島国ニッポンの山国から

地球温暖化、クルマ社会の諸問題、時評、街作り提言などを島国の中の四方を山で囲まれた山形盆地からのつぶやき

売れ筋は「無形商品」のみ

2011-09-24 09:22:04 | Weblog
 まあ、最悪の画質のタイトル写真だが、海外の各都市などの地名がなんとか多数読み取れる。どうもこれは海外旅行のコマーシャルのようだが、新聞紙面の1ページ全面を占拠しているほどの多彩さだ。
 このような傾向は近年非常に目立っている。
 10年から20年ほどの間の新聞紙面の広告欄を占めている商品と言えば、クルマや家庭電器が多かったのあるが、それも今は昔の話になってしまった。
 それにもかかわらず、相も変わらず政治家たちは中央といわず地方といわずイの一番に口から出るのが「景気回復」という言葉である。
 高度経済成長の時代ならば「景気浮揚」は当然有効な標語であったが、現在では「景気浮揚」も「景気回復」も実現はきわめて難しい。
 その理由はタイトル写真にある海外旅行の広告の隆盛に隠されている。

どうしてこのような旅行関係の広告が幅をきかせているかと言えば、旅行のような「無形の商品」は物理的に家のスペースを必要以上に占拠しない(せいぜいパンフレット類や土産物などが溜まるだけ)上に旅行先は無限に存在するのに対し、クルマや電気冷蔵庫のような有形商品は家の屋内や屋敷内を物理的に塞ぐから、国民の間にある程度普及したら需要は限界になる。
 そして、クルマや家電製品などが普及する時代はそれらの生産と販売が「経済界全体の景気を底上げ」していた。
 しかし、今では経済界全体の景気を底上げするような有形商品はもはや誰も考えつかないようである。
 経済成長が右肩上がりの時代は行財政も潤沢であったが、もはや肥大化した行政機構や高齢化社会を支えうる税収源は先細りだ。
 これは日本に限ったことではなく、すべての先進諸国がかかえる悩みである。