野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

雪国植物園の雪割草

2017-03-31 17:43:21 | 散歩

 25日の記事に書いた通り、ユキワリソウをどうしても見たくなって、

 越後長岡にある雪国植物園を日帰りで尋ねた。

3月18日の開園から一週間以上過ぎた雪国植物園。天気は上々で

 表門から雪は全く見えない。

 

まだ朝九時にはならず、入り口前の駐車場には車が4台。もうじき開園だ。長くなりそうなので

2回に分け今回はユキワリソウだけの紹介にしてその他の花は次回にしようと思う。

 入り口付近はまだ蕾の花が多い。

 

 

 

 

それでも日当たりのよい処では花びらを一杯開いて日差しを浴びている。

 

 それにしても自然の花とは思えない色彩の多様さだ。雪割草の園芸種もたくさんあってそちらの方は

一層絢爛豪華になっている。前回も紹介したここが最も詳しい。

 

 とてもこれが一株に咲く花とは思えない。

 

 

 

日本で見られるユキワリソウは4種。そのうち本州日本海側の北陸以北に分布するのが

オオミスミソウ。この植物園のユキワリソウは勿論オオミスミソウで、新潟県の県花ともなっている。

 

山形県の飛島でお目にかかった時のように雪の消え残る中で見たかった(それでこそ雪割草だ)のだが、

やや遅かったようだ。

 

 

 

 

 

 園の奥に行くにしたがって、日当たりのよい崖にびっしりとユキワリソウが群生している。

 

 

 

 

 

すぐ近くの越後丘陵公園では雪割草の見頃時期が4月中旬頃とあった。それに比べるとここは

どういうわけか3週間ばかり早いことになる。尤も海岸近くにある角田山では

3月20日にはもう咲いていたという。いったい何が開花の時期を決めているのだろうか。

 

 

 

 

 

 約2時間ひとしきり見学して入り口に戻ってみると、いつもは人の少ない園内も

そこそこの賑わいを見せていた。

 

 取り急ぎこんなところで。


早春の赤塚植物園

2017-03-27 20:53:22 | 植物園

  節季春分の第二候は「桜始開」-さくらはじめてひらくーなのだが、都心で開花宣言が

出たのは3月22日、それから寒い日が続き5日たってもうちの近くのソメイヨシノは

一向に咲こうとしない。例年なら一日ほどの遅れで咲きだすのに……。

久しぶりに板橋区赤塚にある赤塚植物園を訪ねた。

 この日はやっと春が来たかと思わせる久しぶりの良い天気だった。

 

 ハクモクレンが一斉に咲き出し春を謳っている。

 

 路地ではカタクリも咲きだした。

 

 

これはトキワイカリソウ

 

 最近は普通に見かけるようになったショカツサイ

 

 余りに小さな花なのでほとんど気づかれないハコベの花も咲いている。

 

 山道でよく見られるムラサキケマン。咲きたての今頃は意外と初々しい。

 

 センボンヤリの花も咲きだしていた。

 

 この独特な雰囲気の花はバイモ。ユリ科の花だ。

 

 サトイモ科のムサシアブミもテンナンショウ属特有の危険な雰囲気を持つ花だ。

 

 ナギイカダの花は図鑑で知ったのだが、小さな花なので初めは見つけるのに苦労した。

 

 

 クサイチゴの花。実は大きく、食べてもうまい。

 

こちらもバラ科キイチゴ属のモミジイチゴで下向きに咲く。

 

 サクラはまだ咲きだしていないが、木の花の数は随分と多くなってきた。

中国原産のリキュウバイ

 

 キブシ

 

 庭木でもよく見かけるユキヤナギ

 

 春はタンポポに代表されるように黄色い花が多いように思う。これは

ダンコウバイ

 

 

 こちらは似ているがクスノキ科クロモジ属のダンコウバイと違い、ミズキ科のサンシュユになる。

 

トサミズキやミツマタも黄色の花だ。

 

 

 お終いは花ではないがコウヤボウキの果実。

 

 この辺で。

 

 

 

 


城山かたくりの里から

2017-03-25 08:41:09 | 散歩

 <続き> ちょっと間をあけてしまったが、前回からの続きを

かたくりの里の魅力はたくさんあるが、関東のこの地でユキワリソウ(オオミスミソウ)を

見られることもそのうちの一つだろう。

尚ユキワリソウについては簡単なことはここで。

 

 

 

 ユキワリソウを始めて露地で見たのは山形県の沖合の島、飛島を歩いていた時だ。

2009年4月のことだから、もう8年も前のことになる。まだ雪の消えやらぬ林床に

多彩な色と形で咲き誇っていた。いったいに日本の野の花は色味が少なく、変化に

乏しい地味な花が多いのだが、雪深い地でこんなにも鮮やかな色彩をもつ花たちと出会えたたのは

大変な驚きであり喜びだった。

 

 

 

 ユキワリソウについては、もっと知りたい方は国際雪割草協会のこのサイトがとても詳しい。

 

 

 

 

  できれば残雪の残る中で見たいと、今月下旬には本家本元の雪国植物園を

訪ねようと思っている。

 

かたくりの里を出て近所のハイキングコースを一時間ほど歩いた。

畑の脇の小さな墓地にシキミの花が咲いていた

 

ちょっと山の中に入ると早くもスミレの姿が見える。これはナガバノスミレサイシン

 

近くにヤマルリソウも咲きだしていた。

 

 しきりに幹を叩く音がするので、見上げるとアカゲラの姿が見えた。

 

随分と上を見上げているのは連れ合いを探しているのだろうか

 

 

 足元では春を迎え、体色の濃くなったホオジロが餌を啄んでいた。これは♀

 

 こちらは番の♂

 

 

 

 

 時折は低く鳴き交わす仲の良さげなホオジロたちだった。

この辺で。


城山かたくりの里

2017-03-20 09:04:13 | 植物園

 

                                                       豊後梅 

  13日開園して間もなくの城山かたくりの里に出かけてきた。 

肝心のカタクリは咲いているのが10株に満たないということで

500円の入場料は100円と嬉しい減額、思えば去年もそうだった。

最近はカタクリより少し前に咲くユキワリソウの方が好きになったので

早く出かけることが多い。

 尤もその方が来園者も少ないのでゆっくり花を眺められる。

 

本命のユキワリソウは後にしてまずは木の花から

 アセビと言ったら山野に咲くのは白花だけだが、園芸種には赤花もある。

品種名はわからない。

 

 サクラゲンカイツツジ

 

キブシには木藤という名もあるそうだ。

 

 園芸種のマンサク

 

 綻びかけたミツマタ

 

こちらは中国大輪ミツマタ

 

コヒガンザクラ

 

 ボクハンツバキ。漢字では卜伴椿とかく。尚、は卜伴とは江戸期の茶人の名だとか。

 

 ダンコウバイ(檀香梅)。ミズキ科のサンシュユとクスノキ科のダンコウバイ、アブラチャンは早春に

低山に咲く代表的な花なのだがよく似ている。更にややこしいことにこれらの木には

みな雄花と雌花があるのだから紛らわしい。

 

 木の花に比べて地上ではまだ花が少ない。

終わりかけのセツブンソウ

 

 こちらはキバナセツブンソウといいう。関東以西の山野に咲く日本原産のセツブンソウとちがい

南ヨーロッパが原産らしい。

 

 バイカオウレン。雪解け前から咲き始めるオウレンの花には他にキクバオウレンや

セリバオウレンなどがある。その根茎を乾燥させたものが黄連という漢方薬となる。

 

 コチャルメルソウ。名前は楽器のチャルメラからつけられたようだが、

 実の開いた形が似ているからというがどうも腑に落ちない。念のため

コチャルメラソウではないのでご注意を。

 

最後にほんの数株しか咲いていなかったカタクリ

 

 

 今日はこんなところで。

 


霞ヶ浦・涸沼の冬鳥たち2

2017-03-15 07:02:14 | 散歩

  <前回からの続き>

 

昼過ぎても一向に雨風が止む気配がない。こんな時には場所を変えようと

霞ヶ浦を後にして涸沼に向かった。涸沼はシジミ漁が盛んに行われている汽水湖、

日本のシジミ3大産地ー宍道湖、十三湖、涸沼となっているそうだ。

 

涸沼南東部にある網掛公園にやってきた、雨は弱くはなってきている。

 

 こんな地元の人が通りかかったが、何の漁をする人なんだろう。

 

 葦の中に潜んでいるのはオオジュリン

 

 沼の中ほどにはキンクロハジロ

 

 対岸の親沢公園に移った。

 

 雨はやみ、時折陽がさすようになってきた。

 

 これは珍しいアオサギ、マガモ、ユリカモメが仲良く日向ぼっこだ。

 

 近くの涸沼自然公園まで足を伸ばした。閑散としている。

 

 

 

 ダイサギ

 

 小高いところに登ってみた。

 

 やや終わりかけの梅林の中にはジョウビタキ♂

 

今夜は水戸に泊まる予定。道路沿いの回転寿司屋で握りセットを買った。時間があったので

大洗の神磯ノ鳥居を見に行く。朝日が有名な場所だが、夕暮れもなかなか良い。

 

 

 翌朝は打って変わっていい天気。ホテルの近くの千波湖を散策する。左側が偕楽園、右には

水戸芸術館の曲がりくねったビルが小さく見える。

 

 湖面はおさまりかえっていて、水鳥たちも眠ったまま。

 

 

黄門様の銅像の前で何かの踊り、剣舞?の練習をしていた。

 

 偕楽園まで足を伸ばした。

 

 朝早いので好文亭は閉門中

 

 眼下の梅林

 

 やや終わりかけの梅にはメジロが来ていた。

 

 再び涸沼の親沢公園へ移動

 

 登ったばかりの春の日差しが煌めいている。

 

  トビ

 

 実は今回の旅の本当の目的は涸沼に来ているらしいオオワシ。それに会いたくて昨日訪ねた

網掛公園に再びやってきた。

 

 空を見上げるとミサゴが飛んでいく

 

 そのはるか上空に数羽の群れが見える。右下の一羽だけやや体が大きい。

もしかしてオオワシではないかと期待は高まる。

 

 やや近づいてきてオオワシとわかった。近くを飛ぶトビより一回り以上体が大きい。

 

 オオワシは日本には冬鳥として主に北海道に渡来する。猛禽類の中では日本最大で、黒と白のコントラストが

美しく、嘴と足は黄色。北海道東部では群れで見ることもできるが、本州でオオワシが見られる所は

ごく限られている。ここ涸沼には数年来渡来しているようで、今年も来ている情報を得てやってきた。

 

 残念ながら、なかなか近くには飛んできてくれない。

 

 暫らく上空を旋回していたが、漁をする気配はなくそのままトビとともに飛び去ってしまった。

 もう少し近くでとか、できれば魚を捕まえる瞬間を見たいとか、そんな思いはあるものの

1泊2日の短い時間の中で、お目にかかれただけでも良しとすべきなのだろう。

 

 少しは海鳥を見たいと思って、帰りは鹿島灘海浜公園に寄った。

 

 が、どうやらここはファミリー向けの海浜キャンプ場などが主で、探鳥地ではなかったようだ。

 でも中にある販売所は地場産の農産物や海産物は安くて新鮮だった。

 

 

 一泊二日の短い旅だったにもかかわらず、念願のオオワシにも出会えた。見られた鳥の種類としては

やや物足りないが、まぁ満足できる旅だったとしよう。