野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

小下沢から景信山へ

2016-04-27 20:41:28 | トレッキング

 早春、ハナネコネノメを訪ねた小下沢へ再び4月半ばごろ訪ねた。一月半たって季節はどれほど進んだのだろうか。

 

 頭上に咲くのはウワミズザクラ(上溝桜)

 

サクラとはいうものの花の形は変わっていて、ブラシ状の花を咲かす。奥多摩では低山歩きでよく見かける木の花だ。

 

道端のセンボンヤリ

 

 同じく日当たりのよいところを好むキランソウ

 

この時期見かけるスミレはほとんどタチツボスミレ。数は少ないが白花のマルバスミレもよく見られる。

 

 

タチツボに次いで多いのはラショウモンカズラ

 

ニリンソウはやや旬を過ぎたようだ

 

群生の中に緑花があった。

 

 ニリンソウの群生、少し大きい花はイチリンソウ

 

これはジュウニヒトエか、それとも白花のオウギカズラか判別がつかない

 

 

 とてもよく見かけるニガイチゴの花

 

少し登ってくると色とりどりの新緑がきれいで、いい香りをまき散らしている。

 

標高500m位のところでイカリソウに出会った。

 

 最近、山行中にはなかなか出会えなくなっている花なのでとても嬉しい。

 

チゴユリも咲きだしていた。

 

ヤマルリソウ

 

ウラシマソウ

 

 このスミレはオオタチツボスミレだろうか

 

 

アケボノスミレにも出会えた

 

ゆっくりと登ること1時間半、やっと頂上の小屋が見えてきた。

 

 

東側方面、関東平野を見はるかす。低山ながら展望が素晴らしい

 

 楽しみにしていた富士山は生憎春靄の彼方だった。

 

 この辺で。

 

 


箱根湿生花園を訪ねる

2016-04-23 14:38:36 | 植物園

 雪国植物園、赤城自然園に続いて今回は箱根湿生花園。ここ一か月のうちに

それぞれ特徴のある3園を訪ねたことになる。

 

訪ねたのは4月16日、3月20日の開園からは3週間余りたっているが、高地にあるせいか木々は芽吹いたばかり。

新緑が美しい。これはノリウツギの葉。

 

 クロモジの花

 

アケビの花はまだ蕾

 

たくさんの花をつけたカエデの木

 

新緑の季節の楓も紅葉とはまた違って見てて飽きない。

 

ヤナギの木の花

 

遊歩道わきの山野草は次々を咲き始めているようだ。

フデリンドウ

 

オオバキスミレ

 

ここは箱根の仙石原にあるので、観光客は途切れることがない。

 

紅白のイカリソウ

 

 

 

ほころび始めたシラネアオイ

 

イワウチワも咲いていた

 

 

カタクリはやや旬を過ぎたようだ。

 

園内のいたるところに見られたニリンソウの群生

 

ここの植物園の特徴は池と湿原にある。ミズバショウは終わってしまったが、まだまだたくさんの花が咲いている。

 

 水路に沿って見られるのはリュウキンカ、エンコウソウ、ノウルシなど。

 

 

横に這うように咲いているのがエンコウソウ

 

湿原にはヒメシャクナゲ

 

オオバナナノエンレイソウ

 

ミヤマヤナギの花

 

 

背景には仙石原のススキ原

 

湿原の一本桜

 

一角には高山の花畑ゾーンがあ理、普段ではお目にかかれない山野草が植栽されている。

高山植物の女王コマクサ

 

エゾエンゴサク

 

エゾノツガザクラ

 

ミチノクコザクラ

 

リシリゲンゲ

 

ミヤマオダマキ

 

まっすぐに伸びた用水路。藪の中からはキジの鳴き交わす声が聞こえる。

 

チシマザクラの花枝は頑丈。

 

 クマガイソウはもうすぐ咲きそう

 

オキナグサ

 

 珍しい黄花のミズバショウ

 この辺で。

 

 

 


赤城自然園ー自然生態園

2016-04-19 20:19:55 | 散歩

<前回からの続き>

 セゾンガーデンからナナフシ橋を渡り、自然生態園と抜ける。

 風景は一変し、派手な色彩は消えて雑木林の静かな茶色の世界が広がる。

 

 足元にヒトリシズカが出迎えてくれた。

 

枯葉の間からは可愛らしいヒナスミレの花が覗いている。

 

 花よりもはるかに葉が大きいオオバキスミレ

 

 数が多いのはキクザキイチゲとカタクリ。4月中旬のこの時期は林床はカタクリでおおわれる。

 

まだ開花したての色の濃いカタクリ

 

キランソウやニリンソウも見える。

 

 

 

 濃い赤紫色の花をつけている、この草は猛毒のハシリドコロ。

 

 シュンランも咲いている。

 

フタバアオイの花はおおきい葉に隠れてひっそりと咲く

 

地を這うように咲く低木のクサボケ

 

オシダの若芽は小さくても凶暴な顔を持つ

 

春の舞台を飾る草花たちが次々から次へと顔を見せてくれて飽きない。

 

ここの標高は700m位、新緑はまだ始まったばかりだ。

ハルトラノオ

 

ヤブレガサ

 

 これは植栽されたものか、イチリンソウが一株だけ咲いていた。

 

30分ほど歩いたところで昆虫館の建物が見えてきた。

 

まだ葉の生えていない木が多いものの、キブシやオオカメノキはとうに花をつけている。

 

 

その木の下にきれいなスミレを見つけた。複葉であるところからエイザンスミレかヒゴスミレかと思ったら、

園芸種でベニバナナンザンスミレというものがあるらしく、どうやらそれに似ているようだ。

 

 

ミズスマシの池にやってきた。

 

水面に輪を描いているのがミズスマシ

 

正体はこの小さな甲虫

 

 誰かが切り株で作った小オブジェ

 

 スミレサイシンだろうか

 

 イカリソウも花をつけ始めていた。

 

 

日当たりのよい昆虫広場でアマナを見つけた

 

フデリンドウはこれから

 

ニオイタチツボスミレ

 

四季の森に戻ると、シラネアオイが蕾を綻ばしはじめていた。

 

サンカヨウやユキザサもこれからといったところ

 

 

 春の匂いに包まれながら、ゆっくりと静かな散策を楽しむことができた。

 この辺で。

 

 

 

 


赤城自然園ー春の開園

2016-04-17 17:59:34 | 散歩

 今回は開園直後に訪ねた赤城自然園の紹介。ホームページはこちら。花の開花状況はこちらのスタッフブログで。

園内のマップ。

 

エントランス(開園30分前)にはまだ人気はない。

 

 妙義山隗を背景にしたセゾンガーデンゾーン。

 

コブシが旬を迎えていた

 

 散策路にも花が絶えない。

 

シモクレン

 

 シャクナゲは開花したばかり

 

八重咲きニリンソウ

 

 

 ハルトラノオの見事な群落

 

 

 この時期は何と言ってもアカヤシオが見事だ。

 

 

  ヤシオツツジにはアカヤシオ、シロヤシオ、ムラサキヤシオの3種がある。

 

 一番早く咲くアカヤシオの分布は福島県から兵庫県まで。

 

別名アカギツツジは赤城山の周辺に多く咲くことから名づけられた。

 

 シロヤシオと同様に葉が5枚あることからゴヨウツツジの名もある。

 

私の住む多摩地区では、奥多摩や奥武蔵の一部の低山で局所的に見ることができる。

 

 山行中、この花の咲く下では同時期に幾つかのスミレやイワウチワなども見ることができる。

 

次回は自然生態圏の紹介を。 この辺で。


雪国植物園ー動物編

2016-04-13 20:54:01 | 植物園

今回は雪国植物園の最後。園内で見かけた動物、虫たちを紹介しよう。

先ずは今回の目的の一つでもあった春の女神ギフチョウ

 

羽化したばかりなのかすぐに枯葉の上に止まる。

 

 

 黄色と黒の羽の模様がきれいだ。

 

ギフチョウはアゲハチョウの仲間で日本固有種。それに対し非常によく似ているヒメギフチョウは東日本に多いが、朝鮮半島にも生存している。

 

 ギフチョウは3000万年前の第三紀にはすでに生存していたといわれる古代アゲハ。こんな小さな生物が人間の5,6倍の時間を

生き抜いてきたのだ。

 

ヒメギフチョウとの違いはこちら

 

 2種の分布域の違いは食草の違いによるとのこと。ギフチョウがヒメカンアオイを食草とするのに対して

ヒメギフチョウはウスバサイシンを食草にしている。分布域はそのまま食草の生殖域に対応している。

 

 いずれにしても里山をフィールドとするチョウなので日本では以前より絶滅が危惧されている。

すでに関東では神奈川県の一部の地域でしか見られなくなっているのが今の現状。

 

 花はたくさん咲いているのに、なかなかカタクリにもイチゲの花にもついてくれない。

やっとスミレについたところを何とか撮れた。

 

 

カンスゲに取りついたところ

 

 

ギフチョウ以外には越冬するチョウのルリタテハを見かけた。

 

 

これはヒョウモンチョウの仲間か

 

スジグロシロチョウ

 

 通称バナナムシ、ツマグロヨコバイ

 

草の陰で獲物をじっと待つニホントカゲ

 

山道を歩いているとき、リスを見つけた

 

 望遠レンズを構える暇もなく逃げられてしまった。

 

あっという間に高い木を登り消えて行った。

 

園内で一番見かけた鳥はヤマガラ

 

 

エナガ

 

 これはオオジュリンだろうか

 

 逆光で見えなかったが黄色く見えたので。マヒワのようだった。

 

ホオジロ

 

 

  期待していたオオルリやキビタキなどの夏鳥は見ることができなかった。

 

池の中では鳴きながら交尾を繰り返すカエル

 

 

 そしてクロサンショウウオの卵塊

 

 楽しい時を過ごせた。

この辺で。