世界の動きを英語で追う

世界と日本の最新のできごとを、英語のキーワードを軸にして取り上げます。

サルコジ:「G20はわたしが」 “I proposed it a month ago”

2008-10-23 | 米国・EU動向
2008-10 No.022

米国は、金融危機対策のための首脳会議を11月15日にワシントンで開催することを発表しました。この会議には、G8諸国のみならず、中国、ブラジル、インドなど新興国や、アルゼンチン・インドネシア・韓国・メキシコ・南アフリカ・トルコ・サウジアラビアなど20の国と地域の首脳が招待されることになります。

こうした会議に関しては「わが国の経験を生かしてもらいたい」として開催の意欲を示した日本の挙手には一顧だにせず、先週サルコジ大統領とブッシュ大統領がキャンプデービッドで開催を決めたのです。そしてサルコジ大統領は「この開催についてわたしは一ヶ月も前から提案していたのだ」と自己顕示を堂々としています。

米国政府の発表した会議目的は極めて重要なので詳しく書きましょう:

①現在の危機的状況の分析(to address the crisis)
②原因に関する共通理解の深化(to advance a common understanding)
③問題の再発防止のために、世界の金融界の規制機関と制度改革を行うための基本原則の確認(to agree on a common set of principles)

洞爺湖サミットの首脳宣言を読み返せばほぼこんなことが書いてあります。あの時に危惧された金融システムの崩壊が現実化し、その救済や後遺症対策に忙しいいま、20もの参加国の立場は前回以上にバラエティーに富んでいます。そのように多数にして多様な国々の間で一体どんな合意ができるのかが興味深深です。

そして米国大統領選の11日後であるというタイミングで、当選者はブッシュ大統領と一緒に出てくるとしたらどんな立場から発言が可能なのでしょう? また日本の総理はどんな日本国内の政治状況下で出席されるのでしょうか?