マイナ保険証についていろいろ議論されているが、いまいちよくわからない点もあるので、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に電話をかけ、いろいろ質問したところ、いろいろ問題点があることが判明した。また、来年秋の従来の保険証廃止以降の取り扱いについても、まだ決まっていないことがいろいろあることもわかった。
まず、マイナ保険証で受診し、病歴・薬等の情報閲覧に「同意する」としたら、24時間、病院側ですべての情報が閲覧できる。従って、最初の病院での診断に疑問があり、他の病院にセカンドオピニオンを求めたとすると、すべてがバレでしまうことになるので、トラブルの元になる。即ち、黙ってセカンドオピニオンを求めて他の病院を受診することはできなくなる。すべてを知られては困るので、常に「同意しない」とするなら、マイナ保険証の意味がなくなる。要するに、医療データは、All or Nothingで、全ての情報が丸裸でだだ漏れとなるのである。自分で一部の情報を削除したり、隠したりすることは全くできないことも判明した。医療情報は、マイナ保険証を持っていない人もデータが蓄積されていて、持っていなければ、ただ、本人も病院側もアクセスできないだけということもわかった。従って、マイナ保険証を持っていたとしても、自分だけがアクセスして情報を確認できればそれで十分で、受付の際は、「同意しない」を選択したほうがよさそうである。新たに受診する病院には、必要な情報だけを口頭ないし文字にして伝えた方がよさそうである。それにその情報は3年間分だけで、それ以前は見ることが出来ないとのことである。病気は3年で完治するわけではないので、3年間だけということは、データ蓄積といっても、話にならないほどお粗末な制度設計である。
また、マイナ保険証で薬をもらう場合でも、「お薬手帳」を発行してもらえるのかどうか訊いたところ、まだわからないという回答であった。マイナポータルのデータは最新のものをすべて反映しているわけではないので、「お薬手帳」のほうがはるかに正確で便利である。それに薬も3年間のデータしか見られないとのことでは話にならない。「お薬手帳」は、過去何十年の記録が手元にあることになるので、はるかに役に立つ。どうも保険証廃止後の「お薬手帳」の発行についてはまだ決まっていないようなので、発行可能となるように国民は強く要求すべきである。手帳がもらえないなら、3年分だけでは意味がないし、自分でマイナポータルに調べに行くのも面倒なので、マイナ保険証をやめて資格確認書に移行したほうが便利で得策といえる。
マイナ保険証で受診するのと従来の保険証で受診するのと、窓口負担額に格差をつけ、マイナ保険証を優遇しているとの情報についても訊いてみたら、数十円の話であるが、事実であることがわかった。マイナ保険証なら初診時の加算は20円(3割負担の場合6円)、再診時はゼロだが、現行の健康保険証を利用すると、初診時60円(同18円)、再診時20円(同6円)になるという。現行保険証を割高に設定し、マイナ保険証へと誘導する作戦であり、 マイナ保険証の普及をねらったものと言われても仕方がないし、とんでもない話である。日刊ゲンダイデジタルによると、来年秋以降、資格確認書を利用する場合、ペナルティを課し、少し高く設定することが検討されているようで、これまたとんでもない話である。
医療情報は3年分だけとか保険証受付の時に閲覧を「同意する」とした場合、ドクターは24時間だけ閲覧できるとかは問い合わせて初めて知った情報である。政府によるマイナ保険証についての広報活動は、不十分だし、メリットの説明も不十分である。厚生労働省のホームページに書いてあるとのことであるが、ほとんどの人は見ないし、意味がない。従来の保険証に代えて、資格確認書に移行する作業量と莫大な経費をどう見ているのであろうか?マイナカードの普及は、国民のためではなく、政府行政のためであることは明々白々である。政府が勝手に保険証の廃止を法律化してしまったので、復活させるには新たな法律を作る必要があるから元に戻れないだけである。国会の議論を通さず、政府が勝手に法制化して、それが失敗であったことが明らかになっただけである。政府与党は、メンツを捨て失敗を認めるべきであり、それで国民から非難を浴びるのも受け入れるべきであろう。政府与党がオウンゴールして得点を許しているのだから、野党も千載一隅のチャンスを生かすべくしっかりと本来の仕事をしてほしいものである。また、政府与党は木原問題で何回もオウンゴールし、また、松川るい・今井絵理子の外遊問題、森まさこのブライダル問題と度重なる敵失でも勝てない野党も情ない話である。
自分なりにマイナ保険証の問題点を整理すると、
①医療情報・薬情報は3年分しか見られない。(病気は3年以上の経過観察が必要)~ 即時にはデータが反映されない 但し、スマホの保有が前提
②情報の閲覧は、all or nothing。すべての情報がだだ洩れ
➂トラブルなくセカンドオピニオンを求めることが困難になる。
④毎回持参する必要があり、紛失の恐れがある。
⑤5年に一度自分から申請手続きを行う必要がある。
⑥パスワードが数字4桁だけなので、セキュリティーは甘く、情報が盗まれやすい。
⑦お薬手帳がもらえなくなる恐れがある。
⑧システムダウン時のトラブルが心配。
⑨資格確認書での受診者を料金で差別することはおかしい。
⑨資格確認書での受診者を料金で差別することはおかしい。
⑩税金から莫大な経費を使うことになる。
当初任意であったマイナカードの所有を保険証廃止とからめて勝手に義務付けること自体言語道断であり、早期に撤回を求めたい。
日刊ゲンダイデジタル(8/16):https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/327536