皆様ごきげんよう。
夕食にグリーンカレーを作ったんですが、それに使ったココナッツミルクがここに書くのも憚られるほど賞味期限切れだったけど敢えて使ってみた黒猫でございますよ。にも関わらずグリーンカレーは美味しく頂き、今の今まで何ともありません。多分明日の朝も食べてくと思う(笑)。だってココナッツミルク、缶詰だったもの。多少は平気ですよ。多少っつーか大幅かもしれないけど。
さて、遅ればせ試写レビュー第4弾ですよ。これでようやく溜めてたものがなくなります。
今回あらすじ長いですがご了承ください。あと、あんまりネタわかってると困る、という方もやめておいたほうが。でもネタバレはしてません。
『プレステージ』
19世紀のロンドン。アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)はマジシャン志望。人気マジシャンのステージで、一般客を装ってマジックの一部を手伝うサクラをしながら、明日のスターを夢見てトリックの勉強をする日々だった。
このマジシャンの助手を務めているのは実はアンジャーの妻ジュリア(パイパー・ペラーポ)で、両手足を縛られて水槽の中に落とされ、そこから脱出する役を担当していた。足を縛るのはアンジャー、手を縛るのはボーデンの担当だったが、ある時、ジュリアは手のロープが解けなくて脱出できず、ステージ上で溺死してしまう。
ボーデンの縛り方のせいで妻は死んだのだと思ったアンジャーは、以後激しくボーデンを憎むようになる。
やがてふたりにも単独で舞台に立つ機会が巡ってくるようになる。
ボーデンは結婚し、妻と一緒に住み始めてほどなく舞台出演が決まる。妻から身ごもっていることを告げられたボーデンは、確実に稼ぐために彼女の反対を押し切って危険とされている弾丸キャッチのマジックに挑戦することを決める。客の中から無作為に自分に向けて銃を撃つ男を選んだつもりが、選ばれたのは実は変装したアンジャーだった。ボーデンはアンジャーに撃たれ、右手の薬指と小指を失う。
一方、アンジャーは初舞台で籠の中の小鳥を籠ごと潰し、また復活させるというマジックを披露する。籠を潰すのを手伝ってもらうために選んだ客は、実は変装したボーデンだった。ボーデンはマジックを妨害して失敗させ、舞台とアンジャーの面目を台無しにする。
このように、ふたりは度々変装した客としてお互いの舞台に紛れ込み、お互いを妨害し合うようになる。それはアンジャーが「偉大なるダントン」という芸名で、ボーデンが「プロフェッサー」という芸名で広く知られるようになってからも、より一層の悪意をもって間断なく続くこととなる。
ある時、アンジャーは瞬間移動のマジックを考案する。実はそっくりさんを用いた単純なものだったが、客にはバレずに大いに受ける。するとほどなく、ボーデンも瞬間移動マジックを開始、舞台を見たアンジャーと、彼のトリックを考案するカッター(マイケル・ケイン)はその見事さに焦りを感じる。
タネが見抜けないアンジャーは、舞台助手を務めていたオリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)が自分に淡い想いを寄せていることを承知でスパイを命じる。そこまでして知りたかったのだ。
オリヴィアはボーデンの元からタネが書かれていると思しきメモを持ち出し、アンジャーに手渡す。
暗号を用いて書かれたメモは、解読に時間がかかり、そこに記された「テスラ」という言葉に望みを見出したアンジャーは、同名の科学者が住んでいるアメリカに渡り、彼と接触を図る。テスラ(デビッド・ボウイ)はその時代にはあまりに前衛的すぎた発明家だった。アンジャーはテスラに、マジックで使えるような装置を作って欲しいと依頼する。
そしてイギリスに舞い戻ったアンジャーは、以前とは違うタイプの瞬間移動マジックを始めた。
舞台に設置された装置の中に入ると雷光が彼を包み、激しくスパークしたあと彼はそこから消えうせる。そのすぐあと、数十メートルは離れた舞台後方から颯爽と登場する、というものだ。
見た目に派手なのと、タネがまったくわからないので、このマジックは話題を呼び、連日観客が押し寄せた。ボーデンはいつものようにその中に紛れ込み、アンジャーが瞬間移動を始める前に舞台裏に忍び込んで仕掛けを知ろうとする。暗い舞台裏を進んでいくと雷の音が響き渡り、舞台でマジックが始まった。そしてボーデンは、水を満たした水槽の中でアンジャーがもがいているのを発見する・・・彼の妻がかつてそうして死んだように。
ボーデンは水槽を壊してアンジャーを助けようと試みるが、その前にアンジャーは力尽きる。
ボーデンはアンジャー殺しの罪で刑務所に入れられ、死刑が宣告される。残される娘のことを気にかけるアンジャーのもとに、某貴族を名乗る者の使いから「今までのマジックのタネをすべて明かしたメモをくれれば、貴方の娘の面倒を見る」という取引を持ちかけられる。迷うボーデンに、使者はアンジャーの残した暗号メモを手渡す。彼もまた暗号で記録を残していたのだ。
自分はアンジャーを殺していない。彼は何故死んだのか。何故あのマジックで水槽の中に入る必要があったのか。
メモを解読してアンジャーの足跡を辿りつつ、ボーデンが出した結論は・・・?
というようなお話。
『メメント』のクリストファー・ノーラン監督作品ということで、コピーは「130分、すべてを疑え」でした。
いや、すごかったですよ。いろんな意味で。面白かった!
わたしが観た試写には何故かイベントがついていて、くまきりあさ美が箱の中に入って消えるというマジックがありましたし(笑)。
ところで、上に書いたあらすじですが、時系列は必ずしも上記通りに進んでいませんのでご了承下さい。
映画はアンジャーが死ぬところから始まります。そしてこれでもかというくらい時系列が入り乱れます。まあ、注意して観ていれば大丈夫かと思いますが、こんなにあらすじを書きにくかったのは初めてかも。結構ネタバレしてるっぽい感もありますが、これを読んで行っても劇場で味わう驚きは減らないと思います。一番のキモには触れてませんので。
映画の冒頭に「この作品のオチをどうか人には言わないで」というような監督からのメッセージがありましたが、これ、もし言おうと思ってもすごく説明しにくいと思います(笑)。
最後まで観ると、全体に張り巡らされた仕掛けのパズルが見事に嵌ります。特に何ということはないと思っていた台詞たちが、実はいろんなことを匂わせていたことにあとから気づきます。すごいなあこれ。
「観客は騙されたがっているんだ」という劇中の言葉に観終えたあとですごく納得。騙されましたよ・・・!そしてわたしは、ああいうの嫌いじゃないのです。むしろ好き。でも人によってはアレは反則と思うかもしれません。いいじゃん、観客は騙されたがってるんだから。
オチというかトリックのネタについてはちょっと好みが別れるかもしれませんが、個人的にはすごくお薦め。もう一回観たいくらい。
映画自体とはまったく関係ありませんが、ボーデン役のクリスチャン・ベールが結構な頻度で郷ひろみに見えたわたしはおかしいですか?(笑)似てると思うんですが。あと松本幸四郎にも見える時がありました(笑)。
世界幻想文学大賞を受賞した『奇術師』(クリストファー・プリースト著)の映画化だそうですが、映画と原作は少し違うそうです。
早速読み始めましたが、19世紀の話じゃないみたいなんですけど(笑)。現代の子孫がご先祖のマジシャンの手記を読んで類推したりする形式のようです。どっちが面白いかな~。