とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

野猿道。

2011年05月29日 16時41分37秒 | ああ野猿

第1回ハンマーオークションにて、「新・食わず嫌い王決定戦に出演できる権」を95万円で落札した岩間康弘さんへの納品が、無事完了しました。

「食わず嫌い」の出演者と結果をデータベース化しているこちらのサイトにも、「岩間康弘(会社員 素人)」の名が。食わず嫌いの15年以上の歴史に、ついに素人がその名を刻んだのでした。しかも、素人さんのほうが勝負に勝つという結果(笑)岩間さんは、平井ちゃんに会えたことより、勝てたことのほうがうれしそうでしたね。

なんでか知らないけど、彼が勝って、わたしもテレビの前でガッツポーズしてた(笑)
落札した時はちょっと心配したけど、食わずの場を存分に楽しんでいた様子はほほえましかったです。

タカさんが「(収録時間が)おしてんだ、コノヤロー」と叫んだように、とんねるずも、素人だからとやっつけ仕事になんかしなかったことが、すばらしい。

平井アナとの2ショットも撮ってご満悦の岩間さん。と、ふと気づいたんだけど、この2ショットを撮ってたのは半田さんじゃああーりませんか。「した」のスチールカメラマンだから、あたりまえっちゃーあたりまえなんだけど。

て、ことはよ、岩間さんは、半ちゃんやジェリー、シュウさんや大原さんといった野猿メンバーたちにも、会ったってことだよね。あたりまえだけど。オーマイガッ!

とんねるずに会えるのをうらやむのはモチのロンだとしても、その周りのスタッフさんたちに会えることを心の底からうらやましいと感じるとは、なんと倒錯したファン心理でしょうか(笑)


野猿は、撤収から今年で十年。
わたしなんかは、野猿ファン歴たかだか2年ちょっとのぺーぺーですので、それに関して語れることなんてないんですけれども、むかしからのファンのみなさんは、10年目ということでちょっぴりそわそわされているんではないでしょうか。

野猿全曲レコチョク解禁になったことが、もしかしたらなにかの前フリなの?なんて、淡い期待も抱いてしまったのですが。

その直後に、震災が起き。支援の輪のひろがりのなかで、さまざまなバンドやグループが復活する流れが起きて、一種の“復活ブーム”となっています。それはとてもすてきなことで、すばらしいことです。そんななかで、野猿としては、どう動くべきなのか。あるいは動かないべきなのか?動く予定もなかったのか?

とんねるず的流儀として、そのあたりをタカさんノリさんがどう考えてらっしゃるのか、興味があります。

それに、2009年4月に一夜限りの復活をしましたが、なぜあのタイミングだったのか、何か意味のある“復活”だったのか?野猿初心者としても、いろいろと気になってしまうのは、確かです。

しかし、それよりなによりすごいのは、活動を終えてから10年たっても、まだファンの野猿への想いが生き生きと生きていること。さらには、自分自身を含め、新たなファンすら日々生まれつつある、ということ。

いったいなんなんでしょうね、この野猿のパウワー!・・・

野猿をやった時、あるいはやっている間、とんねるずは、ちょっと別の次元に突入してしまったという気がします。
「お笑い芸人」という狭い枠組みを、もちろんとうの昔から彼らはとびこえていたんだけど、野猿をやることによって、さらに何かを超えていったという気がする。

野猿がなぜこれほどまでに見る者の心をひきつけ、「EXILEよりカッコいい!」なーんてことまで思わせてしまうのか。理由はいろいろあるのでしょうが、野猿自体が、カッコ良くなることを明確にめざしていた、というのもあるかもしれない。

つまりーーーこれは、わたし自身が野猿を(そしてとんねるずを)愛してやまない最大の理由でもあるのですがーーー彼らは、素人だから、とか、お笑いだから、バラエティだから、というリミットに縛られなかった。お笑い番組の企画ものだからといって、笑わせにはしったり、明るく楽しいお祭り気分といった路線には最初からいかなかった。

デビュー曲「Get down」の時点からすでにそうでした。もちろんこの曲の段階ではまだ、そこらへんのオッサンたちがカッコいいPVを作ったりダンスをやってみたりした、という行為そのものがネタではあった。でも、だんだん「ネタ」の要素は薄くなってゆき、普通にカッコ良くなることを、彼らはマジメに目指し始めた。そのポテンシャルが、メンバーにはあったから。

ドラフト会議とか選挙とか、番組内ではとことん遊んでいたにしても、音楽活動においては、彼らはひたすら「普通に」アーティスト活動をやっていました。それこそが、彼らの良さだったんじゃないでしょうか。

彼らが追求したのは、企画ものらしいおふざけではなく、楽曲のクオリティであり、ダンス道だった。つまり、プロのアーティストとしての「普通」を、お笑い芸人であり素人である彼らは、ひたすら真摯に目指していたのだと思う。

何度も言いますが、野猿の最大の功績とは、ただCDがヒットしたということだけじゃなく、ヒットさせ続けたこと、紅白歌合戦に一度ならず二度までも出たということです。とんねるずでさえ、一度しか出ていないのに。

彼らは突き進んだ、何のためかもわからないままに。カネのためでなかったことは、確かです。地位や名声のためでもなかったでしょう。美術スタッフがなんのために世間的な名声など必要とするでしょうか。

野猿には、目的などなかった。だからこそ、美しい。目的もなく、虚飾もない人々をテレビで見るということは、きわめてまれなことです。

それでもあえて野猿に目的があったと言うなら、それは「解散」以外の何ものでもなかったはずです。

そう遠くない未来に、野猿が必ず終わるということ、それだけはハッキリしていた。最終的に、メンバーたちを元の穏やかな素人の生活にもどしてあげること、それが野猿の目的だった。だからこそ、燃え上がったんじゃないだろうか?

その不器用なまでの真摯さがあったからこそ、撤収してもなお野猿は生きている。輝いている。魂を燃やし続けている。あまりにもありきたりなクリシェではあるけれど、

力を合わせて真摯に進めば、超えられる。

そんな無言のメッセージを、野猿は、いつまでも発し続けているのです。




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10 コメント

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 (まり)
2011-05-29 21:16:06



初めまして、いつもブログ拝見しています。
私は野猿ファンですが、とんねるずのファンの方による野猿記事はとても貴重で、ありがたく思います。

2009年4月に一夜限りの復活は、たまたまSP放送でタイミングが合ったんだと思ってます。
憲さんの「10年後に同窓会」という言葉を心の支えに
ファンは10年後を心待ちにしていましたが、
まあ発言が貴さんではなく憲さんですし、厳密なものではなかったんだろうと今になって思います。
そうでも思わなければ今年を生きていくのが辛すぎます(笑)。


野猿の楽曲には、誰が提案したのか、『別れ』をテーマとした歌詞が非常に多いですね。
活動前期の恋愛系の曲だと大抵振られているし、
後期の曲では『前向きな別離』を何か含みがあるのでは!?というくらいしつこく(笑)歌っています。
作詞家の単なる好みという可能性もありますが、
もしかすると貴さんの意向を汲んであのような怒涛のお別れソングになったのではと思います。
後期はどの曲も「過去を振り向くなよ」「同じ場所にはいられない」「二人はすれ違っただけ」など
かなり男(歌詞の世界の主人公)に都合の良い話ばかりで、少しイラッとしたものです(笑)
これを男=野猿(貴さん)、女=ファンとして曲を聴いてみると、
貴さんの意思を感じてまた切ないです(笑)。
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Unknown (まり)
2011-05-29 21:16:56
↑タイトル失敗してしまいました、ごめんなさい
気にしないで下さい
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まりさん (ファイアー)
2011-05-29 23:48:49
コメントありがとうございます!

>まあ発言が貴さんではなく憲さんですし

そうなんですよね~
ノリさんも、罪作りなお方ですわ(笑)

>野猿の楽曲には、誰が提案したのか、『別れ』をテーマとした歌詞が非常に多い

じつは野猿の曲の歌詞をそこまで深く読み込んでないので、まりさんのご指摘、すごく興味深いな~と思いました。
秋元さんの歌詞にタカさんの意思がどこまで反映してたのかはよくわかりませんね。個人的には、自由に書いてもらってたんじゃないかと想像しますけれど。タカさんが他のプロの仕事領域に口出しするとはちょっと思えないし。
でも、話し合いはあったでしょうね。

まりさんのブログも、拝見しました~
わたしはameblo会員でなくて、コメントがつけられないので、ちょっと長いですけどこちらに書きますね。

別の記事でも書いたとおり、野猿がヒットしてたころわたしは「スタッフと歌出すなんていったいどうしちゃったんだろう」なんて不信感すら抱いてました(笑)とんねるずだけの音楽活動を望んでいたので。
わからんもんですね。いまはこんなに好きなんだから。
当時からの野猿ファンのみなさんとは思い入れはもちろん違うでしょうけれど。ファン歴浅くていろいろ語っちゃってることがお恥ずかしいです(汗)

野猿がなぜ終わったのか、ですが、単純に、メンバーが普通のスタッフである以上、「本職」をやめさせてまで野猿を長く続けることはできないと、はじめからわかっていたんじゃないでしょうか。3年半も続くとも、思ってなかったんじゃないかな?想像だけど。
人気がなくなったからやめた、というような事じゃなく、野猿としてやれることをめいっぱいやって、潮時が来た、という事じゃないのかなあ。

まりさんがカンちゃんのライブ記事でも書いておられるように、カンちゃんは葛藤があっただろうなと、何となく感じてました。そして、きっととんねるずにも、ものすごい葛藤があったと思うんですよ。
とんねるずがどんなに深く野猿を愛し、野猿を楽しんでいたか、ビデオを観るだけでも伝わってきますもの。撤収して、また二人だけに戻って、ちょっとした燃え尽き症候群だったんじゃないかとすら思う。だって撤収前後くらいからソロ活動がすごく増えたしね。すぐ後には親友の吉野さんもご病気になったりしたし、ファンにはわからないこともいっぱいあるだろうけど、とんねるずにとってはとてもしんどい時期だったんじゃないかと想像するんです。

今のところは、これくらいしかわたしには言えないですね~
それにしても野猿という存在は、非常に不思議ですね。単なる音楽ユニットという以上の不思議な力を秘めている団体だと思います。ファンの皆さんがあれこれ考えて悩まれるのも、わかる気がします。

タイトルの件、了解です。「の」ってなんかかわいいけど(笑)



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まりさん PS (ファイアー)
2011-05-29 23:58:49
もしよろしければ、こちらの過去記事を読んでみてください。

とんねるず的終末思想
http://blog.goo.ne.jp/eyan_fire/e/0dc16552ace43a7f106220187e05aa5c

読み直すとかなり舌足らずな文章で申し訳ないですが、ひょっとしたら何かのご参考になるかも。
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Unknown (VSNF)
2013-09-10 13:51:52
ご無沙汰しております。
先日「スペシャワプラス」で「野猿」の「Get down」のPVを観て、懐かしく思いましたので書き込みさせて頂きます。

ご無礼な発言等にはたいへん申し訳ありません。

「野猿」はデビュー曲の「Get down」が衝撃的でしたね。
90年代後半に差し掛かりもうパロディー概念は通用しなくなったと思っていたのですが、そういった概念も含めて衝撃的でした。
やはり(世間的に見て)ギリギリの歌詞も含めて、「秋元康」氏の手腕に尽きるでしょうね。

パロディーに引っ掛けると、「ナンシー関」さんも書いていたことなのですが、私も「みなさんのおかげです」終了以降「山田邦子」同様「とんねるず」も淘汰されていくと思っていたので、「野猿」のブレイクで再び全盛時代を迎えたこと自体以外でした。(「小林信彦」さんも「とんねるず」は「笑いの感覚自体ズレてしまった」とお書きになっていましたが)

そもそも「みなさんのおかげです」が終了して1年ほどは、露出をやたらに増やし、ことごとくコケていた印象があるのですが・・・・・

いずれにしましても「野猿」のブレイクがなければ「とんねるず」自体今頃消えていたと思います。(上記の方々がおっしゃっている通り)

あと私も地上波テレビをほとんど見ないので詳しいことは分かりませんが、今秋に入って「ダウンタウン」の番組が立て続けに終了しているようですね。

今「とんねるず」も含めたかつて「お笑い第三世代」と呼ばれたあたりの方々が次々に淘汰されつつあるように思えますが、「とんねるず」は大丈夫ですかね?

最近「ウッチャンナンチャン」なんかもテレビで、ほとんど見かけなくなった印象を受けるのですが・・・・・
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VSNFさん (ファイアー)
2013-09-14 20:08:08
おひさしぶりです!
過去記事へのコメントありがとうございます。
野猿のPV、流れましたかあ!見たかったな~
「Get Down」から後年のPVをずっと見てると、彼らのすさまじい成長がわかりますね。
普通に良い曲ですしね(笑)
このエントリーでも書いてますが、デビュー曲をおちゃらけじゃなく
マジメに作ったことが良かったのかもしれません。

>「野猿」のブレイクがなければ「とんねるず」自体今頃・・・

なるほどね~そういう見方はしたことなかったから、興味をそそられました。
「消えてた」かどうかは別として、確かに仰る通り野猿のブレイクは、
とんねるずの新たな飛躍にとってすごく大きなことだったんでしょうね。
以前からのワンフーとは違う層のファンも増えましたし。
ただ、それはあくまで結果論ですね。
あの2年はとんねるずのいわば番外編というか。
スタッフたちが本業をなげうって頑張ったんだから、とんねるずも必死だったと思う。

>かつて「お笑い第三世代」と呼ばれたあたりの方々が次々に淘汰

ううむ、そうですねえ・・・
「淘汰」という言葉を使うのであれば、第3世代はもうとうの昔に淘汰されてると思いますよ。
仰るようにウンナンはもうコンビとしては機能してないし、
DTもコンビとしての全盛期はかなり早くに終わっていたと、個人的には思う。
(もっとも彼らは漫才コンビという武器はありますけど)
とんねるずも、やはり若い芸人さんとからんでると、古さを感じる場面は多いです。
ただとんねるずには、野猿はもちろん、食わず嫌いと細かすぎてという最強企画があったから、
古く見せないようにするといううまさがあったんじゃないでしょうか。

「おかげです」終了後は、わたしはとんねるずから離れてしまってたので、
露出→コケるの図式については何とも言いようがないです。
おそらくVSNFさんの仰る通りでしょう。

日本の笑いって、アメリカなんかと比べると、移り変わりが激しいんですよね。
若者が支持しなきゃ人気が出ないし。続かないし。
だから、そんな中で何十年も第一線で活動しているというのは、
わたしはもうそれだけですごいことだと思っちゃう。
淘汰されるされないという次元は、もう超えてるんじゃないかなあ。

ああ、とんねるずから離れてしまっていた数年間が悔しいです^^;
ちゃんと見てれば、もっとちゃんと考えられたんですけれど。
なんか中途半端ですみません・・・
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Unknown (VSNF)
2013-09-15 13:00:54
返信ありがとうございました。

「野猿」直前の「とんねるず」に対しては私も「ナンシー関」さんと同じ見方をして見ていました。

「ナンシー関」さんは「みなさんのおかげです」終了と同時に「とんねるず」が死んだと思ったと分析しており、その要因として、「とんねるず」自体が老いたというより、そのファンが老いてしまった(30過ぎて所帯を持つ世代になってしまった)ことが死因の原因だと分析なさっておりました。

「野猿」については「また同じ手法で蘇生した」と分析なさっていましたが、実感としては私も同じ思いです。

露出に関しては確か、「みなさんのおかげです」終了以降露出がやたら激増して週に4、5本は出ていたと思いますが、その中の一番組について「ナンシー関」さんが取り上げていて、酷評していましたが、(スポーツ番組だったと思うのですが)こちらも同意です。

まあ何にしましても、露出自体控えめにするのが、安定した賢いやり方であるとは思います。

「第三世代」に関しては淘汰という言葉に語弊があるになら、終焉と言っても良いと思います。
「ウンナン」に関しては「ズレ」も大きいですが、若手の二人組コンビが次々に台頭してきたのも原因として大きいと思います。

何にしましても「ドリフ世代」というのが、「さまぁ~ず」あたりがギリギリであるとは思いますが、これら世代の感覚がズレてしまっているのは事実だと思います。

「ファンをお離れになっていたとの事ですが」「野猿」時代ですが、個人的に「木梨憲武」自体が集団に埋もれてしまった感があるのが残念でした。(前に出ればもっと面白いのですが・・・・・)

「ナンシー関」さんがスポーツ番組と共に酷評していた、「みなさんのおかげです」の後番組「本汁でしょう」についてはファンとしては「あららっ」という印象だったのでしょうか?
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VSNFさん (ファイアー)
2013-09-17 02:45:59
「おかげです」終了後については、番組を見ていないので何とも言えないのですけど、
模索の時期だったのかもしれないですね。
もともととんねるずは、他のタレントさんに比べて露出が少ないのが特徴でしたからね。
それでも長くやっていれば、変化を求めたり、迷ったりもあるでしょうし。

ナンシー関さんのお笑い評は恥ずかしながら読んだことがないんです。
確かとんねるずびいきでらっしゃったはずだから、愛ある批判なのでしょうね。
とんねるずの「おいにい」という本でイラストを描いたりしてますよね。
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Unknown (VSNF)
2013-09-17 14:33:43
返信ありがとうございました。

私が「笑い」、「テレビ論」について心の師と仰いでいる方がいまして、その方の数年前の意見ですけど、「とんねるずは現在も露出を増やすことなく、良い仕事をしていると思います。」とおっしゃっておりました。

「おかげです」直後の番組については近年の(「とんねるず」主演の)「TBS」関連の番組や、最近の歌番組の司会などについて、否定的な見解を示していたみたいですし、観ない方が良いと思います。(そもそも笑い自体がありません。)
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VSNFさん (ファイアー)
2013-09-18 10:29:08
「本汁でしょう」などの話だけは読んだりしますけどね。
「おかげです」終了後に離れてしまった自分も、
やっぱりナンシー関さんと同じ思いだったのかもしれないです。
基本的にとんねるずのコントが好きでたまらなかったから(皆さんそうでしょう)、
コントをやらないとんねるずって、当時は受け入れがたかったんでしょうね、自分的に。
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