日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

「祖国のつつじ」

2010-05-13 09:24:46 | (K)のブログ
 昨日、(愛)さんも書いていましたが、もうすぐ出来上がる月刊イオ6月号の特集は「朝鮮舞踊」についてです。日本における朝鮮舞踊の歴史に関する文章や写真を見ていて、昔のことをいろいろ思い出しました。わたしのブログはけっこう昔の思い出話が出てきますが、これも年をとったせいでしょう。


 特集の中に万寿台芸術団のことが少し触れられています。万寿台芸術団とは、正式に言うと、朝鮮民主主義人民共和国・国立平壌万寿台芸術団のことで、朝鮮の最高峰の芸術団です。その芸術団が日本にやってきたのが1973年のことでした。記録を見ると、7月30日に日本に到着し、9月17日まで日本各地で60余回の公演を行っています。

 当時、わたしの住んでいた地方都市でも公演していますが、実は、わたしは万寿台芸術団の公演を観ていません。当時はそういうものに興味がなかったからですが、いま振り返ってみると、つくづく観にいけば良かったと思います。一生の不覚です。

 当時、チュックダン(在日朝鮮蹴球団)にいた叔父が、家に来たときに、万寿台芸術団の素晴らしさをわたしの両親に熱弁していたのを、わたしは横でボーっと聞いていて、不思議なことに、その光景がいまもはっきり頭に浮かんできます。


 万寿台芸術団の日本公演の中に「조국의 진달래」(祖国のつつじ)という朝鮮舞踊の演目がありました(写真)。実際にその舞踊を見たのはずっと後ですが、万寿台の「조국의 진달래」が衝撃的で同胞の心の中に残ったからか、いろんな人から「조국의 진달래」のことを聞き、いつしかわたしの頭の中で、朝鮮舞踊=「조국의 진달래」という公式ができてしまいました。

 朝鮮舞踊の「조국의 진달래」には同名の「조국의 진달래」という歌が流れます。舞踊と歌とどちらが先にできたのか、同時に作られたのかわかりませんが、「조국의 진달래」という歌がまた好きでした。
 月刊イオの6月号にも「조국의 진달래」のことが紹介されていて、校正するときなど、頭の中でずっと「조국의 진달래」の歌がリフレインしてました。それも1番ではなく2番の歌詞が思い出されていました。

 「조국의 진달래」という歌で、花を数えるとき朝鮮語では「송이」というのか、一握りふた握りの握りは「줌」なのか、「못잊다」は発音するときこう読むのか…と、いろんなことを学んだ昔の思い出が蘇ってきたのでした。


 ここからは蛇足ですが、ここ何年も朝鮮から芸術団が来日していません。朝鮮の歌や踊りに直接触れることができないのは、同胞にとっても日本人にとっても残念なことです。日本がマイナスしかもたらさない「制裁」を続け朝鮮の人々の入国を拒否している現状では、当分来日は無理ですし、入国を「許可」しても、排外主義者が朝鮮学校を襲うような日本社会の状況では、危なくて朝鮮の芸術団は来日できないでしょう。
 いつになったらこの状況がちょっとはましになるのか。ちょっと見当がつきません。(k)


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (金オンマ)
2010-05-13 11:29:02
私も大学で「祖国のつつじ」を踊りました。
今でも大好きです!
歌を思い出すと体が動きます。
6月号が楽しみです!
返信する
金オンマさんへ (k)
2010-05-13 13:03:13
コメント、ありがとうございます。
学生時代に踊っていたというと、大体の年齢がわかりますね。最近「祖国のつつじ」を踊らなくなり、寂しく思っています。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。