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春寒の弥生~1259回目の 東大寺 修二会

2010年03月13日 | 環境.伝統芸術 詩歌 ペット.スポーツ ボラ-

春を呼ぶ~ {炎}--南無観世音---古都の祭典



治承4年(1180) 平重衡の南都焼き打ちにより
東大寺・興福寺は甚大な被害を蒙り---
東大寺の大仏殿が焼け落ち盧舎那大仏が大破--
堂塔伽藍---内部に安置されていた幾多の
尊像と共に灰燼に帰した時も~~
また永禄10年(1567)松永久秀の軍勢により
二度にわたって東大寺は焼き打ちに会う等々--
幾多の辛酸を潜り抜け~~
1250年以上に渡り連綿と続けられている---
まったく媚びない倭の伝統行事が始まりました

古都に本格的な 春を呼ぶと言われてきた
東大寺ニ月堂「修二会」(お水取り)

東大寺開眼の2ケ月前 つまり752年
(天平勝宝4年) 2月1日
二月堂で修二の悔過を修したとされるのが
「修二会」の始まりで1250年以上に渡り
連綿と続けられています

童子による 炎の瀧 -----
修二会は「二月を美しいものにする」--
と言う意味もあるとされています



東大寺二月堂 修二会は大まかに分けて
2月20日~28日までの
「別火」と呼ぶ「前行」
3月1日~14日までの「本行」の前に
同じ火で 煮炊きしたものを
食べたり同じ火にあたったりする~~
聖なるものも 俗なるものも 伝播するので
火を分けることを意味するとのことで
手向山八幡宮の宮司が練行衆の別火坊入りや
参籠宿所入りに先立って台所・仏餉屋・浴室
湯屋のかまどの清祓を行い 火のまわりを
清め若狭井や良弁杉に掛ける 注連縄に挿す
幣を作られます



炎の瀧---二月堂欄干の「籠松明」

眞竹の先に杉枝を薄い松板で籠の様にして包み
藤蔓で縛った「籠松明」重さは60キロ~80キロ
童子が肩に担いでゆっくりと石段を上り
天井に届くほどの炎に先導された練行衆が
ニ月堂に上がって行かれる~~~

「おたいまつ」は 上堂する 練行衆の
道明かりともなり 練行衆は十一人いますが
処世界という役の者は先に上堂して
掃除など準備をしているので
おたいまつは 十本となります
この 大松明の作成は勿論のこと
練行衆のお世話をするのが童子の役と
されています

道明かりを 点火されるのが 加供奉行
「中灯さん~ 行きまぁ~すぅ」~
練行衆の役回りを 呼びながら~~
手松明から~上堂松明りへ---
火は 一気に燃え上がっていきます

平成21年(2009) からは 十本の松明が
二月堂の欄干で打ち振られていません~~
和上・大導師・咒師 等々上役である 3人の
松明は宿所価から二月堂への階段を上がった
所で消されているそうです~~~
観音菩薩の御祈りを捧げる行法が華美に
なる事を戒めた為だとも言われていますね!

童子によって作られた大松明が
修二会で焚かれ二月堂の欄干から振り廻されると
一斉に怒濤の歓声が上がり 
火の粉を被ると 一年間無病息災だと
されています

火天役の 練行衆が 松明を引いて
二月堂 内陣を駆け回る炎の行 「達陀」

修二会 本行終盤には 勢いよく燃える松明---
水天役の僧と共に踊り跳ねる仕種を繰り返す--
達陀・妙法が行われ~~幼子に金襴の
達陀帽を被せる習わしがあります
達陀帽をかぶった子供は健康に育つと
言われていますね!


一昨年迄は {中灯 童子 敏 丸} として
大松明を持つ 童子を務められたのが
生駒の小生宅の近所にお住まいの
門谷敏也さんです
今年は御事情により御休場となりましたが---
「中灯さん~行きまぁ~すぅ」--あの元気な声が
聞かれず~~東大寺 二月堂 大欄干で乱舞した
勇壮な炎「籠松明」を持たれた門谷敏也さんの
あの 雄姿が観られないのが---誠に残念な限りです

童子は 聖域に入ることを許された神に近い子の
資格を持った人達であり ------
練行衆に 其々一人ずつ付かれ
門谷さんは 二月堂・大宿所で
大松明の作成や食事等 練行衆の
御世話で昼夜を問わず
多忙を 極められていました



門谷敏也さん宅の門前に{今年も}ある--
二月堂大欄干--勇壮な炎が闇夜に乱舞した
「籠松明」-- 《無病息災》を齎して頂く
大松明(8M)・重さは 80キロと言われる~
「籠松明」~身近に眺め手に触れる事が出来--
あの日の感動が蘇えり本当に有難う御座いました
       多謝!   多謝!




走る 火影 揺れる あふれる涙 燃える
 燃える 燃える 松明 「修二会」

《春寒の弥生三月春まだき
君の肩にはらり 良弁椿
ここは東大寺 足早にゆく人垣の
誰となく独白く南無観世音 
折から名残り雪

君の手は既に 凍り尽くして居り
その心 ゆらり 他所にあり
もはや二月堂 天も焦げよと松明の
炎見上げつつ何故君は泣く 雪のように
火の粉が降る~~~》「修二会」
 さだまさし 作詞・作曲



法華堂(三月堂)「北門」) 芭蕉の句碑

「龍王之瀧」の前( 大仏殿の創建よりも古い
天平4年(733) 良弁僧正創建の「金鐘寺」の
一堂である法華堂(三月堂)
「北門」)にある 芭蕉の句碑には---

水取りや 籠の僧の 沓の音

ところが 松尾芭蕉が 貞享元年 伊勢・伊賀・
大和・近江を巡った「野ざらし紀行」の
稿本・写本の中でも 芭蕉 直筆とされている
『天理本』には[籠の僧]ではなく [氷の僧]と
なっているそうです

 二月堂に籠りて (前書)
水取りや 氷の僧の 沓の音

(*小生 天理大学付属天理図書館は地元でもあり
高校生時代から良く利用させて頂いていますが
残念乍ら 未だ芭蕉 直筆とされている
『天理本』 原本を拝読させて頂いていませんが~

俳壇の 大御所によれば
「氷の僧だから名句だと言える! 
籠の僧とすれば 駄句に過ぎない!」とのこと -----

水取りや 井をうちめぐる 僧の息  大江丸

水取りや 瀬々のぬるみも 此日より  蓼太


幾多の辛酸を潜り抜け~~
1250年以上に渡り連綿と続けられている---
まったく 媚びない倭の伝統行事

100年に一度と言われる~~世界的な経済危機
毎夜午後8時頃から営まれる初夜の法要では~~
世界平和や病気平癒の祈りに加え---
経済危機からの脱却を祈り~諷誦文・
祈願文が読み上げられています~~~
世界各国が自国優先の保護主義が広がれば---
世界の貿易や経済は 更に縮小均衡に
陥る事が必至ですね!

経済危機からの脱却・祈願文が読み上げられ
東大寺 ニ月堂の 修二会 本行が終わり
「大和路に春本番」がやって来ました