野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

赤城自然園 早朝開園

2018-12-28 08:30:15 | 散歩

 去年はトラツグミが当たり年だった。普通なら年に一回お目にかかれれば

運のいい鳥なのだが、秋ヶ瀬、小宮、羊山等の公園で出会うことができた。

その前の年はアトリが大当たりだった。市街地の公園でアトリの大群に

出会えたのは嬉しかった。

 今年は一体どんな鳥を出会えるか楽しみだ。 そんなことを思っていたら、地上を

徘徊する鳥ーツグミ、シロハラ、アカハラ等を今年は見かけないことに気づいた。

年もくれるというのに、枯葉をひっくり返しては餌をあさるガサッ、ゴソッというあの

音がまだ聞けてないのは何とも寂しい。

 

 さて、普段は冬季閉園中の赤城自然園が今年は土日に限定して開園している、

しかも土曜日には普段より開園を2時間半も早めて7時に開園していると

いうので早速出かけてきた。(12・29、1・5を除き3月まで開園している)

 朝5時半に出たのだが、着いたのは8時前で開園には間に合わなかった。

尚入園料は1000円+早朝分300円と少し高い。

 

 天気はいい、客も疎らで静かな散策を楽しめる。

 

 この辺りでは春夏には沢山の園芸植物が花を咲かすが、

今のすっきりとした冬枯れの風景もまたいい。

 

 

 高い枝先にとまっているのはシメだ。

 

 カワラヒワの群れもいる 

 

 これはアトリ

 

 人が通りかかると樹上に、安心すると地上に降りて採餌する。

 

 

  木々の上に聳えるのは榛名山だろうか

 

 早くも囀りだしているホオジロ

 

 コゲラかと思ったらキバシリだった。北海道で見て以来久しぶりだ。

 

 閑散とした昆虫館の建物

 

 下草は枯れ、木々は殆ど葉を落としたなか、足元の枯葉が音を立てる。

 

 不意にピョォーッと一鳴きして、松の木の繁みにアオゲラが飛び込んでいった。

 撮ろうと暫く粘ったのだが行方が分からなくなってしまった。

 

 ミズスマシの池まで来た。このシーズンでも水面を泳ぎ回るミズスマシを

見ることができた。 水紋を描いているのはミズスマシ

 

 100mmマクロで拡大して何とかおぼろげには撮れたのだが……

 

 見晴らしの良い場所に出た。

 

 灌木の茂みの中にカケスがいた。地上でカケスを見るのは珍しい。

 

  餌を探しているようだ。

 

 

 ヤマガラも数羽、辺りを飛び回っていた。やっと切り株にとまってくれた。

 

 まずは周りを見て

 

 安全を確かめてから餌探し

 

 ヤッ、見つけたぞ!

 

 うん? 何で見ているの!

  この日当たりの良いところでは、ヤマガラ、シジュウカラ、カシラダカ、ホオジロ、

エナガと沢山の群れが、ひっきりなしに飛び回っていて飽きることがなかった。

 

 

 戻る方向に少し歩いた。付近をシジュウカラ、エナガ、コゲラの混群が飛び回っていた。

 

 

 群れの中にいるというキクイタダキを探したのだが見つけられなかった。

代わりにミヤマホオジロを見つけた。すばやく移動していたので

撮れたのはこんな画像ぐらい。

 

 もう花穂をつけていたネコヤナギ(恐らく)

  思ったよりも寒くはなく早朝3時間ほど、静かな探鳥散策を楽しむことができた。

 この辺で。

 

 

 

 


年の瀬に北本自然観察公園を訪ねる

2018-12-23 06:34:17 | 探鳥

 年の瀬も押し詰まって、待望の探鳥のシーズンがやってきた。

一般に鳥は渡り鳥と留鳥の二つに分けられる。日本でみられる525種の

36%が留鳥であとは渡り鳥となる。さらに渡り鳥は夏鳥と冬鳥、迷鳥

旅鳥に細分され、そのうち冬鳥は22%になるという。

 夏鳥は南の国から日本にやってきて、繁殖する渡り鳥なので綺麗な囀りを

聴くことができる。 それに対して,冬鳥は繁殖地の北の国から日本に

子連れでやってくる。当然繁殖行動はしないので普通には囀りを聴くことは

できない。 が、その分色彩の豊かさでは夏鳥に勝っているように私的には思える。

特に信号色3兄弟と私が勝手に呼んでいるルリビタキ、ベニマシコ、マヒワは

探鳥地で出会うととてもうれしい鳥たちだ。

 

 さて今シーズン初めての北本はどうだろう。なおhpはここにある。

 

 ふれあい橋を渡った先に看板がある。詳しいマップはPDFファイルとしてここに。

 

 12月の下旬、公園はすっかりセピア色の世界になっている。

 

 私の訪ねたのは午前8時を少し回ったばかり、高尾の池は氷が張っていて

見慣れたカモたちの姿は見られない。葦の陰に隠れるようにじっと佇んでいるアオサギ。

 

 真っ赤なカラスウリの実が眩しい。

 

 早速迎えてくれたのはジョウビタキの♀だ。警戒しているようだ

 

 少し近づいたらそっぽを向かれた。

 

 飛ばしてしまった。ごめん!

 

 葦原に隠れていたジョウビタキの♂

 

 メダカのT字路付近はこの時分には葦が刈られてすっきりしている。

 カシラダカ、アオジ、ホオジロが今年は少ないようだ。

 

 ムラサキシキブの実

 

 園内をいつものように右回りに回る。高いところに巨大なスズメバチの巣を見つけた。

 

 子供公園の方まで足を伸ばした。藪の中を動き回っているのはアトリのようだ。

 

 警戒すると一斉に茂みから近くの枝に飛び上がる。

 

 ホオジロを見つけた。

 

 この季節でも囀っている。

 

 撮っていたら気配を察したのかこちらをジロリ

 

 かなり高い上空にパラグライダーが浮かんでいた。この寒空の中ご苦労さん。

 

 葦原の中からはたくさんの鳥たちの地鳴きが聞こえてくる。

 

  お馴染みのスズメ、シジュウカラ、カシラダカ

 

 

 

 セグロセキレイもいる

 

 梢にはこれもお馴染みのシメ

 

 茂みの中をせわしくエナガが動き回っている。なかなかじっとしてくれず

やっと撮れたのがこの一枚。

 

 まだ色を残していた紅葉

 

 今回信号色の冬鳥には会えなかったものの、珍しいものを三つ見ることができた。

一つ目はオオハナワラビ。よく見かけるフユノハナワラビとはよく似ているが

葉先がとがっている、葉の色がやや濃いなどの違いがあるそうだ。

 

 二つ目はジョロウグモの卵塊

 卵塊はコゲラの餌にされてしまい、生き残るのは少ない。

 

 三つめははじめてお目にかかった冬虫夏草。

 生きている蛾に菌が寄生してゆっくりと成長しているのだそうだ。

 

 この辺で。

 


久しぶりの瓢湖

2018-12-19 20:37:39 | 探鳥

 今回の東北大人の休日パス旅行の締めは新潟。

福島潟か佐潟に行く予定だったのだが、あいにく風邪気味で

アクセスの便利な瓢湖に変更した。

瓢湖へは新潟から信越本線で新津経由で羽越本線に乗り換えて

水原駅で降りる。乗り換えがよければ30分ほどで行け駅からも比較的近い。。

 瓢湖では1954年に野生の白鳥を日本で初めて餌付けに成功した

吉川重三郎(通称初代白鳥おじさん)が有名。私は平成6年まで2代目

白鳥おじさんを務めた吉川繁男さんに優しくお茶を振舞って頂いた

ことがあった。現在は三代目の白鳥おじさんが餌付けを行っているそうだ。

 

  3年ぶりの瓢湖はあいにくの曇り空だった。

 

 昔に比べ観光客も随分と少なくなった。

 

 瓢湖は新潟県阿賀野市水原にある人造湖。ハクチョウの渡来地と知られ

ラムサール条約にも登録されている。毎年10月から3月にかけて6000羽ほどの

ハクチョウが飛来し越冬する。着いたのは午後11時を回ったばかりの頃、

一日二回の給餌の時刻には何とか間に合ったようだが、

 この時刻は殆どがカモ類、ハクチョウたちの大半は近場の田んぼに

採餌に出かけていて不在だ。

 

 白鳥を見るには夜明けの時刻か塒入りする夕方が望ましい。

 

 

 たくさんのカモたちが密集していて、餌をまくとさらに密集度を増して群がり集まる

 

 カモに交じって白鳥も数羽だけ見られる。

 

 カモの種類はオナガガモが多いようだ。

 

オナガガモ以外はキンクロハジロが2番目に多い。

 

 そしてホシハジロ

 

 ハシビロガモの少数見られる。

 

 初代白鳥おじさん吉川重三郎さんの碑。

 

 瓢湖水禽公園の観察舎。

 

 

 給餌が一段落したので裏手の方へ回ってみる。この辺はアヤメ畑。

 

 奥にはもう一棟観察舎があり、その前にハス畑が広がっている。

 

 枯れたハスの株の間には、人馴れしないマガモがたくさんいる。

 

 

 向こう岸にいた猛禽類に驚いたのか、一斉にカモたちが飛び立った。

 

 梢にはハシボソガラス、

 

 ゆったりと旋回しているのはトビのようだ。

 

 給餌場から離れたこの辺りは閑散としている。

 

マガモの番の後ろを泳いでいるのは、ミコアイサのようだ。♀なのか

♂のエクリプスなのかは判然としない。

 

 

給餌場に戻ってみると先ほどまでの混雑ぶりとは一転、 

カモたちは静かに午睡の時に浸っていた。

 

 

 この辺で。

 


鶴岡市大山の下池

2018-12-15 09:59:02 | 探鳥

 長期天気予報を見ながら旅行計画を立てるのは、今では世間一般の常識となって

いるようだ。天気予報の正確さがスーパーコンピューターの導入により飛躍的に

精度を増した現代では、殆どの人がそうしていると思われる。

 

 でもよく考えてほしい、気象協会の発表する10日間予報の的中率は思ったより

低く50%を下回っているのだそうだ。例えばだが、明日の天気予報が90%の

確率で当たるとすると、10日後の的中率は0.9を9回かけ合わせることに

なるから、一週間後には50%を切り10日後には38%にまで下がってしまう。

 

 信頼度が低いと知りながらも予報を出すのは世間の要望があるからだろうが、

10日先の予報をもとに予約した宿泊客が、2,3日前の天気予報を見て

キャンセルしてしまうのだから、ホテルや旅館の関係者にとってはたまらない。

 

 せっかくの旅行なのだから、天気の良い日に出かけたいと思うのは分かる。でも

予報が悪天候に変わっても、台風や嵐は別として少しぐらいの雨や曇りなら私は

構わず出かけることにしている。晴れの日ばかりの旅行なんて何か味気ない

ような気がするのは、私だけだろうか。

 

 今回の旅行2日目の鶴岡市下池は10日間天気予報では曇り。直前になって

予報は悪化し、雨の確率は10%から80%に増えてしまった。そのおかげで

幻想的な風景に出会えたのだから、寧ろ幸いだったといえる。

 

 初冬を迎えた下池の風景には曇り空がよく似合っていた。

 

 右に池を望みながら行くと観察舎が見えてきた。

 

 下池のほとりに立つおわら愛鳥館

 

 ぐるりと池を一周することにする。この池ではマガモが多い。

 

 

 一周する間に湖面を覆う霧は場所と濃淡を少しずつ変えていく。

 

 すでに冠雪している山々が見える。あれは出羽三山だろうか、

それとも朝日連峰の峰々だろうか

 

 深い霧の中、カモたちは静かに早い眠りについている。

 

 面だけ霧を残してゆっくりと晴れ上がった。

 

 

 暫くすると再び霧が深くなる。

 

 

 深くなった霧の中に白鳥の群れが帰ってきた。

 

 

 真ん中の白いカモはカワアイサの♂

 

 湖面のグラデーションがきれいだ。

 

 中央の黒いカモはオオバンの群れ

 

 この辺りにはオナガガモが多い

 

 池を取り囲む山の斜面を、霧が駆け上がっていく。

 

 墨絵のような世界に慣れた目には、ムラサキシキブやマムシグサの

実の色はとても新鮮に映る。

 

 

 眼前には晴れ渡った日には決してみられない風景が広がっている。

 

 

 おわら愛鳥館の観察小屋の中で静かに夕暮れを待つ。霧は

晴れ上がったり、山の斜面を滝のように流れ落ちたりして変幻自在だ

 

 

 時刻は4時を回り。辺りには闇の気配が濃く漂ってきた。

 

 時折、悲しげな声をあげながら白鳥の群れが湖面に舞い落ちる。その後暫くは

互いの存在を確かめるかのように切なげに鳴きかわす。

  白鳥の鳴き声に見送られながら、日が落ちてすっかり闇に溶け込んだ下池を後にした。

 

 この辺で。

 


伊豆沼の朝

2018-12-12 09:08:22 | 探鳥

 

<前回からの続き> 宿に泊まった翌朝、起きたのは6時少し前。

窓を開けると雨の音がした。暫く布団の中でぐずぐずして6時半やっと沼に出かけた。

 歩いているうちに雨は止んできた。

 

 昨日見たハクセキレイだろうか、同じ蓮の枯れた茎の上にいる。

 

 宮城北部のこの時分の日の出は6時半ごろだから、せめて6時には宿を出なければ

いけなかった。塒立ちはとうに始まっていたようだ。

 

 それでもまだ次から次へと飛び立っていく。

 

 一頻り大きな羽ばたきの音が聞こえてきた。

 

 

 飛び立つときの大きな群れは、鳴きかわしながら小さな群れになって

思い思い餌場の方へと飛んでいく。塒立ちの栗原市公式チャンネルのサイトはここ

 

 湖面に残されたのは白鳥とカモたち

 

 ハジロカイツブリの番

 

 カワアイサ

 

 

 

 そしてカワウたち

 

 厚かった雲の切れ間から日が差してきた。オオハクチョウの家族がゆっくりと泳いでいる。

 

 遠くて写真ではわかりにくいが、ミコアイサの群れだ。

 

 沼のほとりの樹の枝にはトビが一羽。

 

 

 

 怪しげな色をした湖面が次から次へと色を変えていく。。

 

 この辺で。