日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

朝鮮学校の日常に寄り添い、「サランの会」の発展を

2019-05-14 10:00:00 | (全)のブログ


 東京朝鮮第9初級学校(東京・杉並区)を支援する「阿佐ヶ谷朝鮮学校サランの会」(以下、「サランの会」)の第9回総会が5月11日に同校で行われ、会員、保護者、地域同胞、日本市民ら約70人が参加しました。
 
 2011年4月に結成された「サランの会」はこれまで、「1日給食」(各学期1回)、特別授業などを行っているほか、運動会、キャンプ、スキーなどの様々な学校行事に参加・協力しています。

 また、同校の多目的ホールには同校の沿革をまとめたパネルが飾られていますが、これも「サランの会」が取り組んだ活動の一つです。パネルには、学校にゆかりのある1世ら同胞関係者にインタビューした証言を草創期の写真とともに整理されています。


 総会で長谷川和男代表は、「サランの会の活動も9年目を迎え、会員たちは朝鮮学校の子どもたちと接することを無上の喜びとしています。活動を続けることで朝鮮学校が本当に好きになってくる」としながら、「『サランの会』は子どもたちの未来のためにこれからも前進していきます」と話していました。



 総会では、2019年度の活動方針として、①杉並区に対して同校への補助金の引き上げ、学校の施設・設備の充実にむけた予算の要望をすること、②引き続き学校行事に積極的に参加すること、③朝鮮学校と朝鮮文化を広く知ってもらう活動に取り組むことなどが採択されました。

 会の最後に発言した同校の鄭仁秀校長は、「『サランの会』にはイベントのみではなく、朝鮮学校の日常に寄り添い、学校発展のために尽くしていただいています。保護者、地域の同胞はもちろん、子どもたちは『サランの会』の皆さんが学校に訪ねてくるのをいつも楽しみにしています。これからも共に力を合わせて子どもたちが住みやすい社会、地域を作り上げていきましょう」と呼びかけました。



 総会に続いて、故チョ・ウンリョン監督の追悼映画「ハナのために」が上映されました。映画は、南出身のチョ監督が2000年12月から3年の間、日本各地の朝鮮学校の日常を撮り続け、残した映像をキム・ミョンジュン監督が完成させたものです。
 上映中、スクリーンに映った朝鮮学校の子どもたちの姿に、場内は笑いと涙に包まれました。


 上映後、チョ・ウンリョン監督が日本で朝鮮学校を撮影することに協力された韓富澤さん(当時は大阪朝鮮第4初級学校・校長、2003年逝去)の妻・尹美生さんのお話「縁の人 夫・韓富澤を語る」が行われました。


 尹さんは、韓富澤校長が「チョ・ウンリョン監督は祖国統一の架け橋になるだろう」という思いから映画の撮影に協力したこと、チョさんの映画が朝鮮学校を描いた映画の出発点となり、その後、「ウリハッキョ」(キム・ミョンジュン監督)、「60万回のトライ」(朴思柔、朴敦史監督)の制作が続いたこと、自身もこの3つの映画に関わることができたことを誇りに思うと話しました。

 『サランの会』に結成当初から関わる杉並区議会議員のけしば誠一さんは、「映画やお話を通じて、これからの地域社会の交流について多くのことを学ぶことができた。国同士が厳しい状況にあるからこそ、『サランの会』のような、地域交流が国際関係を変えていく原動力になるだろうと改めて思った」と感想をのべていました。 (全)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。