野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

再び城山カタクリの里

2016-03-30 20:10:12 | 植物園

  最近読んだ「図書館大戦争」という本が不思議に面白かった。ウクライナ生まれのミハイル・エリザーロフ(43)が

2008年に書いた小説で、内容はソ連崩壊後の社会を舞台にある魔術的な力を秘めた7冊の奇書を

めぐる血みどろの戦いを描いたもので、似た題名の有川浩の図書館戦争シリーズとは全く関係はない。

(閑話休題)

前回ほとんどカタクリを見ることができなかったので、2週間後再び訪ねた。が、やや時機を失したようで。残念ながら

肝心のカタクリはやや見ごろを過ぎてしまっていた。 本当に季節の進みは早いものでうかうかしていられない。

 それでもたくさんのカタクリの中からまだ色の残された花を選んで幾つか。

 

 

 

 

 

 斜面には一面の大群生

 

カタクリ以外にもたくさんの花が咲き始めていた。

ショウジョウバカマ

 

高山でしか見られないオオバキスミレ

 

 まだ咲き残っていたユキワリソウ

 

 ハルトラノオ

 

ヤマエンゴサク

 

キクザキイチゲ

 

 木の花も多い

キブシ

 

 

ボクハンツバキ

 

赤と黄色のミツマタ

 

 

梅と杏の中間種といわれる豊後梅もきれいな花だ。 

 

 クロモジは野山で自生する姿を見ることのできる、気品にあふれた緑色の花だ。

 

うちの周りでももうすぐソメイヨシノが満開を迎える。

仲間の桜を三つ。富士桜

 

 陽光桜

 

 オカメ桜

 

 桜の仲間ではないが(沈丁花科)、めでたい名前を持つ長寿桜(チョウジザクラ)を最後に挙げておこう。

 

 それではこの辺で。


フラワーセンター大船植物園

2016-03-28 20:59:48 | 散歩

  3月下旬、神奈川県立フラワーセンター大船植物園を久しぶりに訪ねた。

この植物園を巡っては以前から廃止や民間委託の動きがあるようで、この日も

入り口では存続のための署名活動が行われていた。尤も子供に人気の遊園地や

動物園とは違って、中高年が多い植物園は来園者がもともと大して多くはない。その上に

入園料が以前より上がったのに360円とまだ安い、更に65歳以上の入園料は100円と

 うれしい悲鳴が上がるほどリーズナブルなのだ。

それなのに毎年2億円以上の赤字を出すといわれるこの植物園に廃止の動きがあっても

当然といえば当然なのだが……。

 

 でも植物園フリークの私としてはどうにか無くならないでほしい、何とか知恵を絞り出して

存続のための工夫を見つけ出してほしいと心より願っているのだが…。

 

 今回は目に留まった花を数点紹介しよう。

先ずは春めき桜。

 

 花弁のピンク色のグラデーションが華やかでまさに春めいている。

 

3月の16日~31日まではオーストリアの花の特別展示があった。

その中で目立ったのはカンガルーポーという花。

 

 ポーはカンガルーの前足のこと。

 

この花の受粉は虫ではなく鳥がするのだという。

 

 マンサクの仲間シャクナゲモドキ。

 

 

 クロヤナギ

 

花穂の先端だけが黒いヤナギ。黒柳徹子を思わせる? それともゴスロリチックな感じ?

 

 これは普通のネコヤナギ

 これもよく見るとちょっと先端が黒いンだと初めて知った。

 

 次はヒスイカズラ。最近植物園では割とよく見かける花だが、ここのはすぐ目の前で見られるのが良い。

 

 手で触れられる(勿論触れてはだめ!)ほどの近距離

 それにしても不思議な色だ。

 

柱にもたれかかったヒスイカズラ

 

名前をメモし忘れた花。

 学名を3回復唱して覚えたつもりだったが、温室を出る前にすっかり忘れてしまった。

 

 インド原産のトーチジンジャー

 

 

 オーストリア原産のハケアセリケア

 

とげとげの葉と白いパーマネントのかかった花が印象的だった。

 

 最近一般のうちの庭でもよく見かけるギンヨウアカシア

 

 お終いは温室の定番。ハイビスカスと 西洋スイレン

 

 

 この辺で。


早春の花ーハナネコノメ

2016-03-24 17:52:27 | 散歩

 この間、「2045年問題」という言葉を初めて知った。すでに知っておられる方もあろうが、

簡単に言うと、2029年にはコンピュータの知性が人間を超え、更に2045年になると

人工知能の性能が全人類の知性の総和を超えるー特異点(シンギュラリティ)がやってくるのだという。

最近グーグルが開発したアルファ碁が囲碁の世界チャンピオンを破ったというニュースがあったが、

 クイズチャンピオンを負かしたIBMのワトソン、自動運転システムの実用化などなど

その手のコンピュータの驚異的な進化のニュースは枚挙にいとまがないほどだ。

2045年といえばわずか30年後。その時世界は一体どうなっているのだろうか。

マイケル・オズボーンの予測 「今後10~20年で自動化される仕事というのにも随分驚かされた。

 はたしてその進歩は人間にとって幸福なものになっていくのだろうか。(閑話休題)

 

 3月中旬、裏高尾の林道を沢沿いに歩いた。

 

 

 テングチョウが盛んに花を求めて飛び回っていた。

 

ヤマルリソウもやっと咲き始めた。

 

見上げるとフサザクラも咲いている。桜といっても花弁はない蕊だけの原始的な木の花だ。 

 

 沢沿いにはユリワサビやコチャルメルソウ

 

 

 ヨゴレネコノメも見つけた

 

 沢沿いを奥に進む。

 

 今回の一番の目当ては何と言ってもハナネコノメ。

 

 ハナネコノメはユキノシタ科ネコノメソウ属の花。花茎は5cmほどで、先端に2,3個の花がまばらに咲く。

 

 ハナネコノメの和名は花猫の目でシロバナネコノメソウの変種らしい。

 

 小沢の苔の生えた大石に着生することが多い。

 

 多年草の花なので、毎年お目当ての岩で群生を見ることができるのが良い。

 

 小さな花だが、谷筋に陽がさすと途端に妖精のように輝き始める。

 

 

 

 

 時には岩の間にびっしりと群生する。

 

 場所によっては大岩全体を覆い尽くす群生を見ることもできる。

 

 

花期は結構長く、3月(年によっては2月下旬)から4月にかけて次から次へと咲き継いでいく。

 

 可憐な姿をもう一枚。

 

 この辺で。

 

 

 

 


城山カタクリの里ーユキワリソウ

2016-03-18 20:37:57 | 散歩

 開園したばかり(4月12日)の城山カタクリの里に行ってきた。普段は入園料500円なのだが、

カタクリの開花が不十分ということで100円にしてくれたのが嬉しい。園の人からは「最近急に寒くなって

開花が進まずすみません」という言葉。こちらこそ安くしてもらってすみません。

開花していたカタクリは全部で10株程度。その分花期の早いユキワリソウ(オオミスミソウ)が一番いい旬の状態で見られた。

 

  まだ日が昇ったばかりということで、ユキワリソウの花弁もやっと開き始めたようだ。

 

 

オオミスミソウ(大三角草)はキンポウゲ科の花。

 

 

咲くのは本州山形県以南の日本海側の山地。

 

 

 

 花の色は白からピンク、赤、青、紫と多岐にわたっている。

 

 

とても一種の花とは思えないほどだ。

 

 花弁(といっても萼片だが)の形も多種多様。しかも園芸種ではなく、野山に自生している状態でもこうなのだ。

 

 

日本に自生するのはミスミソウ、オオミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウの4種のみ。

 

 

 早春、雪のまだ消えやらぬ山地の林の中に一斉に顔を出す。

 

 

 

 

 唯一共通しているのはややずんぐりとした三つ葉の葉っぱぐらい。

 

 

 

 

 

 ユキワリソウの群生地に分け入るり、木漏れ日を浴びた花々の姿に出会うと、一人仙境に迷い込んだ心地に襲われる。

 

小さな群生でも花色は千変万化する

 

ユキワリソウ以外ではミツマタ

 

アケボノアセビ

 

風情のあるコシノコバイモ

 

丹沢や奥多摩の山でもよく見かけるキブシ

 

 バイカオウレン

 

ヒメコブシ

 

キクザキイチゲ

などが咲きだしていた。

 

 お終いはやっと見つけた開花したてのカタクリ。もう一週間もするとこの大群生が見られるのだろう。

 この辺で。

 


冬鳥13

2016-03-15 20:30:03 | 散歩

 3月も中旬になり冬鳥は北へ、そして代わりにツバメやキビタキなどの夏鳥が南からやってくる。

今日は冬鳥の中でも一番よく見かけるジョウビタキの♀。間もなくお別れだ。

 

 

 この日はぼんやり休んでいたら、随分近くまでやってきてくれた。

 

 

 さてはお別れの挨拶かな

 

 別の日、別の場所、ホオジロの番が寄ってくれた。

 

 

メスはただひたすら食べるのに夢中、オスはあたりを警戒しつつ時たま食べる、これは人間と一緒だ!

 

 アオジだ。 何か用でもあるのかよ!

 

 おい、こっちを見るなよ

 

 ふん、とっとと向こうへ行っちまえ!

 

 それ以上近寄るなよ!

 

 俺は忙しいんだよ!

 

  まったくー。

 

 岩から白い棒が

 

 コサギでした

 

 おまけはトラフズク、竹やぶに隠れて2羽いる。

 

もう少し離れたところにも1羽。

 

この辺で。