修士論文の背景です。MBAを取ろうと思った動機のひとつに社会学的にIT化論をやりたかったということがあります。
本当に情報化って人を幸福にするのか?とずっと悩んでいました。
やっぱりいい仕事をするには、そうした悩みはすっきりしないといけないと思い、社会学を学べそうなMBAに通うことになりました。だから、IT化は素晴らしい!!といいそうな早稲田とかはあわなさそうですし、結局今の大学院に落ち着きました。
研究の背景としては次のようなものです。去年だした研究計画書の前半部分です。
長文ですし、僕の日記的備忘録なので、お時間が有り余っている方だけ読んでください。
研究テーマ
「生活空間の情報化に伴う質的変化と価値の創造について ――― 生活者の視点を起点にした情報化の評価」
本研究の到達点として、情報化が各自の生活に及ぼした影響、および将来及ぼすであろう影響について、個々の生活者の観点を尺度にして検討を行い、情報化社会の質的向上に貢献しうる分析を行うことである。
研究の背景
従来情報化については、社会学的な観点からのコミュニティー論や民主主義的な公共論(参照)や経済学的な情報化のもたらす経済効果(参照)また、経営における情報化投資などとして多くの研究がなされてきた。
一方、政策としても情報化は重要な課題であり、e-JAPAN計画などとして、具体的な数値目標を持った政策となっている。
また、政策としての情報化は例えば白書の中で
「本白書の特集テーマは、『日本発の新IT社会を目指して』である。我が国の情報通信の現状をデータに基づき分析することにより、今後、我が国が目指すべき新IT社会の方向性を探ることをねらいとしている。新IT社会像は、我が国の目標であると同時に我が国が世界に対して発信していくIT社会像でもある。」(平成15年情報通信白書)」
とあるが、内容はマクロ的な数値目標としての経済発展などに主眼が置かれている。
しかし、情報化の推進のためには、個々人の生活や欲求、価値観に即した各自にとって魅力ある社会だという思いが必要であり、そのためトップダウン的な情報化のみでは十分な効果を得られないと思われる、未来像へのコンセンサスを作り上げる試みが必要であると言える。
本研究はそうしたトップダウン的な情報化のあり方とは別に、ボトムアップ的な情報化を提案し、また、情報化に共感しない人々に着目することで、現在の情報化や、それに類するサービスや商品が満たしていない価値を探るという、真に意味のある情報化に対して貢献できるものと考えている。
研究の動機
90年代半ばから後半にかけては
「情報化社会とは社会的弱者やハンディキャップのある人たちへの社会参加の機会を与えることができる社会だ」という捉え方があったが、ITバブルなどを経て、不況下での企業間の競争が増す中で、競争力の源泉としての情報化に重点がおかれるようになった。
しかし、私は情報化やユビキタスコンピューティングがユニバーサル社会を目指す形の一つだという思いを持ち続けている。一方、「情報化は本当に人の幸福に貢献できるのか?」
と言う疑問を捨てきれずにいる。たとえて言うなら、
「おばあちゃんが膝の上にノートパソコンを乗せてネットワークを駆使する世の中よりも、膝の上に猫や孫を乗せている方が良い社会ではないのか?」
という類の疑問である。
私は、そうした自分の疑問、「情報化は真に世の中に貢献できるものなのか?また、情報化とはそもそも何なのか?という疑問に対して、社会科学系の学問を通じて考察していきたいと考えている。
そして可能であれば、誰も切り捨てることなく、新しい社会に迎える方策についての提言まで研究を進めたいと考えている。
本研究の意義、背景
現在、日本のブロードバンドは世界最安値だと言われているが、2000年当時は月々5000円を割れば一気にクリティカルポイントを超えるという見方が広くなされていた。しかし、現実には想定価格を下回る額でサービス提供されるようになったにも関わらずe-JAPAN計画で見込んだ当初の計画を達成できていない。
これは価格要因以外に普及の阻害要因となっているものがあると考えることができる。個人個人が、政府などの思い描いたシナリオ通りに生活様式を変えていかない理由を、各自の生活者の観点に立ち戻って考えることにより、あらたな市場拡大の可能性を探すこととができると考えている。
本当に情報化って人を幸福にするのか?とずっと悩んでいました。
やっぱりいい仕事をするには、そうした悩みはすっきりしないといけないと思い、社会学を学べそうなMBAに通うことになりました。だから、IT化は素晴らしい!!といいそうな早稲田とかはあわなさそうですし、結局今の大学院に落ち着きました。
研究の背景としては次のようなものです。去年だした研究計画書の前半部分です。
長文ですし、僕の日記的備忘録なので、お時間が有り余っている方だけ読んでください。
研究テーマ
「生活空間の情報化に伴う質的変化と価値の創造について ――― 生活者の視点を起点にした情報化の評価」
本研究の到達点として、情報化が各自の生活に及ぼした影響、および将来及ぼすであろう影響について、個々の生活者の観点を尺度にして検討を行い、情報化社会の質的向上に貢献しうる分析を行うことである。
研究の背景
従来情報化については、社会学的な観点からのコミュニティー論や民主主義的な公共論(参照)や経済学的な情報化のもたらす経済効果(参照)また、経営における情報化投資などとして多くの研究がなされてきた。
一方、政策としても情報化は重要な課題であり、e-JAPAN計画などとして、具体的な数値目標を持った政策となっている。
また、政策としての情報化は例えば白書の中で
「本白書の特集テーマは、『日本発の新IT社会を目指して』である。我が国の情報通信の現状をデータに基づき分析することにより、今後、我が国が目指すべき新IT社会の方向性を探ることをねらいとしている。新IT社会像は、我が国の目標であると同時に我が国が世界に対して発信していくIT社会像でもある。」(平成15年情報通信白書)」
とあるが、内容はマクロ的な数値目標としての経済発展などに主眼が置かれている。
しかし、情報化の推進のためには、個々人の生活や欲求、価値観に即した各自にとって魅力ある社会だという思いが必要であり、そのためトップダウン的な情報化のみでは十分な効果を得られないと思われる、未来像へのコンセンサスを作り上げる試みが必要であると言える。
本研究はそうしたトップダウン的な情報化のあり方とは別に、ボトムアップ的な情報化を提案し、また、情報化に共感しない人々に着目することで、現在の情報化や、それに類するサービスや商品が満たしていない価値を探るという、真に意味のある情報化に対して貢献できるものと考えている。
研究の動機
90年代半ばから後半にかけては
「情報化社会とは社会的弱者やハンディキャップのある人たちへの社会参加の機会を与えることができる社会だ」という捉え方があったが、ITバブルなどを経て、不況下での企業間の競争が増す中で、競争力の源泉としての情報化に重点がおかれるようになった。
しかし、私は情報化やユビキタスコンピューティングがユニバーサル社会を目指す形の一つだという思いを持ち続けている。一方、「情報化は本当に人の幸福に貢献できるのか?」
と言う疑問を捨てきれずにいる。たとえて言うなら、
「おばあちゃんが膝の上にノートパソコンを乗せてネットワークを駆使する世の中よりも、膝の上に猫や孫を乗せている方が良い社会ではないのか?」
という類の疑問である。
私は、そうした自分の疑問、「情報化は真に世の中に貢献できるものなのか?また、情報化とはそもそも何なのか?という疑問に対して、社会科学系の学問を通じて考察していきたいと考えている。
そして可能であれば、誰も切り捨てることなく、新しい社会に迎える方策についての提言まで研究を進めたいと考えている。
本研究の意義、背景
現在、日本のブロードバンドは世界最安値だと言われているが、2000年当時は月々5000円を割れば一気にクリティカルポイントを超えるという見方が広くなされていた。しかし、現実には想定価格を下回る額でサービス提供されるようになったにも関わらずe-JAPAN計画で見込んだ当初の計画を達成できていない。
これは価格要因以外に普及の阻害要因となっているものがあると考えることができる。個人個人が、政府などの思い描いたシナリオ通りに生活様式を変えていかない理由を、各自の生活者の観点に立ち戻って考えることにより、あらたな市場拡大の可能性を探すこととができると考えている。