野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

北本自然観察公園

2019-02-06 07:24:24 | 探鳥

 節季も巡り巡って、2月4日は立春。とはいうものの寒さは

相変わらず。同じように相も変わらず、私は鳥見の日々を送って

いるのだが、今年はどこへ行っても鳥の入りが少なく、鳥影が薄い。

近所の公園で見かけるのはシジュウカラとヒヨドリ、ムクドリたち

お馴染みの面々。ならばと今回は早起きをして埼玉県北本市にある

北本自然観察公園まで足を延ばしてきた。

 先々月以来の北本はどうだろう、少しは冬鳥たちも増えてほしいものだが……。

なお前回の記事はここに。

 入り口で迎えてくれたジョウビタキ♀

 

 早朝、寒々とした風景が広がる。前回工事中だった八つ橋も出来上がっていた。

 

 今年は極端に少ないツグミもぽつぽつとではあるが見られるようになってきた。

 

 地上ではアオジが夢中になって餌探しをしている

 

 人から餌をもらったのか一羽だけ、随分と人なれした個体もいた。望遠レンズが

使えなくなる2mまでも寄らせてくれた。

 

 茂みの中では久しぶりにシロハラの番に会えた。

 

 もう一羽は水浴びをしている。

 

 シロハラにしては警戒心が薄く、結構近寄らせてもらった。金色の

アイリングが何とも言えず愛らしい。

シロハラは雄雌の見分けが難しいという。♀には頬や喉に白斑が見られ

頭部は淡褐色とされる、としたらこれはは♀なのだろうか?

 

 枝先にはカシラダカ

 

 頭上を大きな図体のアオサギが飛んで行った。

 

 一部結氷した高尾の池ではセグロセキレイが滑りながらよちよちと歩いている。

 

 ベニマシコやルリビタキ、アリスイ、マヒワの目撃情報がセンターの

白板に寄せられていたので、期待して回ったのだが、ことごとく空振り。

今年は冬鳥が少ないと嘆いているが、単に私が不運なだけなんじゃ

ないかとほとほと嘆きたくなった。 

 それでもジョウビタキのかわいい♂♀に会えたのでまぁ良しとしようか。

 

 後ろ姿、よく見ると羽の模様が眼状紋のようだと発見。

 

 日当たりのよい枝先でまったり

 

エサを求めて地面に下りたのだが、空振りだったようだ。

途方に暮れた表情がいい。

 

 標柱番号を記した杭の上にとまった。

 

 こちらは少し離れたところにいた♀。

 

 小首を傾げたしぐさが可愛い。

 

 柵の杭の上に止まった。ジョウビタキのメスはアイリングが白色。

 一瞬風が吹きすぎ、胸の毛が風にそばだった。

 

 その後素早く地上に降りて、こちらはうまくエサを手に入れた。

 いや嘴に入れたようだ。

 

 再び枝先に戻って日向ぼっこ。

 

 今日はこの辺で。


冬鳥たち③

2019-01-16 06:17:48 | 探鳥

 節季はまもなく小寒から大寒へと(今年は1月20日から)変わる。寒さは変わらず

厳しいのだが、天気は来る日も来る日も晴れが続いている。

先だって久しぶりに雪が降ったのだが、降水量は1mmにもならなかったらしい。

 私は休みの日ごとに鳥見に走り回っているのだが、収穫の少ない日が

ほとんどだ。そんな中、今回は思い切って遠出をして神奈川県の丹沢山麓の

辺りをうろついてきた。 何度か訪ねているこの地だが、やはり今年は全く雪が

見られないようだ。休日にもかかわらず、駐車場には車はまったく見られない。

 

 ツルウメモドキの実にツグミが来ていた。

 

 ホオジロの♂と♀を薄のなかに見つけた。

 

 

 少し遠かったが、ルリビタキもいた。

 

 近くの藪でガサガサと大きな音がしたと思ったら、ニホンザルが現れた。

 

 6,7頭ぐらいの小さな群れだ。中に一頭、風格から言ってこれがボスかもしれない。

 落ち着いていてなかなかの面構えをしている。

 

 久しぶりのニホンザルの出現で夢中でシャッターを押していたのだが、地元の人に

シャッター音に反応して向かってくることもあるから、やめたほうがいいと諭された。

 このボスざるは空を見上げて悠然としている。いったい何を思っているのだろう。

 

 この辺りはいくつかの沢が流れ込んでダム湖を作っている場所だ。

冬枯れの風景を映した水面がやけに神秘的で思わず見入ってしまう。

 

 例年冬鳥が多くみられるところなのだが、それにしてもやはり今年は少ないようだ。

藪の中からはそこそこ地鳴きが聞こえてくるのだが、姿を見ることはなかなかない。

小半時歩いてやっとルリビタキ♂が近くに寄ってくれた。

 

 お腹から背にかけて、白黄青の羽色が美しい個体だ。

 

 暫くポーズをとってくれたのは嬉しい。

 

  もう少し先で微かなガサガサ音がした。これは嬉しい、久しぶりのクロジのようだ。

 

 

 もともと表に出てくるのが少ない鳥で、更に体色が地味なので見つけるのは難しい。

 じっとカメラを向けていたら、気づかれたようだ。

 

 すぐそばにいたアオジ

 

 一番奥の橋のところには数人のカメラマンが陣取っていた。聞くと、一日一回程度は

クマタカが出るらしい。しばらく一緒に待っていたのだが、飛んでいたのはトンビだけだった。

 私には一日鳥を待つ根気強さはとてもない。

 引き返す途中、やっとベニマシコが出てくれた。

 

 ずいぶんと赤味のきれいなオスの個体だった。

 

 

 

 すぐそばにいたこちらは♀

 

 今日はこの辺で。

 


冬鳥たち②

2019-01-09 17:22:56 | 探鳥

 以前花のない冬の時期は、イルミネーションを撮りに都心に

出かけたこともあった。が最近はもっぱら人込みを避け公園や

低山に出かけ鳥撮りの日々を送っている。

今年は鳥が少ないと去年から嘆いていたが、まぁ年を越せば少しは

増えてくるだろうと思っていた。が、どいうわけか一向に増えない。

フィールドで会う、鳥好きの人たちに聞いても一様に同じことを嘆く。

 一体どうしたことだろう。原発事故の影響が8年目にして

冬鳥たちに、出始めたとでもいうのだろうか。

 

 荒川の畔。首の長い鳥はカンムリカイツブリ。

 

 

 ずいぶんと近いところに浮上してくれた。

 

 カイツブリ類は日本で5種みられるが、この辺ではカイツブリ、ハジロカイツブリ、そして

カンムリカイツブリの3種が普通に見られる。

 なおカイツブリ類は雌雄同色なので区別できない。

 

 この個体はすっかり冬羽にかわっている。

 

 荒川本流の中にミコアイサを見つけたが、如何せん遠い。

 

 川の近くの池で見かけたこの嘴の異様に長いカモ、

逆光で種類がわからない。

 

 ところ変わって多摩川の上流の河原。メジロがいた。

 

 ゆっくりと撮らしてはくれないのはいつものことだ。

 

 あっという間に飛ばれてしまった。

 

 と思ったらコゲラが現れた。

 

 こいつも忙しい。小さい枝先を上に下に回転しながら虫を探していた。

 

 

 枝先に泊まり尾羽を揺らすジョウビタキ♂。

 

 すぐ近くにはカシラダカもいた。

 

 下を見たら、草むらの中にもいた。

 

 天気が良かったこの日、 ウグイスカグラがもう咲き始めていた。

 

 これは何の実だろうか

 

日差しにきらめくススキの穂

 

 

 この辺で。

 

 

 

 


年の瀬に北本自然観察公園を訪ねる

2018-12-23 06:34:17 | 探鳥

 年の瀬も押し詰まって、待望の探鳥のシーズンがやってきた。

一般に鳥は渡り鳥と留鳥の二つに分けられる。日本でみられる525種の

36%が留鳥であとは渡り鳥となる。さらに渡り鳥は夏鳥と冬鳥、迷鳥

旅鳥に細分され、そのうち冬鳥は22%になるという。

 夏鳥は南の国から日本にやってきて、繁殖する渡り鳥なので綺麗な囀りを

聴くことができる。 それに対して,冬鳥は繁殖地の北の国から日本に

子連れでやってくる。当然繁殖行動はしないので普通には囀りを聴くことは

できない。 が、その分色彩の豊かさでは夏鳥に勝っているように私的には思える。

特に信号色3兄弟と私が勝手に呼んでいるルリビタキ、ベニマシコ、マヒワは

探鳥地で出会うととてもうれしい鳥たちだ。

 

 さて今シーズン初めての北本はどうだろう。なおhpはここにある。

 

 ふれあい橋を渡った先に看板がある。詳しいマップはPDFファイルとしてここに。

 

 12月の下旬、公園はすっかりセピア色の世界になっている。

 

 私の訪ねたのは午前8時を少し回ったばかり、高尾の池は氷が張っていて

見慣れたカモたちの姿は見られない。葦の陰に隠れるようにじっと佇んでいるアオサギ。

 

 真っ赤なカラスウリの実が眩しい。

 

 早速迎えてくれたのはジョウビタキの♀だ。警戒しているようだ

 

 少し近づいたらそっぽを向かれた。

 

 飛ばしてしまった。ごめん!

 

 葦原に隠れていたジョウビタキの♂

 

 メダカのT字路付近はこの時分には葦が刈られてすっきりしている。

 カシラダカ、アオジ、ホオジロが今年は少ないようだ。

 

 ムラサキシキブの実

 

 園内をいつものように右回りに回る。高いところに巨大なスズメバチの巣を見つけた。

 

 子供公園の方まで足を伸ばした。藪の中を動き回っているのはアトリのようだ。

 

 警戒すると一斉に茂みから近くの枝に飛び上がる。

 

 ホオジロを見つけた。

 

 この季節でも囀っている。

 

 撮っていたら気配を察したのかこちらをジロリ

 

 かなり高い上空にパラグライダーが浮かんでいた。この寒空の中ご苦労さん。

 

 葦原の中からはたくさんの鳥たちの地鳴きが聞こえてくる。

 

  お馴染みのスズメ、シジュウカラ、カシラダカ

 

 

 

 セグロセキレイもいる

 

 梢にはこれもお馴染みのシメ

 

 茂みの中をせわしくエナガが動き回っている。なかなかじっとしてくれず

やっと撮れたのがこの一枚。

 

 まだ色を残していた紅葉

 

 今回信号色の冬鳥には会えなかったものの、珍しいものを三つ見ることができた。

一つ目はオオハナワラビ。よく見かけるフユノハナワラビとはよく似ているが

葉先がとがっている、葉の色がやや濃いなどの違いがあるそうだ。

 

 二つ目はジョロウグモの卵塊

 卵塊はコゲラの餌にされてしまい、生き残るのは少ない。

 

 三つめははじめてお目にかかった冬虫夏草。

 生きている蛾に菌が寄生してゆっくりと成長しているのだそうだ。

 

 この辺で。

 


久しぶりの瓢湖

2018-12-19 20:37:39 | 探鳥

 今回の東北大人の休日パス旅行の締めは新潟。

福島潟か佐潟に行く予定だったのだが、あいにく風邪気味で

アクセスの便利な瓢湖に変更した。

瓢湖へは新潟から信越本線で新津経由で羽越本線に乗り換えて

水原駅で降りる。乗り換えがよければ30分ほどで行け駅からも比較的近い。。

 瓢湖では1954年に野生の白鳥を日本で初めて餌付けに成功した

吉川重三郎(通称初代白鳥おじさん)が有名。私は平成6年まで2代目

白鳥おじさんを務めた吉川繁男さんに優しくお茶を振舞って頂いた

ことがあった。現在は三代目の白鳥おじさんが餌付けを行っているそうだ。

 

  3年ぶりの瓢湖はあいにくの曇り空だった。

 

 昔に比べ観光客も随分と少なくなった。

 

 瓢湖は新潟県阿賀野市水原にある人造湖。ハクチョウの渡来地と知られ

ラムサール条約にも登録されている。毎年10月から3月にかけて6000羽ほどの

ハクチョウが飛来し越冬する。着いたのは午後11時を回ったばかりの頃、

一日二回の給餌の時刻には何とか間に合ったようだが、

 この時刻は殆どがカモ類、ハクチョウたちの大半は近場の田んぼに

採餌に出かけていて不在だ。

 

 白鳥を見るには夜明けの時刻か塒入りする夕方が望ましい。

 

 

 たくさんのカモたちが密集していて、餌をまくとさらに密集度を増して群がり集まる

 

 カモに交じって白鳥も数羽だけ見られる。

 

 カモの種類はオナガガモが多いようだ。

 

オナガガモ以外はキンクロハジロが2番目に多い。

 

 そしてホシハジロ

 

 ハシビロガモの少数見られる。

 

 初代白鳥おじさん吉川重三郎さんの碑。

 

 瓢湖水禽公園の観察舎。

 

 

 給餌が一段落したので裏手の方へ回ってみる。この辺はアヤメ畑。

 

 奥にはもう一棟観察舎があり、その前にハス畑が広がっている。

 

 枯れたハスの株の間には、人馴れしないマガモがたくさんいる。

 

 

 向こう岸にいた猛禽類に驚いたのか、一斉にカモたちが飛び立った。

 

 梢にはハシボソガラス、

 

 ゆったりと旋回しているのはトビのようだ。

 

 給餌場から離れたこの辺りは閑散としている。

 

マガモの番の後ろを泳いでいるのは、ミコアイサのようだ。♀なのか

♂のエクリプスなのかは判然としない。

 

 

給餌場に戻ってみると先ほどまでの混雑ぶりとは一転、 

カモたちは静かに午睡の時に浸っていた。

 

 

 この辺で。