ふうてんの猫の猫耳東風的フリチベ生活

働きながら和製MBAと工学博士取得をしていた自称苦学生バックパッカーの日記。
今は学位もとって大阪で技術戦略考えてます

ただ疲労と絶望の瞳

2009年09月27日 | 格差社会を考える
さっき、人事面談用の資料を書き終えて、アイリッシュパブに飲みに行きました

お店は本当に広くて、ステージから、プールバーまであって、それでも外で立ち飲みしているほどの繁盛店。

ただ、ギネスの生だったのですが、あまりおいしくないのはなぜ?

ただ、一人で外国人というのは、別に居心地も良くないので、帰ってきたのですが、
途中でやはり物乞いのおばあさんがいたのですが、

ただ宙を見て、絶望と疲労しか感じない顔をみて、
通り過ぎたのですが、小銭を持って戻って、紙コップにお金を入れました。
キャリーの荷物を持っていたので、きっとホームレスだと思います。

僕は、人はあれほどの悲しみの顔をするのだ と本当に久しぶりに、自分の心が揺さぶられるような、悲哀の顔を見ました。

見ると、夜の11時半なのにまだ5円ぐらいしか入っていません。
ひょっとしたら人目を忍んで、もらったお金を隠しているのかもしれませんが、僕なら、ある程度大き目のコインを入れておくので(募金する額をあげさせるため)、本当にお金を誰も入れていないのだと思います。

小さなパンが買えるかどうかの小銭ですが、おばあさんは、やっぱり昨夜のおばあさん同様に、小さな幸福に喜んでくれたようで、僕の理解できない言葉で一生懸命に、にこやかに話しかけてきます。
ただ、英語でもドイツ語でもない言語で、理解できません。

アッサラームといったら通じがようにも、通じていないようにも。。。

ヨーロッパの社会保障制度などについて、学部程度の知識があれば、いかにヨーロッパという国々が、現在も、途上国の安い労働力を使い捨てにしているかを知っていると思いますが、あれほどの憐れみを漂わせているおばあさんに、誰も施しをしないことを見るに、(それは僕が何度か施しをこの国でして、みんな一様に少なく、数十円でありえないような喜びの顔をするのをみると確かだと思う)、異教徒や異国民への憐れみを持たない国民性が作り上げた社会制度なのだろうなぁと
ホテルに帰りながら思いました。

ブッダはおっしゃった

いかなる生物生類であっても、怯えているものでも強豪なものでも、悉く、長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、粗大なものでも、目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものは、幸せであれ  
「スッタニパータ 蛇の章」


を思いながら歩いていました。

以前、僕がラオスにいたときに、カナダ人の女性のエンジニアと食事を一緒にしていたときに、物乞いの人が来て、僕が施しをしたのを見て、
「どうしてお金を渡すのか?」
と聞かれて
「僕はブッディストだから」
と答えたら納得していた、彼女同士で、同僚のイスラム教徒が多くの募金をしているとか、そんな話をしていました。

ひょっとしたら、キリスト教というのは、他者への救済に、自分が積極的にかかわることに乏しいのかもしれません。

いま、フランクフルト

2009年09月26日 | 格差社会を考える
フランクフルトにいます

結局、ANAのキャンセル待ちがオッケイにならなかったから、フランクフルトで二泊足止めです。
ビジネスクラスの往復で定価110万円でも、キャンセル待ちからの預かりという、満席ぶりで、キャンセル待ちがオッケイになるわけもなく・・・・・


今日は、ヨーロッパ産のスピーカーが個人輸入だと安いということなので、電気屋を見に行ったのですが、B&WのCM1は売っていなかった。

JBLはあったけど、いずれにしてもあまり種類もなかったし、僕が欲しいような価格のものよりも安いものしかなかった。

まぁ、欧州だと5万円ぐらいのスピーカーでも高級品の入り口扱いだとも聞いたことがあるから、そうだとするとその倍だと、ぷらっといって見つかるものではないのかもしれない。

まぁ、そんなわけで、明日は電気屋めぐり(違)


仕方ないので、ホテルで明日から二日間お仕事です。
今日はコンサートに行ってきたけど、あんまり上手じゃなかった。


昨日はプラハのスメタナホールでスメタナ聞いてきた。

スメタナって有名なのは、「我が祖国」の「モルダウよぉ・・」ですが、モルダウ川はみたじょ。

もし、スメタナが現代日本にいたら、ブサヨたちに、このネトウヨスメタナ氏ねとか言われるのは必須だなぁとか思いながら、スメタナ聞いてた。

もひとつ、ブサヨのことを思ったのは、この街はこじきの人が多いです。
ようは、具体的に、コップを差し出して施されるのを待っている人たちです。
車椅子に乗った人、老婆、若者、いろんな人が、紙コップを両手でもったり、床に置いたりして座っています。

やはり、岩田正美氏がおっしゃるように、日本はヨーロッパの格差拡大の5年ぐらい後ろを追いかけていて、一見、手厚いように見えるのは、問題が深刻化しすぎたからだ というのが、正しいように思います。

自称格差是正論者は、すぐにヨーロッパはすばらしいのに、日本は駄目だ
とかいうけど、たぶん、彼らのいうヨーロッパは僕が今いるところとは別の惑星にあるのでしょう。

僕は子連れや、老婆の人に弱いので、手持ちの小銭をばっと入れたら、おばあさん、少し驚いた顔をして、すごく何度もお礼をいっていた。

これが、ブサヨのいうところの社会保障の充実した国 とかいうことかと思うと、本当にバカだから、サヨクになるんだよなぁと思う。

彼らは、いちど、本当にヨーロッパに来て、ホームレスの人や、乞食の人がいないのか、自分で確認すればいいと思います。

まぁ、さすがに、フランクフルトは楽しいこともあまりなさそうなので、悔いなく仕事ができます。

まずは、これから、洗濯して、バーでビール飲んで、お灸を乗せて、寝ます。

いま、ANAのファーストクラスラウンジ

2009年09月17日 | 徒然なるまま(日々雑事)
ドイツ行きの飛行機まちです

生まれて初めてファーストクラスのラウンジに入りましたが、

いつものビジネスクラスのラウンジと大差ない。。。。

だいたい、食事が同じメニューだし、ビールは恵比寿じゃなくて、スーパードライだし
ぜんぜんすごくない。

ただ、ビジネスラウンジと違って、ANAの制服を着たおねぇたんがオーダーをとってくれるのが革新的 なぐらいかなぁ

あと、お客の層がなんとなーーく、年齢と階層が上の気がする。
もっとも、多くのお客さんはビジネスクラスからのアップグレードだと思う。
(往復で定価200万円のチケットを買う人は少数ではないかと)

ANAはマイルが3年なので、マイルが消える前に、ファーストクラスにとは思ったけど、
本当は、ドイツまでファーストクラスで行く旅行じゃなくて、半年ぐらいかけて、陸路で行く旅がしたいんですよね。

僕にとっての贅沢は、高いホテルや高いフライトじゃなくて、
長期でまたーーーりといけるたびです


たった5日間休むだけなのに、僕がいるうちにと会議をしてくれて5時まで会議
その後、面談用の資料で、調べておかないといけないことを書いて
大学に博士学位申請書類を作って送って、それで職場を飛び出して成田にいったら11時にホテル着。
サウナとかがついているプランだったのにしまってしまっていたよ!!


今回の旅行中にやること。
11月の国際会議の投稿論文を修正して送る
その国際会議のプレゼン資料を作る
国際会議のレジストリをする
上期の成果面談用の資料を作る

です。
ひさしぶりのヨーロッパでこんなんでなくてもと思う。
一年前にチケットを取った際には、すでに博士を取得している予定だったんですよね。
すこしチベット支援にシフトしすぎたけど(3月のイベント)、後悔はしていない。

人生の後悔はふられた女の子s(複数形)のことぐらい。

旅行中に素敵な彼女ができると いいなぁ。

では、いってきます

上場企業の労働分配率過去最高 と おバカの反貧困ネットワーク

2009年09月15日 | 格差社会を考える
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2009090910563b1

上場企業の労働分配率、過去最高の55% 08年度

 上場企業の2008年度の労働分配率が55.1%と、過去25年間で最高になったことが日本経済新聞社の集計で分かった。業績悪化で企業の付加価値額が大幅に減少したことが主因で、今後は人員削減や賃金抑制が進む可能性がある。

 集計対象は新興市場と金融を除く全国上場企業で単独決算ベース。08年度の付加価値額は前年度比20.3%減と、統計がさかのぼれる1984年度以降で最大の減少幅となった。合理化で人件費・労務費も2.7%減ったが、それを上回るペースで付加価値額が減少し、労働分配率は10.0ポイント上昇した。


[9月10日/日本経済新聞 朝刊]


このように、不況時においても、日本の企業は正社員の雇用をしっかりと守ります
そのため、このような未曾有の不景気では、労働分配率が上昇することになります。
不景気に労働分配率が世界でもトップクラスの上昇を見せるのは、バブル経済破綻後も同様で、よくあれで倒産しないものだと、海外からはいわれていました

私は、そうした正規雇用を守るという日本的経営というものを積極的に支持したいと思います

一方で、自称格差是正論者の方々は、企業の労働分配率が低下しているといって、企業を攻撃していましたが、その論拠は完全の崩壊したといえるでしょう。

たとえば、反貧困ネットワークは
http://www.labornetjp.org/news/2009/0831seimei
 「経済成長さえすれば、人々の暮らしは楽になる」――この約束は、90年代からの「雇用なき景気回復」、低下し続ける労働分配率、高騰し続ける社会保険料等々によって、事実として果たされなかった。もはや、経済成長率と暮らしの安心度数は独立した変数である。もう誰も、経済成長が十分条件であるかのような幻想には騙されない。」


と主張していますが、逆に、彼らには、 
「25年間で最高の労働分配率になった今年は、幻想が晴れたのか?」
と聞き返したい

確かに、好景気のときに、もっと分配をする余地がある企業もあったのだとは思う。
しかし、今年、さらに労働分配率をあげさせるような余地が存在するのか?
はたして、最低賃金をあげる、解雇要件を厳しくする というような余地があるのか?

労働分配率に関して言えば、人件費が固定費である想定をすれば、好景気の時には利益が大きくなる一方で人件費は固定(実際にはボーナスが多めに支給される程度はある)なので、分配率が下がる。
逆に不景気の際には、利益が下がっているけど人件費は一定なので、分配率が上がる。
これは当たり前の話なのです。
また、サヨクの人たちは、
「労働分配率が低いのに、株主配当が高すぎる」
とわめいていましたが、今年は株主配当がゼロ(赤字企業は配当しない)上に、労働分配率が過去最高ということですから、きっと、反貧困ネットワークは「労働者の勝利!!」といって祝杯をあげているのでしょう。  

というとそんなことはないはずです。
労働問題を、株主配当と戦わせているなんてのは、彼らの19世紀の妄想家にして、人類史上最大の殺人犯マルクスの妄言をただなぞって、企業による搾取なんてものをいまだに信じている稀少人類なのでしょう。

僕は、昔の反貧困ネットワークはもう少し賢かった気がする。
湯浅氏はこんな古臭くて、しかも、労働分配率が上がっていることが自明のタイミングでこんな駄文を出すような人ではないと思っていた。

もちろん、もやいにしても、青年ユニオンにしてもミクロな観点で、生活保護が必要な人やホームレスの支援や、労働問題の駆け込み寺という機能は重要なのだけど、そういう善意あるミクロな活動をしているからといって、マクロな視点が論理的で知的であるこということの証左にはならないってことの証明だなぁと思いました。

まぁ、チベット支援にしたって、チベット支援をしている人のマクロな視点が正しいとはいえないわけで、まぁ、善意がある人が正しいロジックでものを考えるわけではないというのは、同じことでしょうね。

それで、労働分配率が過去最高の今年においても、労働者が大変であるという今日現在では、
企業が今の水準で労働者の雇用を維持してくれることを期待する一方で、
これ以上の錘を背負わせようとする、いっけん労働者よりに見える主張は、雇用を破壊するだけではないでしょうか?

現実に、この労働分配率の高さは雇用の過剰からきているわけですから、今年に新規に雇用される人は少ないだろうと思われます。
そうした中でさらに、人を雇いにくくしようとする民主党のマニフェストは、ワーキングプアーを、ノーワークプアー(無職)にするだけではないでしょうか?

その人たちの生活を生活保護で見ようという覚悟が世論として形成されているとも思えません。

もはや企業をたたけばよいというような、19世紀のイデオロギッシュな主張ではなくて、国民同士の助け合いが必要なのではないかと思います。


いま、お風呂で、「フリーター漂流」を読み直していたのですが、あとがきで
「フリーターを減らす試みは国や自治体の手によって進められている。しかし、「若者をどう働かせるか」に力点が置かれている限り、大きな効果は期待できない。むしろ大切なのは私たち「大人」の覚悟だ。経済大国として享受している豊かさを取り崩してまで、若者たちを育てる場所を社会のなかにつくらなければ、根本的な問題の解決にはつながらない。」(p.203-204)
と書いています。これを僕は強く支持します。

おそらく、民主党は支持母体の連合や在日などの既得権益者に寄り添っていますし、
日本共産党などは、教師や公務員に寄り添い、かつ、ホームレス支援を前衛政党がルンペンプロレタリアートの救済などできるか と幹部がいっているわけですから、論外ですし、
2006年に出版された「フリーター漂流」で言っている、大人の覚悟を見せていたのは、麻生内閣だと私は思います。

ですが、それもいまや手遅れ。