goo blog サービス終了のお知らせ 

日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

運動会に現れたマンリマ

2016-10-07 10:01:28 | (K)のブログ
 今週の日曜日(2日)、息子が通う東京朝鮮中高級学校で運動会が行われた。台風が何個も襲来して雨続きの今年、雨男の私が参加したにも関わらず、当日は晴天に恵まれた。気温もグングンあがって、病み上がりの私にはちょっときつかったが、多くの人たちとも再会できて参加して良かった。
 今年の運動会は、学校創立70周年の記念行事の一つとして行われたもので、保護者だけでなく、多くの同胞らが、また東京だけでなく地方の人たちも参加して大いに盛り上がった。

 朝鮮学校の運動会を見て、いつも思うのは、競技だけでなく、途中で演じられる踊りなどの集団パフォーマンスが素晴らしいということ。おなじみなのは、朝鮮民主主義人民共和国の大きな国旗を生徒たちがはためかせる集団体操で、見事に演じきった。
 面白かったのは、2枚の大きなパネルにペンキをぶちまけるパフォーマンス。
 無計画にペンキを塗りたくっていると思いきや(写真1)、最後には2枚のパネルが合体して、「マンリマ(万里馬)」の姿が浮かび上がった(写真2、写真を撮るのを忘れてしまったが、息子を通して写真を入手した)。



 朝鮮と言えば、「チョンリマ(千里馬)」である。1956年12月28日、金日成主席が降仙製鋼所(現在の千里馬製鋼連合企業所)を訪れ労働者たちを奮い立たせたことから、チョンリマ運動が始まった。チョンリマ運動による大高揚により、3年間の戦争で廃墟と化した朝鮮は見事に復旧を遂げ不死鳥のようによみがえる。チョンリマは朝鮮の象徴となってきた。
 そして今は、マンリマの時代となっている。朝鮮は現在、マンリマの速度で突き進んでいるのだ。学生時代から、「いつかマンリマという言葉が出てくるのではないか」と思っていたが、やはりそうなった。

 運動会は、息子が初級部の小さい頃のほうが楽しかったと、思っていたが、全体として、母校の70周年を、マンリマに乗り自分たちの力で盛り上げようという気持ちが生徒たちにあふれていて、気持ちの良い運動会だった。
 東京朝鮮中高級学校では、創立70周年を記念して、11月20日(日)に記念集会と祝賀公演が催される。(k)

地元の友達の結婚式に参加して

2016-10-06 10:00:00 | (麗)のブログ
先週、地元の友達の結婚式に参加してきました。
幼稚班からの付き合いで、小中高と同じバスケ部に所属し、共に汗をかいてきた仲です。

小学校からの同級生や、中・高校時代の同級生らも参加していたので、小さな同窓会のような雰囲気で過ごしました。
披露宴では、天真爛漫なかのじょの人柄があふれている、笑いと涙であふれたアットホームな式となっていました。

大阪を離れて東京に住むようになり、学生の頃に比べれば頻繁に会わなくなったものの、私が帰郷する際にはバスケ部の同窓会で顔を合わせ、その度に近況報告をし合っていました。

写真で振り返るムービーを眺めていると、幼稚班の頃、かのじょと一緒に鉄棒で遊ぶ私との写真が流れました。
幼い頃に一緒に過ごした写真を出してくれたことがとても嬉しく、当時の事を思い出すと、こうしてかのじょの式に参加していることがとても感慨深く、自然と目頭が熱くなりました。
式ではみんな笑顔で、かのじょの人柄がそうさせるのだなと、幸せそうに笑う美しい姿を見て、じんわりと胸が熱くなるのを感じました。


そして、同じテーブルに座る友達の会話(恋愛話と結婚観、独身貴族の自由な生活などなど)に笑い転げそうになり、右も左も関西弁が響き渡る環境ってやはり楽しいな!と、地元の良さを改めて実感したのでした。(麗)

音楽の新たな可能性

2016-10-05 10:00:00 | (理)のブログ


 金剛山歌劇団のチャンセナプ奏者・崔栄徳さんと、フリーで活躍するバイオリニスト・崔誠一さん(アーティスト名はSONGIL)による「オータムコンサート『Soli 소리』」が9月30日、よみうり大手町ホール(東京・大手町)で行われました。
 朝鮮半島の民族楽器チャンセナプと西洋の楽器バイオリン。それぞれに個性の強い二つの音色が、どのようにコラボされるのか。開演前からとても楽しみでした。

 ブザーが鳴り舞台に照明が入ると、黒のタキシードと真っ白なスーツという対照的な衣装で登場した二人。1曲目から力強く華々しい演奏を披露し、すぐに観客の心をつかみました。チャンセナプとバイオリン以外にもピアノ、ギター、ベース、パーカッション、チェロ、バイオリンなどの楽器もあり、日朝の若手音楽家たちが演奏に華を添えていました。

 その後、それぞれのオリジナル曲をソロで披露したり、有名な外国の音楽を編曲したものを演奏したり、特別ゲストや歌手も登場して、とても豪華な舞台になりました。客席からは毎演目ごとに大きな拍手が送られ、なによりも演奏している崔栄徳さんとSONGILさんの表情がとても楽しそうで、終始いきいきとしていました。

 それぞれの音を調和させながらも、時に競うように音をぶつけ合い、また一つの音のようにぴったりと重なり合う瞬間もあり、何度も感動をおぼえました。二人の演奏を観ていると、互いに刺激を与え合い、相手の可能性を引き出しているという風にも感じました。新たな音楽表現、演奏方法、そういうものがたくさん生まれたのではないかなと思います。観客にとっても演者たちにとっても、刺激的なコンサートになったことでしょう。

 この公演の詳細はイオ11月号にもカラー2pで掲載されます。写真もたくさん紹介するので、ぜひチェックしてみて下さい。(理)

赤ちゃんとの撮影

2016-10-04 10:00:00 | (愛)のブログ
先週日曜日、急きょ表紙と特集に関連した素材写真を撮影しに、荒川自然公園へと出向いた。

今回のモデルさんは生後約10か月の赤ちゃんとご夫婦。
急きょの撮影の申し入れにも快く受け入れてもらえた。


赤ちゃんとの撮影は、とっても難しいし、最大限に気も遣う。
しかもその日に限って、あっぱれというような秋晴れ。
ひとたび木陰から抜ければ、容赦ない日差しが赤ちゃんに降り注ぐ。

というわけで、赤ちゃんとの撮影はスピード勝負となる。
極力負担にならないような場所を選び、撮影していった。

撮影開始から30分後、やはり疲れたのか、赤ちゃんはすやすや夢の中。。。
(そうだよね、疲れるよね、ごめんね…。)と思いつつも、
寝ながらでも撮れるポーズをご夫婦に協力してもらいながら、別のショット撮り。
寝ている赤ちゃんはやはり天使の寝顔のようで、撮りながらも癒された。

撮影も終了し、オムツを替えようとオンマが脱がすと途端にピギャーと起きた赤ちゃん。
その後、抱っこをさせてもらい、首をフリフリさせて遊ぶその子にすっかりメロメロになってしまった。
汗だくで帰路についたが、楽しい撮影をさせてもらい、感謝。

あとは、グラフィックデザイナーのホサンホさんが撮ってきた素材をどう料理してくださるのか。
11月号の表紙は10月18日公開となります。(愛)




国の法律違反を指摘/九州無償化裁判第10回口頭弁論

2016-10-03 10:00:00 | (S)のブログ

 九州無償化裁判第10回口頭弁論が9月29日に行われた。福岡地裁小倉支部には傍聴券を求め90人が足を運び、46の傍聴席が埋まった。

 今回原告(朝鮮学園)が提出した第15準備書面では、被告の第6準備書面に対し再反論した。内容は、原告に適正な学校運営の立証を求める被告(国)の主張の矛盾点や、根拠なく朝鮮学校だけを疑う被告の主張が偏見に基づく誹謗中傷であるという点など、これまで繰り返し指摘してきたものだ。

 さらに原告は第16準備書面を提出した。
 被告はこれまで、朝鮮高校に就学支援金を支給していない理由のひとつとして「就学支援金が授業料へ充当されないおそれがある」と説明してきた。原告書面では、無償化法での法定充当の仕組みを考えると「無償化法は、学校の設置者による就学支援金の横領、あるいは第三者への流用などという事態を全く想定していない」ことが明らかだとし、被告の主張は無償化法を逸脱した暴論だと指摘。さらにこの主張が「無償化法に違反する」「不指定処分をする理屈を作り出すために必要不可欠なロジック」であると批判した。
 被告が朝鮮高校を除外するもう1つの理由としてあげている規程13条(法令に基づく学校の運営を適正)については、無償化法が支給対象として定めている「高等学校等の課程に類する課程を置くもの」を逸脱した違法な規定だと主張した。

 また第16準備書面では、「安倍自公連立政権による本件への対応は法的にもずさん極まりないものであり、それ故に、安倍政権の差別意識を如実に示すものである」とし、この安倍政権の差別政策を裁判所が厳しく断罪すべきだと訴えた。

 原告は今回、学者による意見書3つを提出。次回の裁判でそれに基づく主張をする予定だ。原告が開示を求めていた文書に対する被告の回答書が提出されたため、これらを踏まえた反論も今後行っていく。





 裁判終了後に裁判官の部屋で行われた進行協議では、今後の裁判の流れについて話し合われ、最終段階となる尋問についても言及された。尋問の時期は、引き続き書面を通して双方の主張が続けられた後、来年5~6月頃になる見込みだ。
 原告が裁判官に対し学校訪問を要望していることに対しては、裁判官からはっきりとした答えは告げられていない。進行協議で原告は、学校訪問の必要性についても改めて強調した。

 裁判報告会では、金敏寛弁護士がこの日の裁判と進行協議の内容を報告した。
 また報告会前に行われたミニ学習会では、京都朝鮮第1初級学校襲撃事件のヘイトスピーチ裁判に携わった冨増四季弁護士が講演を行い、京都での裁判を通して見えてきた民族教育に対する考えや、差別社会とどう向き合い改善していけばいいのかなどについて話した。

 第11回口頭弁論は、12月8日(木)14:00から福岡地裁小倉支部で開かれる。(S)