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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 10月16日 ユニットバス(1)

2016-10-16 18:31:29 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月16日 ユニットバス(1)




 数年前、伊丹空港近くのビジネスホテルに滞在した時の実話です。
ホテルは翌朝のフライトに備える為のもので、とりあえず寝られれば言う程度だったので、インターネットで発掘した格安ホテルにした。
 ビジネスホテルの外観は格安の典型とでも言うべきもので、真っ白だったコンクリート壁が、長年風雨にさらされて黒いシミだらけになり、日暮れには幽霊屋敷の様に見えてもおかしくはない。
 このホテルには旧館と新館があったが、予約が取れていたのは当然の如く旧館だった。
部屋は4階の端の部屋で、部屋の窓からはホテルの看板が通路に良く見えるように無理に支柱をつけて取り付けられている、ホテルの看板の裏以外何も見えない。
必要最低限のものは揃っているが部屋は非常に狭く、スーツケースを床に置いていると歩く度に 足がどこかにぶつかるほどだった。
 当初の雰囲気自体は悪いものではなかったが、1つ気になったことがあった。
それは、ユニットバスのドアの鍵穴にこじ開けられたような跡がある。
この手の鍵は内側からプッシュしてロック、ドアノブを内側から回すと自動的に解錠されるタイプだ。
 つまりユニットバスの鍵は内側に誰かいないと施錠されず、外から鍵をこじ開けようとすることは、内側に誰かがいる場合の確率が高いことになる。
 とは言っても、鍵を押して外に出てからドアを閉める等、色んな可能性が考えられるわけで、頭から余計な不安は押しやって翌朝の体調を万全にすることに集中した。
 就寝したのは恐らく夜中の12:00頃、翌朝は6:00起床なので十分な睡眠時間だろう。
やがて眠りに落ちて行ったが、しばらくして頭の後ろから壁をドンドン叩く音に目がさめた。
 音の方に集中すると、なにやらひそひそ話す声もしている。
半ば寝ぼけまなこのことだったが、重要なことに気が付いてしまった。
この部屋は4階の端の部屋で、ベッドの配置から寝ている頭の向こうには部屋などない。
 ちょっと気味が悪くなり、無理やり寝てしまおうと気にしないように努力したが、今度はひそひそ話をする声がユニットバスの中からと思えるような距離から聞こえ始めた。
 心地良いはずの眠りが何処へやら、血圧は一気に上昇して眠気は吹き飛んでしまった。
それでもこのまま眠りに再び落ちれればと思い、寝ようとしたが今度は煙草の匂いが漂い始めた。











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日々の恐怖 10月15日 黒い男

2016-10-15 19:14:53 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月15日 黒い男




 病気で入院しているばあちゃんを、親戚揃って見舞いに行ったときの話だった。
実際、ばあちゃんの容体は芳しくなく、それは見舞った全員が既に知っていた。
 ばあちゃん本人が、どこまで自分の状態をわかっていたかは、俺にはわからない。
そんな時、従兄弟が急にばあちゃんにしがみついて泣き出した。
それも、子供が泣きじゃくるように、わんわんと泣いた。
 みんな焦っていた。
まるで、ばあちゃんが今にも死んでしまう、とでも言わんばかりの騒ぎだからだ。
 なんとか落ち着かせてなだめようとすると、従兄弟は泣きながら、

「 自分のせいで、ばあちゃんが死ぬ。」

と言い出した。
 わけがわからないなりに詳しく聞いてみると、夢の話だという。
普通の日常的な夢を見ていたら、唐突に黒い男が現れて質問をされた。
道でも尋ねるような自然さに、従兄弟はつられるように答えてしまったらしい。

「 近々、死んでしまうものの心当たりはないか?」
「 ばあちゃんのこと?」

目を覚ましてから、何てことをしてしまったのだろう、日々病状が悪くなりつつあるばあちゃんの様子に、あの男は死神だったのではないかと思うようになり、とうとう耐えきれなくなったのだ、と言った。
 どうにも扱いに困った様子の親族たちをよそに、ばあちゃんは従兄弟の背中を精一杯さすりながら、大丈夫、大丈夫、と声をかけ、

「 その男の夢なら、ばあちゃんも見たことがあるんだよ。」

と話し始めた。

「 ばあちゃんはね、その質問にいつもこう返していたんだ。
家の軒下の鉢植えが枯れかけている、私も世話できずにいるし、きっと長くは持たない、ってね。
あの鉢植えたちに、ばあちゃんも悪いことをしてしまった。
もう、そうして押し付けておくのも忍びない。
だから、いいんだよ。
もういいんだよ。」

そう言っていた。
 それから何日かして、ばあちゃんは亡くなった。
あのばあちゃんの話は、俺を含め、親戚みんなどう捉えていいのかわからずにいる。
 従兄弟を安心させようと、ばあちゃんが咄嗟に話を合わせて語って聞かせたのかもしれない。
でも、もう長く口を開くこともままならなくなっていたばあちゃんに、そんなことができたのだろうか、という疑問もある。
 ばあちゃんが心配していた軒下の鉢植えは、まだ無事だった数鉢を俺が預かることにした。
幸い今のところ、黒い男が夢に出てくることはないままだ。













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日々の恐怖 10月14日 シール

2016-10-14 18:27:54 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月14日 シール




 子供と同級生のママさんが、

「 家を建てることを考えてる。」

って言ってて、

「 家族構成の似てる家の色んな間取りとか研究したいから。」

と言うので、何度かしか話したことがないけど、その人を家に上げてしまった。
 後日、そのことを聞いた別の同級生ママさんから、

「 あの人帰った後、家に変なシールが貼られてない?」

と言われて、驚いてしまった。

「 まさかな・・・。」

と思ったけどちょっと探してみたら、寝室のベットの陰に、地図記号みたいなマークの書いてある紙のシールが貼ってあった。
 寝室をチラッと見せて入れた覚えはあったけど、いつのまにって感じだった。
そのシールのことを、その教えてくれたママさんに相談したら、

「 とりあえずそのシール頂戴、いい知り合いがいるから。」

と言われて渡した。
 渡した際、小さなノートみたいなのに貼ってて、それに既に同じシールがいっぱい貼ってあって、気持ち悪くて悲鳴あげてしまった。

「 あの人、色んな人んち行って、同じことしてるのよ。
うちが初めの方だったけど・・・・。」

と言っていた。
 2か月ほど後、例のシール貼ってたママさんが自転車乗ってて自損事故起こして入院したらしい、と聞いた。
初めは足の怪我で済んだと聞いたけど、次に聞いた時は思ったよりひどくなったらしいと聞いた。
半年後には、歩けなくなってまだ入院してると聞いた。
 学年の切り替わりのタイミングで、そのママさんの子は、

「 お父さんの実家で暮らすことになった。」

と挨拶して、転校して行った。











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日々の恐怖 10月13日 猫

2016-10-13 18:12:10 | B,日々の恐怖


 

  日々の恐怖 10月13日 猫




 ひとり暮らししていたOL時代、仕事の帰りに子猫を拾った。
電信柱の影でみゃあみゃあ泣いてて、その愛らしさに抱いて帰った。
 そうは言っても当時住んでいた1DKのマンションは当然ペット飼育禁止だった。
引き取り手のアテはいくつかあったので、とにかく数日間だけ世話しようと思った。
もしオーナーに見つかったら、正直に話して1日か2日待ってもらおうと安易に考えていた。
 マンションは5階建ての5階。女のひとり暮らしなので戸締りはきっちりしてある。
帰宅して玄関に入ると、いつものように鍵とチェーンを掛け、それから子猫を床に降ろした。
すると、トットットッとベッドの下に潜り込んで行った。
覗き込むと、薄暗いベッドの下でジッとしてこっちを見てる。

「 ちょっと待っててね。」

と声を掛けて台所に行った。
 鶏ささみがあったのでレンジでチンして火を通し、裂いて冷ましてご飯に混ぜたものを少しだけ作り、

「 ごはんだよ~。」

と持って行った。
 でもベッドの下から出てこない。

“ あれ?”

と思って覗き込むともうそこにはいなかった。

「 出ておいで~。」

と言いながら探したが何処にもいない。
 私の部屋は色気も何もない殺風景な部屋だったから、隠れる場所なんてない。
窓も玄関も閉まったままだし、トイレやお風呂には窓はない、っていうか、ドア閉まってるし。
 クローゼットの中も探した。
カラーボックスの裏も探したし、テレビの後も探した。
まさかと思ったけど冷蔵庫や洗濯機の中まで馬鹿みたいに探した。
 でもどんなに探しても、確かに連れて帰ったはずの子猫は見つからなかった。
あまりにも見つからないので、連れて帰ったことが夢なのかと思った。
 しかし、私の手と胸には抱いて帰った感触が残っていたし、抜け毛が少ないはずの子猫なのに、ジャケットの内側には明らかに猫の毛と思われるものが小さく一塊ついていた。
訳が分からなくなって、その日は恐怖で泣きながら部屋中子猫を探したけど、ついぞ見つからなかった。
 翌日会社でその話をすると、

「 ゴミを捨てるか何かで一度部屋を出たんじゃないの?
そしてその時に逃げたんだよ。」

と言われた。
 そんなことは絶対ないと確信してたけど、あまりにも怖いので、それが事実で、私が玄関ドアを開けたことを忘れてると言うことにした。
 その日、自宅に帰ってもやはり子猫はいなかった。
そしてその日以来、真夜中に目が覚めると、

「 みゃぁ・・・。」

と言う子猫の鳴き声が、一声だけ枕の下から聞こえて来ることが続いた。
恐ろしさに耐え切れず、半月ほどでそのマンションを引き払った。












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日々の恐怖 10月12日 コピー

2016-10-12 19:45:08 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月12日 コピー




 随分前だけど友人の結婚式に行ってきた。
結婚式の前に、式と二次会の受付の打合せでその新郎となる彼と会った。
背が高く、少し白人ぽい顔立ちで、少し訛ってるけど丁寧な話し方が好感が持てる人だった。
 当日結婚式の受付に立って、驚いた。
新郎の親戚がすぐわかった。
 血縁者がみな新郎と驚くほど同じ顔をしてた。
目鼻立ちの特徴がとかでなく、誰かの顔をコピーしてみんな顔に貼ったような感じだった。
 新郎の祖父も新郎の父も新郎も、歳がバラバラでも同一人物にしか見えない。
新郎の父方伯母という女性も、その息子も同じ顔。
式の前にスライドで出た新郎の曽祖父とやらも同じ顔。
 式の参加者たちも、

「 同じ・・・、同じ・・・。」

とザワザワしていた。
 しばらくして、友人が妊娠した知らせが来て、出産した知らせも来た。
お互い忙しくて、メールのやり取りはあってもなかなか会いには行けなかった。
 子供が一歳になった誕生日に子供のオモチャを贈ったら、お礼の電話が来て、その後、

“ 息子に会いに来てね。”

というメールに子供の写真が添付されて来た。
 まあ新郎と同じ顔で、驚くというか怖くなった。
なんかの政府実験なんです、とか言われる方が納得いくような一族だった。












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日々の恐怖 10月11日 営業所(2)

2016-10-11 18:13:10 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月11日 営業所(2)




 それでなんとか撒かないとと思いつつ、どうしていいのか分からなくて、ようやく考えた作戦が、車を発進させたらその車も発進したので、SAの出口付近で一旦路肩に止めて荷物を確認するふりしたら、その車は止められずにSAを出て行った。
 その時にも目だけ動かして確認したら、やっぱりその同僚っぽい。

“ なんだったんだろう?”

と思いつつ、10分ぐらい時間を置いてからスタートして、

“ やれやれ・・・。”

と思っていたら、それから1時間ぐらい走った頃にまた後にヤツがついてた。
 もうぶるぶる震えて怖くて気持ち悪くて、それでちょっと危ないけど、予定外のインター出口のところでギリギリまで走行車線走ってからハンドル切って高速を降りた。
その車はそのまま走っていった。
 有休は3日取ってて、2ヶ所のホテルを予約してたんだけど、1ヶ所目はキャンセルしていきなり2ヶ所目の目的地に行くことにした。
高速に乗ったら見つかるような気がして怖くて、地図をひろげて、もし次のインターでやつが降りて探したりしたとしても交わせそうなルートを走ったけど、そのときはもう旅行どころじゃなくて、そのまま帰ってくれば良かった。
 有休が終って出社して、ヤツの勤務表見たら忌引とってやんの。
総勢6人の小さな営業所だったし、女は私ひとりだったから、誰かに相談すべきかどうか迷ったけど、所長のことは信頼してたから、思い切ってあったことをそのまま相談した。
 そしたら目視だけで証拠はないので、

「 今の時点ではどうしようもないけど、結婚前のお嬢さんに何かあったらいけないから気をつけておくよ。」

みたいに言ってくれて、翌年退職するまで、できるだけ2人にならないように気をつけてくれた。
忘年会とか歓送会での帰りは、所長がサッとタクシー捕まえて帰してくれた。
 で、それから6年だか7年だか経った頃に、その元同僚、家宅侵入&強姦で逮捕された。
その時にはもう会社もリストラされてたけど、逮捕の話聞いたときには血の気が引いた。












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日々の恐怖 10月10日 営業所(1)

2016-10-10 20:18:03 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月10日 営業所(1)




 20代前半の頃だけど、地方の小さな営業所でOLをやっていた。
私はひとり旅が趣味で、GWやお盆の他に年に1回有休使って平日に旅行していた。
 職場の人に、

「 今度は何処いくの?」

ってよく聞かれたけど、

「 内緒!お土産楽しみにしててねー。」

って言っていた。
 別に何かを警戒してるとかじゃなくて、行き先を言うと行ったことのある人が、あそこがいい、ここがいい、あそこは見ておけ、とか、やたらアドバイスしてくるのが鬱陶しかったからだ。
 それで、旅行当日。
東北自動車道走ってて事故渋滞に巻き込まれて停車していたときに、

“ まいったなー。”

とか思いながらあちこちキョロキョロしてて、何気にルームミラーから視界に入ったのが、左の車線の2台後の運転席だった。
 その時はハッキリ確信があったわけじゃないんだけど、同僚男性にすごく似てた。
その人、上手く言えないけど独特の雰囲気を持った人で(よくない意味で)、髪型も癖毛でちょっと変わってたから目に付いた。
 その後事故処理が終って走り出したあとも、なんとなく気になって注意してたんだけど、一定距離を保ってついてくる。
最初は、

“ 自意識過剰だよな・・・。”

って思ってたんだけど、やっぱり気持ち悪くてSAに入ってみたら、その車も入ってきて、私とはかなり離れたところに車を止めた。
 トイレに行く時に目だけ動かしてその車から人が出るの見てたんだけど、出てくる気配がなくて、トイレのあと車に戻るときも同じように確認してみたけど、運転席から出てくる気配がない。












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日々の恐怖 10月9日 牛丼(2)

2016-10-09 18:12:32 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月9日 牛丼(2)




 婆さんが消えて15分くらいした後に、カウンターの醤油交換をしようと思って、カウンターに出て、店の入り口の方を向くと、店のガラス越しに誰か立っている。
後ろ姿だけだったが服装も同じだし、靴も履いてない、傘も持ってないから、すぐにさっきの婆さんだとわかった。
 店の外で雨を凌ぐように、ボーっと店とは反対方向の道路を見て立っている。
俺は、このままではまた店に入ってくる可能性もあるし、ボケていて住所も言えない老人を大雨の中に置いていった警察の態度にも腹が立ち、すぐに警察へ電話した。

俺:さっき電話した店の者ですけど、さっきの婆さんがまた店に戻って来ちゃってるんですけど。
警:わかりました。10分くらいで警官の者が行くと思うので少々お待ちください。ガチャ。(電話を切る)

5分後、店の電話が鳴った。電話に出ると警官Bからだった。

警B:さっきお伺いした者ですが、先ほどの婆さんなら、まだ住所がわからないので今もパトカーに乗ってますよ??
俺:ふへぇえ?(急に怖くなって裏声になった)そんなはずありません。ちょっと確認してくるので待っててください。

 俺はゾッとしながらカウンターへ行き、店の外を見るも誰もいない。
信じられないので店外に出ても、大雨で歩いている人すらいない。
もう半泣き状態。

俺:すいません。勘違いだったみたいです。(震声)
警B:気味悪い人だから、精神的に怖くなって幻を見ちゃったのかもね。じゃあバイト頑張ってね。ガチャ。(電話を切る)

 もう怖くなって、一生懸命店内掃除して時間をやり過ごした。
ちなみに深夜1時~警官との電話終わった深夜4:00くらいの3時間誰も客来なかった。
 さすがに台風でも、3時間こないなんて事はないから、さっきの体験と重なって余計気味が悪かったのを覚えている。











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しづめばこ 10月8日 P456

2016-10-08 21:12:45 | C,しづめばこ



 しづめばこ 10月8日 P456  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。



小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



大峰正楓の小説書庫です。
大峰正楓小説書庫


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日々の恐怖 10月7日 牛丼(1)

2016-10-07 18:27:07 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月7日 牛丼(1)




 1年半くらい前に牛丼チェーンの店で深夜働いていた。
うちの店はかなり暇な店で、とにかく客が来ない。
それで、夜から朝まで1人でまわしていた。
 その日は大雨で、ただでさえ暇な店がより暇になっていた。
深夜1時に配送できた食材を冷蔵庫に移して、その後に厨房の掃除もやって時計を見ると3時だった。
 この間の2時間でお客さん0人だ。
まぁ、雨が降ってなくても、1時間誰も来ないことはよくある。
楽な日に入ってよかったなと思っていると、

“ テュルルルルルーン♪”

入店音が鳴った。(ファミリーマートと一緒)
 2時間ぶりに客がきたかと思って厨房からカウンターに行くと、カウンター席にずぶ濡れで貧乏臭い70歳くらいの婆さんが座っていた。
大雨なのに傘も持ってないし、よく見ると靴も履いてない。

俺:いらっしゃいませー。(婆さんの前に水を置く)
婆:・・・・・・。(何も言わず席を立ち、持帰コーナーへ歩いていく)

気味が悪いと思いつつ、俺も持帰コーナーのレジ前へ移動した。

俺:いらっしゃいませ。ご注文は何にしますか?
婆:あなた、こんな若いのに何で戦争行ってないの?
俺:え??
婆:今は戦争で大変なんだから・・・・。(ずーっと戦争の話をしてくる)

 その後も、俺が何を言っても注文も言わないし、戦争の話を止めないため、ボケてると判断して警察に通報した。
 警察が来る間も、俺が持帰コーナーにいないのに1人で戦争の話を続けている。
10分くらいして、自転車で来た警官Aとパトカーで来た警官BとCが同時に入ってきた。
案の定、警察が話しかけても住所を言わないし何言ってんのかわからないので、 警官Bが、

「 お婆ちゃん、ここは飲食店だから注文しないといちゃいけないんだよ。」

と説明して、少し強引にパトカーに乗せて帰っていった。
同時に警官Aも自転車で帰った。












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日々の恐怖 10月6日 術後譫妄(2)

2016-10-06 19:47:42 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月6日 術後譫妄(2)




 病室から逃げ出して廊下に出ると、みんなが俺をものめずらしそうにみたり、何故かバカにしたようなニヤニヤした顔で見てくる。
 俺は恥ずかしさと怖さで、とにかく必死で家に帰ろうとするんだが、すぐ看護師に捕まってしまう。
家に帰りたいと訴えても結局病室に連れ帰られて、また拷問のようなことを繰返される。
 毎朝、目が覚めたら物凄くぐったりしていた。
うつぶせ寝だと肩や腰が痛くなり、歩く時も下を向いたりしないといけないため遠出もできず、ストレスもあってこんな夢を連日見るんだろうか、と思っていた。

 数日後、4人部屋があいたということで移動し、そこで何度も入退院を繰り返す男性と同室になり、ぽろっとその話をした時に、その男性はちょっと考え込んだあとで、

「 それ、あの個室に前に入ってた婆さんじゃないかなぁ・・・。」

と言い出した。
 以前入っていた婆さんが山本という名前で、認知症があるため、部屋から出られないように入り口近くにマットを置かれていたらしい。
 それでもよく逃げようとして廊下で看護師に捕まって、

「 家に帰りたい。」
「 ××(娘らしい)が家で待ってるから家に帰らないと!」

と泣きながらつれられていく様子を何度もみた、といわれた。
 結局お婆さんは、眼科の治療が終わると別の科に転院していったので、その後どうなったのかはわからないとのことだった。
 自分が体験したことが本当に山本さんというお婆ちゃんのことなのか、それとも単に連日のうつぶせ寝のストレスから家に帰りたいという願望なのかは正直よくわからない。
 認知症のため自分が病気だとわからないので、されていることすべてが拷問に感じ、怖くて寂しくて辛くてしょうがない気持ちしかなく、楽しいことも嬉しいことも何一つ無い。
ただひたすら家に帰りたい家に帰りたいと泣いていた気持ちがあの部屋に残っていて、手術の夜、逃れられない痛みと戦う俺の気持ちとリンクしたのかな、とか思ってみたりした。
ただ、もしかして認知症の人からみた世の中というか病院が、あんな感じだったら怖いなぁと思った。











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日々の恐怖 10月5日 術後譫妄(1)

2016-10-05 19:22:58 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月5日 術後譫妄(1)




 何年か前に目の手術で入院したときなんだけど、診察で緊急度が高いとされ、個室しか空きがないため、4人部屋が空き次第移動ということで入院することになった。
 手術は二度目だったこともあり順調ではあったが、後に医者から、

「 局所麻酔の限界だった。
途中で全麻のほうがよかったかとチラッと思った。」

と言われるくらい、目の奥の部位を弄ったせいか、痛みが半端じゃなく痛み止めがなかなか効かず、いくつかの痛み止めのあと夜中1時過ぎに坐薬をいれてもらって、やっと少しウトウトと眠れた。
 目の中にガスを入れるためうつぶせしかできず、看護師が何度も上や横を向いて寝ていないか確認に何度も訪れるんだが、うとうとしていると、いきなり

「 山本さん!」

と肩を叩かれて怒鳴りつけられた。
 瞬時に目が覚めて、

「 はいっ!」

と条件反射で返事したあと、

「 あれ?
俺、山本じゃねーよ。」

と思いながらのろのろ起き上がると、誰もいない。
ドアが開いた音もしないので、てっきり看護師が来た夢でもみたのかと思い再度眠りについた。
 その後、奇妙な夢を連日みた。
俺が寝ているのに口の中に何か突っ込んできて無理矢理食わせようとするヤツがいる。
しかも、そいつが腕にぶすぶす何かを刺す。
 俺は怖くて怖くて誰もいなくなった隙に逃げようとして管抜いて入り口にいこうとするんだが、足元にふわふわしたものがあってドアに近づけない。
 必死でそれを乗り越えて出ようとすると、鬼のような顔をした看護師がやってきて、

「 いい加減にしなさい!!」

と無理矢理俺の手を引っ張って病室に連れ帰られ、そしてまた腕にぶすぶす何かを刺したり、鼻に何かいれたり、目をむりやりこじ開けられたりする。
 俺は怖くて怖くて少しでも反抗したら殺されるんじゃないかと思い、ただその場では大人しくして、誰もいなくなったら逃げようとする、そして捕まるを何度も繰返した。











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日々の恐怖 10月4日 南門の黒い塊

2016-10-04 18:01:35 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月4日 南門の黒い塊




 数年前、現職時の警衛勤務中の話です。
時間は深夜の2時半くらい、警衛所で監視モニターとにらめっこしてる時だったんだけれど、 正門とは別の小さい南門(夜間は閉じてる)のカメラに妙なものが映りこんでいた。
 それは、パッと見、黒い塊だった。
よく見ると横向きに寝たような人間の形をしていて、まるで丸焦げの焼死体のようだった。
それがちょうど門の付近に転がっていて、警衛司令に、

「 これ、何ですかね?」

とモニターを見てもらった。
 警衛司令の曹長は、

「 なんだコレ?
人か?
いや違う・・・?」

と怪訝な目でしばらく見て、とりあえず巡察に確認させる事になった。
 すでに駐屯地内を回ってる巡察に、無線で、

「 南門に不審なものが映ってるから確認してこい。」

と連絡して、現場に行かせたんだけど、数分後南門に到着した巡察2名の姿がモニターに映っても、その黒い塊なんかまるで見えてないようで、無線からも、

「 特に何もないですね~、どこら辺ですか?」

という返事が返るばかりだった。
 モニター越しでは明らかにソレが巡察隊員の足下にあるのに、やっぱり現場の2人には見えてない様子だった。
 警衛所内の数人とも、

「 モニターの故障か、レンズの汚れか何かじゃないか?」

という話も出ていたが、不気味なのは巡察隊員の足下とその物体が重なった時、ちゃんとその物体が踏まれたように重なって映る。
カメラやレンズの問題だったら決してそんな風には映らないはずだ。
 いよいよ全員気味悪くなって、その場にいる中で一番下っ端だった俺も現場へ行って直に確認してくることになった。
 現場の巡察とも合流して、例の物体のあるところを懐中電灯で照らしたんだけど本当に何も無い。
現場に何も無い以上、こちらとしては対処のしようが無いのでひとまず警衛所へ戻って、通常の警衛勤務態勢に戻った。
 もちろん南門モニターは特に注意して監視ってことになった。
それからしばらく、30分くらい引き続きモニター監視してたんだけど、カメラを一瞬別の方向に動かしてまた例の画面に戻したらすっかり消えていた。
 結局あれは何だったんだろうと話している内に朝になって、上番警衛に申し送って下番するぞという時に、その人に、

『 例の南門のすぐ隣りにある民家で火災が起きて、一人暮らしだった50代の女の人が焼死した。』

という記事が、地元の新聞に小さく載っていたことを知らされた。












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日々の恐怖 10月3日 青蛙(2)

2016-10-03 19:25:41 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月3日 青蛙(2)




 そしてかなりの高さを落ちていった気がします。

“ ばしゃっ!”

と音をたてて、井戸の底のような所に落ち込みました。
ショックはあったのですが、そのわりには体に痛いところはありませんでした。
 そこはおかしな空間で、半径1.5mほどの茶筒の底のようで、1mくらい水が溜まった中に私は立っています。
回りの壁は平らでつるつるしていて、しかも真珠のような色と光沢で内部から光っているのです。
 一番不思議なのは、真上10mくらいのところに手水鉢と思われる穴があり、水がゆらるらとゆらいで見えることです。
しかし私自身の顔は空気中にあり、下半身は水の中にいるのです。
 私が浸かっている水はまったく濁りがなく透明で、さして冷たくはありません。
底の方を見ていると、足元に20cmばかりのイモリがいるのに気づきました。
 それだけではありません。
イモリは一匹の小さな青蛙を足の方から半分ほどくわえ込んでいます。
蛙はまだ生きていて、逃れようと手をばたつかせますがどうにもなりません。
その状態が長い時間続いているようです。
 私はふと、その蛙の姿が工場の資金繰りに行き詰まってもがいている自分のようで、かがんで手を伸ばし助けてやろうとしました。
 その時、頭の中に声が聞こえたのです。

『 そうだ、その蛙はお前だ。
ただし今のお前ではなく、自死したのち罰を受けているお前の姿だ。』

私はあっと思いました。

“ がつん、ばしゃっ!”

という衝撃があり、気がつくと手水鉢の縁に頭をぶつけていました。少し血が出ました。
 血は神社の境内では不浄と思ったので、ハンカチで押さえながら急いで鳥居の外に出ました。
体は少しも濡れたりはしていません。
そしてその時には、あれほど頭の中を占めていた自殺という考えはすっかりなくなっていたのです。
 郷里から帰った私は奮闘し、工場の経営を立て直しました。
そして毎年その神社へのお参りはかかしていません。










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日々の恐怖 10月2日 青蛙(1)

2016-10-02 19:23:11 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 10月2日 青蛙(1)




 もうだいぶ前のことになりますが、当時私は金属加工の小さな工場を経営していて、折からの不況もあってその経営に行き詰まっていました。
そしてお恥ずかしい話ですが、自殺を考えたのです。
もう子供たちは成人しておりましたし、負債は生命保険で何とかできると思われる額でした。
 今にして思えば何とでも道はあったのですが、精神的に追い詰められるとはあのことでしょう。
その時はそれしか考えられなくなっていました。
 五月の連休の期間に、家族には告げずに郷里に帰りました。
郷里といってももう実家は存在していなかったのですが、自分が子供の頃に遊んだ山河は残っていました。
 この帰郷の目的は、裏山にある古い神社に、これから死にます、という報告をしようと思ったことです。
昔檀家だった寺もあったのですが、住職やその家族に会って現況をあれこれ聞かれるのが嫌で、そこに行くことは考えませんでした。
 神社に行くまで少し坂を上りますので、鳥居をくぐったときにはだいぶ汗ばんでいました。
この神社は村の氏神のようなものですが、過疎化の進んだ昨今は常駐する神主もおりません。
例祭のとき以外にはめったにお参りする人もいないような所です。
 大きな石に山水をひいた手水鉢で手を清めようとして、ふとその底をのぞき込んだときに、くらくらと目眩がして、水に頭から突っ込んでしまいました。
深さは五十センチ程度だったと思うのですが、私の体はストーンとそのまま手水鉢の中に落ち込んでしまいました。












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