野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

昭和記念公園の花風景

2017-04-30 06:26:55 | 散歩

 久しぶりに立川にある昭和記念公園を訪ねた。ここは四季折々に

雄大な花風景を楽しめる公園として今までよく利用していた公園だ。

 が、自衛隊の基地が隣接しているので終始ヘリコプターや飛行機の

離着陸、上空旋回等の騒音が煩わしく、最近は訪ねる回数もめっきりと

減ってしまった。 駐車料金一日も840円と高いのだが、今回は西立川口に

500円の安いところを見つけることができちょっとだけうれしかった。

 

 訪ねたのは4月も終わり近く連休前の平日で、今回の目的は菜の花とチューリップだ。

 広々としたみんなの広場の一角には菜の花がさいていた。

 

 菜の花はもう終わりかかっているのだが、遠景で撮っている限りはまだ十分見られる。

 

 

 みんなの広場に隣接するチューリップガーデン

 

 

 

 チューリップも実は見ごろを過ぎていたようだ。花壇の色のない処は見ごろが過ぎて枯れた株を

切り取った跡だ。

 

 この日はやや天気が悪かったので比較的人出も少なくゆっくりと回れた。

 

 

 小規模だが、ネモフィラの花畑もある。

 

  ところによっては混じってリナリアやポピーの花が見られる。

 

 みんなの広場から子供の広場にかけての一帯は花見で賑わうところ。桜が終わると同時に

根元に咲いていたショカツサイも見ごろを過ぎてしまったようだ。

 

 水鳥の池のほとりに咲くツツジ

 

ハーブ園に咲いていたルリジサ

 

 花木園にはイロハモミジとシロヤシオの花

 

 

 

 チョウジガマズミは初めて見た。チョウジの名にふさわしくとてもいい香りがしていた。

 

 これは日本庭園にあったのだが、何カエデの花だろうか

 

 玉川上水口に近いところにある「こもれびの丘」には野に咲く花々が植えられている。

咲きだしたばかりのキンラン

 

ホウチャクソウ

 

 イカリソウ

 

 ウツギの花も咲きだしたばかり

 

 そして今回はじめて見つけたのがイチョウの雄花

 

 隣に立つ雌株の木の枝を探したのだが、雌花は残念ながら探せなかった

お終いはハナイカダの花、こちらも雄花と雌花がある。

 

 

 花に気を取られているうちは忘れていたヘリコプターの騒音が、帰路はやけに大きく

響くようになってきた。

 

 今日はこの辺で。

 


ヤマザクラ咲く奥武蔵を歩く

2017-04-26 18:51:23 | ハイキング

 

 公園が好きで、ちょっとした空き時間でもよく利用する。たくさんの人が様々な用途で

利用するのが公園と分かってはいるが、静けさを求めていく私にはどうも「公園の音」が

煩わしくてならない。楽器の練習、ラジオの音、詩吟をがなるおじいさん、この前は

10数人の中高年の団体が懐メロを合唱していた。逃げても逃げても押しつけがましい

センチメンタルなメロディーが耳に纏わりついてきて離れなかった。

 実際のところ公園で禁止事項としてあるのは「集団での音楽演奏又は大音響・高音を発する

楽器の練習をすること。」位で、個人の練習まではどうやら禁止されてはいないらしい。

 

 今のところ都市部の公園で静けさを求めるには、即座に場所を移動するつまり逃げるか

耳栓などをつかった個人的防御しかないようだ。

 

奥武蔵のダム湖の傍にバイクを止めて付近の山を歩いてきた。里では枯れてしまったが

山の上ではちょうど桜が見ごろを迎えていた。

 

山桜と萌えたばかりの淡い新緑が良くあっている。

 

 

 山道を標高にして300mほど更に登って行った。この辺りは思ったより桜の木が多いことに気付く。

 

 

 

 ミツバツツジも同時に咲いている

 

 

 ヤマザクラというのは山に咲く桜という意味ではなく、桜の一つの品種名なのだと知ったのはつい最近だ。

野生種の桜の一つで、花と赤茶色の葉が同時に開花するのがヤマザクラ。

 

 随分高度を上げてきて、植相も変ってきた。この辺ではキイチゴが咲きだしたばかりだ。 

 

 これはヤマネコヤナギの花。ニホンザルが花を食べることからサルヤナギの名もあるとか。

 

 雪が解けたばかりの山の斜面にはハシリドコロが花を咲かせていた。これは猛毒。

 

 コバイケイソウも大きな葉になっていた。

 

枯れ枝の中から顔をのぞかせていたヒナスミレ。花弁の皺がまだ取れていない、

文字通りの雛のスミレだ。

 

 ちょっと湿り気のあるところにはネコノメソウが群生していた。

 

 思いがけなくも嬉しい、よく見るとコガネネコノメソウのようだ。

 

 すぐ近くにはたヒメレンゲ。この花も最盛期には輝くような花を咲かすのだが……。

 

 スーッと飛んできて地面に止まったのは、ミヤマセセリの♀

 

 やっと本日の目的地まで登ってきたが、お目当てのアカヤシオには残念ながら間に合わなかった。

あまり花が残っていず、また残っている花もやや退色気味だ。

 

 

 もう一週間ほど早く来るのだった。ここ10年ほどで5,6回訪れているのだが、ちょうど見ごろの時期に

来れたのはたった一回きりしかない。

 しかも残念だったのはアカヤシオだけではない。その下に咲くイワウチワも終わりかけていた。

 それでもせっかく来たのだからと崖にしがみつきながら、株を踏まないようにと気を遣いながら

なんとか見られる花を数枚撮った。

 

 

 

 最近では奥多摩や奥武蔵の低山(千メートル位)で、アカヤシオやイワウチワの咲くところはずいぶん

少なくなってしまった。せめてここはいつまでも残されてほしいのだが……。

 

 白花もある。

 

 

 遠くを眺めると、山は幾重にも重なり薄青い靄の中へと消えていた。

風が火照った体を冷やしてくれて心地よかった。暫く風に身をさらして時を過ごした。

 この辺で。


タカオスミレに会おう

2017-04-22 14:58:53 | ハイキング

  

  景信山山頂から都心を望む

 

 陣馬山から景信山をへて城山、高尾山を巡るコースは登山者がとても多いコースで

平日でも老若男女問わずたくさんの人が押し寄せて混みあう。

 できるだけ人の少ないコースを今歩こうと、年間300万人を超すという高尾山は避け

小下沢から景信山に登って折り返し、城山を巻いて日影沢へと下るコースを選んだ。

 

 まずは出会えたスミレから、なおスミレの同定は難しいので間違いは許してもらおう。 

  ヒナスミレは「スミレのプリンセス」ともいわれ、かなり早い時期に山地に咲く。

 

  落葉樹林の沢沿いの斜面や林縁の崖の枯葉に埋もれて見つかることが多い。タチツボスミレや

スミレサイシンなどと違って、数は少ないので出会えるととても嬉しくなる。

 

 白花種もある。

 

 次はエイザンスミレ。複葉(葉が裂けている)のスミレはこのスミレとヒゴスミレしかないので

見分けるのは比較的たやすい。

 

 直径2cmを超える大型のスミレで色合いは白からピンク色の濃い株まで幅広い。

 

 

 

 ピンク色の強いもの

 

 3番目はマルバスミレ。このスミレは丸みのある葉と純白の花に特徴がある。

 分布は本州から屋久島までだが、西日本には少ない

 

 何と言っても一番多く見られるのは、タチツボスミレ。花期も長い。

 

 それでもこのタチツボスミレは特に変異が多く、私にとっては見分けるのが難しい。

 

 

 長い葉が特徴のナガバノスミレサイシン

 

 だんだんと自信がなくなってくるが、これはコスミレだろうか

 

ミヤマスミレに似ている。

 

 今回お目当てのスミレ、タカオスミレは葉の表面がこげ茶色から黒紫色になっている

ので誰でもすぐに見分けがつく、わかりやすいスミレだ。

 

 このタカオスミレはヒカゲスミレの一変種だといわれる。

私にはもちろん区別ができない。

 

 

 

 

 このハイキングで出会えた他の花たち

クサイチゴ

 

 キランソウ

 

コミヤカタバミ

 

ミヤマキケマン

 

ヤマエンゴサク

 

 花びらが8枚に分かれていたニリンソウ

 

センボンヤリ

 

 トウゴクサバノオ

 

白花のヤマルリソウ

 

 半日のハイキングにしては思ったよりたくさんの花に出会えた楽しい一日だった。


春の妖精

2017-04-18 20:46:58 | 散歩

 春の妖精(スプリングエフェメラル)というと、カタクリなどの早春の僅かな時期に

咲く花の仲間をいうのが普通だ。

が、同じ時期に成虫となるチョウ類の一部、ギフチョウやウスバアゲハなどに

その言葉が使われることもないわけではない。

今回訪ねるギフチョウはもともとは里山では普通に見られた蝶なのだが、

関東では食草のカンアオイなどが少なくなったことにより

、見られる地域はごく限られた一部だけになった。

  

 今から10日ほど前の4月上旬、通いなれた山を訪ねた。

 ヒトリシズカが山道に咲きだしている

 

 名前はヒトリシズカなのだが、群生で咲いていることが多い。

群衆の中でこそ個を知るということなのか

 

 

 キランソウは別名「地獄の釜の蓋」、 薬効もあり「弘法草」の名もある。

 

 ヤブレガサは見た目の通りの名前だ。

 

 この濃い色のスミレは何というのだろうか

 

 この時期良く見られるマムシグサのなかま

 

 木の花も咲きだしている、アブラチャン

 

 キブシの花もよく見かける。

 

 

 咲き出した花にチョウが集まっている。これはテングチョウ

 

 名の由来は成虫の頭部が天狗の鼻のように突き出ていることから

 

 

こちらはミヤマセセリ

 

 

モミジイチゴの花にぶら下がっている。

 

 

 なかなかお目当てのギフチョウには出会えなかったが、やっと食草カンアオイの傍で

見ることができた。

 

 暫くこの近くで休んでいたのだが、飛び立つまで気が付かなかった。

 

黄色と黒のタイガーマークがギフチョウの特徴だ。

 

もっと近くで見ようと欲張ったら

 

 案の定飛ばれてしまった。この日はこの一頭だけ。

時期が早かったのかちょっとさびしいが、出会えただけでもよしとしよう。

 

 とりあえず今日はここまで。

 

 


野川沿いの枝垂桜と

2017-04-14 18:44:04 | 散歩

 

 散る桜   残る桜も  散る桜  (読み人に定説なし) とはいうものの

満開の桜は、さして良いことのなかった私の昨今を少しは晴れやかなものに

 してくれるようだ。

 

 5日前雨の中を訪ねた野川公園に再び立ち寄った。

ソメイヨシノが散り始める頃、野川沿いでは少し遅れた枝垂桜が見ごろを迎える。

 

 川の両側には散策路が設けられていて、枝垂桜を見上げながらのんびりと歩くことができる。

 両岸には瀟洒な家が立ち並び、彩りを添えている。

 

 

 

 

 

 

 前回とは打って変わって、この日は穏やかな桜日和。

  

 枝垂桜の開花を待ちかねたように、散歩する人も普段に増して多い。

 

 

 

 まだまだ蕾も多いので、見頃はもう少し先だろうか。

 満開の野川の枝垂桜の様子はこちらで。

 

  

 この辺の野川は夏場はすぐに水無川となるのだが、今日(14日)は前日の雨のせいか

ささやかな流れとなっていた。川のすぐそばは葭原となっていて、

時折小鳥がもぐりこんで行く。

 

 野川沿いに咲くのは枝垂桜だけではない

 

 少し下って武蔵野公園の方までやってきた。

 

 

 鉄橋をくぐっている時、ちょうど西武多摩川線の電車が通った。

 

 木々の新緑も色と種類を増やし始め、野川沿いはいっきに春本番を迎えつつある。

 

 野川観察園に再び寄った。前回は蕾が開いてなかったフデリンドウが

 まるで祝福を受けているかのように春の日差しを浴びている。

 

これは色味の綺麗なヒイラギソウだ。

 

 艶やかな装いのレンゲソウ

 

そしてジュウニヒトエも立派な群生となった。

 

 実はこの日のひそかな期待はもう一つ。前回は全く蕾のはじけてなかった

カテンソウが花を見ることだ。

これがカテンソウでイラクサ科の多年草。花はとても小さい。前回紹介したヒメウズよりも

更に小さい。

 

 この花は蕾がはじけて花粉を飛ばした後、開いた雄蕊が星形になる。

 

 星形は直径6mmの円に収まるほど小さい。

 

 春の歩みは一段と速さを増してきているようだ。

 この辺で。