大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の出来事 5月28日 純金鰹

2018-05-28 08:00:00 | A,日々の出来事_








  日々の出来事 5月28日 純金鰹







 今日は、純金のカツオ君が無くなっている事が分かった日です。(1993年5月28日)
1993年、5月28日の朝、高知県中土佐町にある坂本竜馬記念館に展示してあった純金のカツオ君(約43kg)が消え失せている事が分かりました。
 このカツオ君は、当時の竹下内閣が行った全国の市町村に対して一律に一億円をバラ撒いた通称“ふるさと創生事業”の内、7000万円で買った物です。
 翌年、奈良県でトラの置物を盗んで逮捕された犯人が、カツオ君も盗んだことを自供します。
犯人の供述では、カツオ君は、神戸の社長に800万円に買い叩かれ、その後、溶かされたと言うことです。

「 こらっ、神戸の社長って、誰やねん!」
「 知らんなぁ~。」
「 誰やねんって、言うてるやろが!」
「 うん・・・、今、何て言うた?」
「 なめとったら承知せんぞ!」
「 最近、耳が遠なってなぁ~。」
「 お前、ええ加減にせえよ。」
「 何言うてんのか、聞こえへんわ。」
「 昼飯は、あんパンやで。」
「 カツ丼の方がええな。」
「 お前、聞こえとるやないか。」
「 ええ、何やてぇ~?」
「 神戸の社長って、誰やねん!」
「 知らんなぁ~。」

犯人は、この社長が誰かについては、口を割りませんでした。








カツオです
 ↓






















☆今日の壺々話














泥棒の恩返し





 アメリカのある都市に住むサラリーマンの男性が、出勤のため家の車庫を見ると大変な事に気づきました。
自分の自動車がなくなっているのです。
妻に、このことを話し、警察にも盗難届けを出して夫婦も辺りを探しましたが、自動車は見つかりません。
 でも、数日後、自動車はあっさりと戻ってきたのです。
自動車は家の前に止められており、洗車もされ以前よりもきれいになっていました。
そして助手席には封筒が置かれていました。
それには、こう書かれていたのです。

『 やむ得ぬ事情のために、あなたの車をお借りました。
このように報告が遅くなってしまい大変申し訳ありません。
しかし、この自動車のおかげでとても助かりました。
ありがとうございます。
お詫びといっては何ですが、ショーのチケットを同封させていただきました。』

そして、車の中にあった封筒に、入手困難なミュージカルのペアチケットが入っていました。

 なにはともあれ、自動車も戻ってきたし、人の役に立つことができたし、チケットももらったので、夫婦はこの自動車泥棒の恩返しを受けることにしたのです。
ミュージカルの当日、ピカピカの車で会場へ向かった夫婦は、極上のショーを堪能しました。
 そしてミュージカルも終わり、満足した夫婦は自分たちの家へ戻ってきたのです。
“夜も遅いしそろそろ寝ようか”などと、軽口を叩きながら鍵を開けると、夫婦は絶句しました。

家の中には何もなかったのです。























従兄弟と二人で従兄弟の家に入った空き巣を捕まえた話。






 従兄弟の家はとんでもない田舎で、よく言う「出かける時にも開けっ放しがデフォ」の田舎。
年末で村内にも空き巣が発生していると聞いていたが、大丈夫だろうと、俺と従兄弟で年末の買物に行って帰ってきたら、どうやら家の中に噂の空き巣が居る模様。
とりあえず、K察へ連絡。

 でもすげー田舎なのでK察の到着に時間がかかると言うので、従兄弟と俺でその空き巣を逃げない内に確保しよう、という事になった。
離れのトラクター小屋から武器を調達そして装備。

 空き巣の居る部屋を外から確認して、俺はそのまま窓側を確保。
フル装備の従兄弟は障子で仕切られた廊下側へ配置。
家の外から窓の雨戸を思いっきりガーッ!と俺が閉めるのを合図に、その部屋へ従兄弟が突入。
ご近所に響く空き巣の絶叫。

 そりゃそーだろう。
身長185cm体重100kg超のK-1戦士みたいな従兄弟が、クリスマスの時にネタで買ったジェイソンのマスクと、刃渡り40cmくらいの営林用のナタ、営林用で木の幹を切るための馬鹿でかいノコギリを両手に装備して、障子を開けず、障子の桟をナタで切り裂いて突入したのだから。

 20分後到着したパトカーに空き巣を引き渡し。
その時に事の顛末を説明した警官から「やりすぎwww」との言葉を頂戴しました。
田舎だから絶叫とパトカーで近所のジジババ全員集まってきて困った。

ちなみに、障子は作戦立案者である俺が弁償させられた。





















とんでもないヤツ





 保険委員だったとき、好きな子のギョウチュウ検査のシート盗んだ。
かわりに俺の飼ってた犬のケツ押し当てたやつを入れておいたら、後日、「人間にはありえない寄生虫がいる」と彼女が言われ、彼女が泣いていた。





















昔話“南瓜”






 ある旅人が一軒の宿へ逗留している折、そこでは度々、宿泊客のために用意しておいた魚がなくなるということがあった。
誰か盗った者があるはずだが、泥棒が名乗りを挙げる訳でもなく、魚を持って行った者は依然として分からない。
 そこでその旅人が魚を置いてある戸棚を一晩中見張ることにした。
時は草木も眠る深夜である。男が重たい瞼に耐え忍んでいると、部屋の戸を開ける者がいた。

“さては泥棒のお出ましかな。”

息を凝らしてその正体を見届けると、なんとそれは宿の主人が飼っていた一匹の猫だった。猫は旅人が見ているとも知らぬ様子で戸棚をすっと開けると、そのまま中の魚を咥えて持ち去ってしまった。

“ そうか、猫の仕業だったのか。”

 旅人は夜中の一部始終を主人に語って聞かせた。
二人が話をしているそばで、当の猫は自分が魚泥棒だという話を興味なさそうに聞いていた。

 その夜のことである。
若者は寝床の中で何者かの気配を感じていた。
枕に凭れた首を少し動かしながら、また両の目をきょろきょろさせながらその正体を探すと、部屋の梁の上に二つの玉がきらりと光る。

“ 何だろう・・?”

と奇妙に思い、よくよくそれを見つめれば、それは魚を盗んだあの猫の目だった。
梁上に猫がいるのだ。
 光るものはそればかりでない。
男は猫の口元の、秋刀魚のような長細い物体を見落とさなかった。

“ 包丁だ!”

旅人がそれに気付くや否や、猫のマアアアという低い鳴き声とともに、天上から男目掛けて包丁が降って来た。
 包丁は間一髪男の身体を貫き損い、蒲団にスタッと突刺さった。

「 こいつ、何しやがる。」

 猫は主人に告げ口した旅人を憎んでいたのだろう。
そこで寝ている夜を見計らって寝所へ忍び込み、梁から包丁を落として旅人を殺そうとしたのである。
 猫は梁から飛び降り、畳の上に上手に着地すると、障子の隙間からぱっと外へ飛び出していく。
負けじと男も飛び出す。
逃走虚しく、猫はすぐに男に捕まってしまった。
男は自分を狙った猫を殺し、その亡骸を宿の庭へ埋めた。

 それから一年ほど経った頃、旅人は再びあの宿へ訪れた。
顔見知りの主人は男を見るとこんな話をした。

「 実は面白いものが採れたんですよ。」
「 ほう、面白いものとは。」
「 実はこれなのです。」

そういって主人が持ってきたのは、一つの大きな南瓜だった。
 しかし妙なことに、今は冬である。
冬至に南瓜は欠かせないが、だからといって寒い冬に南瓜が実るはずがない。

「 主人、これはどこで?」
「 はい。
これは今朝宿の庭で採れたものです。
実はあなたのいらっしゃる前、或る日突然庭の土中から目が吹き出、蔓が広がり、仕舞にはこうして大きな南瓜の実が成ったんですよ。」

旅人は嫌な予感にさいなまれた。
一年前のあの猫のことを思い出していた。

「 南瓜が冬に成るなど世にもありえぬことです。
かような怪しげなものは食べぬがよろしいでしょう。
ご主人、どうか私をその南瓜の生えて来たというところへ連れて行って下さい。」

二人は宿の庭へ出、未だ南瓜の蔓の残るその場所へと向かった。
その場所とは、不思議にも一年間、男が猫を殺して埋めたところであった。

「 地下に何かあるに違いない。掘ってみましょう。」

南瓜の根元を掘っていった二人は、そこで見つかるべきものを見つけ、そして絶句した。
南瓜は死んだ猫の眼窩から生えていたのだ。


























家庭菜園






 俺ら兄弟2人を育てきった隠居母の楽しみは家庭菜園。
家から車で15分のところに、大きめの休眠畑を本物の農家から借りて、色々な野菜や草花を育ててた。
 土地は森に囲まれた丘の奥で、畑から見える人工物といえば、遠くにある高圧線鉄塔や時折上空を通過する飛行機くらいのもの。
天気のいい日は、ござを引いてゴロゴロしながら採り立ての野菜に味噌をつけて食べる。
これだけで幸せな気分。
予定のない日は、母と畑に行くのが楽しみだった。
 そんな母も肺気腫を患い、なかなか畑には通えなくなった。
週1回ではあるが、俺がかわりに畑の面倒を見ることになった。
周りのプロ農家との関係も円満で苗を分けてくれたり、虫や鳥に困った時には対処法を 教えてくれたり、カスミ網を分けてくれたり。
特に親しくしてくれたのは、高速道路で見かけるキャベツとカリフラワーのあいの子みたいな花(名前知らない)を専門に作ってるプロ農家Aさん。
いつもニコニコしてて、昼休憩してるとオカズを分けてくれたり。
 一度お返しにチューハイを渡したら、ジュースと勘違いして一気飲み。
炎天下だったので、ヘベレケに酔っ払わせてしまったことがあった。
そんなときも、俺と2人でゲラゲラ笑ってた。
 最初は母への親孝行と思ってはじめた家庭菜園も、続けてみると結構楽しくなってきた
枝豆やソラマメを植えて夏のビールを楽しみにしたり、なすを植えて焼きなすとビールを楽しみにしたり。
きゅうりを植えては、キンと冷やしたきゅうりと味噌でのビールを楽しみにしたり。
畑の隅に母が植えた腰高のブルーベリーも行くたびに成長してたり。
 そんな畑の最大の敵はカラス。
真っ黒で鋭利なくちばしを持った奴だ。
 成り立てがいいってんで、ソラマメとか殻の上からくちばし突き立てたり中身を引きずり出して遊んだ挙句、やっと食いやがる。
かゆい、うま。
それはともかく、とにかく酷い。
 アレだけ楽しみにしていたソラマメ全滅。
枝豆は根っこから抜かれていました。
ええ、根っこから。
随分馬力のあるカラスです。
 農家のAさんの話だと、最近この敷地内に犬の散歩に来るババアが居るらしい。
どうやら我が家の畑を荒らしているカラスは、人型で犬を連れて歩いているらしい。
畑泥棒するにしても、少しくらいお裾分け程度に取るならともかく、根こそぎですよ、根こそぎ。
こっちにお裾分けよこせ。
 とはいえ、平日は仕事がありますので監視できません。
無駄とは判っていても「大切に育てています。取らないで下さい」の看板を設置。
まぁ、それからは少しお裾分けしてくれるようになりましたよ。
 それでも、直前の育成具合から想像するに、ソラマメを大きいスーパーの袋に5,6袋は取って行ってるはずだし、きゅうりも5,60本は取ってるはず。
 自分家で消費できる量じゃないだろ。
あまりにも酷いので警察に相談。
結果、畑泥棒の捜査・立件は難しいと。
巡回は増やすようにする、とのこと。
超消極的。
 そんなある日、ゆるせない事件が。
母との思い出のブルーベリーの木3本が根こそぎ持っていかれた。
木だよ?実じゃなくて。
温和な俺も、流石に震えるほど頭にきた。

「 通りがかったらおいしそうな実がなってたから少し貰った。」

って言うのとはわけが違う。
大きいスコップ持って、盗る気満々でやってきたわけだ。
その絵面を想像しただけで、吐き気すらする。
 かつて木のあった場所の3個の穴を見てたら、せっせせっせと草をむしってた母の姿と、まだ丸かった笑顔を思い出して泣けてきた。
農家のAさんも「毎日見るようにはしてたんだけど・・」と残念そうだった。
 それでも毎回、母に野菜や花を届けると喜んでくれた。
ブルーベリーの話が出る度にキュッと心が痛んだが、盗まれたことは秘密にしていた。

 半年ほど過ぎたある日、早朝にAさんから携帯に電話があった。
犯人捕まえたから来てくれ、と。
Aさんが犯人を捕まえた?!そんな無茶な。
 そもそも警察に捜査をお願いしたときも畑泥棒の立件は難しいと。
自分で捕まえようなんて思わないようにとも言われていた。
 畑に着くとそこには予想外の風景が。
パトカー1台と、警察バイク2台。
お巡りさんが4人。
Aさんとウナダレたオバサン1人。

“ 何故こんな騒ぎに?”

 Aさんから聞いた話はこうだ。
朝、畑に出る支度をしていると、敷地内に入っていく人影をみた。
見ると、ハサミと包丁を持ったやる気満々のオバサンだった。
直接声を掛けようとも思ったが、俺のことを思い、もっと痛い目に合わせたい。
普通に警察に通報しても、無駄なのはわかった。
そこで一計。

「 私の敷地を、刃物を持った女がうろうろしている、すぐに来てくれ。」

警察大慌てで登場。
というわけだ。
 腹は立ったが、このオバサンだって家に帰ればおそらく誰かのいいカーチャンだ。
以下の約束をして解放してもらった。

・ブルーベリーを返せ。
・取るのは構わないが、最低限にしてくれ。
・少し雑草抜くとかしてくれると助かる。

とりあえず、オバサンはパトカーに乗せられ警察署で事情聴取を受けることになった。
 今も週末畑に通う生活を続けている。
少し雑草が刈られていたりすると幸せな気分になる。
Aさんは、昼休みのチューハイが癖になってしまったようだ。
天気がいい日は、一緒にゴザでゴロゴロしている。



















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