野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

カルガモの世代交代

2016-06-30 19:32:19 | 散歩

 近くの公園に出かけてきた。カルガモの親子が池から上がって

一休み中。母ガモとコガモが8羽。

 

 

コガモたちは思い思いに身づくろいをしている。

 

イノシシの子供ウリ坊のように、コガモたちの体毛も外敵から身を守るため迷彩模様になっている。

 

 歩く姿がおぼつかなくて可愛らしい。

 

 

 

 シャッター音に驚いたのか揃ってこちらを見た。

 

池の上で一休みした後はそれぞれ池にどぶん。

 

 コンクリートの上をよちよち歩いていたコガモたちも水の上では動きは俊敏だ。

 

8羽いたコガモたちは気まぐれな2羽を除いて、母ガモにまとわりついている。

 

 

 

余りくっ付いてくるとわずらわしいのか、母ガモは嘴でコガモを少しだけ遠くへ追いやる。

 

 遠くで遊んでいたコガモも一羽戻ってきた、現在は7羽。

 

この池はさして広くもなく、おまけに釣り池ともなっているので動ける範囲は限られてしまう。

それなのにこの狭い池に現在はもう一組のカルガモファミリーがいる。

 

よく見ると母ガモの体毛が少し違っている。写っているのは六羽のコガモだが実際は前の家族と同じく

八羽のコガモがいる。

 

今は小さくてかわいいのだが、やがて大きくなってしまうとこの狭い池では二つの家族がともに

生きていくのは難しくなるだろう。

現在では 大人のカモとコガモを合わせると30羽近いカルガモがこの狭い池で暮らしている。

 公園に遊びに来た人たちは可愛い可愛いと何の考えもなく餌を与える。

カモたちは餌をもらえて生きていければ、どんどん仲間を増やそうとする。そして

増えすぎたカモたちは様々な問題を引き起こすようになっていく。

 

 野生に生きる動物たちには、安易にえさを与えてはならない。

餌を与えることで、本来のバランスを崩してしまう。

私たち人間の役割は野生の生き物たちの生き死にをやさしく見守るだけ、

それ以上のことはしてはいけないのだ と思う。

 

 この辺で。


野川沿いの散歩

2016-06-28 18:14:36 | 散歩

 6月も間もなく終わり、早や今年も一年の半分を過ぎようとしている。

節季はは夏至に入った第一候(6月21日~25日)が乃東枯(なつくさかる)だが、

第二候(6月26日~7月1日)は菖蒲華(しょうぶはなさく)となっている。

 

 野川も水量をまし、普段とは違い生き生きとした流れとなっている。

 

 この時期、川沿いの土手を埋め尽くすのはワルナスビの花。漢字では悪茄子。名前の通り

棘もあり全草有毒成分を持つ。北米原産で日本には昭和初期に渡来したとされている。

 

白花の株もある

 

野川観察園もこの雨では人影もなく、閑散としている。

 

この時期、ガガイモ科のコバノカモメヅルが咲きだす。

 

 分布は関東、中部、近畿地方の山野の草原や湿地。とはいうものの。私の住む多摩地区の丘陵や低山では

ほとんど見かけることはできない。

 

 カモメの名は対生する葉の形から来たという。それにしてもヒトデのような変わった形の花だ。

 

 雨はずっと降り続けている。大きな葉で休んでいるミドリシジミを見つけた。

北海道から九州まで広い範囲に分布する蝶だが、特にハンノキ林に多い。

 

 咲きだしたばかりのギボウシ

 

 夏至の第三候は半夏生。水辺には名の通りのハンゲショウも咲いていた。

 

マタタビのように葉の一部を白化させている。半夏生は半化粧にも通じるのだろう。

 

 臭気がありドクダミの仲間でもある。別名は片白草。特有の匂いを持つ。

 

梅雨時に怪しげな匂いを撒き散らして、虫たちを誘引しているのだろうか。

 

 この辺で。


東京都薬用植物園の花

2016-06-25 06:30:41 | 散歩

 小平市にある薬用植物園は比較的近いところにあるのでよく出かける。

梅雨時になりドクダミの花があちらこちらで咲いているが、ここ薬用植物園では

少し変わったドクダミの仲間が見ることができる。

 八重咲きのドクダミ。最近はよそでも見かけるようになった。10年ほど前はここでしか見られなかった。

 

 

 普段見かけるドクダミとはちょっと違って気品らしきものが感じられる。

 

 

葉の赤く変色した五色ドクダミ

 

 園内を回るとたくさんの変わった花たちに出会える。

青白に咲き分けたようなアジサイ

 

 これは珍しいシナノキ科ノウオトリギの花。この花にはここ以外でお目にかかったことがない。

 

名の由来は花の有毒成分を使って魚を採ったことから。

 

 アカメガシワの花も咲いている。

 

これはキョウチクトウだが、この色の花は見かけたことがない

 

 チコリーはキク科の多年生野菜でキクニガナという和名を持つ花。薬効もありハーブの一種。

 

 立札にはアリウムの一種とあった、

 ユリ科の花で属名にジャンボニンニクとあった。

 

キカラスウリは球根のでんぷんが江戸時代には天花粉として使われたという

 

 皮膚病や腫物に効くのだというクマツヅラ

 

オオツヅラフジには鎮痛や利尿作用がある

 

イヌゴマは野草としてもよく見られる。しそ科の花。

 

 アスピリンの原料が初めて得られたセイヨウナツユキソウ

 

グロリオサは熱帯アジアやアフリカ原産のユリ科の植物

 

 珍しい形をした花。つる性でトケイソウ科の花のようだ。

 

 シクンシは花の鑑賞だけでなく、虫下しとして用いられる。

 

 お終いに毒々しい実を二つ。先ずは朝鮮人参の実

 

一部色づき始めたマムシグサの実

 

 この辺で。

 

 

 

 

 

 


高尾山ー2週間後

2016-06-21 08:50:46 | ハイキング

 前回とは異なり、今回は久しぶりにケーブルカーを使わずに

6号路→5号路→3号路→1号路と歩いてきた。コースマップはここに。尚

 前回の記事はここに。

 杉の大木の幹にはセッコクは既になく、テイカカズラ(キョウチクトウ科)の白い花が目立った。

 

同じカズラの字が付くスイカズラ(スイカズラ科)はまだ健在。

 

 やや見頃は過ぎたもののノイバラやガクウツギも咲いていた。

 

 

ユキノシタもまだ花は残っている

 

 オオナルコユリもまだまだ旬は過ぎてはいない。

 

 ギンリョウソウは前回よりもたくさん見られた。

 

 

 残念ながら美しかったサイハイランやツレサギソウは立ち枯れてしまった。

 

 

 代わりにラン科のクモキリソウに出会えたのは嬉しかった。

 

さらにイチヤクソウ科のウメガサソウにも初めて出会えた。

 

 それならイチヤクソウもどこかに咲いているはずだと、懸命に探したのだが

 今回は縁がないのか見つけるられなかった。序に前回はまだ咲はじめ多ばかりで

今回期待していたイナモリソウも探したのだが見つけることはできなかった。

 

 キジョランの実は2週間分だけ大きくなっていた。

 

 6月中旬のこの時期。花数が最も多いのはドクダミの花。

 

ホタルブクロも随所で見られた。

 

 咲き始めたのはムラサキシキブの小さな花。

 

 

 崖に垂れ下がるのはマタタビの白化した葉

 

前回は蕾だけだったが今回は至る所で花を見ることができた。

 

 

 同じマタタビ科のサルナシも咲いているということで探したがこれも見つからず。

 

白く色づき始めたのはオカトラノオやヤマブキショウマの花

 

 

ヤマユリは少しだけ蕾はおおきくなったが、まだ開花している株はなかった。

花を見ることができるのは7月に入ってからだろうか

 

オオバギボウシは蕾から開花初めという状態

 

 

 今回は終始傘を持ちながらの山行だった。わずか2週間足らずだが花たちの移り変わりを眼で確かめる

ことができて良い経験だった。短い期間で同じ山を歩くということはしたことがなかったのだが、

そういう山歩きの仕方もなかなかいいものだと思った。

この辺で。


染谷花しょうぶ園

2016-06-16 22:06:55 | 散歩

 

 前回尋ねたのは2013年だから、今回は3年ぶり4回目ということになる。

最近テレビでも紹介されたようで、9時の開園30分後だったにもかかわらず

大変な人出だった。

 いつの間にか入園料も500円になっていた。

 

 

 門をくぐった先はすぐに別世界となる。

 

 この時期が一番の見ごろだったようだ。

 

 花しょうぶは早期、中期、晩期と咲く時期が品種によって変わる。

 

雨は暫らく止んだり、そして時には思い出したように降り出す。

また柔らかい日差しが時折さしたりもして、花菖蒲には格好の天気だ。

 

 

園内の一部には1mばかり高い木道が通っている。

 

 敷地は8000㎡とさして広くはないが約200種の花ショウブが見られる。

稚児化粧

 

「夜の調べ」と名付けられた品種

 

 いかにも涼しげな形と色合いの小笹川

 

 

肥後系の重厚なハナショウブ「殿上人」

 

 奥のアジサイも色を添える

 

 安積の関

 

神路の誉

 

だんだんと人が多くなってきた

 

背景の板塀も花菖蒲に似合っている。

 

 舟遊びという優雅な名のついた花ショウブ

 

 楚々とした気品を感じさせる「清少納言」。江戸系と伊勢系の交配から生まれた。

 

 

 札には「香灯峯」とあったが、肥後系の白色六英咲の「香炉峯」の間違いだろうか

 

ピンクの縁取り(覆輪)が印象的なスティップルド・リップルスはアメリカハナショウブ

 

 

 このハナショウブは「熱海の夜」という何とも思わせぶりな名を付けられた。

 

 ノハナショウブは花菖蒲の原種

 

 「春の小川」の名はちょっと?な感じ

 

  「雪嵐」。蕊の紫色の縁取りがチャームポイントか

 

 「花車」は江戸系の品種

 

 

「遠山烏」

 

 ピンク色の美しい花だが、「日の丸2号」の名はちょっと頂けない。

 

 

  人は花に埋もれていかにも幸せそうだ。

 

 

 お終いは園内にあった染谷花しょうぶ園の由来の看板。

 

  何時までも残っていて人々の眼と心を癒して欲しいものだ。 この辺で。