「バリカタ」は硬めの麺として知られていますが、博多ラーメンにはさらに「ハリガネ」や「粉落とし」といった茹で時間の短い麺があります。
僕は熊本生まれで福岡在住。どちらもラーメンがおいしい県です。県外の人たちには両県のラーメンの区別がつかないでしょうが、熊本の人は「博多より熊本ラーメンのほうがおいしい」と言うし、福岡の人は「熊本より博多ラーメンのほうがおいしい」って言うんですね。あまりラーメンが好きではない僕は、「結局自分の口になじんでるほうをおいしいって思いこんでるだけだろ」と、冷ややかに眺めています。
さて、今日は第3回私が好きなマンガの話。今回取り上げるのは原作・久住昌之、作画・谷口ジローの『孤独のグルメ』(全2巻・扶桑社)です。
この作品についてはもう説明の必要ありませんよね?言わずと知れた孤高のグルメマンガ。松重豊主演で何度もドラマ化されています。
グルメマンガってどうしても食の過剰なこだわりや蘊蓄が多く、僕はそういうのがうっとおしくて読んでられないんですけど、このマンガにはそんなうっとおしさはほぼ皆無(まったくないというわけではないです)で、実に軽やか。食事前にパラパラめくって食欲増進剤代わりにもしています。
作中に出てくるお店は実在するということですけど、店主とケンカしたハンバーグ屋はほんとにあるのか気になるところですね。
僕が特に気に入ってるコマがありまして、それは1巻の第11話「東京都練馬区石神井公園のカレー丼とおでん」の最後のページの2コマ目。食事を終えた主人公がふと離れた席に座る客に目をやるのですが、幼い息子にご飯を食べさせている母親の、首から下が描かれてるんですね。
こ・れ!これですよ!
母親は子供を産んだことでファッションがどうでもよくなったのか、安っぽいダサめの服を着ています。おそらくオシャレよりも利便性重視で選んでいるのでしょう。そんな、いかにも子持ちの既婚女性という感じの洋服が、出産を経ていくらかだらしなくなったであろう体を包んでいるのです。この描写が、「公園内の休憩所」という場所を象徴しているように見えるんですよね。公園という開かれた空間内の、富裕層は立ち寄らないであろう休憩所の、お昼の食事時から少しずれた時間帯。そのすべてをこの母親の身体が表しているのではないかと。このひとコマをさりげなく入れてくるセンスがもう素晴らしい。
この記事書くにあたってAmazonのレビュー読んでみたんですけど、「ドラマはいいけど原作はいまいち」って意見がけっこう多いんですね。僕は逆なんですけど。なんで原作がダメかというと、ドラマの五郎さんはなんでも「おいしいおいしい」って食べるのに、原作は文句が多い、っていうんですよ。
でも、知らない店に行けば、当たりはずれがあるのが当然でしょ?全部おいしいはずがない。それがリアリティってもんじゃないですか。だいたいドラマは現実のお店を舞台としてお借りしてるから、不満なんて言えるはずがない。外食には当たりはずれがあるというリアルをこそ味わうべきじゃないですかね。
2巻ではところどころ絵が荒れている箇所があって、細密な描写を旨とする谷口先生らしくないなと訝しんでいたら、その後まもなくしてお亡くなりに・・・。無理を押して執筆されていたのですね。そのプロ意識に最敬礼。
それから久住さん。長らく「ガロ」などのマイナー媒体で活動してきた「知る人ぞ知る」お方だったのに、今や『野武士のグルメ』や『花のズボラ飯』などの原作を手掛ける売れっ子になり、ドラマのおまけコーナー「ふらっとQusumi」では好々爺とした紅顔を見せておられる。でもなんであのコーナーではお酒飲んでるのを隠そうとするの?
ドラマのほうはもうシーズン8ですか。長いですね。
僕ね、正直言って、最初は松重さんはミスキャストだと思ったんですよ。眉間のしわとほうれい線がクッキリで(初めのころは今よりしわが目立ってたように記憶しています)、体は痩せ型。人生の苦渋をずっと味わい続けてきたかのようなご面相をしておられて、とても食べ物の美味しさを伝えるのに適任だとは思えなかったんですよね。でも今は見慣れたせいか、松重豊は井之頭五郎そのものだとしか思えなくなりました。
松重さんって、このドラマきっかけでブレイクしたんですかね?井之頭のキャラでCMにも出まくっててすごいですよね。原作は終わってもドラマは当分作られ続けるでしょう。
僕は熊本生まれで福岡在住。どちらもラーメンがおいしい県です。県外の人たちには両県のラーメンの区別がつかないでしょうが、熊本の人は「博多より熊本ラーメンのほうがおいしい」と言うし、福岡の人は「熊本より博多ラーメンのほうがおいしい」って言うんですね。あまりラーメンが好きではない僕は、「結局自分の口になじんでるほうをおいしいって思いこんでるだけだろ」と、冷ややかに眺めています。
さて、今日は第3回私が好きなマンガの話。今回取り上げるのは原作・久住昌之、作画・谷口ジローの『孤独のグルメ』(全2巻・扶桑社)です。
この作品についてはもう説明の必要ありませんよね?言わずと知れた孤高のグルメマンガ。松重豊主演で何度もドラマ化されています。
グルメマンガってどうしても食の過剰なこだわりや蘊蓄が多く、僕はそういうのがうっとおしくて読んでられないんですけど、このマンガにはそんなうっとおしさはほぼ皆無(まったくないというわけではないです)で、実に軽やか。食事前にパラパラめくって食欲増進剤代わりにもしています。
作中に出てくるお店は実在するということですけど、店主とケンカしたハンバーグ屋はほんとにあるのか気になるところですね。
僕が特に気に入ってるコマがありまして、それは1巻の第11話「東京都練馬区石神井公園のカレー丼とおでん」の最後のページの2コマ目。食事を終えた主人公がふと離れた席に座る客に目をやるのですが、幼い息子にご飯を食べさせている母親の、首から下が描かれてるんですね。
こ・れ!これですよ!
母親は子供を産んだことでファッションがどうでもよくなったのか、安っぽいダサめの服を着ています。おそらくオシャレよりも利便性重視で選んでいるのでしょう。そんな、いかにも子持ちの既婚女性という感じの洋服が、出産を経ていくらかだらしなくなったであろう体を包んでいるのです。この描写が、「公園内の休憩所」という場所を象徴しているように見えるんですよね。公園という開かれた空間内の、富裕層は立ち寄らないであろう休憩所の、お昼の食事時から少しずれた時間帯。そのすべてをこの母親の身体が表しているのではないかと。このひとコマをさりげなく入れてくるセンスがもう素晴らしい。
この記事書くにあたってAmazonのレビュー読んでみたんですけど、「ドラマはいいけど原作はいまいち」って意見がけっこう多いんですね。僕は逆なんですけど。なんで原作がダメかというと、ドラマの五郎さんはなんでも「おいしいおいしい」って食べるのに、原作は文句が多い、っていうんですよ。
でも、知らない店に行けば、当たりはずれがあるのが当然でしょ?全部おいしいはずがない。それがリアリティってもんじゃないですか。だいたいドラマは現実のお店を舞台としてお借りしてるから、不満なんて言えるはずがない。外食には当たりはずれがあるというリアルをこそ味わうべきじゃないですかね。
2巻ではところどころ絵が荒れている箇所があって、細密な描写を旨とする谷口先生らしくないなと訝しんでいたら、その後まもなくしてお亡くなりに・・・。無理を押して執筆されていたのですね。そのプロ意識に最敬礼。
それから久住さん。長らく「ガロ」などのマイナー媒体で活動してきた「知る人ぞ知る」お方だったのに、今や『野武士のグルメ』や『花のズボラ飯』などの原作を手掛ける売れっ子になり、ドラマのおまけコーナー「ふらっとQusumi」では好々爺とした紅顔を見せておられる。でもなんであのコーナーではお酒飲んでるのを隠そうとするの?
ドラマのほうはもうシーズン8ですか。長いですね。
僕ね、正直言って、最初は松重さんはミスキャストだと思ったんですよ。眉間のしわとほうれい線がクッキリで(初めのころは今よりしわが目立ってたように記憶しています)、体は痩せ型。人生の苦渋をずっと味わい続けてきたかのようなご面相をしておられて、とても食べ物の美味しさを伝えるのに適任だとは思えなかったんですよね。でも今は見慣れたせいか、松重豊は井之頭五郎そのものだとしか思えなくなりました。
松重さんって、このドラマきっかけでブレイクしたんですかね?井之頭のキャラでCMにも出まくっててすごいですよね。原作は終わってもドラマは当分作られ続けるでしょう。
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