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ヤグルマギクと言っても、多年草の

2022年08月10日 07時38分29秒 | キク科
2022.06.02撮影

日本でごく普通に見られるヤグルマギクは、1年草のヤグルマギク(Centaurea cyanus)ですよね。でも、この画像のヤグルマギクは、多年草のヤグルマギク(Centaurea montana)で、日本語では、学名を訳して(montana は英語の mountain に当たります)、ヤマヤグルマギク(山矢車菊)と呼ばれています(他の呼び方もあるようです)。その調子でいけば、日本人に馴染みのある方のヤグルマギクは、アオヤグルマギクになりそうですね。「シアン(cyan)」と言っても、ちょっと色は同じではないのですが。


1年草のヤグルマギクも、多年草のヤマヤグルマギクも、原産はヨーロッパです。ヤグルマギクは自然の生育地が野である、と言うことでしょうか、農業化に押されて、野生のものは絶滅危機に瀕しているそうです。ヤマヤグルマギクは、名の如く、山がちの地、特に、山の南側(ヨーロッパ大陸の)に産するものです。



ヤマヤグルマギクは、繁殖力が半端でなく、現在では、西ヨーロッパ一帯、北ヨーロッパ、ギリシャ、ブリテン諸島(イギリス、アイルランド)、スカンディナヴィア(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク)およびアイスランド、北アメリカ(特にカナダ)、に広がっています。特に、わたしの住むバンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州では、侵略的外来種植物となってしまっています。でも、この花を駆除しようという運動は一向に起こらず、ただただ、美しさを愛でるばかり。

以下は、ヤマヤグルマギクの世界における分布図ですが、クリックで開きません。閲覧なさるには、アドレスをコピペでどうぞ。

Centaurea montana Distribution Maps(英文:地図つき)
https://www.cabi.org/isc/datasheet/113067#toDistributionMaps

ヤマヤグルマギクは初夏に咲き、切り込むとまた新しい芽が根元から出て、秋口にも咲きます。花の後は見栄えのいい植物ではなく、わたしは刈り込んでしまいますが、この植物を撲滅することはまず不可能で、必ず芽吹いてきてくれます。頑張って掘り起こしても、ムダです。太い針金のように伸びた根が取り除ききれません。タネも自由に飛んでいくみたいです。日向でも日陰っぽいところでも咲く元気者です。

わたしは、この植物は植物屋さんで見て気に入って買ってきたのですが、お隣さんでお庭をする人にあきれられました。ヤマヤグルマギクは常緑である、とする情報もありますが、わたしの経験からは、とにかく刈ってしまうので、分かりません。

1年草のヤグルマギクの花は可憐ですが、多年草のヤマヤグルマギクは頑丈な作りに見えます。ヤマヤグルマギクは切花として長く持ちます。

なお、わたしは、ヤグルマギクは子どもの時「ヤグルマソウ」という名前で呼んでいました。学名に準じる和名では
・ユキノシタ科「ヤグルマソウ」Rodgersia
・キク科「ヤグルマギク」Centaurea 
と使い分けられることになりました。

インターネット上の記事を読んでいると、キク科である Centaurea のことを「ヤグルマギク」ではなく「ヤグルマソウ」と呼ぶのは無知である、というような意見を見ますが、それは言い過ぎだと思います。花の名前は地方や時代によって異なるものです。



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