とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ローレル&ハ-ディのビッグ・ビジネス

2009年05月30日 03時00分42秒 | バスター・キートンと仲間
『ビッグ・ビジネス』
(Big Business J.W.ホーン監督 1929 アメリカ)


市毛良枝さんが出ていたおかげですコント「木曜旅情サスペンス」で、家族中がパイをぶつけられてクリームまみれになる、というのがありました。

似たアイディアの短篇映画が、ローレル&ハ-ディにもあります(タイトル忘れちった)。
大勢の人々が、路上でただただパイを投げつけ合うだけ、という・・・(笑


バスター・キートンを熱愛するあまり、同時代のサイレント喜劇にも興味を持つようになりました。

ローレル&ハ-ディを初めて観たのは『天国二人道中』という長編映画のDVD。
というか、これが日本で唯一DVD化されてる彼らの作品なんですけどね。

サイレント期から活躍していたのに、トーキー作品しかDVDになってないってのも問題あるよなあ・・・

と、ブーたれつつ観てみたら、いっぺんで好きになってしまった。

で、どうしてもサイレント作品が観たくなり、IVCから発売された『リバティ/ビッグ・ビジネス』のVHS(現在は廃盤)をゲット。

ますます好きになってしまった!

二巻物が2本収録されていて、『リバティ』もおもしろいけど、わたしは『ビッグ・ビジネス』の方が良かった。
お腹かかえて爆笑しました。


カリフォルニアでクリスマスツリーのセールスをするローレル&ハ-ディ。

・・・一年中温暖なカリフォルニアでクリスマスツリーを売ってる時点で、すでにちょっと可笑しいんだけど、ふたりともこれみよがしに手袋やファーのついた厚いコートを着込んでる。

ツリーをいっぱい車に積んで最初のお宅へ。売れない。
お隣へ移動。やっぱり売れない。
そのまたお隣へ。
ここも売れないが、陰険な主人が思いっきり閉めたドアにツリーの枝がはさまってしまう。
しかたなく呼び鈴を押すふたり。
ツリーは無事とれるが、今度はローレルのコートがはさまる。
また呼び鈴・・・といったお約束を何度もくりかえしているうち、とうとう主人は怒って、ツリーの枝をちょんぎるといういやがらせ。

ローレルとハ-ディ、キレる。

そこから、互いの家や車を猛烈に破壊しまくる場面がえんえんと続く!

これがもう、とにかくクレイジーですごいんです。
いかにも温厚そうなふたりがキレまくって暴れまくるから、よけいにインパクトがある。

ハ-ディ(愛称「ベイブ」)はノッポでふとっちょの可愛いキューピーさんみたいだし、ローレルはなで肩でやせっぽちで頼りなさそう。

そんなふたりのルックスからは想像もつかないような破壊力。
はじめは何ごともなく始まるのに、だんだんエスカレートして・・・というところのリズム感がたまりません。


日本では、「極楽コンビ」として愛されました。
ずーっと前にどこかの記事で、「コメディアンが長年コンビとして活動するのは日本だけかも」なんて書いたような記憶がありますが、まー知らないってことはおそろしいですね。

アメリカには、世界一有名なコンビがいたんです。

しかも彼らは、まさに生涯添い遂げたコンビ。
オリバー・ハ-ディが亡くなったあと、スタン・ローレルはソロで活動することも別の相方と組むこともなく、静かに表舞台から去ったといいます。




うを~もっと観たいぞローレル&ハ-ディ!!







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