野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

御岳渓谷沿いを歩く

2018-07-28 09:06:12 | ハイキング

 最近は少し暑さも和らいだようで、束の間だろうとはいえやっと熱帯夜から解放

されたのが嬉しい。今回はまだ暑さがピークだった一週間前頃の話で、少しでも

火照った体を冷ませればと他摩川の上流域沿いの御岳付近を歩いた。

 気温は自宅周辺とさほど変わらないのだが、見た目と音で少しでも涼しい

気分を味わえたらと思い、昼前に出かけ沢井駅近くの寒山寺駐車場に車をとめた。

 

 奥多摩フィッシングセンターの下流の釣り場付近まで来た。 ここはゴムボート乗り場の

出発点ともなっている。 多摩川ラフティングツアーの詳細はここで。

 

 遊歩道を歩いているとムクゲの花が迎えてくれた。

 

 

 沿岸に咲くのはノカンゾウや小さなツユクサの花。

 

 

 歓声を上げながら通り過ぎるゴムボートをしかめっ面をしたアユ釣りの

人たちが見送る。それにしてもゴムボート上の人たちのテンションが異様なほど

高いのは料金の高さも反映しているに違いない。

 

 この付近は水量も豊かで、またダムからの放流水もあり空気もひんやりとしている。

 

 ツワブキの茎についた綿埃のようなものをまとった虫を発見。図鑑で調べてみら

恐らくはアオバハゴロモの幼虫。成虫はよく見かけるこんな感じの

 

 マクロで撮ってみたのだが、難しい。見えているのはお尻のほうだろうか。

 

 橋の上から下流を見たところ。

 

 離れていても 見えなくても匂いでわかるクサギの花、今が盛りだ。

 

 時折見かける百合の花はオニユリ、花壇から逃げ出したものだろうか。

 

 この辺りではタマアジサイが多いのだが、やっと蕾が綻び始めたところ。

 

 

 まだ色づいてはいないノブドウの実

 

 コバギボウシの花

 

 アキノタムラソウも咲いている

 

 ヤブカラシの花にとりついているのは、キリギリスのような体型の虫。

かなり特徴があるので帰ってから調べたのだが、今のところ不明。

 (後でわかったのだが、どうやらアシグロツユムシの幼虫らしい)

 

 御岳橋付近まで下ってきた。 

 

 

 橋脚を伝い落ちる雫が何とも涼しげだった。

 

 閑散とした玉堂美術館の入り口

 

  この時期に草むらの中で咲くハグロソウは、キツネノマゴ科の花。

 

 白花もある

 

 お盆を前に早くも花を咲かせていたススキ。

 

 

 沢井まで歩いてきた。小澤酒造のままごと屋でかき氷でも食べて帰ろうと

したのだが、余りにも人が多かったので断念。

 ほとんどが陽の当たらない遊歩道で、川から吹く風も涼しくて

汗もかかず快適に歩くことができた。 この辺で。

 

 

 

 


池の平湿原を歩く

2018-07-24 17:00:36 | ハイキング

  前回からの続きなのだが、一週間近くも間をおいてしまった。

それにしてもなんという暑さだろう、昨日は隣県の熊谷で41.1度という

日本新記録(こんな言い方でいいのだろうか)を記録し、東京でさえも

青梅では40.8度という体温を5度近くも超える高温を記録した。

 それでも昼の間暑いのはまだ我慢できる、やりきれないのは夜になっても

気温が下がらず、朝5時に28度を超えるような日々が続くことだ。

 まぁ愚痴を言ってもしょうがない、時がたてば嫌でも夏は過ぎ去り

涼しい秋が来てやがては寒い冬になるのだ、それまでは何とかこの酷暑を

一日一日としのいで生き延びるしかない。

 

 湯ノ丸高原からは5㎞程、車ですぐのところに池の平湿原がある。

 

 駐車場からはなだらかな坂道の木道を下っていく

 

 下りきった左側に休憩所がある

 

 この辺の標高は2000m、涼やかな風が吹きわたり気持ちがよい。

 

 木道からたくさんの花たちに出会える。

 ヤマオダマキ、ウスユキソウ、ハクサンフウロ、シナノオトギリ(左上から右下に向かって)

 

 シュロソウ、ヤナギラン、

 

 カラマツソウ、アヤメ、シャジクソウ、タカネナデシコ

 

 忠治の隠し岩広場という場所があった。眼下に池が見える

 

 クガイソウはまだ色づき始め

 

 枯れ枝の先端で頻りに鳴いているのはコガラのようだ

 

 高原を代表するような大きな花、マルバタケブキが咲いている

 

 見晴岳方面に登ると、少し植相が変わってきた。

 ウドの花、シシウド、コツマトリソウ、そしてノハナショウブの花

 

 ハクサンチドリとテガタチドリ

 

 グンナイフウロ、リンネソウ、ゴゼンタチバナ、クルマユリと種類が多い

 

 一瞬の間にガスが立ち込めて、すり鉢の底にある湿原を

あっという間に白い闇が覆いつくしていく

 

 ちょっとした小高い丘、ここが見晴岳

 

 この裏手の崖ではコマクサの群生が見られる。

 

 時期がやや遅かったのか枯れかけた花が多いは残念。

 

 まだ元気な様子の良い花を選んで

 

 

  下る途中に 再びガスに包まれた

 

 湿原に降りていく

 

 湿原の中にはところどころ池沼が見られる

 

 にぎやかだった 小学生の一団

 

  ところどころアヤメに交じってノハナショウブも咲いている

 

 図鑑で見てもよくわからなったが、ベニヒカゲと似ている?

(帰ってから検索してみたところイカリモンガのほうが近いようだ。)

 

  クサカゲロウ

 

 

  ガスで視界はきかない

 

 

 今度は前が見えないぐらいにガスが立ち込めてきた。

 

  暫くガスの中に身を浸す

 

  下界の暑さを思い、至福の時を過ごす。

 この辺で。


ゴイシシジミ舞う湯ノ丸山

2018-07-17 20:48:46 | トレッキング

 

 ゲレンデに咲くニッコウキスゲ

 

 >前回からの続き

 この日は天気予報は曇り。こんな予報のときには山では、ガスが出て雨に見舞われる

ことが多い。雨具は当然用意してきたのだが、雨が降っては目的のチョウたちには出会えない

のが何とも残念。

 悪い予感が当たり、頂上には次第にガスが立ち込めてきた。

 

 下山は周回コース、ゲレンデ方面に降りていくルートだ。

 岩肌に風をよけてへばりつくように咲いているイブキジャコウソウ、けなげな花だ。

 

 頂上付近でたくさん見られた、ゴマノハグサ科でクワガタソウの仲間とは思うが……。

 

 独特な花の形をしたシャジクソウ

 

 

 白花のタカネニガナ

 

 腕組みをしたような 面白い形の木

 

 サラサドウダン

 

 アズマシャクナゲもまだ咲き残っている

 

 ゴゼンタチバナ

 

 ウスユキソウの群生

 

 鐘分岐までおりてきた

 

 登山道は広くなって歩きやすくなった。

 

 辺りをひらひらと優雅に舞っていたミスジチョウ

 

 近くでカッコウが鳴きだした

 

 高原にはガスが立ち込めたり、かと思うと一瞬に晴れ視界がきいたり

 

 笹の葉の上にゴイシシジミを見つけた

 

 開いた表翅は真っ黒

 

 何とか近寄ることができた

 

 

 白い手足に靴を履いたように先端だけが黒い

 

 この辺りはつつじ平というらしい。少し前だったらレンゲツツジの咲く素晴らしい光景が

おそらく見られたのだろう。

 

 ジャノメチョウの仲間

 

 トンボソウ

 

 

 

 スキー場のリフトが見えてきた

 

  結構急なゲレンデをジグザグにゆっくりと下っていく。

ニッコウキスゲが咲き、チョウたちが飛び回っている

 

ミヤマモンキチョウかと一瞬ぬか喜びをしたのだが、どうやらただのモンキチョウだったようだ。

 

 夏バテ気味なので今日はこの辺で。

 


湯ノ丸高原に遊ぶ

2018-07-15 21:48:55 | トレッキング

 石牟礼道子は言わずと知れた水俣病をテーマとした「苦海浄土わが水俣病」の作者だ。

今年の2月に亡くなられたのだが、最近著者のエッセー「花いちもんめ」に触れることができた。

その中の一節に「無常の使い」という文章がある。無常というのはほかならぬ縁者の死を意味する

言葉であって、それを近隣の人に伝えるのが「無常の使い」。

メールはおろか、電話すらない時代には身近な人の死を伝えるには、直にその家を訪ねて

対面し、口頭で伝えるしかなかった。

 仏様の出た無常の日に、一軒一軒縁者の死を知らせるーそれが無常の使い。そこで初めて

人の死はその人の生涯とともに認知され、死者の生きてきた社会の規模に応じて分かち合われる。

そこで交わされるのは他ならぬ体温のある死であり、何とも言語化しようのない

無常そのものなのだ。

 

  高原で多く見られるシュロソウ

 

 連日の暑さに悲鳴を上げて、休みの日に高原に出かけてきた。軽井沢の少し先にある

湯ノ丸高原までは車で2時間余りそんなに遠くはない。朝4時前(安いから)に高速に乗って

着いたのは6時を少し過ぎたばかり。

 烏帽子岳まで足を伸ばしたいところだが、今回は湯ノ丸山を周遊するコースを選んだ。

 

 駐車場には人気はほとんど見当たらない。広い駐車場に止まっている車は数台。

ここに来たのは涼を求めてなのは勿論だが、ここでしか見られない蝶に会いたいという

のが本来の目的。 ベニヒカゲだけは8月にならないとみられないが、残りの二つの

チョウには天候と運?さえあれば見られるはずだ。

 

 身支度を整えてキャンプ場方面のコースを歩き始めた。

咲きだしたばかりの艶やかなヤナギラン。

 

 ヤマブキショウマ

 

 ウツボグサもたくさん見られる

 

 

 山道に沿って灯明のように咲くヤマオダマキ

 

 シナノオトギリ

 

 キャンプ場までは15分、すぐだった。

 

 この付近にはアヤメが多い

 

 木道の周回コースが設けられていて、ニッコウキスゲやアヤメの群生を見ることができた。

 

 林道はここまで。この先は緩やかな登山道に変わった。

色づき始めたクガイソウ

 

 この辺りに多いシャジクソウ。分布は限られた本州の山地でしか見られない。

 

 時折大きな葉を付けたギボウシの花に会う。

 

 中分岐までは30分少々。この辺で標高は1825mになる。

 

 ウスユキソウが目立つようになってきた。

 

 イボタノキはモクセイ科の低木、たくさんの虫を集めていた。

 

 オミナエシの仲間、コキンレイカ

 

 まだゴゼンタチバナも咲き残っていた。

 

 

 中分岐から40分、見晴らしの良い鞍部までやってきた。

 

 左折すると烏帽子岳。右に曲がって湯ノ丸山に向かう。登りが少し

急になってきた。 シシウドの立派な花

 

 笹やぶの中の花はコオニユリかと思ったら、クルマユリだった。

 

クルマユリは数が少なく、山行中見かけたのは二株だけだった。

 

 

 ハクサンフウロ

 

 この花はたくさん群生していて、至る所で見られた。

 

 サラサドウダンツツジは終わりかけ。

 

 ランの仲間のテガタチドリ、深山に来ないとお目にかかることはできない。

 

 これも2000mを超える山の頂上付近でしか会えないイブキジャコウソウ。

 とても小さな花で山の斜面に這いつくばるように風を避けて咲いている。

 

 鞍部から登ること一時間足らず、木々の背が低くなり

一気に稜線に出た。風が強くなった。広がった視界はみるみるうちにガスに覆われた。

 

 2101m湯ノ丸山の頂上の標識が見えてきた。まだ8時16分、朝が早いせいか人影は

全くない。

 

 今日はここまで。

 

 

 


嵐山町の里ーオオムラサキ

2018-07-11 14:19:50 | 散歩

 <前回からの続き>

 さて旧型のウインドーズ7PCから10への引っ越しだが、最後に残ったメール

データの移行に一番手間取ってしまった。ネット上の情報をいろいろ試したのだが

すべてダメ。ところが、あるサイトでOutlook.comとOutlookとは違うのだという

記事がヒントになって意外とすんなり解決してしまった。以前のWindows livemailは

PC上のメールソフトなので、ウェブベース上のメールソフトであるOutlook.comに

同期するのは出来ない(正しくは難しい)。そこで同じPC上のメールソフトである

Outlookを使えば良いというわけだったのだ。左下のWindowsキーを押して

OのところにOutlookがあるので、それを起動して自分のメールアカウントを書き込む

だけですんなりと過去のデータが移行できた。何て簡単なんだ!!それにしても

どうして、こんな人を惑わすような紛らわしい名前を付けたのだろうか。

何とも得心がいかない。

 

 

 蝶の里公園の入り口

 

 ミゾソバの花にやってきたのはヤマトシジミ

 

 こちらは少し翅がくたびれたベニシジミ。花はヒメジョオン

  いずれもよく見かけるシジミチョウだが、可愛い。

 正面から

 

 オスとメスがまるで違う蝶のようなメスグロヒョウモン。名前の通りメスの体色が

黒っぽい。

 

 これは蛾と勘違いする人が多いのだが、セセリチョウの仲間。

翅に黒い筋が見えるので コチャバネセセリ。最もチョウとガはそんなに

明確な違いはないのだそうだ。

 

 表の翅は焦げ茶色なのだが、裏は銀白色のシジミチョウ。名前もそのまま

ウラギンシジミ。飛行中は白と黒が反転するのですぐそれとわかる。

 

 地面で交尾中のシオヤアブ

 

 この蛾はシャクガの仲間と思って手持ちの図鑑やネット上のシャクガ図鑑なども調べたのだ

ぴったりくるものを探せなかった。

 

 日陰でもうだるような暑さに汗がとまらない。

 

 ヤマユリが咲きだしていた。

 

 

 センターの近くにはウマノスズクサが植えてあり、そこでジャコウアゲハの

幼虫を見ることができる。

 

 羽化の終わるまでネットの中で保護されているオオムラサキ

 

 センターの人に聞いたら、オオムラサキの森の樹液の出ているクヌギのところで

朝方5,6頭のオオムラサキを見かけたと教えられたので、早速行ってみることにした。

 木の洞(うろ)状になったところに3頭のオオムラサキを発見。

 

 頭上5,6Mのところにいるので、ちょっと遠いが何とか撮ることができた。

 

 

 オオムラサキは言わずと知れた日本の国蝶。名前はオスの表翅の鮮やかな紫色から。

 こちらが♂。

 

 ♀は翅色が茶色でやや丸みを帯びた翅をもつ。大きさは翅を広げた時、大人の手ほどに

なり、♂よりも♀のほうが大きい。

 

 近くまで寄ってきたのできれいに撮れると思ったが、逆光になってしまった残念。

 

 近くの枝の葉に飛んで行った♀

 

 同じ樹にいたタマムシ。これもヤマトタマムシなのだろうか?それとも?

 

 付近を流れる都幾川

 

 この辺で。