2024.04.30撮影
わたしの庭には、スミレが3種類あります。ひとしきり咲いて、どれも花は終わりました。
今日は、その3種うちの1種、「ラブラドールのスミレ」をどうぞ。日本では手に入りにくい種類かもしれません。
「ラブラドールのスミレ」は、原産が
・グリーンランド
・東部カナダ(ラブラドールを含む)
・東部アメリカ合衆国
です。
この「ラブラドール」というのは、人気の犬種のひとつ、「ラブラドール・レトリーバー」の「ラブラドール」です。(「レトリバー」とも呼ばれるみたいですが、英語的には、「レトリーバー」でないとおかしい。)
学名 Viola labradorica
英名 Labrador violet
別名 Dog violet
和名 黒葉スミレ
スミレ科(Violaceae)スミレ属(Viola)
「ラブラドールのスミレ」の特徴は、葉の色が黒っぽい(紫色っぽい、赤っぽい)ことです。和名はその特徴に基づき「黒葉スミレ」。
2022.04.20撮影
スミレは、花弁が5枚あり、
・上の2枚を上弁
・左右の2枚を側弁
・下の1枚を唇弁(または、下弁)
といいます。
スミレには、側弁の基部に、歯ブラシのような毛がついている(側弁有毛)のと、ついていない(側弁無毛)のとがあります。「ラブラドールのスミレ」は、有毛です。有毛か無毛か、でスミレを分類することができます。
2024.05.03撮影
唇弁(下弁)には、後ろに突き出した距(きょ)があります。上の画像は、「ラブラドールのスミレ」を横から撮影したもので、花柄の下側に突き出している白い筒のようなものが、距です。
距の中は中空で、そこに蜜がたまっているそうです。本当に蜜が入っているかどうか調べたいのですが、花をいためるか、と思うと、踏み切れない。
2022.04.20撮影(周りの植物は、ヘレボルス・アルグティフォリウス)
スミレの花弁には、典型的に紫の筋(条)が入ります。種類によっては、大変薄い色にもなりますが。この紫色の筋は、スミレ専用である(とわたしが理解している)用語を使って、「紫条(しじょう)」と呼ばれます。「ラブラドールのスミレ」には、かなり濃い紫色の紫条が出ます。
紫条は、蜜を求めてやってくる虫たちに、蜜のありかを教える役を果たすそうです。唇弁(下弁)に、他の花弁よりも多くのはっきりした紫条がつくのは、まずは唇弁(下弁)に着地して、そこから紫条に従ってお進みください、ということでしょうか。
2024.05.04撮影
この黄緑のものは、タネのサヤです(上の画像)。これが成熟すると茶色くなり、3裂して、中からほぼまん丸の茶色のタネが飛び出します(画像なし)。
スミレは、タネのでき方がふたつあります。
1。花が開花し、虫に媒介されて受粉した結果
2。花が開花せず、閉鎖花のままで、自家受粉した結果
上の画像のタネのサヤは、季節的に見て、開花した花のものだと思われます。
2024.04.29撮影
スミレは、側弁の基部に毛があるかないかで分類される他に、地上に茎があるかないかでも分類することができます。
日本で一般に(そして、正式名が)「スミレ」と呼ばれる Viola mandshurica は、地上に茎を出さずに葉が直接根本から立ち上がります(無茎種)が、「ラブラドールのスミレ」は、地上に茎を出して、その茎に葉をつけます(有茎種)。また、有茎種は、節目から根を発達させて(上の画像の茎についたヒゲのようなもの)、はって広がっていくことができます。
2024.05.03撮影
わたしの「ラブラドールのスミレ」は、大方が日陰に近いところで育っています(上の画像)が、日向で育っている(下の画像)は、花の花柄が長めの傾向があります。でも、他の植物の緑の葉っぱの間から顔を出している「ラブラドールのスミレ」の葉(数枚ですが)は、やはり、黒っぽいです。
2024.04.29撮影
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