
節電しながらの猛暑対策が叫ばれている。
たぶんどの対処法も個別的には正しいのだろう。
だが、行政もマスコミも抜本的な猛暑対策法を提唱しているとは言い難い。
猛暑の直接的な要因はむろん気温そのものが高いことである。
だが、猛暑をさらに暑くしている要因が特に都市部には顕著である。
それをどういうわけか行政もマスコミもほとんど指摘していない。

その猛暑をさらに暑くしている要因とは多数のクルマの走行とクルマの利便第一の都市構造である。
むろん、クルマは走行時に大量の暑い排気ガスを大気中に排出するが、それだけが都市の気温を暑くするのではない。
都市部にはアスファルトで塗り固められた道路と駐車場の面積が広がり、また特に積雪の多い山形では冬でも温暖な地下水を表面近くまで巡らせて融雪するためにコンクリートで塗り固められた駐車場が多い。そしてこれらのコンクリートはたいてい限りなく白色に近く、真夏の陽射しを強く反射するから眩しいこと限りない。
むろん、これらの駐車場の造成のために多くの樹木が伐採されているから、緑地の減少により都市部の高温化はかなり顕著になってているといえよう。
また、アスファルトとコンクリートの表面だけが強い陽射しを反射するのではない。
駐車している多くのクルマ自体が強い陽射しを反射しているだけでなく、車体自体が熱された鉄板のようになり、車内は蒸し風呂以上に高温になっているから、発車後のエアコンの強度は高くなる。
むろん、ほとんどのクルマは走行時にがんがんエアコン(クーラー)を効かせながら排気ガスとともに車内の熱気をも排出する。
エアコンなるもの自体、クルマのエアコンも住宅やビルのエアコンも「エゴイズム」のマシーンでしかなく、内部は冷却するが、逆に外部に暖気を排出する。
これでは都市(或いは国土全体が)が暖気のカーテンに覆われるのは当然である。
いくらかでも都市の真夏の暖気を抑制するにはクルマの走行の極力抑制(できれば半減以下)、やむなく走行してもエアコンは使用せず、車窓は開けっ放しにする、車体の表面を断熱フィルム(陽射しの反射も抑制)でおおう。そして道路に並木を植樹し(近年は落ち葉を嫌うドライバーや住民のために並木が植えられなくなっている)、駐車場面積を削減して緑地化する、ビルの屋上・壁面の緑化などを推進すれば都市の猛暑はかなり和らぐであろう。
◆写真説明◆上下ともに同一箇所の現在と過去。[上]の駐車場も無散水式地下水利用融雪装置を張り巡らせているために白いコンクリートでがちがちに塗り固められているため、強い夏の陽射しの反射光も強い。[下]山形市内有数の和風庭園があったが、近年駐車場化のために徹底的に破壊された。 →クイズ この駐車場は何という名の建物の駐車場? その建物の改築前の名称?