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G7共同声明は知性への侮辱 “An insult to the intelligence”

2008-10-13 | グローバル経済
2008-10 No.013


G7財務担当閣僚会議が喫緊の金融対策について先週末ワシントンで開催されましたが、その内容のなさを嘆くWolfgang Muenchau氏の論評をFTが掲載しています。

まず「金曜日の夜は気分が悪くなった。G7会合のコミュニケは会議の前に草稿が出来上がっていたと聞いたからだった」と切り出した上で、「議事録が先にできているのはこの種の会議ではよくあることだが、今回は未曾有の事態に遭遇しているのだから具体的な行動計画がほしかった。最終発表はやはりG7流の穏健な表現にとどまっていた。これは読むものの知性に対する侮辱」と手厳しく批判しています。

「しかし昨日のユーロ15カ国緊急首脳会議の結果をきいて少しは気分が晴れた」(a marginally better feeling)。「特別参加した英国ブラウン首相の提唱をもとにした対策に、各国が協調を取ると合意したのは、欧州にとって正しい方向だ」と論評しています。しかし、全面撤退も辞さず(pondering whether to pull the plug)と考えている投資家を納得させることができたかどうかは予断を許さないと補足しています。

さらに、「もし欧州の首脳がブラウン首相と同じように大胆に行動すれば、今回の危機は欧州の統治機構の強化につながるはずだ。英国が提案している銀行への公的資本の注入が行われれば、危機の始まりから14ヶ月を経過して初めて政治が機能したことを意味する」と続け、「ブラウン首相は、他の首脳たちに逃げないでことにあたれという教訓を身をもって示したのだ」と賞賛しています。