ふうてんの猫の猫耳東風的フリチベ生活

働きながら和製MBAと工学博士取得をしていた自称苦学生バックパッカーの日記。
今は学位もとって大阪で技術戦略考えてます

香田さんのご冥福をお祈りいたします

2004年10月31日 | 政治・経済・社会現象
バグダッドで発見された遺体は香田証生さん=町村外相 (ロイター) - goo ニュース

香田さん、理屈ではダメだろうと思っていましたが、わずかな希望で開放されないだろうか
と思っていましたが、遺体となって発見されたそうです。

私達が無邪気に論じていても、事実は着実に動いていくわけですね。
他人とは言え、少しの悲しさと、無気力には教われます。

ご冥福をお祈りいたします。

イラクで死んだ民間人10万人にまた一人追加ですね。
人が幸福に生活できないところでは、人の命は凄く安い。
世界から食えないほどの貧困の撲滅や、死を賭しても戦わなければと思わせるような
侵略がなくなることを切に祈っています。

チベットをはじめ周辺国への侵略と殺戮をしてきた中国、あっちこっとで無茶をしているアメリカ、
チェチェンの成人男性の大半を殺してしまったロシア
世界が平和になる日は遠いと思いますが、10年後はいまよりももう少しよい世界であるといいなと思います。

追伸:
朝日のニュースと読み比べると、さすがに朝日は北朝鮮を「この世の楽園」と報じていたほどの左翼の末裔だよなと思います。

1億2千万人総評論家時代 しかし、涙せよ。

2004年10月31日 | 政治・経済・社会現象
イラクの人質事件のようなことあると、みんな何か思いがあるわけで、
「本人が悪いよ」
「家族を思ったら、助かって欲しい」
「イラクの人がかわいそう」
「テロでしか自国を守れない人々がかわいそう」
「アメリカが悪い」
「小泉がわるい」
という話やもう少し知性派だと、中東の現代史や軍事パワーバランスや国際法を出してきて
解説してくれるかもしれません。

自分自身、前のblogの記事は分析系の記事でした。
しかし、みんなが評論家になっていることってなんだか不健全な気がします。


イラクでは多くの人が死に、アメリカ兵も死に、自爆テロでしかアメリカと戦えない人々も死に、
悲しみの連鎖と、出口の見えない迷路をさまよう状況に入り込んでしまいました。
今後、悪化していく未来を想定するほうが、明るい未来を語るよりも容易な時代です。

必要なのは、知性での評論ではなく、世界を覆っている理不尽や悲しみを可能か限り肌で感じ、
そのために涙できる感覚だと思います。

日本において反戦運動が失敗したのは、共産や社民を支持するような人のうちでも特にイデオロギーかぶれが、反戦運動を利用しようとし、感性や感情による反戦ではなく、イデオロギーによる反戦をしようとしたことで、大衆が共感できなくなったことにあると思います。

人が死ぬことは理屈ぬきに悲しい
そういう当たり前のことが、正論の前に一番大事ではないか と思います。

イラクの人質

2004年10月31日 | 政治・経済・社会現象
イラクの人質問題について

blogをつらつらと眺めてみると、香田さんは馬鹿者だという論調が多いように思う。
僕もまったく其の通りだと思う。

だいたい内戦や戦争やっているところに行けば、拉致されるのは別にイラクに限った話ではなく、
外国人が安心して旅行できないようなところは多々ある。
また情報収集もアメリカ頼りだし、そもそも日本の大使館は邦人が冤罪で捕まったりしたときの対処など、先進国の水準とは思えない仕事をするとも聞くが、まぁ、今はそれはおいておこう。

とにかく海外に行くと、バカ旅行者はたくさんいるので、冒険旅行と称して無茶をしてその後の足取りがわからなくなる青年や、現地の男についていってそのまま足取りがわからなくなる女性とか、同じようについていって数日強姦され続けて捨てられている女性とか、現地でラリッテ大変なことになっている日本人とか、とにかく海外でも邦人の人命に関わるトラブルは多々あるわけです。

それらを踏まえて、なぜ香田さんだけがここまでクローズアップされるのか?
という原点に戻って、現状を考え直したいと思います。
前述したように、邦人が海外で拉致されたり、死んだりすることは望ましいことではないが、残念ながら恒常的にあることである。
しかし、香田さんの場合が特殊なのは、犯人が日本政府を交渉相手として指名して、国家の主権たる軍事について介入しようとしていることである。
この状態では、日本政府は当事者にならざるえない。
強盗や営利目的の誘拐や強姦などのローカルな犯罪で、現地の警察と日本政府が連携をするような類とは状況が異なる。

小泉首相の「撤退はない」という発言を持って軽薄だとする論もあるが、テロ組織とは交渉しないというのは基本的なルールであり、「撤退なし」と早期に表明するのは正論です。
下手に応じれば「交渉が決裂したため、人質を殺害する」と犯人側に主張されるのがおちです。
ここで交渉の余地があるという態度を示せば、日本政府と交渉をしたい組織は日本人を拉致するようになり、将来にわたって邦人の安全を脅かすことになります。
拉致を有効な手段にしないために、交渉せず は当然です。
また、民主党は、今回の事件をもって撤退を要求しないと早々に表明しており、同様に正しい姿勢を貫いていると言えるでしょう。

また自衛隊を派遣しているから拉致されるのだ という論調は我田引水であり、拉致事件をもって自衛隊の派遣を否定しようとする卑怯な論調であると思います。

私は自衛隊は撤退すべきだと思いますが、それは犯罪組織に屈するからではなく、大義なき軍事活動に日本人の命をさらすべきではないと考えるからです。
また、イラクの復興は開戦に踏み切ったアメリカが血を流すべき問題であると考えますが、サマワの人々が自衛隊駐留を望むのであれば、難しい判断を迫られると思います。

ただ、先進国の軍隊を駐留するのはコストパフォーマンスが悪すぎるので、現地の人々を雇用してインフラを整備していくようなことができる治安状況に早く回復させなければいけないのだろうなと思います。