野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

雪のTAMAZOOとちょっぴり皆既月食

2018-01-31 22:23:06 | 公園

  昨夜は久しぶりの皆既月食。出来るだけ着込んで外に出て観察した。

 完全に隠れた10時頃のスーパーブルーブラッドムーン。赤銅色の月は美しかった。 

 これが地球照の色だと思うと…うーんまさに天文ロマンだ。

 

 いったん家に戻り、一時間過ぎたところで今度はベランダから観測。右下に

輝きが見え始めた。

 

 23時10分ごろ。皆既月食は終わった。写真では撮ることが出来なかったが

冬の大三角やオリオン、シリウスなどの星たちがよく見えた。

 

 巡り巡った二十四節季七十二候もいよいよフィナーレ。大寒の末候は鶏始乳(にわとりはじめて

とやにつく)で、意は春の気配を感じた鶏たちが卵を産み始める時期だとのこと。

因みに「とや」は鳥屋で、「とやにつく」は鶏が産卵のために鳥屋にこもることを意味するらしい。

 

  やっと本題。雪の残ったTAMAZOO(多摩動物公園)を久しぶりに訪ねた。

1月の終わり、まだ雪はあちこちに残っている。

 

 とりあえずは昆虫生態園へ。大きな温室の中では放し飼いにされたたくさんのチョウたちが見られる。

 

 この紫色のきれいなチョウ、初めは国蝶オオムラサキと思っていたが

沖縄でみられるムラサキマダラと言いうチョウのようだ。

 

  タテハモドキは見事な眼状紋をもつ。この模様は天敵、主に鳥から頭部を守るための

模様だという。

 

 逆さまのイシガケチョウ

 

 一番多く見られたのはオオゴマダラだ。この大型のチョウがドーム内を

ゆったりと舞い飛んでいる様子は見ていて飽きることがない。

 

 次に向かったのはチーター舎。

 

杭の上に登ってポーズをとってくれた。尻尾も縞々なんだね。

 

 

 この舎内には4頭飼育されている。

 

 

 茂みの横にも

 

 木の上にも

 

 2頭仲良く

  同じような顔なので動かれるとすぐ見分けがつかなくなってしまう。

 

 アフリカ大陸の生まれなので、雪には弱いと思っていたが意外と寒さには強いようだ。

 4頭で追っかけっこをしている。

 

 そのスピードは陸上動物の№1だということで時速110kmにもなるという。

追っかけっこを同じフレームに収めようとしたが私の腕では無理だった。

 

 チーターはアフリカが主な分布地だが、熱帯雨林や砂漠などの極暑の処には

いないのだと後で知った。

 

 次に向かったのはキリン舎。此方は寒いところが苦手らしくほとんどは雪の溶けた

芝生の上で日向ぼっこをしていた。

 この一頭だけは何故か雪だるまの雪をかじっていた。

 

 動物たちにとっては雪がめずらしく、水分補給にもなるようでオランウータンも

日向ぼっこをして暑くなったのか、やおら起き上がり

 

 雪を取って食べていた

 

 それを見つけた子供のオランウータンが「いいなあ、僕にもちょうだいよ」

と言わんばかりに寄ってきた。

 

 チンパンジー舎でも隅の日当たりのよいところで

 

 カンガルーや象たちはやはり寒さに弱いようでグダーッ

 

 

 象も全く動こうとしない

 

 トラも昼寝に夢中

 

暖かい舎内にいるコアラももちろん

 

 元気だったのはタスマニアデビル。おととし多摩動物園にやってきたタスマニア島(豪州南の島)に

しか生息していないめずらしい動物。舎内にいるのは2頭だが、仲が良くないのか

片方が追っかけまわしていた。

 

 デビルとは言うが時にはかわいい表情もする。

 

 長くなったので、レッサーパンダとユキヒョウは次回に。 

 

 

 


冬の野鳥3

2018-01-29 08:09:24 | 探鳥

 今日の節季は大寒の第2候(1月25日~29日)の終りの日。因みに第2候は水沢腹堅で

「すいたくはらかたし」とか「みずさわあつくかたし」などと読み下す。意味は沢の水が

凍りつめるほどの寒い時期だということのようだ。24節季72候の71番目に当たる。

 

 節季の名の示すように、ちょうど一週間前に降った雪がまだ半分も溶けず、

日陰では固く凍ったままだ。野鳥たちも餌探しに苦労しているようで、

家の周りでは普段あまり見かけない、ジョウビタキやアオジなども

目につくようになった。 さて今日はクイナ科のクイナとバンを撮り上げよう。

 

 クイナは体長29cm、鳩よりやや小さいくらいの鳥。警戒心が非常に強く

体色も地味なこともあり、なかなか見つけることが難しい。

 

 いつもの場所に座って暫く待っていると、藪から出てきた。

 

 まずは周囲を一通り見まわして外敵のいないのを確かめる

 

 後ろも入念にチェック

 

 大丈夫と見たのか開けた場所に出て餌探し

 

 

  この辺りには水生昆虫やザリガニ、小魚などがたくさんいるので餌には困らない。

  

 少し離れたので

 

 もう少しだけ近づいて……と思ったらすぐに気付かれ逃げられた。

  逃げ足はとても速い。

 

同じクイナ科のバン。体長はクイナよりやや大きく、ちょうど鳩と同じぐらいの大きさ。

留鳥で都心部の公園の池でもよく繁殖している。時には警戒心の薄い個体もあるが

総じて警戒心は強く、藪の中にいて人前にはなかなか出てこない。

 

 この日は早朝、人気がなかったので道に出てきた。

 

 遠くから観察していると、刈取りの終わった葦原の中で餌探しをしているようだ。

 

 近縁種のオオバンと違って群れでいることは殆どない。

 

 この個体は若いせいか額の赤色が目立たない。嘴はよく見ると赤茶色になりかけてはいる。

 

 脇の白色班は目立っているのでオオバンではないことがわかる。

 

 後姿のお尻が白黒白となっているのも特徴。これは普段は威嚇のポーズなのだが、

この時は後ろ向きで餌取りに夢中だったから。

 

  中々近寄ってくれないので、つい焦って接近したら今度も逃げられた。

 

 警戒心の強い野鳥は近づくのをじっと待つのが一番。何度も苦い思いをしているのに

またまたやってしまった……。

 

 お終いは同じ場所にいたタシギ

 この辺で。


冬の野鳥2

2018-01-26 20:24:13 | 探鳥

 以前思いついたことなのだが、「幸」という漢字はなかなか成り立ちが面白い。

下の部分に¥があり上に土があるので、土を掘ったら¥つまりお宝が出た。

読みと努力が報われ大金持ちになった果報者……これこそ幸せと読み解ける。

これとは逆に¥の上に亠(ふた)をしてしまう(私は金なんか要らない!)と

強情を張るとどうしたって、「辛」くなるというわけだ。

そんなことを考えていると漢字はなかなか良く出来ているとつくづく感心してしまう。

 

 ちなみに「幸」という字は下から読んでも「幸」と読める。これなども上下の社会的な地位とは

かかわりなく幸せはあるのだということを示唆しているのだと思う。

漢字はなんとも哲学的なのだ……とついつい私は古人の深い知恵に恐れ入ってしまう。

 

 まぁそんなことはおいて、今日撮りあげるのはコサギとアオサギ、そして恐らくツグミそしてキジ。

人気(ひとけ)がない時はコサギは構わず木道をあるく。

 

 ちょっと立ち止まってあれ! 人がいたのか!

 

 ならばといつもの水場へ

 

  足もとの水紋は小魚をおびき出すためのコサギの小技を使ったもの

 

 うん、何やら見つけたようだ

 

 

 でも逃げられたので、再びあの技を。コサギは個体差なく殆どすべてこの技を使うので

もう種のDNAに刷り込まれてあるのだろうか。

 

 こちらは少し遠いがアオサギ。必死に獲物を狙っている

 

  アオサギはコサギと違って、ひたすら身を固めて餌が射程内にやってくるのを待つ。

 来たら長い首と嘴を伸ばしてエイヤッ。

 

 向こうを向いたアオサギ、長い冠羽がなんか滑稽だ。後ろにいるのはマガモ。

 

 電信柱の上で休んでいるアオサギ、孤高の佇まい。アオサギを群れやつがいで見かけることは

殆どない。

 

 これは珍しい、民家の屋根の上のダイサギとアオサギ。どうしてか同じ方向を向いている。

 

  草薮の中にツグミがいた。

 

  しばらく見ていたら恐れる様子もなく、目の前に出てきてんポーズを決めた。

 

 ツグミは普段に見かける渡り鳥だが、野の鳥なので警戒心は強く、5m以内に近寄ることは

殆どない。この時は2mほどの近さで、300mmの望遠ではぎりぎりの距離。この近さ

理由は分からないが運が良いことには変わりはない。 

 

  前回のハクセキレイもそうだったが、このツグミももうヤバいぐらいの可愛さだ。

 野の鳥たちはどうしてこんなに魅惑的は瞳をしているのだろうか。

じっと見ていると何でも言うことを聞いてしまいたくなる位だ。

 

 お終いは久しぶりに見かけたキジ。番いでいたのだが、雌はとっとと雲隠れしてしまった。

オスだけが、警戒をしながら落ち着いて去っていった。

 

 今日はこの辺で。


冬の野鳥1

2018-01-23 09:32:00 | 探鳥

 昨日の午後から今日の未明にかけて、積もった雪は何と20cmを超えた。

私の住む多摩地区では今冬初めてのしかも数年ぶりの大雪だった。昨晩、

今朝と2回にわたって雪かきに精を出した。恐らくこの成果?は年齢のせいで

やや遅れて明日ぐらいには筋肉痛となってあらわれるはずだ。

 

 昨日は休みだったので、埼玉北部の公園に探鳥に出かけたのだが、

午後帰るときには雪がどんどんと積もり始めて随分と焦ってしまった。

結局いつもの倍の時間かかってしまったが、何とか家路にたどり着くことができた。

 

 さて今日はヤマガラとセキレイを撮りあげよう。

枝に止まったヤマガラ。いつものようにひっきりなしに動き回っている。

 

 両足の間に木の実を挟んで

 

 少しだけ周りを警戒して

 

 ツィッ、ツイッ、ニーニーと仲間に呼びかける

 

 ヤマガラは大きさがスズメ大で、ほぼ全国的に留鳥として分布している。観察しやすいのはやはり

葉の落ちた冬季で、シジュウカラ、メジロ、コゲラ、エナガなどと混群を作っていることが多い。

 警戒心がとれたのか、再び地上へ

 

 枯葉の中に潜り込んで餌探しに夢中。

 

 あれ!全く姿が見えなくなった。

 

  再びひょっこり姿を現した。

 

 白黒のツートンカラーの頭部、背中は青灰色。腹部は褐色みを帯びた橙色。体色だけでなく

動きも俊敏で曲芸を連発し じっくり観察していても飽きることがない。

 

 お次も良く見かけるセキレイ類。水辺で多く見られるのはセグロセキレイ。ハクセキレイと似ているのだが、

見分けのポイントは過眼線(目の前後に入る帯状の模様)がないこと、あるいは白く見えること。

 

 九州以北で繁殖し、和歌山県を南限とするハクセキレイよりは少しだけ分布が広い。

 

 良く見かけるセキレイ類は、多い順にハクセキレイ、セグロセキレイ、キセキレイの3種。

ハクセキレイは水辺だけでなく、公園等でも良く見られる。。セグロセキレイは砂礫のある河原を中心に

活動し、キセキレイは上流や渓谷を好むようだ。

 

 お終いは全く警戒心ゼロのハクセキレイ。

 

 手の届くほどの距離まで近づいても逃げようとしない。餌付けされた個体なのかもしれない。

 

 それにしてもこの可愛さはかなりやばい!

 

 今日はこの辺で。


伊豆沼の朝

2018-01-21 12:59:51 | 散歩

 久しぶりに沼の傍の旅館に泊まった。古い趣のある旅館で1泊2食で

6000円と安く、素朴で家庭的なのが良い。

どうやら朝方天気は悪そうなので、日の出ぎりぎりに宿を出て沼に向かった。

 

未明から降った雪がうっすらと積もっている。

 

 今朝は人の姿が見えない。

 

 餌場のハクチョウやカモたちはもう起きだしていた。

 

 そのまま観察小屋に向かった。雪が小雨に変わってきた。

 

  昨夜の強い風などまるで無かったかのように水面は収まりかえっていた。

 

 

 明るくなってきて、だんだんと鳥たちのざわめきが大きくなってくる。

 

 

 

 満を持したかのように、気の早い群れが飛び立ち始めた。

 

 

 

 

 

 東の空が明るくなってきた。が、陽射しは期待できそうにもない。

 

 今度の群れは大きい。

 

次々と思い思いの方向へと飛んでいく

 

 

 暫く波のように続くマガンの塒立ちを眺めていた。

 

 いつの間にか観察池の水鳥たちも数羽の白鳥を残しいなくなった。

 

 この日はいったん宿に戻って、朝食を頂いた後に駅に向かった。

 

田んぼの中に立つ駅

 

 

 しばらくすると仙台行きの電車がやってきた。

 

 この日は18きっぷ使用の最終日。各駅停車を乗り継いで自宅に着いたのは9時間後だった。

 この辺で。