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満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『ブラックスワン』

2011-07-08 04:38:51 | 映画

皆様ごきげんよう。今日(金曜)、夜に飲みがあるので、早めに出て博物館に行こうかなと思っているのに現在絶賛雨降り中でしょっぱい気分の黒猫でございます。梅雨まだ明けてないもんね・・・。

今日はまたしても約一ヶ月前に観た映画レビューを。すまない、そしてすまない。

『ブラックスワン』

ニナ(ナタリー・ポートマン)はNYのバレエ団に属するバレリーナ。
元ダンサーの母(バーバラ・ハーシー)のサポートを受けながらバレエに打ち込むニナは、次の公演「白鳥の湖」で主役を踊ることを夢見ていた。
主役は当然バレエ団のプリマ・ベス(ウィノナ・ライダー)が踊るものと思われたが、バレエ団の監督・トマス(ヴァンサン・カッセル)は若いダンサー数人に候補を絞り、ニナにもチャンスが訪れる。

ニナはどうにかトマスの目に留まろうと努力するが、「白鳥だけなら迷わず君を選ぶが」と言われてしまう。主役(=スワン・クイーン)は一人で白鳥と黒鳥の二役を演じる。清楚な白鳥だけではなく、妖艶で奔放な黒鳥をもまた踊れなければならないのだ。
黒鳥は真面目なニナには荷が重く、戸惑い苦しむが、そんなニナの前で、新人ダンサーのリリー(ミラ・キュニス)は黒鳥をなんなく踊ってみせる。自分に足りないものを持っているダンサーの出現に焦ったニナは、トマスに自分が主役を踊れると談判しに行き、結果として主役に選ばれる。

しかし一度は喜んでくれた母も、仲良くしたいというリリーも、皆が皆、本当は自分が役にふさわしくないと思っているような気がしはじめ、ニナは次第に精神のバランスを崩して行く。
そして初日の幕が上がるが・・・?

というような話。


バレエ映画かと思ったらホラー映画でした。

うん、そう言っても過言じゃないと思う。
なんか全体的にじめじめしてました。

真面目な優等生が追い詰められて崩壊していく話ですが、結構早いうちから超常現象とは言わないまでもあり得ない描写が出てきていて、どこからがニナの幻覚(もしくは妄想?)でどこまでが現実なのかがわからず、そこがまた怖いです。

わたしは特にお母さんが怖かったです。
元ダンサーで、ニナを産んだためにダンサーの道を諦めたようなんですが、今でも未練があって娘に自分がなれなかったプリマの夢を託しているんですが、それがなんか怖い。プリマに選ばれたお祝いに買ってきたケーキをニナが「気持ちは嬉しいけど、太るといけないから食べない」と言ったらすごい顔で全部ゴミ箱に捨てようとしたりとか。怖くね・・・?
個人的にはこのシーンはニナの妄想ではないと思います。このお母さんの行き過ぎた管理がなけりゃもうちょっとなんとかなったのでは。

黒鳥の化身のような存在、リリーもなんか怖い。団の他のダンサーはニナが主役に選ばれた時悔しい様子を隠そうともしない(ライバルだもんな)んですが、リリーだけは「あなたはすごいダンサーだと思うからお祝いしたい」とか何とか。
家にまで来た日には「この人ストーカー?」と思いました。(でもどこまで真実なのかは謎なんですが)

そしてなんだかんだあって本番を迎えるんですが、本番はもう幻覚炸裂。
白鳥→黒鳥への衣装とメイクのチェンジをしなきゃいけない楽屋で事件があり、しかし本当にあったことなのかどうなのかがあやふやなまま再び舞台へ。その黒鳥の踊りのシーンでは、回転するごとに腕に羽が生えて本当に黒鳥のようになったり。(CMや予告編でも使われているシーンです)。ここは禍々しい美しさでした。
そして怒涛のラスト、大筋はなんとなく予想がついていましたが、どれが本当の現実なのかというのがよくわからないまま終わりました。そういう風に造ってるんだろうけど。

わたしがチンタラしてる間に公開終わっちゃったかと思いましたが、まだ上映しているところもあるようですので、ご興味のある方は公式サイトの劇場情報でお調べ下さい。

しかしこの映画、バレエ映画と思って観に行くと、結構エロティックなシーンがありますのでそのあたりはご注意を。主人公のニナはホント真面目な優等生タイプな子だったので、人に見られちゃうシーンなんか何だかニナと一緒にいたたまれない気持ちになったよ。

あの母子関係といい監督のキャラといい、山岸凉子さんが漫画で描きそうだと思いました。ホント描いててもおかしくないよ。むしろ描いてもいいのよ(笑)。