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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 5月29日 危ないところ

2016-05-29 19:56:15 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 5月29日 危ないところ



 保険の仕事していたときの話です。
S県で列車に轢かれて死亡し、保険の請求があったんだけど、それで現場に状況調査に行った。
 死亡した人は家を建てたばかり。
踏み切り近くの寿司屋で上機嫌で酒を飲んで、さて帰ろうと家に電話をして奥さんに車での迎えを頼んだ。
 奥さんが来る頃外に出たんだけど、奥さんが店の中に顔を出して主人がいないと聞いてきたらしい。
そんなに遠くないとこなので歩いて帰ったのじゃないかと、居合わせた人は思ったらしい。
 家は線路などは渡ったりしないで帰れるところ。
寿司屋はやや線路沿いにあった。
 奥さんは家に帰ったところ、警察から電話があり、事故で死亡者の確認に来てくれといわれる。
行ってみると、ご主人が礫死体となっていたらしい。
保険会社としては事故か自殺か調べてくれとのことだった。
 死亡した人は公務員。
特に仕事上問題も無く人のいい人。
奥さんも家庭円満。
病歴も無く、自殺などする動機は皆目見当たらない。
 事故の可能性は、家と反対方向に現場はあるため帰宅途中とは思われない。
しかも迎えに来るように電話して、来る直前に店を出ている。
外にいた時間は五分足らずだったらしい。
その間に何があったのか?
 どう考えても分からない事件だった。
目撃者もいないし。
結局その件は、酒に酔って間違えて線路に入った事故だろうということに、警察も悩んだ結果処理することになり、事故扱いで保険も処理された。
しかし寿司屋の話では、そこまで酔った状態ではなかった(ほろ酔いとのことではあったが)。
 さて現場に行ったところ、ちょうど保線係の人たちが其処に居合わせたので話を聞いたところ、ここは昔からそういう死亡事故が多いから、あまりここには近寄るなとのことだった。
 特に夕方からが、そういう事故が集中していると話を聞いた。
そして、あんたも危ないから早く帰れと言われてしまった。
そこは、今でも事故の多いところとして有名です。










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