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日々の恐怖 7月12日 そいつんち

2014-07-12 19:16:57 | B,日々の恐怖


  日々の恐怖 7月12日 そいつんち


 今でもトラウマになっている話です。
小学生の時、いつも遊んでるグループの中で、ある日ちょっとした喧嘩をしてしまって孤立した。
 放課後一人で本屋で立ち読みをしてると、同じクラスの全然目立たない男の子も立ち読みしてて、話しかけると一緒に遊ぶことになった。
公園行こう、と言って本屋を出たけど、暫くしたら雨が降ってきて、そいつんちが近いからって、そいつんち行った。
普段は誰も遊びにこないらしく喜んでた。
家は古い平屋で狭くはないけど、掃除してんの?ってくらい散らかってた。
 それで、そいつの部屋行ったんだけど、玩具とかゲームとか何もない。
俺が結構テンション下がってたらトランプ持ってきて、まあトランプでいいわって、ポーカーとかおいちょカブとかやってた。
 暫く遊んでると、そいつの母ちゃんが麦茶持ってきた。

「 あら~お友達?○○君って言うの?○○と仲良くしてあげてね。」
「 はい、ありがとうございます。」

そう言ってお茶貰うけど糞不味い。
苦いしょっぱいとろみつき。
何これ麦茶?何か変な味するわって飲まなかった。
 つーか気がついたら、やたら小蠅が多い。
ブヨみたいに飛んでる。
麦茶のグラスにも入ったので、麦茶いらんって良い言い訳になった。
 外は雨なのに電気代をケチってか家は薄暗いし、なんだかな~みたいな感じでトランプしてた。
で、何となく家族の話になって、父ちゃんは何でも仕事で遠いとこにいて、家には母ちゃんと妹、あと寝たきりの爺ちゃんって話になった。

「 あー母ちゃん以外に人居たんだ~。」
「 妹はまだ学校だけど、爺ちゃんがね。」
「 へ~。」

それで、暫く遊んで夕方、雨も止みつつあるし帰るかな?ってなって、帰る前に、

「 トイレ借りていい?」ってた。
「 うん、いいよ・・・。」って、しぶしぶ的な感じ。

 トイレがちょっと長い廊下の突き当たりで、右手が襖の部屋。
んで、そこら辺がまた強烈に臭い。
何ていうか、超足が臭い人が雨の日に1日履いて熟成されてマイスターな仕上がりの靴下に、全身包まって寝るくらい臭い。
 鼻押さえながら、まじかよこれって感じで雨上がりの廊下を歩いてたら、脇の襖の中からコツッコツッって、何かぶつけるみたいな音する。
何だろう?ここが爺ちゃんの部屋?何か呼んでる?って思って、しゃがんで細く襖開けて覗いた。
悪戯心もあったんだけど。
 部屋の中は明かりもなく、襖の隙間から漏れる明かりで薄ぼんやり見えたんだけど、奥に布団敷いてあって誰か寝てた。
でも、変なの。
顔に布がかぶせてある。
死んだ時みたいに。
 で、蝿がいた。
小蠅じゃなくて大きな蝿がすごい数ブンブン飛び回って、小さな虫も這い回ってた。
コツコツ音を立ててたのは、そいつらが襖にぶつかる音だった。
 中がまたさらに臭い。
ゲロともウンコとも区別つかないような匂いが充満してた。
 子供心にヤバいって思って直ぐ閉めたんだけど、立ち上がってトイレ入ろうとしたら、直ぐ横におばさんが、さっきと違ってなんか凄い怖い顔でこっちを睨んでる。
「トイレこっちよ。」って言うから、「あ、はいすいません。」ってトイレ借りて、そそくさ退散した。

 それだけの話なんだけど、この時を強烈に思い出したことが今までに二度ある。
一度目は、何だったかの宗教で、死人が生き返るからって、ミイラをずっと家の中に寝かしてたってニュースを見た時。
そして、死人年金受領詐欺がニュースになった時。

 その日家に帰ったら、母ちゃんに「何処行ってたの?臭いよあんた。」って言われて、「○○君のうち。」って言ったら暫く無言になって、「○○君とはあまり遊ばない方がいいかも。あそこのお母さん宗教熱心だから・・・。」みたいなことを言ってて驚いた。
俺が普段遊んでる、超がつく悪ガキどもには何も言わないのに、ど~して・・・・?って。









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