60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

マイナンバーカード

2016年06月03日 08時22分29秒 | 日記

 先週の月曜日、市役所にマイナンバーカードを受け取りに行った。写真を貼って申請書を送付したのが昨年の11月、おおよそ6ヶ月かかったことになる。その6ヶ月の間、申請を受け付けたとも何時ごろカードが出来上がるとも、何の通知もなかった。今回のマイナンバーの一連の手続き、いかにもお役所仕事の感じがして、今後の運営にも不安を覚えてしまう。 

 まず、今回届いた「お受け取りの用意ができました」という通知書である。封書に入っていた受け取り書(下の写真)の文字があまりにも小さい。これでは年寄りは虫眼鏡を使わなければ読めない。お役所の責任回避もあるのかもしれないが、自分たちの言いたいことを、くどくどと小さな文字で書いてあり、読み手のことなど何の配慮も無い。いかにもお役所的で腹が立つ。
 
    
 
 受け取り日は事前の予約制になっていた。電話かインターネッでの予約ができるが、私はインターネットで予約する。受け取り案内に書いてあるログインIDとパスワードを入力してサイトに入るが、パスワードが英字の大文字と小文字が混じっていて少し戸惑ってしまった。予約サイトに入ると、30分間隔の予約欄は「X」(満員)と「-」(予約不可)ばっかりになっている。しかも土曜日は1ヶ月先まで「X」である。受取る人が仕事をしていると考えれば、昼休み、夜7時までなども受け取れるようにすべきなどではと思う。代理人の受け取りはカードの性格上、手続きが複雑になる。従って大半の人が会社を半休してい行かなければならない。やはりこれもお役所の感覚である。結局私は10日先の平日になってしまった。
 
    
 
    
 
 9時に予約にして、当日9時5分前に市役所に受け取りに行った。その時は誰も来なく、私が一番目である。9時になって女性職員が出てきて受付が始まる。席に座り書類を確認した後、カメラの方を見てくれと言われる。送付した写真と本人とを、パソコンの顔認証システムで検証したのであろう。その後、説明してから手渡すから個室で待っていてくれと、個室のナンバーを指示される。しばらく待つと今度は男性職員が来てパソコンのキーボードを向けられ、パスワード2種を入力させられる。それから有効期間が10年であること、紛失した場合の届出、再発行手続の要領等々の説明を受けてから、カードを手渡された。その間10分、トータル20分である。私が会場を出るときに1人の男性が入ってきた。このペースであれば9時からの30分間の予約は2~3人程度であろうか?、そしてこの作業は職員2人でこなしている感じである。これではカードの受け渡しも、遅々として進まないように思ってしまう。
   
    
 
                      受付
 
    
 
                    説明会場
 
 先日の新聞にマイナンバーカードの記事が載っていた。現状の申請者数は1033万枚(3000万枚の予測に対し)、そのうち交付できたのは430万枚で、大規模な市区での交付が遅れていると言う。その理由は交付手続きをするシステムの不具合が相次いだこと、窓口で円滑に交付するためのノウハウが自治体に不足していること、そして臨時窓口に割ける人数が少ないこと、等々の理由があげられていた。また高市総務相は「スピードアップのために追加経費が必要なら自治体に補助金を拡充する」、「カードができているのに手元に届かない状況は何とかしたい。何が何でも来年の確定申告までに間に合わせたい」と述べている、という記事である。
 
 国民全員にナンバーをつけ管理していくという前代未聞の国家プロジェクト、それにしては事前準備と国民への周知がお粗末なように思う。マイナンバー制度で世の中の制度や管理がどう変わるのか、マイナンバーで何ができるのか、我々国民のメリットはどこにあるのか、そんなことはあまり知らされていなかったように思う。一つはマスコミの非協力的な態度もあるのかもしれない。だからカード申請が予測の1/3に留まっているのだろう。私の周りを見渡してみてもカードを申請した人はほとんどいない。その理由を聞いて見ると、「面倒だから」と「無くても困らないから」が大半である。それから申請した人には運転免許証を持っていない女性が多いようである。ということは、マイナンバーカードは免許証代わりの身分証明書の認識しかないのかもしれない。