野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

蕪栗沼の夕景

2019-01-28 20:15:23 | 旅行

 青森から宮城県の北部にある蕪栗沼にやってきたのは午後4時過ぎ。

 晴れてはいたが、この日は風が強かった。大きい雲だ。

 

 マガンの越冬地として知られる蕪栗沼。こんなサイトがここに。

 

 遮るもののない風景が目の前に広がる。心が自然と伸びやかになる。

 

  陽が落ちてしまう前に沼を回ることにする。

吹き過ぐ風はかなり冷たい。また例年に比べると

雪はかなり少ないようだ。

 

 氷の張っていないところで、白鳥たちは寛いでいる。

 

 

 オナガガモ、マガモ、カルガモ、ヒドリガモなどの群れが見える。 

 

 

 

 少し大きいのはヒシクイのようだ。

 

 番の白鳥が帰ってきた。

 

 羽繕いをしながら夜を迎える

 

 薄暮の中で既に眠りに入っている鳥もいる。夢など見るのだろうか。

 

 

 

 

 ハシビロガモが葦の中に現れた。

 

 ハクチョウたちも次第に帰ってきた。

 

 帰ってきたハクチョウたちに挨拶するかのように伸びをした。

 

 泥の中に顔を突っ込んでエサを探していた白鳥

 

 沼の近くの田んぼが輝きだした。

 

 ここをえさ場としたマガンたちもいる

 

 上空を飛び回っているのはノスリだろうか

 

 

 空が茜色に染まる頃やっとマガンたちも帰ってきた。

 

 

 次第に数を増やしていく

 

 

 沼まで来ると整列を崩し、落雁となって水面に下りていく

 

 種を問わず鳥たちは一塊となって冬の夜を迎えるだろうのか

 

 ゆっくりと熱と光を失っていく蕪栗沼に暫く見入っていた。

 

 この辺で。


駆け足で弘前公園へ

2019-01-25 06:56:16 | 旅行

 3日目の青森市内。昨日はちとせホテルという安宿に泊まった。

備品は必要最小限だが、一泊2800円(税込み)の宿代は素晴らしい。

ただし、wifiは使えず、テレビはアナログテレビなので顔が歪んで

映る。それでも部屋は清潔で広いし、何より市街地のど真ん中で

駅まで5分とかからないのがうれしい。

 

 翌朝6時すぐ近くが青森港なので、朝の散歩に出かけた

 

 この日は昼頃から日差しが期待できるということだったが、今のところは曇り空だ。

 前方に見えてきたのは青函連絡船に使われていた八甲田丸。

現在は博物館として再生されている。

 

 あわよくば珍しい鳥に会えないかと期待したのだが、

やっとウミアイサの番に会えただけだった。

 

 左側は青森駅のホーム、右は八甲田丸とドック

 

 少し引くとこんな感じ、昔は駅のホームからそのまま青函連絡船に乗れた。

 

 さて今日は昼には新青森→古川の指定をとっているので4時間と少しだけ

時間が取れる。大湊へ行くか、青森県立美術館を見学するかと迷った末、

 ちょうどよい特急列車があったので、弘前まで往復することにした。

 40分足らずで弘前駅へ。弘前に下りたのは40年近く前になるだろうか

随分と昔のことだ。この銅像「りんごの風」というらしいが当時見た記憶はない。

 

 弘前ねぶたの絵が描かれたショーウインドー

 

 弘前公園までは1㎞余り、途中の道には結構雪が残っている。

 

 みちのく銀行の建物

 

 建物の風情がよかったのだが、「小野金商店 縄筵叺」の看板の最後の字が

読めなかった。後で調べると「かます」と呼ぶ。説明はめんどくさいのでここで。

 

 クマの写真の下には「ウノ銃砲クラブ会員募集中」とあった。

 

 中心部を少し離れると雪が結構深くなる。

 

昼のランチ700円、それより屋根の上にのぞいている建物は?

 

 謎の逆円錐形の建物。ネットで調べたら弘前では老舗の中三百貨店と分かった。

 

 弘前協会。1906年に建てられたもので県重要文化財とされている。

 

 公園に近づいてきたら雪が一層深くなってきた。

 

 東門にあった看板

 

 500円で一瞬でもお殿様やお姫様になれるなら安いものだ。

 

 公園内に設けられている植物園は現在冬季閉園中。

 

 お濠も雪で覆われている。

 

 あちこちにある雪吊り

 

 駅を出て30分たったところで、やっと天守閣が見えてきた。

 

 雪景色の中の朱色の門が目を引き付ける。

 

 枝垂桜越しの本丸天守閣

 

 本丸の石垣は100年ぶりの修理中とあった。

 

 

 桜の時期とは違った美しさがある 

 

 もう駅を出てから40分ちかく経ったようだ。残り時間は30分足らず。

列車の本数が少ないので遅れたら予定が狂ってしまう。心惜しいが 

本丸まで見られたのでこの辺で引き返すことにしよう。

 古めかしい南内門を抜ける。

 

 公園内に設けられた博物館を横目にひたすら急ぐ

 

 追手門からはユーたちを追い抜いて、そそくさと退園

 

 

  雪道を駆けて戻って、帰りの電車の時刻には何とか間に合った。が、

慌ただしいのはやっぱりよくない。今度はもっと時間に余裕をもって

歩きたいものだ。できれば桜満開の時期に……。

 この辺で。


種差海岸を歩く

2019-01-23 08:56:47 | 旅行

 普段は時間をかけて新聞を読むことは少なくなった私だが、今朝の

「世界上位26人と下位38億人の資産が同じ」という記事には思わず

見入ってしまった。

 国際慈善団体オックスファムの報告によると世界上位26人の富裕層が

持つ資産は世界の下位半数38億人の資産に匹敵するのだという。

 この報告ではさらに、その資産格差は前年度に比べて富裕層は12%増え、

貧困層は11%減少したのだという。さらに富裕層の上位1%に0.5%課税を

増やせば、「学校に行けない2億6200万人の子どもの教育ができ、そのうえ

医療サービスの提供で330万人の命を救うことができる」としている。

等比級数的に拡大する格差社会の行き着く先には如何なる風景が待っているのか。

 4月から消費税が値上げされる日本でも同様に所得の格差は

益々広がっていくのだろう。 恐ろしい。

 

 さて青森の浅虫温泉の旅館に泊まった翌日。

 部屋から見えるおにぎり型の小島は湯ノ島という。吹雪の弱まった瞬間に

撮った写真なのだが、目の前にある小島がぼやけて見える。

 

 眼下の海上にはカルガモの群れが泳いでいた。

 

 浜辺には番の白鳥とヒドリガモ、カモメもいる

 

 予定ではこの日は一日陸奥湾沿岸を数か所訪ねてコクガンを探すことにして

いたのだが、天気予報によると今日は一日中吹雪とのことで断念。

朝食をいただいた後、穏やかな天気の八戸種差海岸を歩くことに計画を変えた。

 浅虫温泉駅に行く途中の浅虫海岸。

 

 民家

 

 

 10分ほど歩いて浅虫温泉駅に着いた。

青い森鉄道の改札口、駅舎の中は暖房がきいていて暖かい。

 

 8時54分の電車に乗った。

 

八戸で乗り換え、種差海岸駅に着いた時にはとうに11時を超えていた。

 空には青空が広がっていて、多少風はあるものの絶好のウォーキング日和だ。

青森市と八戸市、同じ県にあるとは思えない気候風土の違いだ。尤も昔は

津軽と南部で藩そのものが違っていた。土地の人の話では気風も随分と違うのだそうだ。

 

 私が歩いたのは種差海岸トレイルの一部分。ここは種差天然芝生地。

 少しだけ雪が残っている。

 

 

 日当たりの悪いところでは一面の雪景色。気温は氷点下を少し超えたあたり。

 

ウミウのフンで白くなった白岩。

 

 小さな漁港の桟橋にいたカモメはセグロカモメのようだ。

 

澤久保漁港と白浜漁港の間にあった巨岩。

 

 白浜漁港

 

 

 白浜海水浴場。平成18年に環境省認定の「快水浴場100選」に選ばれた。

 

 砂丘のように広いこの辺りは大須賀海岸、鳴き砂の浜辺が2㎞にわたって続く。

 

 

これもセグロカモメの群れ

 

 靴がめり込む砂の道より防風林ともなっている松林の下が歩きやすい。

 

 

 遠くの沖を大型船がゆっくりと通っていく。

 

 薄の原っぱ。

 

 

 中須賀から見た大須賀海岸。

 

 風は結構強いのに波はどういうわけか穏やかだ。

 

 少し離れた海上にクロガモの群れを見つけた。一羽が潜ると

合図があったかのように皆一斉に潜るのが面白い

 

 奥に一羽だけウミアイサが泳いでいる。

 

 こちらはシノリガモのようだ。

 

 前方に葦毛崎展望台が見えてきた。

 戦時中には海軍の監視所として使われていた。

 

 トレイルも終盤、鮫角灯台は日本灯台50選の一つ。

 

 マリエントという名の水産科学館

 

 電線の上ではスズメたちが遊んでいた。

 

 民家の間からみちのく潮風トレイルの起終点となっている蕪島が見えてきた。

 

 ウミネコの繁殖地としても有名な蕪島。

 

 

 終点の鮫駅に着いた。途中灯台に寄り道をして道に迷ってしまい、

やっとのことで14時8分発の八戸行きに乗ることができた。

 来るときの電車が40近く遅れたので、4時間で悠々歩く予定が

3時間と少しのせわしいウォーキングになってしまったのが残念だった。

 

 この辺で。

 

 


吹雪の三内丸山遺跡

2019-01-21 21:51:13 | 旅行

 正月以来、のんべんだらりと生きてきて、これじゃいけないと一念発起した。

 大人の休日俱楽部パスを使い青森まで吹雪を体験しに出かけてきた。

昼前に出て、4時間足らずで新青森駅に到着。何と早いものだ!

 電車を降りるとねぶたのミニチュアが出迎えてくれた。

 

 駅を一歩出ると本物の銀世界、吹きすさぶ風に情け容赦は全くない。

 

バス停にはバス一台もなく、人の姿もまったく見えない。

 

10分遅れでやってきた市内観光バスねぶたん号に乗って、念願の

三内丸山遺跡へ。(私は三内丸の山だと思っていたのだが、本当は三内地区にある

丸山遺跡ということらしい。つまり 三内 丸山 遺跡となる。)10分少々でバスは到着。

 

 周囲はすべて雪

 

建物の中に入るとやっと人心地がついた。

 

人の背丈より大きい土器がお出迎え。

 

 建物は時游館と呼ばれぐるりと一周するつくりになっている。

 

  遺跡入り口に従って左に入る。遺跡全体のミニチュア模型があった。

 

 その先外に出ると吹雪が待ちかまえていた。

 

 振り返った入り口はかまくらの入り口のようにすっかり雪に覆われている。

 

 しばらく進むと日本最大級といわれる縄文集落が見えてきた。

 

 あまりの寒さと強風で外に出ている観光客は少ない。

 

 

 

 三内丸山遺跡のシンボル 大型掘立柱建物が見えてきた。

 

 そばにある建物は復元された大型竪穴式住居

 

 軒先にできた氷柱もマンモスの牙のように大きかった。

 

 近づくと圧倒的な大きさが実感できる。5000年前にこんなものが作られていたとは……。

 

 

 

そばにある大型竪穴式住居に入ってみる、かなり広い。百人以上は

楽に収容できるようだ。

 

 囲炉裏のそばでどんな会話が交わされたのだろう。

 

 竪穴住居はこの遺跡だけで550棟以上!見つかっていて、規模の巨大さに驚かせれる。

 この遺跡ではそのうちの15棟が復元されている。

 

 高床式の建物もある。

 

 

 このドームのような建物がいくつかあってその中には遺跡が保存されている。

 

 大型掘立柱建物跡

 

 

 南盛り土。千年分の遺物がこの地層から発掘されたとのこと。

 

 建物のなかに戻って、さんまるミュージアムを見学

 

大型板状土偶

 

発掘された土器群

 

 

 

  思った以上の文化の豊かさにすっかり圧倒されてしまった。

 

 新青森駅まで戻って青森までの電車を待ったのだが、

吹雪はますます激しくなってきた。吹雪にさらされるホーム。

 

 やってきた電車も顔面が一面雪化粧だ。

 

 駅の外は一面の雪吹雪。その中で働く人たちがいる。

 

 今日はこの辺で。

 

 

 


冬鳥たち③

2019-01-16 06:17:48 | 探鳥

 節季はまもなく小寒から大寒へと(今年は1月20日から)変わる。寒さは変わらず

厳しいのだが、天気は来る日も来る日も晴れが続いている。

先だって久しぶりに雪が降ったのだが、降水量は1mmにもならなかったらしい。

 私は休みの日ごとに鳥見に走り回っているのだが、収穫の少ない日が

ほとんどだ。そんな中、今回は思い切って遠出をして神奈川県の丹沢山麓の

辺りをうろついてきた。 何度か訪ねているこの地だが、やはり今年は全く雪が

見られないようだ。休日にもかかわらず、駐車場には車はまったく見られない。

 

 ツルウメモドキの実にツグミが来ていた。

 

 ホオジロの♂と♀を薄のなかに見つけた。

 

 

 少し遠かったが、ルリビタキもいた。

 

 近くの藪でガサガサと大きな音がしたと思ったら、ニホンザルが現れた。

 

 6,7頭ぐらいの小さな群れだ。中に一頭、風格から言ってこれがボスかもしれない。

 落ち着いていてなかなかの面構えをしている。

 

 久しぶりのニホンザルの出現で夢中でシャッターを押していたのだが、地元の人に

シャッター音に反応して向かってくることもあるから、やめたほうがいいと諭された。

 このボスざるは空を見上げて悠然としている。いったい何を思っているのだろう。

 

 この辺りはいくつかの沢が流れ込んでダム湖を作っている場所だ。

冬枯れの風景を映した水面がやけに神秘的で思わず見入ってしまう。

 

 例年冬鳥が多くみられるところなのだが、それにしてもやはり今年は少ないようだ。

藪の中からはそこそこ地鳴きが聞こえてくるのだが、姿を見ることはなかなかない。

小半時歩いてやっとルリビタキ♂が近くに寄ってくれた。

 

 お腹から背にかけて、白黄青の羽色が美しい個体だ。

 

 暫くポーズをとってくれたのは嬉しい。

 

  もう少し先で微かなガサガサ音がした。これは嬉しい、久しぶりのクロジのようだ。

 

 

 もともと表に出てくるのが少ない鳥で、更に体色が地味なので見つけるのは難しい。

 じっとカメラを向けていたら、気づかれたようだ。

 

 すぐそばにいたアオジ

 

 一番奥の橋のところには数人のカメラマンが陣取っていた。聞くと、一日一回程度は

クマタカが出るらしい。しばらく一緒に待っていたのだが、飛んでいたのはトンビだけだった。

 私には一日鳥を待つ根気強さはとてもない。

 引き返す途中、やっとベニマシコが出てくれた。

 

 ずいぶんと赤味のきれいなオスの個体だった。

 

 

 

 すぐそばにいたこちらは♀

 

 今日はこの辺で。