野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

日光を歩く3

2015-08-31 20:44:32 | ハイキング

 光徳牧場からは一区間だけバスに乗って光徳入口へ。ここから戦場ヶ原へ入った。

 よく整備された木道。今までと違って雨なのに頻繁にハイカーと出会う。

 

 この辺の白い菊はほとんどがシロヨメナ。シカの食害に合わないので大きな群生となっているとのこと。

 

 

 シロヤマギクにはヨメナに対してムコナの名前がある。背丈の大きい堂々とした花だ。

 

 雨は止むことなく降り続けている。

 

 小田代橋を右折したところで、湯の滝への道に間違えて入ってしまった。

 

テンニンソウ

 

ノリウツギ

 

 1kmばかり歩いたところで気が付いて引き返し、再び小田代橋を渡る。

 

 すぐに見えてきたのが泉門池(いずみやどいけと読む)。

 

 数羽のカモが休んでいる。

 

ベンチが幾つかおいてあり、休憩には格好の場所となっている。

 

 シカを通せんぼするための回転ドア

 

 カリガネソウの群落

 

シソ科(以前はクマツヅラ科とされていたようだ)の花だ。この面白い形はハナバチなどが受粉をしやすいためのもの。

ハナバチなどが両側の花弁に足をかけると、上の湾曲した蕊が下を向き、ハチの背中に花粉をつけるという仕組み。

 

 草原の離れたところにはコオニユリらしき花も見える。

 

 ヨツバヒヨドリも多いが、この雨ではチョウは見られない。

 

シロヨメナ

 

キツリフネも咲いている。

 

 

 小田代が原の「貴婦人」と呼ばれるシラカバの木

 

 ホザキシモツケ

 

花期(6~8月)が長いのだろうか、枯れたものとまだつぼみのものとが混在している。

 

 

 ワレモコウとタムラソウ

 

ミズギクの群生。ミズギクは山地の湿原に生える多年草

 

 ハクサンフウロ

 

新しくなった木道

 

 雨が一向に止まない。足も疲れてきたのでハイキングはここまで、近道をして赤沼バス停まで歩いた。

この日は雨の中、傘を差しながらの20kmに及ぶ行程だった。疲れた体を背もたれにかけ、バスの揺れが何とも心地よかった。


日光を歩く2

2015-08-29 17:27:57 | ハイキング

 中禅寺湖畔の民宿に泊まった次の日は生憎の雨。

登る予定だった男体山にもガスがかかっている。

 

 膝の調子が悪いのと合羽を持ってき来てなかったので、泣く泣く男体山登山は断念。

まだ行ったことのない刈込湖方面を歩くことにした。

バスに乗って湯の湖へ。温泉寺の境内に入る。

 

沼地の中に源泉がある。

 

カルガモのファミリーが驚いて離れていった。

 

硫黄臭が立ち込めていていかにも源泉地といった雰囲気。

 

木道に沿って歩いた先が湯元→刈込湖・切込湖→光徳牧場へ至る

ハイキングコース(7.7km)の入り口となっている。

 

すぐに急なのぼりが始まる。途中金精道路をまたいでからは登り道は緩やかになる。

 左手に蓼ノ湖が見えるはずだが見つけることはできなかった。

 

 30分を越えたあたりで小峠に着いた。ガスってきた。小峠の標高は1672mとある。

 

 シロヨメナ、アキノキリンソウなどきく科の花が多い

 

 時折鳥の声が聞こえるだけの静かな山道。原生林に囲まれた道をひたすら歩く。

 

 前方に木段が現れた。どうやら刈込湖に下る階段のようだ。

 

 標高1600m近い湖はガスで覆われていた。雨模様の天気のせいか人気は全くない。

 

 

 ひっそりとした湖。獣はおろか。野鳥や魚の姿も見えない。アキアカネが数匹飛んでいるだけ。

 

刈込湖(左手)から10分ほどで切込湖(右手)へ。ここが二つの湖をつないでいる細い水路。

 

 水は切込湖の方へと流れているようだ。

 

切込湖の方は小さく、大きさが刈込湖の半分にも満たない。

 

 この辺りで半分の道のりを歩いたことになる。ずっと雨が降っているので傘を持つ手が疲れてきた。

湖畔で一休みを入れてから再び歩き出した。

 

 緩やかな下り坂が続いて、涸沼(かれぬま)が見えてきた。

 

 あたりは笹藪が多い

 

 涸沼

 

日当たりのよい高原なので高山植物が多く咲いている。左上からウメバチソウ、オトギリソウ

タチコゴメグサ、オヤマリンドウ。

 

 

マルバタケブキ

 

 

ここからは急な登りが続き、木段を登り切った先が車道の山王峠。

さらに山道と木段を少し登った先に山王見晴しと本来の山王峠があった。

峠からは秋アキアカネの大群をよけながら急な坂道を下っていく。

 アキノキリンソウやヨツバヒヨドリも雨に濡れている。

 

 下りきると緩やかで広い道幅の湯元光徳線歩道を歩いていく。

 

峠から小一時間で光徳牧場に着いた。湯元からは3時間半の雨の中のハイキングだった。

(尚ハイキングコースの詳細については以下のページで参照してください。)

途中出会った人は零人という、自然にどっぷりと浸かった密やかな時間を楽しむことができた。

この辺で。

 


日光を歩く

2015-08-27 18:23:25 | 植物園

 お盆が終わり少しまとまった休みが取れたので、2泊3日の予定で日光に出かけてきた。

今回は車を使わず、使いでのよい東武線の日光フリーパスを足とした。朝9時に家を出て昼ごろには日光東武駅に着いた。

初日は大好きな高校野球を聞きながら(この日は決勝戦だった)雨の中の日光植物園を訪ねた。

 赤い屋根の建物は実験室。

 

 ヨツバヒヨドリを見るとついアサギマダラを探してしまう。この雨では出会えそうもないが……。

 

 アジサイやハナショウブのようにレンゲショウマにも雨はよく似合う。

 

 こちらは雨はあまり似合わないマツムシソウ

 

コバギボウシ

 

オオマルバノホロシはヤマホロシやヒヨドリジョウゴと同じナス科の花。

 この花を撮っていた時、6回裏仙台育英が6対6に追いついた。大変な盛り上がりようだ。

 

 これだけは金網に囲われて群生していたキレンゲショウマ(ユキノシタ科)。

紀伊半島、四国、九州の限られた深山に咲く1属1種の花。

レンゲショウマ(キンポウゲ科)とは一字違いなのだが、花色も姿かたちもまるっきり違う。

 

 ワレモコウの穂先で争うアキアカネ

 

 ミソハギ

 

 珍しい白色のアザミ、どうやらノアザミの変種のようだ。

 

ホツツジ

 

 ナデシコ科のフシグロセンノウもたくさん見かけた

 

 雨の中ひときわ色鮮やかに咲いていたオタカラコウ

 

池の中で群生していたサワギキョウ

 9回表粘っていた仙台育英が東海大相模に10対6と離され、そのまま敗戦となってしまった。アぁ残念。

 

 花火のような形をしたシシウドは高原に咲くセリ科の花。

 

 暗紫色の細かい花を咲かせているのはノダケ。奥多摩の山でもよく見かける。

 図鑑によると実はカレーのような香りがあるのだという。

 

 以前は珍しいと思っていたが、どういうわけか最近このコバノカモメヅルにはよく出会う。

 

 ツルボは山野だけではなく、街中でも公園の芝生などで群生している。

 

 雨が降っているせいかアカガエルは至る所にいて、何度も危うく踏みそうになった。

 

ちょっと細長い陸貝、図鑑を調べるとオカモノアラガイに似ているようだ。

 

 折れた枝の先端でじっと雨を耐えているコガネムシ

 

 虫たちには可愛そうだが、雨は一向に止まずだんだんと激しさを増していった。

 甲子園の決勝でまたも敗れた東北勢への涙雨でもあったのだろうか。

 この辺で。


陣馬山に登る

2015-08-23 17:42:51 | トレッキング

 予報と違って天気が思わしくない。休日なのだが、予定を変えて陣馬山に登ることにした。

 

 こんな天気でも結構人が多い。

 

小さな山だが、頂上付近は広く、高原のようになっていて意外と花や虫が多い。

ムコナの異名も持つシラヤマギク

 

 

 まだ咲いていたタマガワアジサイ

 

 これも花期が長いウツボグサ

 

コオニユリも見つけた。いかにも夏の高原の花といった感じで艶やかに咲いていた。

 

セセリチョウが吸蜜にやってきた

 

ツリガネニンジンもあちらこちらで咲いている。ツリガネニンジンはキキョウ科の花。

日本全土に分布し、花が背が高く1mに達するものもある。

 

 白い株

 

 

 丈高い草に隠れて咲いているのはオトギリソウ。

 

 シシウドはセリ科の花。8月から咲きはじめ、10月を過ぎて秋になっても咲いている。

草丈は1mから2mにも達する大型の花で、高原の沢山の虫を集める。。

名の由来はウドに似ているが食用にはできないことからとか。

 

三つ仲良く並んだホタルブクロ

 

 イヌゴマ

 

オトコエシ

 

この山には何度も来ているがいつも何かしらの発見がある。今回はコバノカモメヅル、

ガガイモ科の多年草の蔓性の花で7月から9月にかけて山麓に生える。

花は暗紫色で1cmに満たない小さな花だ。花の色も地味なので今までは見過ごしていたのだろう。

 

 

もう一つ見つけたのはバアソブ。ちょっと花が撚れているが見つけた時は嬉しかった。

バアソブはツルニンジンの仲間。8月に日本全国の山野で見られるがやはり見つけにくい。

似た花のツルニンジンはこれより一回り大きくジイソブといわれる。

 

晴れていれば頂上からは大きな富士山が望めるのだが、今日はあきらめるとしよう。

 

この辺で。


都民の森を歩く

2015-08-20 09:07:24 | トレッキング

 涼を求めて檜原都民の森に出かけてきた。

 

 ここは駐車場で標高が1000mを超える。日陰に入るとひんやりとした風が通り抜ける。

 

 植栽されたレンゲショウマ

 

三頭の滝までは30分足らず。散策路には木製チップが敷かれ歩きやすい。道の脇にはソバナが咲いていた。

 

白い株もある。

 

フジカンゾウ

 

仲良く寄り添っているキノコ

 

標高がある程度高いのでヤマユリやタマアジサイも咲き残っている。

 

 

三頭の大滝

 

ここから三頭山までは1時間半ぐらいの登り。しばらくは沢沿いを登っていく。タマガワホトトギスがちょうど旬を迎えていた。

 

 

草薮の中にトチバニンジンの赤い実を見つけた。

 

小沢に別れを告げたころタマガワホトトギスに代わって、ヤマホトトギスやヤマジノホトトギスが

見られるようになった。識別ポイントは花被片が垂れるかどうかと

花の付き方が散房花序かどうかのちがい。

 

 

湿ったところに来るとツリフネソウも咲いている。

 

 林床にはひっそりとした佇まいでオクモミジバハグマが咲いていた

 

 登り切って稜線に達したところで避難小屋が見えてきた。ここで持参した弁当を使った。

この辺りでは自生のレンゲショウマが見られる。探してみたが2,3株しか見当たらない。

時期が早かったのか、人に踏まれたせいなのか株数が年々少なっているようだ。

 

少し登った中央峰(1500m位)のあたりではホツツジが見られた。

 

 

帰りは野鳥の森コースを下った。嬉しいことにママコナの群生に出会えた。

 

 

セキヤノアキチョウジ

 

大きなキノコの残骸。手前のコアジサイの葉と比べてほしい。

 

朽ちて尚、存在感をみせている倒木。

 

この辺で。