goo blog サービス終了のお知らせ 

奈良の名所・古跡

行ってみたい所があるといいのですが・・・古墳とか建物とか巨樹とかいろいろ・・・

古梅園

2011年04月29日 | 文化財
 奈良町の伝統的な店構えをよく伝えています 撮影日;2011.04.09

 天正5年(1577)創業の老舗製墨業です
 25件が登録有形文化財に指定されています

 店舗兼事務所は木造平屋建てで、大正元年の建築です
 店舗の南側に接続する平入、つし2階の建物です
 立ちは軒庇とも店舗より一段低いですが、一体的な意匠にまとまっています
 北端は出入口で大戸口とし、中央部は事務室で格子戸がはめられています
 南端部は車庫に改造してあります

 主屋は店舗の背後にり、その間に接続する玄関棟とも表屋造形式です
 主体部は2階建で、全体に上質な和風建築です

 落ち棟の北妻側は路地に面し大壁造となっています
 中庭の北端を限る高塀とも一体的な漆喰塗の造作として、路地景観を整えています

 中内蔵は、離れ座敷の西側に建つ2階建の小規模な土蔵で、内向き用の蔵として建てられました
 周囲の建物とは接続せず独立して建っています
 北面は路地に面し、軒蛇腹廻りを除いて一面の板貼りとしています
 2階に設けた開口部は2段構えで、外観意匠を特徴づけています

 東内蔵は、離れ座敷の西南にあります
 正面大戸口から続く通路に面して建つ2階建の土蔵です
 軒蛇腹付大壁造で、腰板貼とする標準的な造作で、2階には妻側・平側とも小さな開口部があります
 東妻側に蔵前があり、内向きの調度品等を納める蔵として使用されています

 離れ座敷は、主屋の背後に位置し、中庭を挟んで建つ2階建の建物です
 土蔵風の外観になっています
 内部は1・2階とも贅を尽くした上等な造りです
 2階軒は吹寄せの化粧小舞で、北妻側は主屋から続く一連の高塀の意匠を保つ構成になっています

 銅壺場は、風呂場の西側に建つ梁間の長い大壁造の建物で、膠を溶かす釜屋があります
 南端部は通路とし北側に煉瓦造の釜2基を据え付け、脇に煉瓦蔵の角煙突が有ります
 漆喰仕上げの西妻の大壁は、ひときわ目立つ存在です

 釜屋兼井戸屋形は、台所の西側に位置する真壁造・漆喰仕上げの簡素な造りになる切妻造の建物です
 立ちは高く内部は土間です
 元の釜場で、西北隅に切石井桁組の井戸があります、この部分のみ開放として利用の便を図っています

 台所は、木造平屋建で、主屋の南側に落ち棟形式で繋がっています
 主屋境は土壁となり機能は分離しています
 元は製墨職人の食事所であったそおうです
 内部は南側が広敷を置き、北側は土間で作業用軒道が東西に貫通しています
 店舗や事務棟の表と内部を区画する役割を持つようです 

★所在地;奈良市椿井町7
★交通;近鉄奈良駅下車 徒歩10分
★駐車場;有りません
★問合せ;0742-23-2965

 市内で一番古く開校した椿井小学校の西側に有ります
 少し西に、伝香寺率川神社「子守明神」が有ります


 参考;古梅園のホームページレトロな建物を訪ねてのページ国指定文化財データベース

喜多家住宅

2011年04月27日 | 文化財
 昭和初期の建築で、良質な造作の和洋折衷住宅です 撮影日;2011.04.09 

 主屋は大正14年(1925)頃の建築です
 東大寺の西方に建つ木造2階建で、2階に大仏殿を望むサンルームがあります
 屋根は切妻と半切妻を組合せ、フランス瓦、スレート、銅板と葺材で変化をつけています
 外壁は下見板形鉄板張となっています

 蔵は、主屋の北面西寄りに接続する土蔵造2階建です
 伝統的な形態に近代的な材料を用いた蔵です
 桁行2間半、梁間2間規模の東西棟で、切妻造の置屋根をフランス瓦葺としています
 基礎はモルタル洗出し仕上げです
 南面の戸口は双折鉄扉を吊り込み、2階窓は両開鉄扉となっています

 喜多家住宅離れ
 離れは、主屋の北面東端から北に延びる渡廊下に接続する木造平屋建(昭和初期)の東西棟です
 切妻屋根をスレート葺とし、南面に鉄板葺庇をつけて縁としています
 数寄屋風座敷6畳には出窓風の書院を設け、次の間6畳と板間を介して8畳間が並んでいます
 旧奈良食品工学研究所です:やまと建築詩のページ

 平成19年に登録有形文化財に指定されています

★所在地;奈良市芝辻町543-1
★交通;近鉄奈良駅より バスで今小路下車 徒歩1分
★駐車場;有ります(無料)
★入場料;外観のみ見学可
★問合せ;0742-22-2215(喫茶室「工場跡事務室」)

 離れの西側にある元研究室と元事務室は現在喫茶室として営業しています
 アトリエネイティブ ワークスも週末にオープンしています
 大仏池の西側に有ります


 参考;レトロな建物を訪ねて国指定文化財データベース

河瀬家住宅

2011年04月25日 | 文化財
 奈良奉行所の同心などが住んだ武家屋敷です 撮影日;2011.04.09

主屋は安政3年(1856)の建築
 南面して建つ東西棟で切妻造、一部2階建の住宅です

 旧武家住宅で、東半の土間と床上部は古いですが、西半の座敷や茶室、南面の切妻造の応接室は増築により建てられたものです
 伝統的な外観ながら、一部は数寄屋風の意匠も取り入れられ、増築部には古建築の部材を巧みに織り混ぜて建築されています

 増築部の座敷の床柱は転害門の地垂木を再利用しています
 昭和17年の改修で組み込まれたそうです

土蔵:江戸後期・昭和17年曳家
 1辺約4mの方形平面の土蔵造2階建です
 屋根は東西棟の切妻造、南に蔵前の庇、東面と北面に矩折れの庇を廻す
 蔵正面の外壁には漆喰塗が良好に残っています
表門:江戸後期・昭和17年頃
 もと東大寺の子院「薬師院」の門を移築したものです
土塀:江戸後期、桟瓦の小屋根を付けた土塀です
 主屋南面の東西に延び、西端から北に向かって折れ曲がり、土蔵西面を区切っています 
南土塀:昭和17年頃
 表門の東側にあって南北に延びる土塀と、同西側にあって枡形状に囲む土塀です
河瀬家住宅表門と土塀 河瀬家住宅主屋
 平成18年に国の登録有形文化財に指定されています 

★所在地;奈良市多門町29-2
★交通;近鉄奈良駅より バスで手貝町下車 徒歩5分
★駐車場;有りません
★入場料★休館日;★開館時間;現在もお住まいです
★問合せ;0742-34-5369(奈良市役所 教育総務部)

 聖武天皇陵が北西側に有ります


 参考;国指定文化財データベース

佐保会館

2011年04月23日 | 文化財
 昭和初期の木造近代建築です 撮影日;2011.04.09

 建築は皇太子殿下(昭和天皇)の御成婚記念事業として大正13年に企画されました
 建設は昭和3年、設計は吉野出身の建築家・岩崎平太郎氏です

 奈良女子高等師範学校・奈良女子大学の同窓会である佐保会が所有する同窓会館です
 今日まで、佐保会運営の本拠地としての機能を果たしてきています

 平成17年に、国の登録有形文化財に認定されています 
 『この建物は和室と洋室を備え、内部は巧みな平面計画と落ち着いた意匠でまとめられており、外観を和風とする昭和初期の木造近代建築として重要である』と評価されました

 桁行13間・梁間6間の入母屋造・木造2階建で正面に車寄を設けています
 階段手すりの擬宝珠(ぎぼし)、広間の格天井、窓枠のデザインなどに特徴があります

佐保会館正面玄関 佐保会案内板

★所在地;奈良市北魚屋西町(奈良女子大学の構内北端)
★交通;近鉄奈良駅下車 徒歩10分
★入場料;見学等はお問合せください
★問合せ;0742‐23‐3805(社団法人佐保会)


 参考;佐保会のページレトロな建物を訪ねてのページ

今木権現堂山門の金剛力士像

2011年03月24日 | 文化財
 てんぐが両脇に抱えて飛んできた、という言い伝えがあります 撮影日;2011.03.05

 阿形像・吽形像とも像高200cm、台座高23cmの力動感にあふれた堂々とした作風です 

 文禄4年(1595)、一夜のうちに泉州境大寺から飛来したという伝説がありました
 平成2年に実施された修理の際、胎内から明暦2年(1656)の銘文が発見され、伝説よりも約60年も新しい像だと判明しました
 作者は国見大和之(大和国の藤原重士)

 平成2年に、町の文化財に指定されています

 権現堂で毎年4月11日に行われる「権現祭」は吉野山金峯山寺蔵王堂で同日に開かれる会式の形を踏襲しています
 大峯修験道関係の儀式がよく伝えられています
 この儀式のさいに境内を護る役割をはたすのが、金剛力士立像です

今木権現堂吽形像 今木権現堂阿形像
★所在地;吉野郡大淀町今木
★交通;JR・近鉄吉野口駅より徒歩20分
★駐車場;有ります(泉徳寺
★入場料;見学自由
★問合せ;0747-52-1522(大淀町教育委員会事務局)


獅子閣

2010年12月01日 | 文化財
宝山寺獅子閣
 宝山寺にある洋風建築です 撮影日;2010.11.07

 明治初期、宝山寺第14世の乗空和尚が、宮大工・吉村松太郎に建てさせた客殿です
 獅子閣は明治17年に完成した2階建ての洋風客殿で、内部にらせん階段を設け、しっくい塗りの壁や格天井など、各所に日本の伝統技法が取り入れられています

 建築面積 92.1m²、2階建て寄棟造り、車寄切妻造り、桟瓦葺き
 昭和36年に重要文化財の指定を受けています

 宝山寺獅子閣の螺旋階段 色ガラスの扉 宝山寺獅子閣色ガラス
 
「色ガラス」:緑色(春)、赤色(夏)、黄色(秋)、青色(冬)色ガラスを透して見ると、四季の景色が楽しめます
「螺旋階段」:外周に支柱がなく、中央の柱と手摺りで荷重を支えています
 手摺りは宮大工の特殊技法により複雑な曲線状に加工されています
「白壁」:めずらしい磨き仕上げです

 一階の襖絵 二階の襖絵

 乗空和尚は、聖天堂再建の際に大工として働いていた吉村松太郎の腕を見込み、横浜に留学させたのち、洋風客殿建築の棟梁に抜擢した
この経緯は、明治8年建立の聖天堂の棟札には松太郎の名前が「大工」と記されていること、次に建立された建物の棟札には名前がないこと(横浜留学中)などから分かるそうです

 宝山寺獅子閣一階の洋間 宝山寺獅子閣二階の窓から

★所在地;生駒市門前町1-1
★交通;近鉄生駒駅より 生駒ケーブルカーで宝山寺下車 徒歩5分
★駐車場;有ります(無料)
★入場料;300円
★開館時間;不定期
★問合せ;0743-73-2005(宝山寺


 老朽化で基礎部分の石垣が沈み、外壁に亀裂が生じるなど傷みが激しく、平成17年から南半分を解体し、修復工事を進めていた
 総工費は約4億6000万円で、鋼材やコンクリートで石垣を補強、壁の木材を増やして耐震性も高めた
 2010年7月に修復完了しました
 通常は非公開ですが、拝観できる日が増えるようです 

 宝山寺獅子閣山門横から 宝山寺獅子閣の紋様

 宝山寺獅子閣バルコニー バルコニーの柱

 バルコニーから 宝山寺獅子閣の内庭

願行寺の庭園

2010年11月23日 | 文化財
願行寺の庭園1

 室町時代末期の特徴を残す庭園です 撮影日;2010.11.06 

 本堂「蓮如堂」と大書院との間にある218平方mの準平庭
 穏健な石組みを主とし、玉石を敷きつめ、平坦地を水面に見立て枯山水的な取り扱いをしている数少ない室町時代末期の築造庭園機構の一つ

 県指定名勝です

願行寺の庭園2

★所在地;吉野郡下市町2952
★交通;近鉄下市口駅下車 徒歩20分
★駐車場;有ります(許可を得て停めましょう)
★入場料;
★問合せ;0747-52-2344 (願行寺



 願行寺梵鐘

 竜王城主であった堀内守俊が、永禄10年(1567)10月21日に大和国吉野郡御領郷秋野河里下市村願行寺へ寄進したものです
 永禄の銘としては大和で最も古い梵鐘です
 下市町指定の文化財です

東大寺・閼伽井屋

2010年06月19日 | 文化財
 霊水の湧く「若狭井」の覆屋です

 鎌倉時代に建立された切妻造の建物で、国の重要文化財に指定されています

 閼伽井屋の屋根の四隅には、故事に登場する「白と黒の二羽の鵜」に倣い、鵜の形をした瓦が配してあります

★所在地;東大寺二月堂下
★入場料;外観のみ見学可

◎若狭井:若狭(福井)遠敷川上流の「鵜之瀬」まで通じていると言われます
 天平勝宝4年(752)に実忠和尚が修二会を修し、全国の神々を招いたとき
 若狭の遠敷明神が漁に夢中になって遅刻したそうです
 そのお詫びに若狭の聖水を二月堂の観音に捧げることを約束しました
 明神が二羽の鵜を遣わししたところ、二月堂下の岩から鵜が飛び出し
 そこから、香水が湧き出したと伝わっています


 若狭の神宮寺では、毎年3月2日深夜に“鵜之瀬”からこの二月堂へ向けて閼伽水を送る「お水送り」が行われます
 参考;若狭 神宮寺と鵜の瀬



片岡家住宅(大宇陀)

2010年06月06日 | 文化財
 現在も住いとして使われています 撮影日;2010.5.09

 片岡家は、江戸時代を通じて代々大庄屋を勤めてきた由緒ある家
 長屋門は天保3年(1832)の建築
 主屋は桁行14.9m・梁間8.9m、入母屋造りの茅葺きで寛文10年(1670)の建築
 四間取形式で土間沿いに出居と台所が設けられている
 客室部は天明2年(1782)の改築、間取りや構造に特色が見られる

 江戸時代の郡山藩のお殿様が、阿騎野(大宇陀)に狩りに来られた際に休憩された部屋が当時の様式のまま残っています
 国の重要文化財です

★所在地;宇陀市大宇陀区田原938
★交通;近鉄榛原駅より 大宇陀行きバスで終点下車 コミュニティーバスに乗換え「田原」下車 徒歩1分
★駐車場;有ります(2~3台)
★入場料;300円
  見学には予約が必要です
★開館時間;10:00~17:00
★問合せ;0745-83-2000

 石垣からどっしりとした幹がそびえる大ケヤキ(樹齢約800年)が目印です



水越神社の社叢

2010年06月02日 | 文化財
 暖地性林の特徴を持ちます 撮影日;2010.4.25

 奈良市の指定文化財(昭和60年指定) 
 海抜260mに位置し、シラカシ・ツクバネガシ・アラカシ・サカキ・シロダモ・ヤブツバキなどの照葉樹で構成され、よく発達しています

 社殿前にそびえる3本の大杉は
 幹周が6.19mと5.37mと5.82m有ります

★所在地;奈良市邑地町3168(水越神社
★交通;JR・近鉄「奈良」駅より バスで「邑地中村」下車 徒歩5分
★駐車場;スペース有ります
★入場料;見学自由
★問合せ;0742-34-1111(奈良市文化財課)