カラスといちごとクロッカスと

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スノークロッカス

2023年02月17日 08時00分00秒 | アヤメ科
2006.02.12撮影(Crocus chrysanthus ‘Snow Bunting’)

春に庭に咲くクロッカス(Crocus)を、大体で早咲きと遅咲きに分けると、次にようになります。斜字体が学名、カッコ内が英名とその意味です。

早咲き
Crocus tommasinianus(Early crocus「早咲きクロッカス」)
Crocus chrysanthus(Snow crocus「スノークロッカス」 )
Crocus sieberi(Sieber’s crocus「ジーバーのクロッカス」)
など

遅咲き
Crocus vernus(Spring crocus「春クロッカス」、Giant crocus「大クロッカス」)
Crocus flavus(Dutch crocus「オランダ・クロッカス」)
など

今日は、このうち、早咲きの、Crocus chrysanthus「スノークロッカス」を取り上げたいと思います。

日本語で確定した名称はないようですが、「クロッカス クリサンサス」で検索すると以下が出てきましたから、Crocus chrysanthus を便宜上「クリサンサス」と呼ぶことにします。

クロッカス クリサンサス

「クリサンサス」ですが、これは、ラテン語の学名 chrysanthus を英語読みして、それをカタカナにしたものです。本来のラテン語の読み方をカタカナにすると、「クリュサントゥス」に近いものになります。

2006.03.12撮影(Crocus chrysanthus ‘Prins Claus’)

学名 Crocus chrysanthus「黄金色の花を持つクロッカス」
英名 Golden crocus「黄金色のクロッカス」
別名 Snow crocus「雪のクロッカス」「スノークロッカス」
和名 クロッカス・クリサンサス
アヤメ科(Iridaceae)クロッカス属(Crocus

学名の Crocus chrysanthuschrysanthus というのは「黄金色の花を持つ」という意味です。chrys が「黄金(色)の、黄色の」、anthus が「花」。

2日前の記事のスノードロップ属(マツユキソウ属)は、学名が Galanthus ですが、その anthus と同じ anthus です。


以下の画像のクロッカスは、クロッカス・クリサンサスのようです。オレンジ色がかった黄色が、早春の庭には目が覚めるようです。この色から、英名の Golden crocus「黄金色のクロッカス」が出てきます。

2006.02.12撮影(Crocus chrysanthus

英語での別名の Snow crocus「スノークロッカス」は、「まだ雪も積もっているほど早い時期に咲くクロッカス」あるいは「雪の積もったのも突き破って咲いてくるクロッカス」という意味だと思います。

そして、雪がまだ積もっていても咲く、というようにあちこちに書かれていますが、実際に雪のあるうちに咲くかどうかは、わたしは体験していないのでわかりません。

この Snow crocus の snow は、「白い」という意味ではないのです。実際、原種の黄色からどのようにして作り上げるのが可能だったのか知りませんが、クロッカス・クリサンサスの園芸種には、いろいろな色があります。

例えば、次のリンク先の説明文の下に、合計12種(最初の4段)が挙がっています。どうか参考になさってください。

Crocus chrysanthus(Snow Crocus)(英文+画像)

2006.02.12撮影(Crocus chrysanthus ‘Snow Bunting’)

うちの庭には、今まで10種類近くのクロッカスを導入しました。そのうち、最初に植えたのが、直前の画像と記事冒頭の画像でお見せしているクロッカス・クリサンサスの園芸種 ‘Snow Bunting’「スノーバンティング」です。

Snow Bunting の意味は、「雪を頭で押して」。Snow crocus「スノークロッカス」の ‘Snow Bunting’「雪を頭で押して(出てくる)」ということで、寒いうちに咲くか、と思い、手に入れました。

また、花の色にもひかれました。その白さが、独特にややクリーム色がかっていること。でも、群れて咲いていると、本当に白いんです。

2006.03.12撮影

買ったのは、「1袋」で買ったので、せいぜい10個か12個です。ここまでの「スノーバンティング」の写真は、すべて2006年のものですが、球根を買ったのはそれよりも10年近く前で、それがこんなに増えているのです。増えたのを次々「株分け」していったんですね。直前の画像の向こう側にも「スノーバンティング」が2群見えています。

早い午後の光を浴びて、白さが引き立ち、目立ちます。そして、甘い匂いがする。

ところが、、、

2021.02.26撮影

これが、それから15年後、2021年(一昨年)のスノーバンティングです。もう、申し訳程度にしか残っていません。

何度も引っ張り出して恥ずかしいんですが、これも樹木の成長による太陽光線の当たり具合の変化によって、こうなってしまったんだと思います。

でも、去年、一昨年、と、球根を少しずつ、もっと陽の当たるところへ移植しました。今年はそこから元気そうに葉っぱが出ています。今年はまだでも、来年は咲いてくれるでしょうか。今年咲くかも、という期待もまだしています。

画像中、スノーバンティングの膨らんだツボミの後ろに群れて咲いているのが、2日前にご紹介したスノードロップです。隣接して植えられているだけなのに、スノードロップの方は爆発的に増えているのです。植物によって求める生育条件の違いが、このような差を生み出すんですね。

右上に幹のように突き出しているのは、ヘレボルス・アルグティフォリウス、画像下には、カタツムリの殻が見えます。地上に松葉のように見えるものは、実際、松葉です。


2006.03.12撮影

今後の計画として、「スノーバンティング」に限らず、ほぼ壊滅的なクロッカスを立て直そうと思っています。


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