野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

八ヶ岳ー高原の朝

2015-07-28 18:40:34 | 植物園

 硫黄岳を登ったその日は八ヶ岳原村のペンションに泊まった。平日なので客は一人、貸切状態ですよと主人が苦笑していた。1300mの高原は木立に覆われ、昼も涼しくエアコンはおろか扇風機すら要らないほどだった。

翌朝7時の朝食前に近くの自然文化園を散策した。

 花弁の根元が黄色いのでこれはノハラショウブ。

 

コオニユリ

 

 市街地の庭先で見かけるオニユリと花の姿は似ているが、花の数が少なく、茎に零余子(むかご)をつけないので見分けられる。

 

 左右の黄色い蕾はクサレダマ

 

 少し歩くと咲いているクサレダマがあった。この名は「腐れ」から来た名ではなく、マメ科の低木レダマに似た花で草本という意味。つまりクサ レダマという分け方が正しい。

私はこの花をヤナギランとともに、夏の高原を代表する艶やかな美人花とひそかに思っている。

 

  クサフジ

 

カラマツソウ

 

シモツケソウ

 

 咲き掛けのクガイソウ

 

 思案気なヤマオダマキ

 

 山でもよく見かけるウツボグサ。名は肉食魚のウツボから来たのではなく、花穂が弓を入れる靫(うつぼ)に似た形をしていることから名づけられた。枯れて黒くなった花穂は夏枯草と呼ばれ漢方に使われる。

 

オカトラノオ

 

ホタルブクロ

 

 ツリガネニンジン

 

コバギボウシ

   

 おまけを2つ。ずいぶん低いところにいたアカゲラ

 

 冬には散々お目にかかったアカハラに久しぶりにご対面。

 

 この辺で。


硫黄岳を登る

2015-07-27 21:45:28 | 登山

 登山口桜平に着いたのは8時半少し前。既にたくさんの車が止められていたが、どうにかこうにか狭いところに車を止められた。

天気は申し分ない。まずは沢に下りそこから登り返す。

 

 書いてある文字からすると土地の境界を示す杭のようだ。

 

 道のわきにはヤマホタルブクロ、グンナイフウロ、オトギリソウなどが目につく。

 

 

 

 これは嬉しい。久しぶりにリンネソウに出会えた。尾瀬の笠が岳以来だ。

 

 リンネソウはスエーデンの植物学者と知られるリンネにあやかった名前。スイカズラ科の常緑小低木でハイマツ林の中にみられる。別名に2対の花を下向きに着けることからメオトバナやエゾアリドオシなどがある。

 

 

 登山道のいたるところで見られたシロバナノヘビイチゴ

 

30分も歩かないうちに夏沢鉱泉に到着

 

 まだまだ林道は続く。標高は2000mを越えた。周囲にはイチヤクソウやゴゼンタチバナ、キバノコマノツメなどの高山植物が多くなってきた。

 

 

 

これはトンボソウかな

 

 さらに30分ほど歩くとオーレン小屋が見えてきた。たくさんの人が休んでいる。ここからは右に折れキャンプ場を抜けていく。だんだんと登りがきつくなってきた。一時間の登りの後、やっと森林限界を抜けて稜線にたどり着いた。一気に視界が開ける。

 

平たい岩の上にクジャクチョウがいる。これも高山でしか会えない蝶だ。

 

風雪に耐え貫録を感じさせるヨツバシオガマ

 

 可愛らしいコバノコゴメグサ

 

 前方に八ヶ岳の主峰、赤岳や横岳が望める。

 

 3時間足らずで頂上。

 

遠くには南アルプスの峰々

 

ふもとの諏訪市街や諏訪湖まで見える。

 

 

 ロープが張られたその下には硫黄岳の爆裂火口が覗ける。

 

それをぐるりを回る遊歩道がある。花を開くことのないチシマギキョウが小岩にへばりついている。

 

 

コケモモ

 

 切り立った火口の反対側までやってきた。

 

 この辺まで来て、やっとお目当ての高山植物の女王コマクサに出会えた。

 

 

 

 これはイワツメクサ

 

岩の上でさえずっているのはイワヒバリ。結構近くまで寄ってきてくれる愛嬌ものだ。

 

 この後は夏沢峠まで下り、まだ時間と体力があったので根石岳に登ってから下山した。

  久しぶりの登山らしい登山を味わえた。この辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


御岳山ロックガーデン

2015-07-23 11:18:03 | 植物園

 人は暑くなると水辺や高いところを求める。7月の中旬過ぎから急に暑くなり、下界が耐え切れなくなったので連れ合いと久しぶりに御岳山に出かけた。ケーブルカーの駅に車を止めると駐車場は機械式に変わっていて1時間350円、最大1400円とあった。戻ってくるまで3時間以上はかかるので1400円かかることになる。以前来たときは確か1000円だった筈だが、さらには往復のケーブルカー料金も1100円となっていた。ちょっと来ない間に随分と上がったものだ。

それはさておき、今回の目的はギンバイソウ、アジサイの仲間で7月から8月にかけて山地の木陰に咲く花だ。レースのフリルのような装飾花が可愛い花なのだが、例年は8月レンゲショウマのシーズンに合わせてくることが多かったので傷んでいる花が多かった。

 

 

着いたのは9時を回ったばかり、でもやはり人出は多い。ケーブルカーを降りて青梅方面を見る。

 右の山は日の出山。

 

 とりあえず茶店の裏手のレンゲショウマ群生地を訪ねた。

ヤマユリが見ごろ、濃厚な香りを周囲に撒いていた。

 

レンゲショウマは開花しているのがほんの数株。

 

 トチバニンジンの真紅の実

 

ヤマブキショウマも咲き掛け

 

これはシモツケ

 

 そしてヤマアジサイ

 

 マムシグサの仲間も実をつけていた。

 

 立った一株だけヤマホトトギスを見つけた。

 

御師集落を抜けてロックガーデンへ。

 

 途端に周囲の空気がひんやりと心地よいものに変わる

 

 今年は少し早く来たのでクサアジサイにも間に合ったようだ。

 

 目的のギンバイソウはちょうど見ごろを迎え、あちこちで虫を寄せ集めている。

 

 

 めしべの先端がピンク色なのは初めて知った。

 

例年見られる、ウバユリ、タマガワホトトギス、イワタバコはまだ時期が少し早かった。

 

岩に着生したイワタバコの葉

 

崖の高いところに一株だけ花を見かけた。

 

 タマガワホトトギスもまだこれから、大半が蕾。

 

 咲いているのはごく一部

 

 ロックガーデン内はゆっくり歩いて2時間。

 

折り返しの綾広の滝

 

 近くにあるお浜の桂

 

下りのケーブルカーに乗るのが嫌になるほどの快適な散策だった。

 

 

 

 


高尾山7月

2015-07-16 18:30:07 | 植物園
 高尾山は近いのでよく行くのだが、7~9月はとても暑いのでほとんど行ったことがない。今回は天気も曇りがちということで、そんなに暑くはならないだろうと踏んで出かけることにした。

 始発のケーブルカーに乗った。最近はいつも混んでいるところをパスするために、480円を惜しまず登りだけ乗ることにしている。前夜の雨の影響が残っているせいか、ガスで覆われ道は濡れていた。







 この季節やっとタマアジサイが咲き始めたようだ。



 見上げるとマタタビの実



 こちらはハナイカダの黒い実



 キノコも多いが種類は全く分からない。



 これは美味しそうだがコウゾの実。生食できるということで以前食べてみたのだが、えぐみが強く閉口したことがあった。



 初秋の花という印象があるヤマホトトギスやキンミズヒキも咲きだしていた。







 ウツボグサも咲いている。



  なんといっても一番目立っているのはオカトラノオの花。







 そしてギボウシの花







 アサギマダラの好きなヒヨドリバナはまだ咲いていない




 でもアサギマダラはもう来ている。




 期待していたヤマユリはまだほとんどが蕾で、何とか草むらの奥に咲いている一株を見つけた。




 虫や蝶も楽しみにしていたのだが、天気のせいかいまいち
ミヤマカラスアゲハ



 ベニシジミ



 トノサマバッタ



 さわやかな夏風が緩やかに吹きすぎる中、ヒョウモンチョウが芝生の上のネジバナにしがみついていた。
 


 今日通ったのは3号路から5号路、城山で昼食して日影沢を通って下山した。4時間半近くの行程だった。
 この辺で。













尾瀬を歩く5

2015-07-10 20:30:35 | 旅行
 暑さに負けて少し間が空いてしまったが、今回が尾瀬の最後。

 沼尻からは南岸を通った。


 曲がり田代



 ゴゼンタチバナの群生


 
 木の幹にへばりついている変なキノコ





 
 随分歩いてきた、対岸に見えているのは大江湿原の三本の落葉松。



 三平下までやってきた。



予定より一時間余り早いので少し早稲沢方面へ立ち寄った。

ここは燧ケ岳のビューポイント。



再び三平下に戻り三平峠へ向かう。エンレイソウ



 去年と同じ場所でキヌガサソウを見つけた。






 梢から見える尾瀬沼



 山道にはイワナシが多い








30分ほどで三平峠



 ナナカマドの白い花がまぶしい



  竜宮小屋の宿の主人の話では七曲の付近でもショウキランが見つかることがあるという。丹念に探したのだが出会いはかなわず、代わりにギンリョウソウとイチヨウランが見つかった。











 やや終わり気味のチゴユリ



 ウラジロヨウラク



 峠を登り切ったら福島県から群馬県。天候も雨模様からピーカンの晴天に変わった。日差しが熱く、思わず日陰を選んで歩いてしまう。一之瀬休憩所の手前でタニウツギとジャケツイバラが咲いていた。



 急な坂は終わり平坦な林道歩きが続く。
ズダヤクシュ



 マタタビの花



 ノビネチドリ



 ヤグルマソウ



 大清水が見えてきた。