野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

冬の野鳥⑪

2017-01-31 08:14:22 | 探鳥

 以前は大きなレンズに三脚をつけて大儀そうに鳥を探すバーダーを

冷ややかな目で見ていた。が、最近その気持ちが少しだけわかるようになってきた。

 野鳥を追いかけていると、どうしても大きく撮りたくなってくる。大きく撮って初めて

鳥たちの生き生きとした表情とそして感情さえもが見えてくるのだ。

ただ資金の足りない私には、数十万以上もするレンズを買うことはできない。

もっぱら足で歩いて幸運(鳥たちが警戒心を緩めた瞬間)に出会うのを待つしかない。

尤もこの方が健康にはいいのだと慰めてはいるが……、でも巨大レンズもほしい!!。

 

 前にも書いたが今年は本当にアトリが多い。でも警戒心は相変わらず強いので

 こんなに近寄れる(5m以内)幸運はそうはない。

 

それに対してジョウビタキ♀は人を恐れない個体が多い。

 

羽根を膨らませた可愛い仕草

 

 

 それ以上は近づかないで!という表情だ

 

カシラダカは群れでいるのが多いのでなかなか近寄れない。稀にえさ取りに夢中だと

 何とかこの辺まで近づける。

 

 シロハラは渡ってきた当初は警戒心が強いのだが、正月を越すとだんだんと

人なれしてくるような気がする。

この時は随分と近くまで寄せてくれた。

 

 むかし神社の縁日でおみくじ芸を披露していたヤマガラも人なれのする鳥だ。

 

 口にくわえている白い実はセンダンの実だろうか

 

 ずうずうしいほど人なれをしているヒヨドリが後姿を見せ、たそがれている。

 

 群れでいるアオジもなかなか近づけない。というより保護色の体にこちらが気付かず

すぐ近くから飛ばれてしまうことが多い。

 

保護色というと、このタシギも見つけにくい、したがって近寄れない。

 

 そこに居るものだと思って用心して近づかないと、大体向こうに先に気付かれしまう。

 

 この場所のタシギは何度か見かけたことがあるので、動かずじっとしていたら

うまい具合にやってきてくれた。

 

タシギ以上に警戒心の強いクイナは常に周囲を窺っている。

 

嬉しいことにやっと藪から出てきて餌をとり始めた。

 

 この辺で。


冬の野鳥⑩

2017-01-29 19:34:41 | 探鳥

 冬鳥を求め今日も公園にやってきた。ここは街中にある公園としては

ルリビタキを見ることができる希少な公園だ。

 

 ルリビタキは小型ツグミ類に分類される冬鳥。

 

 冬枯れの進んだ林床で特有の鳴き声が聞こえる。これが手がかりだ。

 

 同じ仲間に属するジョウビタキのヒッヒッという鳴き声に比べ、ギュッギュッという声で鳴く。

声を頼りに藪の中を探すと見つけた。

 

 ルリビタキは冬低山の斜面や渓谷沿いの藪にいることが多い。が、寒さが厳しくなり、

積雪があったりすると街中の公園で見かけることも多くなるようだ。

 

 オスは体の上面が青色となり、白い眉班と脇のオリーブ色がとりわけ美しい。

 

 

 我々素人カメラマンにとって嬉しいことに、この鳥は人が近づいてもすぐには

遠くに飛び去ることはなく、暫らくは付近にとどまってくれる。

 

 

 時折見せる羽ばたきの仕草が可愛い

 

 

 

これはちょっと離れたところいた別の個体。

 

 右眉の上に傷があるようだ。

 

 この日は、狭いこの公園で3羽のルリビタキ(♂2羽♀2羽)を見ることができた。

尾羽の縞模様も美しい

 

冬枯れした野茨の茎に止まっている。

 

 

 こんな魅惑的な野鳥に出会うと思わず小躍りしてしまうのは私だけだろうか。

 

 この辺で。

 


冬の野鳥⑨

2017-01-25 20:14:16 | 探鳥

 最近は仕事のない、天気の良い日はもっぱら鳥さんたちを追っかけている。

今日も近くの公園へ

久しぶりにアオゲラを目撃。

 

 アオゲラは世界に180種、日本に11種いるキツツキの仲間。(因みにキツツキという鳥はいない。)

その中でもアオゲラは日本だけにしか生息しない、日本特産種のキツツキ。

大きさはキジバトよりやや小さく、ヒヨドリよりはやや大きい。普段は低山の林に住んでいるが、

 冬になると公園で見かけることがたびたびある。

 

 この日は辺に活発に動き回っていて、何かを探しているようだ。

 

と思ったらもう一羽が現れて

 

 首を上に向ける仕種を頻りに繰り返している。どうやら求愛行動のようだ。

 

 暫く見ていたら、一羽が逃げて行った。

 

どうやら振られたらしい。

 

 諦めきれずまだ行方を探している。

 

 

 この後しばらく観察していたら数回同じことを繰り返していた。

最後に恋が実ったのかどうかは、さてわからない。

 

 厳しい寒さの続く中、花芽を付け始めたカワラヤナギ。

 (後で気づいたのだが、中ほどにカマキリの卵がある。)

 

 その下水辺にカワセミがいて、頻りに水中をうかがっている。

 

 ちょっと油断をしていた間に飛び込んだようだ、嘴に小海老のようなもの加えている。

 

 すぐ近くの葦原にやってきたのはシジュウカラとメジロの混群。

葦の茎の中に隠れている虫を狙っているようだ。

 

 

身も軽く、ひっきりなしに場所を変えるので撮るのが難しい。

 

 一瞬のうちに様々なポーズを見せてくれる

 

逆さまになって羽を膨らませたところ

 

メジロのツーショットは初めて撮れた。

 

 

この日の群れはシジュウカラとエナガ、メジロの二十数羽の混群。

ここにはメジロが四羽写っている。

 

 

 この辺で。


冬の野鳥⑧

2017-01-23 20:53:33 | 探鳥

 今年はどうもアトリの当たり年(アトリ年ではない)のようで、近所の

公園を歩いているといくつもの群れに出会う。去年はわざわざ奥多摩湖の最奥

の方まで見に出かけたというのに……。

 すぐ近くの人の多い公園。芝生に何やら鳥が群れていると思ったら

 全てがアトリだった。(あ!鳥だった)

 

 こんな街中の公園にいるわりに、警戒心はとても強い。尤も大きな群れでいる鳥は

大体が警戒心の強い鳥なのだ。だから群れを作る。こちらが気付かないで素通りすると

何ともないのだが、一旦気づいてカメラを向けると

 一斉に飛び立ってしまう。

 

そして少し離れた木の枝に鈴なりになって通り過ぎるのを待つ。

そして5分もあればやがては地上に降りてくる。

 

 

 木の陰に隠れてちょっとだけ近づいて、やっと少しだけ大きく撮れた。

  日向ぼっこしている姿が何ともかわいい。

 

  今年はシロハラもよく見かける。アトリとは違い、こちらは単独行動で、地上採餌の鳥。

 

 普段はなかなか近づけないのだが、この日はどういうわけか

5m位迄の接近を許してもらった。

 それでも警戒はしているようだ。

 

 心なしかちょっと目つきがきつくなった。(おいっ!それ以上は近づくなよ!)と言っているようだ。

 

 斜目で見て

 

 逃げる先を考えて

 

やっぱり飛ばれてしまった。

 

 最後はよく見かけるコサギ。嘴も脚も黒く、足指が黄色いのがコサギ。一回り大きな

ダイサギは冬には嘴が黄色に変わり、足指は黒色で区別できる。

尚そそっかしい人はコサギやダイサギを見てツルと勘違いするようだが、

それはメジロを見てウグイスということより更に恥ずかしい間違いなので、

決して指摘はせずに放っておいた方がいい。

 

サギ類は水辺を歩くのに慣れているせいか、陸上を歩くときはどこか滑稽だ。

 

 おっとっと

 

 やっと水辺まで来た。

 

 途端にハンターに変身。足元は密やかに、目つきは鋭くして

 

 片足を小刻みに震わして、パドリングというそうだ、小魚や水生昆虫を追い出している。

 

そして長い嘴を一生懸命伸ばして

 見事餌をキャッチ。

 

 おまけは公園にいて鳥を狙っていた猫2匹

 

 

 今日はこの辺で。


冬の野鳥⑦

2017-01-21 20:21:19 | 探鳥

 取るに足らないちっぽけな全能感に惑わされていると、自分の生が未来永劫続くと

錯覚してしまいそうだが、そんな訳はないのだ。そんなことは決してない。

人は永久に生きるわけではない。自分を作っていた肉体はやがては野に散り

土に還っていくのだ。我々の魂は無となり、僅かに親しいものの記憶に暫くはとどまるが、

そしてやがてはそれすらも消えていく。

 虚無的ではなく、妙に清々しく腑に落ちた感じでそう思える自分がいる。

 

 今日も近くの公園に冬鳥を求めてやってきた。

紅白に塗り分けられた鉄塔にトビのような鳥がいた。

 

 見ていると急に飛び立った。

 

 ノスリのようだ。

 

 ノスリはワシタカ類つまり猛禽類の仲間で、トビよりは一回り小さい。

頻繁に低空飛翔を繰り返し、餌を探し求める。

 

 日本では比較的よく見られる方で、平地の農耕地や河原、市街地の公園などに現れる。

鳴き声は口笛に似てピーエーと聞こえる。

 

 

 何かを見つけたのか急降下

 

 

  数回繰り返すうちに上昇して空の向こうに溶け去ってしまった。

 

 変わってこちらはずいぶん低いところにいる小型猛禽類のモズ。

 

 小刻みに尾を振りながらじっと何か獲物を狙っているようだ。

 

  獲物には逃げられたようで、暫くしたら咲き始めた梅の枝で一休み。

 

 ジョウビタキは庭先でもよく見かける冬鳥。

ゲジゲジのようなものを口にくわえて、何やら誇らしげだ。

  この個体は頭の大きさの割には随分と体が痩せている。やっと餌をとることができたのだろうか。

 

近づいたらあっという間に飛び去ってしまった。

 

 多摩川上流の河原にやってきた。ここでのお目当てはホオジロガモ。

 

 ホオジロガモは海ガモ類で、マガモやカルガモなどの淡水ガモ類とは異なる。

 

 オスには嘴の根元から頬にかけて白い斑点がある。

 

冬鳥として日本に来るが、内湾、河口、川の淀み、湖沼のどに数羽の群れでいることが多い。

甲殻類や魚、水生昆虫などを一斉に潜ってとる。

 

 あまりに遠く小さいので切り取り拡大してみた。

一番先頭にいるのが♂、後ろの頭部が茶色いのが♀。

 

 

この群れはこれで全部が勢ぞろい、総勢7羽の群れのようだ。

 

もう少し大きく撮ろうとゆっくり近づいたのだが、お見通しだったのか

悠然と下流に向かって泳ぎ去って行った。

 

 今日はこんなところで。