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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 3月17日 風鈴(2)

2022-03-17 13:53:56 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 3月17日 風鈴(2)





 見ていた祖父と爺様達は、遠巻きに、

「 お、ゆっくりな、ゆっくり。」
「 でぇじにあつかえ。」

等、わけがわからないです。
 丁寧に外し、よく見ると緑色に錆びた風鈴のようなものでした。

「 爺ちゃん、これ・・・。」

と祖父に渡そうとしても受け取らない、触ろうとしない。

「 おっ、いいからお前がもってろ。」

ちょっと待って下さい、お祖父ちゃん。
他の爺様達も笑顔だが、誰も近づかない。
その後すぐに村へ帰ることになりました。
 祖父の家へ戻ると祖母も同じ反応でした。
近づこうとしない。
でも、泣くほど不安になったわけではありませんでした。
 村中の人が祖父の家へ集まってきました。
お爺ちゃんお婆ちゃんだらけの中、

「 それにはおめぇ以外触れねえんだ。」
「 良い事があるよ。」
「 わしは二度目かの。」
「 まえは誰だった?」

等、笑いながら話していました。
 祖父が、

「 それはお前のもんだ、綺麗にして大事にしなきゃな。」

と、小さな箱をくれました。
とりあえず箱へしまい、やっと重たいものから逃れられたような気がしました。
 箱は仏壇へ納められ、私が帰る日までそのままでした。
帰る日まで村中の人から風鈴の経緯を聞かされていましたが、よいものである以外内容がまちまちなため、結局分からず終いでいます。
 今年も風鈴をつるしてはいますが、残念ながら音が鳴らないです。
ただ、あの時のお爺ちゃんお婆ちゃん達の笑顔は子供のようでした。
もう何年も経ちましたが、今も何が起きるのかワクワクして眺めています。








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