カラスといちごとクロッカスと

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ご近所さんのシャスタ・デイジー

2023年07月14日 08時00分00秒 | キク科

2023.07.08撮影「1」

わたしのうちのご近所に、それは、それは、きれいに庭を作っているおうちがあります。わたしの趣味からすると、ちょっとやりすぎ、と思うぐらいなのですが、そのように咲き乱れるのは、かなり肥料を入れているからです。臭うし、見ただけでもわかります。

うちなどは、植物さんたちに、腐葉土や堆肥(コンポスト)で生活してもらっているので、そのような茂り方、咲き方はしません。

そのおうちは、敷地内で庭を作っているだけでなく、敷地周りの、市所有の公共の歩道の両脇にも花を植えています。実は、これは、バンクーバー市では許されていることで、うちのあたりでも、他にする人もいます。

冒頭の画像は、その、花を派手やかに植えているご近所さんが、歩道と車道の間に植えてあるシャスタ・デイジーです。この画像(下の画像も)は、昨日もお見せしました。夕方の西日に当たっているところです。それで、上の画像では、花びらの色が真っ白ではありません。

2023.07.08撮影「1」

わたしは、ときどき、ご近所を歩いて、花の写真を撮ります。市所有の土地だと知っていても、やはり、よそ様が作っている花に近寄って写真を撮るって、ちょっと気が引けますよ。

わたしが、自分が作っている花の写真を撮るのは、普通は、夕方から、日没前にかけてです。そのころには光の具合が均等になってくるので、花に陰影を入れずに撮影することができます。

ところが、そんな、撮影に適した(とわたしが思う)時間である夕暮に、うろつきながら、人の家に近づいたり離れたり、花をしげしげ見たり吟味したり、ってねえ、できるもんじゃありませんよ。それで、ご近所での花の撮影には、怪しまれないように、と、まだ日の高いうちに出かけることになります。

そうすると、冒頭のようなテカテカした画像になります(修正してありません)。直前の画像は、わたしが自分の体で影を作って写したのですが、被写体を覆いきれませんでした。でも、これで、花びらの白さが出ました。

黒い雨傘でも持っていけばいいか? 中国系のおばさん、おばあさんたちが、雨傘を日傘がわりに使うので、そんなに目立たないかも・・・

今日の画像は、みんな、わたしが満足していない環境で撮った写真です。光線の加減で目がチカチカ、カチカチするかもしれませんが、ご容赦ください。

今日も、昨日に続き、シャスタ・デイジーです。

2023.07.08撮影「2」

「1」と番号をつけた1番目と2番目の画像は、シャスタ・デイジー作出の初期の姿を濃くとどめている種類ではないか、と想像します。

では、直前の画像「2」は、どうでしょう。「1」の「花びら」がスッと平たく線状に長めに伸びているのに対し、「2」の花びらは、短めでプツと切れたみたい、アイロンかけが必要かな、と思わされるような丸まり具合ですね? おまけに、「2」は、かなり草丈が低いんです。

次も、「2」です。

2023.07.08撮影「2」

「1」と「2」は、わたしの目には、ずいぶん形質が異なります。ひょっとして、「2」は、シャスタ・デイジーではないのでしょうか。

2023.07.08撮影「3」

上の画像「3」は、シャスタ・デージーと見ていいと思います。花びらの先が「ヘビの舌先のように」割れています。

「3」のまだ開ききらない花は、次の画像のようなこんな感じです。

2023.07.08撮影「3」

キク科(Asteraceae)の花の作りは、次の3種類の可能性があります。

・筒状花(管状花)のみ(例:ハハコグサ)
・筒状花(管状花)と舌状花(例:ヒナギク)
・舌状花のみ(例:タンポポ)

シャスタ・デイジーは、「ヒナギク型」、つまり、筒状花が中央に、舌状花がその周りを取り囲む花です。「ひとつの花」に見えるものは、多くの花の集合です。上で「花びら」と言ったのは、この舌状花の花びら部分です。

英語で Daisy「デイジー」と言うと、次のような花を指します。
・Daisy(ヒナギク Bellis perennis
・Ox-eye daisy(フランスギク Leucanthemum vulgare
・Nippon daisy(ハマギク Nipponanthemum nipponicum
・Shasta daisy(シャスタ・デイジー Leucanthemum x superbum

daisy の語源的な語の成り立ちは、day’s eye「1日の目」です。舌状花を太陽に、筒状花を「目」に見立て、太陽が「1日」の周期を表すので、「太陽=1日」から、day’s eye「太陽の目」となります。

Bellis perennis(ヒナゲシ)
撮影者:Alexmenk
撮影日:2011.04.10
オリジナルからの改変、なし

ここから後の「4」と「5」は、デイジーの「目の部分」、すなわち、花びらの出ていない筒状花であるはずのところが、変形したものです。

2023.07.08撮影「4」

「4」は、中央部分の、本来、筒状花であり花びらがないはずのところに、小さいながらも花びらが出ています。その小さい花びらが白いので、結果的に黄色い部分が少なくなっています。

2023.07.08撮影「5」

「5」は、「4」とは別の種類の花を、上部から撮影したものです。この園芸種では、筒状花はほとんど失われています。そして、元の筒状花の花全体に占める割合が大きくなっているようです。

舌状花は、ないわけではないのですが、撮影の向きの加減で、ほとんど見えていません。花の左下に少し飛び出して見えるぐらい。それと、画像左上の花の舌状花が見えます。

次も「5」です。小さい、短い花びらでほぼ球状になっています。こんにちは、アリさん。

2023.07.08撮影「5」

このように、このご近所のおうちは、何種類ものシャスタ・デイジーを育ています。市所有の土地に花を栽培しているわけですが、道行く人々の目を楽しませてくれます。

で、ちゃっかり、このおうちの人、「植物を有料でお分けします」って、電柱に張り紙してあるんですよ〜〜。わたしは、前に、向こうから「あげる」と言って、ただでタネをもらったけど。タネだもんね、苗じゃなくて。ひょっとして、この人たちは、生業が苗屋さんなのかしら。そこまで個人的な話はしていませんから、知りません。



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