決ま
って家福の死んだ妻の話になった。家福がまだ若い頃の
 彼
女のエピソードを話すと、高槻は真剣な顔つきでそれに耳を傾けた。まるで他人の記憶の蒐
 集管理をしている人のよ
うに。気がつくと、家福自身もそんな会話を楽しんでいた。



  その夜は青山の小さなバーで二人は飲んでいた。根津美術館の裏手の路地の奥にある目立た
 ない店だった。四十歳前後の無口な男がいつもバーテンダーとして働き、隅の飾り棚の上では
 灰色のやせた猫が丸くなって眠っていた。この店に居着いている近所の野良猫のようだった。
 古いジャズのレコードがターンテーブルの上で回っていた。二人はその店の雰囲気が気に入っ
 て、前にも何度か訪れていた。
  二人が待ち合わせるとき、なぜか雨が降っていることが多かったが、その日もやはり細かい
 雨が降っていた。
 「本当に素敵な女性でした」と高槻はテーブルの上に置いた両手を見ながら言った。中年期を
 迎えた男にしては美しい手だ。目だった皺もなく、爪の手入れも怠りない。「ああいう人と一
 緒になれて、生活を共にできて、家福さんはきっと幸福だったんでしょうね」
 「そうだね」と家福は言った。「あなたの言うとおりだ。たぶん幸福だったのだと思う。でも
 幸福であるぶん、それだけ気持ちがつらくなることもあった」
 「たとえばどんなことですか?」
  家福はオン・ザ・ロックのグラスを持ち上げ、大きな氷をぐるりと回した。「彼女をいつか
 失ってしまうかもしれない。そのことを想像すると、それだけで胸が痛んだ」
 「僕にもその気持ちはよくわかります」と高槻は言った。
 「どんな風に?」
 「つまり・・・・・・・・」と高槻は言って、正しい言葉を探した。

 

                             村上春樹 『ドライブ・マイ・カー』
                              文藝春秋 2013年12月号掲載中

 


 "第1回 止まらない「客室」の膨張"(『スペースシップアースの未来』)は興味深く観させて
もらった。2億年前のテチス海がなければ中東の石油はなかったこと、シェールガス革命のアキ
ス腱のこと、パッチワーク時代の原子力政策のこと、石油から天然ガス、そして、再生可能エ
ネルギーへの転換予測するダ
ッチシェル社の戦略の最終ゴールはなんと、日本語の"もったいな
"が資源だと言う。当の日本とい
うと、政府自民党や経産省の動きは"再稼働先に有りき"という
アナクロ模様だが、「お金か命か」と問われれれば、躊躇なく
"命"を選択するだろう。次回放送
も楽しみだ。

 

 

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百名山踏破記

2013年10月19日 | WE商品開発

 







【雨飾山:覚悟と決意】
 

 

ここ一ヶ月左肩上肢の痛みのためトレーニングをすっかりやめていたが、台風もさりもう
一週間遅らせても良いのだがまた台風が来ているというので、無理を押して計画を決行す
る。旅程、スケジュールは先回の雄山/立山(『百名山踏破記』)とほぼ同じ、北陸自動
車道を北上し糸魚川を塩の道古道を松本・白馬方面に向かい南下し小谷村(おたりむら:
特別豪雪村)
に向かうこと約5時間半で目的地の雨飾高原キャンプ場に到着。午前8時半、
登頂開始。
今回は、準備不足とあって、登頂を目標とせず午前11時半前後で下山すると決
めていた謂
わば、覚悟と決意の登山計画。紅葉というには少し早い感じで、登山往路は残
雪で泥濘が多く、泥撥ねカバーの準備を怠った。

ところで、雨飾山(あまかざりやま)は、長野県北安曇郡小谷村と新潟県糸魚川市との県
境にある、標高1963.2mの山。上信越高原国立公園に属し、山頂は360度の展望があり、二
等三角点が設置されている。深田久彌によって日本百名山に選定された。長野県側からは
小谷温泉から、新潟県側からは雨飾温泉から、それぞれ主要な登山道がある。小谷村大網
からも登山道が伸びる。なお、小谷温泉からの登路は荒菅沢奥壁となる「布団菱」を眺め
ながら比較的楽に登頂できるが、雨飾温泉側からは急登が続く薬師尾根を登らねばならな
い。
山頂は「猫の耳」と呼ばれる双耳峰となっており、南峰には標柱と三角点が、北峰に
は石仏が並ぶ。名前の由来は、山頂に祭壇を祭り雨乞い祈願をしたことによる。昔は「あ
まかざり山」と呼ぶほかに、あらすげ山とも呼ばれていた。また、書き方も天錺山や両粧
と書いてある古書もあり、両粧と書くのは、新潟県の大野辺りから見ると2つのコブが近
くの山の上に乗って見えることから名付けたものだとか。また、この山は糸魚川の漁師た
ちが海に出たときの目標にもなったと言われている山だ。

 

荒菅沢の左上には白い巨大な岩が見え、雨飾山が、高度の割にはスケールの大きい山。登
山道はいったん下り、荒菅沢を越えて進みむ、美しく澄んだ沢は、休憩に最適な場所で、
岩に腰を下ろし写真撮影(下写真)、コンビニのおにぎりのを昼食としてとる。沢を渡り
急登りが始まり、ブナの木は減り体力的にも厳しい場所となるが、足が止まり予定の時間
を超えたので下山。あくまでも“名誉ある撤退”?!^^;。下山時間、午後2時半。天候は
快晴と最高のコンディション。


 

ところで、「熊に注意!」というを思い出し、道行き登山者に訪ねてみたが、わからない
ということで
あった。そこで、帰宅してからネット検索していたら次のような対処法を掲
載していた。 

1.必ず鉈を携帯する(武器として実用的な物であること)
2.音の出る物(ラジオや鈴など)で、常時音を立てて歩くと、辺りの音の異常が感知し
 難いので要注意。それよりも、時々声を出すか、笛を吹いた方がよいと思う。

3.辺りを充分注視しながら進む。見通せる範囲はもとより、その先の死角部分では、特
 に歩調をゆっくり遅めて注視すること。

4.万が一熊に出会ったら(20m以上距離がある場合)、走らないで、熊の様子を窺いな
 がら、熊から離れること。

5.距離が10数mないし数mしかない場合は、その場に止まりながら、話しかけること(
 最初は普通の音声で、それからは大声で)。そして熊が立ち去るのを待つ。自分も少し
 ずつその場から離れてみる。

6.側にのぼれる木があればのぼり逃げる。襲ってきたら死にものぐるいで鉈で熊の身体
 のどこでもよいから叩く。

※ 講談社発行、アウトドア雑誌「FENEK」2006年10月号
※ クマとの臨界距離は約12メートル(子連れは20メートル)

鉈はなどは通常持ち合わせていないのでどうかと思うが、次回は携帯準備することに。結
論としては、つとめてやさしい目で、やさしく語りかけながら、クマから目を離さず、リ
ュックなどの持ち物を肩から下ろしながら、あとずさりする。決して大声をはりあげたり
してはならない(急に驚かすことは厳禁)。そして、熊による攻撃で致命傷となっている
のは、後頭部から頚部に集中しているから、体を団子虫のようにまるめ、両手を後ろに組
んで後頭部から頚部、腹部を守るということに。熊のパンチを身をかがめ避け、熊の背中
に回り込み、首筋を痛打すれば血流が止まり気絶すのという記事もあったがこれも勇気が
いる。それ以外に忌避用に鈴や忌避剤スプレイ、ナイフ(これは銃刀法と抵触するので注
意)など携帯もその対策にあげられている。


 

【ルームランナーに挑戦】


こんかい覚悟の上とはいえ、脚力不足を思い知らされ、トレーニング・ジムに連絡を取り、
スイミングからルームランナーにシフトすることを決意。ルームランナーはトレッドミル
(treadmill)と呼ばれ、屋内でランニングやウォーキングを行うための健康器具をいう。
ルームランナー、ランニングマシン、ジョギングマシンなどとも呼ばれる。また、歩行用
の低速のものはウォーキングマシンとも呼ばれる。屋内で有酸素運動を行うことを目的と
している。ベルトコンベア状の踏み台をモーターの力で動かし、速度が調節できるように
なっている。機種にもよるが、一般には以下の機能を有している。スポーツクラブには必
ず設置されている。各人のペースに合わせて有酸素運動ができ、痩身や持久力向上に役立
つ。筋力トレーニングほどの強度はかからないため、筋肥大の効果は期待できない。家庭
用は10万円~20万円、業務用は100万円~250万円で、その中間の価格帯のものもある。家
庭用は小型軽量化が優先されており、モーターの耐久性が劣っていたり連続使用時間に制
限がある場合が多いという。

このトレーニングの特徴の長所には、天候に左右されない。夏でも冷房の効いた部屋で運
動ができる。イーブンペース(同じ速度)で走る訓練になる。オーバーペースを防ぐこと
にも繋がる。手元に飲料を置いておくことで随時補給ができる(屋外では飲料を持って走
らなければならない)。鏡を見ながら走ることで自身のフォームを確認できる。交通事故
の心配がない(肺・気管支に障害を抱える者に向く)。信号待ちでペースを乱されること
もない。小さな子供などがいても家を空けることなく運動ができる。テレビを見ながら運
動できる。また、短所には、上り坂や下り坂に臨機応変に対応する能力が身に付かない。
着地時のショックが地面よりも柔らかいため、それに慣れてしまってから屋外を走ると違
和感を覚える。速度の上げ下げが緩慢なうえボタン操作が必要なため、インターバルトレ
ーニング(急走と緩走の反復練習)に向かない。家庭用で16km/h、業務用でも20km/h程度
が上限であり、いわゆるスプリント系の練習は一切できない。なお、36km/hまで出る特殊
なものも一部に存在する。風がなく進行方向からの空気の流れもないため、適切な室温管
理をしないと体温が上がりやすい。景色の変化がないため飽きやすい。周囲にライバルが
いないためモチベーションを保ちにくい。一般家庭では騒音や振動が無視できない。特に
集合住宅ではトラブルの原因になりかねない。横、後ろ歩き、走り等の前方向以外の特殊
な運動には不向き。このような走法はトレッドミルでは危険な為、禁止されている。

尚、1817年、ウィリアム・カビット(英語版)は刑務所に収監されている犯罪者の矯正の

ためにトレッドミルを導入した[1]。1954年、ワシントン大学のロバート・ブルースとウェ
イン・クイントンが心臓や肺の疾患を診断するためのトレッドミルを開発した。このトレ
ッドミルが初の医療用のトレッドミルである。1968年、ケネス・クーパーはエアロビクス
におけるトレッドミルの利用価値に関する調査結果を発表した。この調査は議論の的とな
り、商用の家庭向けトレッドミルの開発を後押しすることになった。

 

            

この手のトレーニングをしなかったのは、単に時間が惜しいという理由からだが、この際、
ルーム
ランナーについての技術的背景についてネットで下調べしてみたが、ここに書かれ
た特徴以外にも、(1)カーブなどを想定した機能がついたものはにようだし、(2)高
地トレーニングのように低酸素(空気が薄い)状態でのトレーニングはなさそうだ。(3)
ただし、傾斜角を変更することで筋力トレーニングは可能だ。(2)はマスクを付けて吸
排気できるようにすれば、科学的事前実験しておけば、著しい効果があればこれを常設出
来るように提案すればロイヤリティーがつくだろう(これを開発すれば、それなりの市場
は世界的な事業開拓が可能だ。さらに、上のアニメのようにデスクワークにトレーニング
マシンを付属したものも考案されているので面白いアイデアだ(スモール。オフィス向け
には)。これに仮想空間やルームランナの動きを自動連動させ業務用に売り込めば新しい
フィットネス事業が誕生しそうだ。
 

またまた、話が広がってしまったが、ルームランナーの改良・拡張も面白い事業展開が考
えられる
ので残件扱いとしておこう。さて、今夜は昨日の体験から環境工学と健康器具の
商品開発を考え
てみた。 

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防災という公共事業

2013年10月15日 | WE商品開発

 


【凶暴化する組織的中国漁船団】

東日本大震災後の11月に 韓国海洋警察隊員2人が黄海で不法操業の中国漁船員に殺傷され両国の対立が
深まる中、今年9月に韓国漁船が集魚灯で集めていたイカを中国漁船が底引き網で横取りするという報道さ
れていたことを今朝のワールドニュースで知る。この月の16日付の韓国紙、朝鮮日報が報じていた。興味
がわき調べる。場所はロシアの排他的経済水域(EEZ)内。韓国漁船はロシア側に入漁料を支払ってい
たが、中国漁船は不法操業。韓国漁船が被害に遭ったのは9月中旬、ロシア極東ナホトカの東方約220キロ
の海上。韓国漁船ユソン号(69トン)は日没に合わせ、イカ釣り用の仕掛けを40組投下。イカを水面近く
に集めるため集魚灯を約90個点灯。イカが集まるのを待って、遠方から約10隻の中国漁船が現れ「近くで
操業するのだと思っていた」(韓国漁船船長)中国漁船だが、2隻一組となって急接近。韓国漁船をはさ
んで網を引いていき、一瞬のうちにイカをさらっていった。2隻は再び近づいてきて、もう一度、網を引
いていったという事件だ。韓国漁船は入漁料を払ってロシア当局の許可を受けて8月20日から10月15日ま
で同EEZ内で操業。その間5~6回、こうした被害に遭ったという。中国漁船はイカを奪っただけでな
く、ユソン号の漁具(8百万ウォン=約54万円=相当)を破壊していったという。船長は「海洋警察官
を殺すぐらいだから、何をされるかわからない。対応のしようがなかった」と諦め気味に話している。韓
国の漁業関係者によると、今年、ロシアのEEZ内で操業した韓国漁船約90隻の全てが中国漁船による被
害を受けた。韓国のイカ漁の割り当ては1万トンだが、実際の漁獲量は5300トンにとどまっている。中国
漁船は不法操業とみられる。中国漁船はこれまで、イカの好漁場と言われている北朝鮮の元山沖で操業し
ていた。ただ中国の経済発展に伴いイカ需要が急増したことで、同沖だけでは賄えなくなったもよう。8
月下旬には、ロシアのEEZ内で百隻以上の中国漁船が許可なくイカ漁を行い、ロシア国境警備隊の停船
要求にも応じず、3隻が拿捕(だほ)された。韓国海洋警察隊員2人が黄海で不法操業の中国漁船員に殺
傷され両国の対立が深まる中、今年9月に韓国漁船が集魚灯で集めていたイカを、中国漁船が底引き網で
横取りしていたことが分かった。16日付の韓国紙、朝鮮日報が報じた。場所はロシアの排他的経済水域(
EEZ)内。韓国漁船はロシア側に入漁料を支払っていたが、中国漁船は不法操業だったとみられる。


※ http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/12/17/kiji/K20111217002258760.html

 


これらの情報に接して、なんだかゴールドラッシュに沸いた西部開拓史の米国映画を思い浮かべた。そこ
にはバーバール(野蛮)にいまなお中南部地方残る自由主義の片鱗を見るようものを、あるいは、被害に
あった韓国漁民が語った思い、つまり無自覚な集団暴力に対する恐怖を感じた。これは私たちに通底する
することで、速やかな法整備を必要といている。

 

【防災という公共事業】

彼女が桜塚やっくんの事故死の経緯を詳しく説明してくれるので(そんなことは折り込み済みのことなの
だが、聞かないとその反動が恐ろしくて一応聞くようにしている)、その後早速、通販のLED回転灯(
赤色/上図参照)を1台を注文し車に常設しておこうと行動する。ところで、「スケバン恐子」のキャラ
クターでブレークしたタレント・桜塚やっくん(本名・斎藤恭央)が5日に山口県内の中国自動車道で交
通事故にあい死亡、享年37歳という。最近は芸人としてテレビに出演する事は少なくなっていたが、財テ
クが成功するなど、まさに“勝ち組”の人生を謳歌し、芸能界への情熱も失っておらず、バンド「美女♂
menZ」で成功、“お笑い版トキワ荘”設立という夢を描く半ばでの死となった。事故が起きたのは5
の午後4時52分。雨天の中、東京からライブ予定地の熊本県に車で向かっていた桜塚さんが運転する5
人を乗せたワゴン車が、山口県美祢市東厚保町の中国自動車道下り線の右カーブでスリップ。中央分離帯
に衝突した。車が追い越し車線に止まってしまったため、桜塚さんとマネジャーの砂守孝多郎さん(55)
が路上に降りたところ、別々の後続車にはねられ、砂守さんは即死。桜塚さんは病院に搬送された後、心
臓破裂などで死亡が確認された。同乗していたバンドメンバー3人のうち2人は軽傷で、1人は無傷だっ
たという。

 


そこで、交通事故とその警報システムの新規考案を下調べしてみた。典型的なものを二件ピックアップ
(上図)してみたが、ちょっと首をかしげてしまった。交通事故、特に自動車・トラックは日常茶飯事だ。
自動運転の自動車開発が話題となっているが、事故発生同時に、当該事故車の自動(手動)発信するシス
テム掲載を義務化すれば良いのではと。勿論、システムとしては、発注した回転灯や発煙筒の装備の義務
化をセットにしておく、また、公共交通機関の移動機関にも、この事故発生時の“警報双方向運用システ
”を全国に敷設すれば良いのではないかと。過日の踏切事故の美談も裏を返せば、関係列車に連絡する

システムが備わっていたら事前に回避できたかもしれない。踏切に警報ボタンがあれば(悪用行為には実
損害請求)回避できただろう。プラットホーム落下事故もそうだろう。この様なシステムは公共事業とし
て法整備すればすぐにでも対応できる。勿論、対費用効果(B/C)も測定しておく必要があるが。人命
に値段を付けるのはおかしいが、地球の重さより重いとなれば、世界人口を70億人×1億円/人と計算し
て、・・・・やめておこう膨大な金額だ。土建工事ばかりが公共事業でないことはすでに未来国債の創
として掲載済みだ。

 

 

 

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