9月1日16時に気象庁は桜島の噴火警戒レベルを4「避難準備」から、3「入山規制」に引き下げました。
8月15日、火山性地震が頻発し、急激な山体膨張が観測されたことから、大規模噴火の恐れがあるとして同日10時15分に警戒レベルを4に引き上げていました。
鹿児島市の人工島「マリンポート鹿児島」から見た桜島 撮影 2015/08/20
火山直下の桜島島内はもとより周辺自治体にも大きな不安をもたらしました。お盆休み期間中の突然の事態、桜島島内の避難勧告地区から慌しく避難する高齢者の姿が目立ちました。
桜島の外見は特に変化はありませんでした。山頂は夏雲に隠れて上空からの火口観測がしにくかったようです。今回は8月15日だけで火山性地震が1000回を超え、有感地震も発生して緊張しました。16日以降は地震回数が極端に減少し、噴火の前触れではないかと心配されました。
桜島島内の観光施設が閉鎖され、8月22日に予定されていた錦江湾サマーナイト花火大会も中止になり、残念なことでした。その後台風15号の接近があり、火山噴火と台風災害への両面対応も課題として浮上しました。
大隅半島側から見た桜島 撮影 2015/01/23
鹿児島港側から見た桜島 撮影 2015/01/23
大正噴火では東側斜面の鍋山、西側斜面の引ノ平から噴火し溶岩が流出、東側では溶岩が瀬戸海峡を埋めて大隅半島と陸続きになりました。最初は大正噴火レベルの大規模噴火も懸念されました。地震活動が低下し、火口表面の大きな変化もないため、活動規模は古里地区に大きな噴石が達する程度と下方修正されました。
鹿児島市側から見た桜島南岳 撮影 2015/01/23
桜島は活動が活発なため噴煙高度が火口縁から1000m以上に達した場合に噴火として扱います。ただし、噴煙高度が1000m未満でも噴火に伴う噴石が火口外に飛散した場合や、空気振動を伴う噴火は爆発としてカウントしているようです。
単純に言えば、ドカンと音がして噴石が飛び出せば噴煙高度にかかわらず爆発です。爆発音がせず、噴石も飛び出さずに噴煙だけが1000m以上に達すれば噴火です。
桜島の爆発は今年何回目と表示されます。夜の写真撮影では爆発しなければ大きな花火のような風景は写りません。噴火では暗い山体の上に黒い噴煙が広がるだけで明るい月夜以外では目立ちません。火口上空が雲に覆われて見えない場合もあり、夜の噴火観測は難しい場合もあります。
桜島の噴火回数 気象庁資料から引用
鹿児島地方気象台の噴火説明記事
噴火
火山現象として、火口外へ固形物(火山灰、岩塊等)を放出または溶岩を流出する現象です。
桜島では、噴煙量中量以上(概ね噴煙高度1000m以上)の噴火や爆発的な噴火の回数をカウントしています。
爆発的噴火:ばくはつてきふんか
噴火の一形式で、 地下の高温や高圧源での内圧が増大して起こり、音響とともにガス、水蒸気、岩石等を放出し、空振を伴う現象です(一般的に爆発と略すことが多い)。 時に火口や山体を破壊することもあります。
桜島の爆発的噴火は、地震波形、爆発音、空振、噴石飛散の有無で判断しています。(引用終わり)
2015年5月以降の旬別噴火回数
噴火回数を見ると、警戒レベルが4に引き上げられた後は一度も噴火が観測されていません。ごく小規模の噴火が数回あっただけです。
今回の火山性地震の増加については詳細な検証がなされるでしょうが、噴煙を上げ続けてきた昭和火口や南岳火口へのマグマ上昇ではなく、それ以外の場所へマグマが貫入したものの噴火を引き起こすほどに活動が継続しなかったのではないでしょうか。
霧島新燃岳の噴火でも火口に大量のマグマが上昇し、今にもあふれ出すのではないか、溶岩に水蒸気が触れて大きな爆発が起こるのではと警戒されましたが、活動は低下し今は小康状態が継続しています。
いつかは桜島の大噴火があるでしょうが、ひとまずは安心しました。
大正噴火の予兆として海岸に温泉が湧き出し、山が崩れ、井戸水が枯れるなどの現象が起こっています。身近な風景や日常生活に異変がないか引き続き注意が必要です。
8月15日、火山性地震が頻発し、急激な山体膨張が観測されたことから、大規模噴火の恐れがあるとして同日10時15分に警戒レベルを4に引き上げていました。
鹿児島市の人工島「マリンポート鹿児島」から見た桜島 撮影 2015/08/20
火山直下の桜島島内はもとより周辺自治体にも大きな不安をもたらしました。お盆休み期間中の突然の事態、桜島島内の避難勧告地区から慌しく避難する高齢者の姿が目立ちました。
桜島の外見は特に変化はありませんでした。山頂は夏雲に隠れて上空からの火口観測がしにくかったようです。今回は8月15日だけで火山性地震が1000回を超え、有感地震も発生して緊張しました。16日以降は地震回数が極端に減少し、噴火の前触れではないかと心配されました。
桜島島内の観光施設が閉鎖され、8月22日に予定されていた錦江湾サマーナイト花火大会も中止になり、残念なことでした。その後台風15号の接近があり、火山噴火と台風災害への両面対応も課題として浮上しました。
大隅半島側から見た桜島 撮影 2015/01/23
鹿児島港側から見た桜島 撮影 2015/01/23
大正噴火では東側斜面の鍋山、西側斜面の引ノ平から噴火し溶岩が流出、東側では溶岩が瀬戸海峡を埋めて大隅半島と陸続きになりました。最初は大正噴火レベルの大規模噴火も懸念されました。地震活動が低下し、火口表面の大きな変化もないため、活動規模は古里地区に大きな噴石が達する程度と下方修正されました。
鹿児島市側から見た桜島南岳 撮影 2015/01/23
桜島は活動が活発なため噴煙高度が火口縁から1000m以上に達した場合に噴火として扱います。ただし、噴煙高度が1000m未満でも噴火に伴う噴石が火口外に飛散した場合や、空気振動を伴う噴火は爆発としてカウントしているようです。
単純に言えば、ドカンと音がして噴石が飛び出せば噴煙高度にかかわらず爆発です。爆発音がせず、噴石も飛び出さずに噴煙だけが1000m以上に達すれば噴火です。
桜島の爆発は今年何回目と表示されます。夜の写真撮影では爆発しなければ大きな花火のような風景は写りません。噴火では暗い山体の上に黒い噴煙が広がるだけで明るい月夜以外では目立ちません。火口上空が雲に覆われて見えない場合もあり、夜の噴火観測は難しい場合もあります。
桜島の噴火回数 気象庁資料から引用
鹿児島地方気象台の噴火説明記事
噴火
火山現象として、火口外へ固形物(火山灰、岩塊等)を放出または溶岩を流出する現象です。
桜島では、噴煙量中量以上(概ね噴煙高度1000m以上)の噴火や爆発的な噴火の回数をカウントしています。
爆発的噴火:ばくはつてきふんか
噴火の一形式で、 地下の高温や高圧源での内圧が増大して起こり、音響とともにガス、水蒸気、岩石等を放出し、空振を伴う現象です(一般的に爆発と略すことが多い)。 時に火口や山体を破壊することもあります。
桜島の爆発的噴火は、地震波形、爆発音、空振、噴石飛散の有無で判断しています。(引用終わり)
2015年5月以降の旬別噴火回数
噴火回数を見ると、警戒レベルが4に引き上げられた後は一度も噴火が観測されていません。ごく小規模の噴火が数回あっただけです。
今回の火山性地震の増加については詳細な検証がなされるでしょうが、噴煙を上げ続けてきた昭和火口や南岳火口へのマグマ上昇ではなく、それ以外の場所へマグマが貫入したものの噴火を引き起こすほどに活動が継続しなかったのではないでしょうか。
霧島新燃岳の噴火でも火口に大量のマグマが上昇し、今にもあふれ出すのではないか、溶岩に水蒸気が触れて大きな爆発が起こるのではと警戒されましたが、活動は低下し今は小康状態が継続しています。
いつかは桜島の大噴火があるでしょうが、ひとまずは安心しました。
大正噴火の予兆として海岸に温泉が湧き出し、山が崩れ、井戸水が枯れるなどの現象が起こっています。身近な風景や日常生活に異変がないか引き続き注意が必要です。