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グーグル、オンライン出版で革命的和解 Google books

2008-10-30 | グローバル企業
2008-10 No029

今週、グーグルは出版社や著者と歴史的和解に達し、著作権がまだ有効な本をウェッブ上で閲覧するサービスを提供することが可能となったと発表しました。これでpurveyors of dead trees and ink(出版業:紙とインクの販売業と戯れて表現)とインターネット時代の寵児たるグーグルが仲直りしたことになるとFTが論評しています。

グーグルは、今回の和解が裁判所の認可を得られると、すべての本のデジタル化とネット上での提供が可能となり、デジタル本が売れるごとに出版社と著者に版権料が支払わられる仕組みができることになります。

この処置によって、著作権はまだ生きているが絶版になった(out-of-print but copyright-protected)多数の本への読者によるアクセスが可能になることの社会的なメリットも極めて大きいものがあります。

おなじ日に、部数は少ないながらもクォリティー・ペーパーとして有名な”Christian Science Monitor”紙が日刊を廃止し週刊に転じること、また日々のニュースはオンラインで提供することにしたことを発表しました。伝統的な紙の印刷からピクセル化(from print to pixels)という変化は出版業界のみならず新聞業界でも同じように、不可避の現実となりつつあります。

予測ではデジタル出版の規模は2012年で出版の5%, 金額にして約6,800億円といわれていますが、現在ではまだ1.2%を占めるに過ぎません。紙の本もやはり重宝され、愛され続けていくことでしょうとFTは締めくくっています。

(日本でもやがてグーグルは同じようなアレンジを著者と出版界と締結して、莫大なデジタル図書館が利用可能となるでしょう)