ニュースで「働かないアリに意義がある」という新刊本が紹介されていた。
アリの世界では、一見全員が一生懸命頑張って働いているようだけれど、実は7割は適当に休んでいて、さらに1割は全く働かないで一生を終えるらしい。一生働かないで暮らせるんだからこれに越したことはない。
少し関連性があると思うのだが、若い頃、職員教育の仕事をしている時に知った「人間集団」の定説で、5人の人間が存在すると、必ず構成として「良く出来る」・「出来る」・「普通」・「出来ない」・「全くできない」に分類されるというのがあった。
そこで、各グループから、「全くできない」連中を5人集めてグループ化すると、やはり「良く出来る」から5段階の構成が成立するという。同じように「良く出来る」を5人集めても同じ結果になるという。面白いね、人間社会も。
おそらく、アリの世界ではこの働かないアリたちが、アリ集団が大きな悲劇などに見舞われた時に、「働く」群れから離れており悲劇に会わずに生き残り、次世代へ遺伝子を伝達する役割をもっているのだろうと思う。そして彼らも決して働かないのではなく、僕の理論からいうと、彼らだけが残れば、そこにやはり「一生懸命アリ」が誕生するわけだろう。
そう思うと、なかなか意義のある「働かない」行動だ。
ところで、もうひとつ気になるアリの世界の行動規範が載っていた。老人アリたちの行く末だ。
老人アリたちは、外界の最も危険の多いエサ獲りなどの仕事に就かされると言う。「一生懸命動いた末、外敵にでも食べられて来い」ということか・・・・人間社会もそうなりつつあるか・・・・